伝説の暗殺者とDEA捜査官が国際テロリストを追うノンストップ・ガンアクション!
ティボー・タカクスが監督を務めた、2022年製作のアメリカのノンストップ・ガンアクション映画『ブラック・ダイハード』。
国から暗殺の仕事を請け負っていた伝説の暗殺者(スナイパー)ニックは引退後、穏やかな生活を送っていましたが、友人からの相談で再び仕事を引き受けることに。
一方、DEA捜査官のアンソニーは、麻薬取引の摘発のためにある倉庫に踏み込みましたが、容疑者の1人に相棒を殺されてしまいます。
暗殺者とDEA捜査官という何の接点もないはずの2人が、全く異なる経緯で国際テロリストの凶行を阻止するべく奮闘します。
映画『ブラック・ダイハード』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『ブラック・ダイハード』の作品情報
【公開】
2022年(アメリカ映画)
【脚本】
D・グレイス・ロモンド、ジョシュア・A・コーエン、ハビエル・レイナ
【監督】
ティボー・タカクス
【キャスト】
トム・ベレンジャー、カム・ギガンデット、ジョナサン・アビドリ、ジェフ・フェイヒー、ハニ・アル・ナイミ、サラ・シード、ヘレナ・ハロ、ラファエル・カブレラ、ジョー・チャコン、ロドリゴ・アベド、カルロス・アイラガス
【作品概要】
『ザ・ゲート』(1987)や『ブロウバック』(2023)のティボー・タカクスが監督を務めた、アメリカのノンストップ・ガンアクション作品です。
『プラトーン』(1987)や「山猫は眠らない」シリーズのトム・ベレンジャーが本作の主演を務めています。
映画『ブラック・ダイハード』のあらすじとネタバレ
国から暗殺の仕事を請け負っていた伝説の暗殺者(スナイパー)ニックは引退後、メキシコで穏やかな隠居生活を送っていました。
そんなある日、ニックのもとに、ニックの友人フランシスが訪ねてきました。ニックはフランシスの頼みで、3人の男の暗殺を引き受けることに。
一方、麻薬取締局(DEA)の捜査官アンソニー・ヴァンオーウェンは相棒のフアンと共に、メキシコの麻薬組織の倉庫を強制捜査しました。
しかしそこに隠れていた犯罪者を取り逃してしまった挙句、ファンがその男に殺されてしまったのです。
それに麻薬組織の倉庫からは、中国から輸入したというシャンデリアとその部品しか見つかりませんでした。
その代わりに、ファンの仇である犯人の名前はサカリアス・サパタ(通称ジーコ)、メキシコのエルホンゴ刑務所に収容されていましたが、何者かが保釈金を支払い出所したことが分かりました。
じゃあジーコ以外に悪党はいなかったというのかと思ったアンソニーのもとに朗報が。
あの倉庫にいた者の中で唯一メキシコ人ではなかった男性マネージャーを怪しんで指紋を調べた結果、FBIやインターポール(国際刑事警察機構)、ユーロポール(欧州警察機関)、トルコの調査機関すべてで指名手配されているトルコ人のポラーだったことが分かったのです。
2時間も拘留され追い詰められたポラーは、国際テロリストのフセイン・ビン・ファインの資金洗浄役をしていたことを白状します。
さらにポラーは、ビン・ファインは一見普通のシャンデリアに見える装置を使って国全体の電力を止め、世界経済を崩壊させるというテロを計画していると話しました。
そのうえで、ポラーは「そのテロ計画の詳細や資金洗浄に使っているダミー会社の情報、そしてビン・ファリと彼の仲間のジーコの居場所を教えて欲しければ、俺と取引しろ」とアンソニーたちに要求するも、聞く耳を持ってくれません。
その後、高級ホテルのスイートルームに移動したポラーを迎えに行ったアンソニーは、彼をFBIが待つ国境まで護衛なしで送り届けようとします。
しかしホテルから出た瞬間、ポラーはアンソニーの目の前で頭を打たれて死亡。アンソニーは向かいのビルに急行します。
12歳ぐらいの少女に目がなく、若い娘を次々と売春婦にさせるというクズでもあったポラーを狙撃し殺害したニックは、アンソニーと入れ違いでビルから立ち去っていきました。
重要な証人を失って落ち込むアンソニーのためを思って、上司のエスカランテ警部はポラーの携帯データにあったメキシコ・ティフアナにある高級レストラン「パララックス」への張り込みを命じます。
なんでもポラーやビン・ファイン一味は、今月は少なくとも6回もパララックスを訪れているというのです。
