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Entry 2019/07/12
Update

【ダイナー映画ネタバレ】本郷奏多演じるキッドが子供の理由は過去に秘密が⁈実写再現力は演技の賜物

  • Writer :
  • さくらきょうこ

2019年7月5日に公開された映画『Diner ダイナー』。

平山夢明の小説『ダイナー』を原作としながら、蜷川実花監督がその色彩感覚で新たな世界を描いた映画『Diner ダイナー』。

(C)2019 映画「Diner ダイナー」製作委員会

本作の中で最もクレイジ―と言っても過言ではないキャラクター・キッド

彼の過去や背景は映画内ではほぼ描かれていませんが、演じた本郷奏多の演技力によってそのクレイジーさに説得力が生まれました。

本記事では本郷奏多の魅力と、キッドの秘密を紐解いて行きます。

映画『Diner ダイナー』の作品情報


(C)2019 映画「Diner ダイナー」製作委員会

【公開】
2019年(日本映画)

【原作】
平山夢明『ダイナー』(ポプラ社刊)

【監督】
蜷川実花

【脚本】
後藤ひろひと、杉山嘉一、蜷川実花

【キャスト】
藤原竜也、玉城ティナ、窪田正孝、本郷奏多、武田真治、斎藤工、佐藤江梨子、金子ノブアキ、小栗旬、土屋アンナ、真矢ミキ、奥田瑛二、川栄李奈、コムアイ、板野友美、木村佳乃、角替和枝、品川徹、内田健司、前田公輝、吉村界人、真琴つばさ、沙央くらま、木村佳乃、宮脇咲良、AMI、AYA、エリイ、中村里砂、マドモアゼル・ユリア、MEGUMI、SHIHO、井出らっきょ