既に向かいの建物から張り込みを行っているため、アンソニーは応援として加わることに。
しかし肝心のパララックス内部の音声が拾えません。
そこでアンソニーは、パララックスのキッチンで働く女料理人のミーナに声をかけ、アンソニーが入ることができなかったVIP席のテーブルに盗聴器を仕掛けてほしいと、捜査への協力を求めます。
その日の夜。ミーナはVIP席のテーブルに盗聴器を仕掛けることに成功。
ようやく音声が拾えるところで、アンソニーたちはテラス席にきた怪しい男たちの姿を確認。彼らの会話を静かに盗聴します。
しかし男たちの話の中に出てきた、携帯電話のネットワークに接続した装置が何か分からないまま、男たちは壁に隠れられる席に移動してしまったのです。
挙げ句の果てに、突然謎の停電が2回発生。ようやく電力が復旧したと思ったら、謎の襲撃者が男たちを銃撃したのです。
アンソニーはパララックスへと急行。DEAの捜査官だと名乗り、謎の襲撃者を逮捕しようとします。
ところが、謎の襲撃者は狼狽えることなく発煙弾を投下し、アンソニーの前から姿を消したのです。
その謎の襲撃者はニックのことで、彼はビンファリとテロ組織をつなげている標的のムスタファーを殺しにきました。
ニックは四駆の車を運転する傍ら、ムスタファーを殺害したことを、彼の死体を撮影した写真を添付して報告しました。
翌日。アンソニーは現場に駆けつけた警部から聞いて、昨夜の停電はパララックス周辺だけでなく、街全体にまで及んでいたのだと知りました。
アンソニーたちが張り込みで使ったカメラの映像を注意深く観察した結果、テラス席にいたのはビン・ファインとその護衛数名、ジーコがいたことが判明。
さらに彼らから大金をもらっていた男が、まるでテレビのリモコンのようにボタン1つで街全体の電力を止めたことが分かりました。
つまり昨夜の停電は、ポラーが話していたビン・ファインのテロ計画のリハーサルだったことにアンソニーたちは気づきます。
映画『ブラック・ダイハード』の感想と評価
国家の敵を排除するのが仕事であった伝説の暗殺者ニックと、母を亡くし父に見捨てられた悲しい過去をもつDEAの捜査官アンソニー。
正反対な仕事をしている2人が、実は親子だったという設定に誰もがビックリしたことでしょう。
20年ぶりの親子の再会。互いに最初は気づいてはおらず、パララックスで対峙した時にDEAの捜査官だとアンソニーが言わなければ、ニックは殺していたかもしれないと、劇中で語っています。
それはアンソニーも同じだったことでしょう。顔を見たことでニックが父だと分かるまで、彼は自分たちの捜査対象を殺す謎の殺し屋としかみていなかったと推測します。
最初はギクシャクとした感じだった2人が、ニックがいかに息子を大事に思っているか、命懸けでアンソニーを救ったことが、親子の溝を埋めていきました。
ニックたち親子が、それぞれ憎っくき仇に正義の鉄槌を下した姿は、初めて一緒に戦ったとは思えないぐらいに息がピッタリで、とても格好良いです。
それになんといっても、ニックたち親子がフアンを助けられなかったせめてもの罪滅ぼしにと思い、ビン・ファインから騙し取った100万ドルを、ファンの妻子がより良い暮らしができるようにとプレゼントしたのが胸をキュンとさせます。
まとめ
国家の敵を排除してきた伝説の暗殺者ニックと、彼の息子であるDEAの捜査官アンソニー。世界経済の崩壊を企む国際テロリストの復讐心が激しくぶつかり合う、アメリカのノンストップ・ガンアクション作品でした。
ニックの標的である国際テロリストのビン・ファインのテロ計画は、ニックたち親子の活躍により失敗しました。
ですが、エスカランテ警部が見つけた装置は完成間近だったため、あと少しビン・ファイン一味を追い詰めるのが遅かったら、今度はもっと広範囲の電力が止められ経済に影響が及んでいたと考えるとゾッとします。
その一方で、物語の後半からラストにかけて、あれだけギクシャクとしていたニックたち親子がまた昔のように笑顔で笑い合うようになっていった姿に感動。
フランシスから依頼された仕事を、親子2人でやる姿も見てみたかったです。
伝説の暗殺者ニックをイケおじ俳優トム・ベリンジャーが熱演する、最後まで目が離せないノンストップ・ガンアクション映画が観たい人にとてもオススメな作品となっています。