【作品概要】
平山夢明の小説『ダイナー』(ポプラ社刊)を実写映画化。

『人間失格 太宰治と3人の女たち』(2019)公開を控える蜷川実花監督が、極彩色に輝く独特の世界観を作り上げました。

多くの個性的なキャラクターを体現し、「デスノート」「カイジ」シリーズをヒットに導いてきた藤原竜也が、元殺し屋の天才シェフ・ボンベロ役で主演を務めます。

物語の鍵を握る少女オオバカナコ役を玉城ティナが演じるほか、窪田正孝、本郷奏多、斎藤工、小栗旬、土屋アンナ、奥田瑛二ら豪華キャスト陣が殺し屋役で出演。

“全員殺し屋”という設定から生まれる予測不能な物語を紡ぎます。

映画『Diner ダイナー』のあらすじ


(C)2019 映画「Diner ダイナー」製作委員会
オオバカナコ(玉城ティナ)は、幼い頃母に捨てられ、誰も信じられず、誰にも信じてもらえない孤独な女性。

ある日カナコは、偶然見かけた外国の風景に魅せられ、その彩り豊かな街に行ってみたいと思うようになります。

その費用を稼ぐため、カナコはあぶない仕事に手を出して、ギャングに売りとばされてしまいました。

カナコを買ったのは、元殺し屋の天才シェフ・ボンベロ(藤原竜也)。

3重の扉で閉ざされたその店「Diner」は、極彩色に彩られた殺し屋専用のレストランでした。

些細なミスで殺されかねない状況で、カナコのウェイトレスとしての地獄の日々が始まります。

傷だらけのスキン(窪田正孝)は、殺し屋とは思えないほどもの静かでおだやか。カナコを気づかい、何かと助けてくれます。

キッド(本郷奏多)は人なつこい男の子。カナコに「一緒にここから逃げよう」と持ちかけてきますが…。

ボンベロの愛犬・菊千代は、見た目は獰猛な殺人犬ですが、実はイチゴが大好き。

様々な殺し屋に囲まれながら、カナコは徐々に生きる意味を見出し始めます。

そんなある日、「Diner」で亡きボス・デルモニコの一周忌が開かれることに。

跡目を狙う殺し屋たちが一堂に会するその日、カナコの目の前で激しい争いの火ぶたが切って落とされるのでした。

映画『Diner ダイナー』の感想と考察

子どもの殺し屋?キッドの秘密

参考動画:映画『Diner ダイナー』公開記念ナビ番組~美しきキャストたち~

本郷奏多演じるキッドは、見た目は子ども、本性は大人の残忍な殺し屋です。

子どもの姿なら相手が油断するから仕事がしやすい、そんな理由で全身を整形し骨格までいじった彼は、今回の登場人物の中で最もクレイジーと言っていいでしょう。

その歪んだ性格は彼の生い立ちによるもので、映画では描かれていませんが、原作によると彼の母の祖母も体を売って生活をしており、彼自身も生まれた直後に売られた過去を背負っています。

そして、他の職業的な殺し屋とは異なり、残虐な殺人行為そのものを楽しんでいるのがキッドの特徴です。

ボンベロに死体を片付けるように言われたキッドは、まるでおもちゃを与えられた子どものように「やったぁ!」と声を上げて死体を切り刻み始めます。

無邪気な子どもっぽさと残忍性をあわせ持つ、ぶっ飛んだキャラクターに命を吹き込んだのは実写化俳優の草分け、本郷奏多の手腕によるところが大きいです。

本郷奏多は憑依型職人

参考画像:映画『凜-りん-』の1カット

©2018 吉本興業

憑依型と呼ばれる俳優はたくさんいます。

本作でスキンを演じている窪田正孝は憑依型と言っていいでしょう。

また、松山ケンイチや山田孝之、綾野剛などもそう呼ばれていますが、彼らはいずれも主演級の俳優です。

本郷奏多はもちろん主演作もありますが、脇で光る職人的な憑依型だと言えます。

近作でいうと、『キングダム』(2019)の成蟜役は原作ファンをうならせる再現度で、観客に強烈な印象を与えました。

又吉直樹原作の『凜-りん-』(2019)では、年下の俳優陣に混じって学生服姿の高校生を違和感なく演じています。

『鋼の錬金術師』(2017)でのエンヴィーや「GANTS」シリーズの西丈一郎など、実写化に厳しい観客に好意的に受け入れられることが多いのは、役に対する彼の真摯な向き合い方によるところが大きいようです。

原作を読み込み、納得のいくまで役にアプローチするその強い意志によって、抜群の安定感を得ているのです。

撮影中のエピソード

参考:『Diner ダイナー』ツイッターアカウント

最初、「子ども役なんだけど」とオファーを受けたときは、「ん?意味が分からないぞ」と思ったという本郷。

しかしその後、キッドのキャラクターを知ると、是非やりたい!と思うようになったそうで、こんな振り切った役はなかなか演じるチャンスは無く、役者として演じて楽しいと語っています。

ただ、キッドの衣裳を身につけたときは、「僕、もう27歳(撮影当時)なんだけど…」と恥ずかしかったそうですが、蜷川監督が褒めてくれたので頑張れたそうです。

作品の中では違和感のないキッド。それもそのはず、キッドのからだの部分は本物の子どもが演じていて、本郷の顔と合成しているのです。

撮影時、本郷はその子役といっしょにゲームをしたりして遊んだそうです。

オタクとしても知られる彼らしいエピソードですね。

まとめ


(C)2019 映画「Diner ダイナー」製作委員会

5歳の頃からモデル、そして俳優として活動してきた本郷奏多。

彼は自分という存在を理解し、それを裏切らない俳優です。

ガンプラ好きのオタク、異常なまでの潔癖症、そしてリスク回避のため恋愛はしない…等々、“本郷奏多”という人物の見せ方を知っています

最近の公の場での発言や、バラエティ番組での立ち居振る舞いがそれを裏付けています。

彼は役だけでなく、自分をも徹底的に研究しつくして演じる、生粋の役者なのかもしれません。

映画『Diner ダイナー』は2019年7月5日より公開です。






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