岡田准一主演の映画『燃えよ剣』2020年公開!
国民的作家・司馬遼太郎による伝説の幕末小説『燃えよ剣』が実写映画化されることになりました。
『関ヶ原』(2017)の原田眞人監督と岡田准一が再タッグを組み、柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介、伊藤英明といった実力派キャストが名を連ねています。
映画は土方歳三の没後150年となる2019年に製作。
この記事では映画の情報や、キャストのコメントに触れつつ、原作者の司馬遼太郎についてお伝えしていきます。
CONTENTS
映画『燃えよ剣』作品情報
【公開】
2020年(日本映画)
【原作】
司馬遼太郎『燃えよ剣』(新潮文庫刊)
【監督・脚本】
原田眞人
【キャスト】
岡田准一、柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介、伊藤英明
【作品概要】
『関ヶ原』(2017)を第41回日本アカデミー賞10部門受賞に導いた、原田眞人監督と岡田准一が再び手を組みます。
原作は『関ヶ原』と同じく、司馬遼太郎による幕末小説『燃えよ剣』。
新撰組の3本柱、土方歳三を岡田准一、近藤勇を鈴木亮平、沖田総司を山田涼介が演じます。
また本作のヒロインであり、司馬遼太郎が小説のオリジナルキャラクターとして描いた、土方歳三の恋人お雪に柴咲コウが扮します。
映画『燃えよ剣』あらすじ
武蔵国多摩郡石田村(現在の東京都日野市石田)に生まれた農民の子、土方歳三。
「バラガキ(イバラのような乱暴者)のトシ」と呼ばれた彼には、組織作りの才能がありました。
江戸幕府将軍の守護のために結成された新撰組は、当初、農民の子や浪人の寄せ集めに過ぎませんでした。
新撰組の初代局長・芹沢鴨を暗殺したのち、近藤勇を局長へと押し上げる土方。
土方は近藤勇を補佐し、自らは“鬼の副長”として憎まれ役に徹し、組織作りに力を注ぎます。
新撰組は彼の統率で、幕末最強の集団へと変貌していき…。
土方歳三役・岡田准一
土方歳三を演じることになった岡田准一。
原田眞人監督から司馬遼太郎さんの名作、「燃えよ剣」の土方歳三という、身に余る大役をいただきました。以前に原田監督作品に出演させていただいた「関ヶ原」に続き日本の変革の1つです。変革の時代を演じることは、やりがいのあるタフな作業になりますが、共演者の皆さん、スタッフの皆さんとこの作品を乗り越えて行きたいと思います。土方歳三の人生を覚悟と畏敬を持って楽しんで演じたいです。原田監督が作り上げる生っぽい激動の幕末をご期待下さい。
身に余る大役と謙遜しながらも、土方の人生を覚悟と畏敬を持って楽しんで演じたい、と前向きにコメントしています。
実在の土方歳三は写真も残っているように、かなりの二枚目。
原作でも女好きの色男で、喧嘩っ早いが頭が切れる魅力的な人物として描かれています。
そんな土方を、岡田准一がその身のこなしと目力でどのような色付けをしてくれるのか、期待しています。
原田眞人監督から岡田准一へ
信頼の絆で結ばれた原田眞人監督と岡田准一。
本作もその固い絆で作り上げているとわかるのが、以下の監督のコメント。
岡田准一さんは超一流の武芸者が俳優のふりをしているような人。今回は主役の土方歳三のみならず土方が絡むすべての剣技の構築・指導も委せている。映画史上最高の土方歳三、時代劇史上最高の立ち役が生まれると、私は信じている。
主役だけではなく、殺陣の指導まで任せるとは、岡田准一への深い信頼が窺えますね。
映画史上最高の土方歳三、時代劇史上最高の立ち役の誕生を心待ちにしています。
沖田総司役・山田涼介
新撰組ファンからの人気が高い新選組一番隊組長・沖田総司役を演じる山田涼介からはこんな緊張のコメントが。
錚々たる共演者の皆様の中でお芝居をさせていただくことに緊張する一方、武者震いしています。
僕にしか出来ない表現で沖田を描きたいと思っていますし、原田監督、そして先輩の岡田君と共演するのは初めてで、先輩方の背中を見て、この作品の中で多くのことを吸収して、沖田を生き抜きたいと思います。
数々の小説、映像作品などで描かれてきた沖田総司。
年若くして新撰組の一番隊組長として頭角を現したものの、志半ばで病死。
誰にも敵わない剣の腕を持ちながらも儚い人生を送った沖田総司を、山田涼介がどのように自分のモノにしていくか楽しみです。
きっと土方と近藤の背中を見てきた沖田さながら、先輩俳優の背中を見て、大きく伸びやかに演じてくれることでしょう。
原田眞人監督から山田涼介へ
山田涼介を沖田総司へと導く原田眞人監督は、こう語っています。
山田涼介さんは作品を見る度に、彼の演ずる沖田総司を見たいという思いが強くなった。俊敏な剣技も、儚げな微笑みも、土方との軽やかな会話もすべてが「スクリーン上の沖田総司であるべき人」のベクトルを指している。
山田涼介の出演作を見て、沖田総司だと確信した監督。
確かに、山田涼介なら俊敏な剣技も、儚げな微笑みも、土方との軽やかな会話も全て沖田総司として実在させてくれるに違いありません。
近藤勇役・鈴木亮平
NHK大河ドラマ『西郷どん』の徹底した役作りも話題になった鈴木亮平。
局長、近藤勇を演じる彼はその決意を語りました。
何者でもない。
侍ですらなかった若者たちが、いかにしてあれだけの力を持ち、畏怖される集団になっていったのか。仲間さえも殺してまで作り上げたかったもの、守りたかったものとは何か。
映画という別の世界で、近藤勇という一人の男として再びあの時代に入り込み、欲も恐れも友情も、全て肌で受け止めながら生きてみようと思います。
原田監督と敬愛する岡田さんのもと、一丸となり、皆様に新しい新選組の肖像をお見せします。ご期待ください。
土方とは対照的に、真っすぐな男として描かれている近藤勇。
全て肌で受けめる覚悟をした鈴木亮平ならば、個性的な新撰組の面々をまとめ上げてくれる事でしょう。
原田眞人監督から鈴木亮平へ
原田監督は鈴木亮平が近藤勇と確信してのキャスティング。
近藤勇はデビュー以来、「私のイサミ君」と思い続けて来た鈴木亮平さんを迎えることができた。西郷どんで付けた27キロ分を削ぎ落として、見事な男振りである。
デビュー以来ということは、鈴木亮平が俳優デビューした2006年のテレビドラマ『レガッタ〜君といた永遠〜』以来ということでしょうか。
つまり13年間も思い続けてきた監督の希望が叶ったというわけですね!
そして27キロも減量して男振りを上げた鈴木亮平、必見です。
お雪役・柴咲コウ
土方と惹かれあうヒロイン・お雪役を務める柴咲コウ。
時代劇への参加は、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』(2017)以来になります。
今回初めて顔を合わせるメンバーに囲まれての撮影とのことで、柴咲コウはこう話しました。
初めて演出していただく原田監督。初共演の岡田准一さん、鈴木亮平さん、山田涼介さん。世の中で語り継がれる新選組。
司馬遼太郎さんの長編歴史小説のオリジナルキャラクターであるお雪を、時代に翻弄されながらも凛として生きる女性として、素直に表現できればと存じます。
ちょっぴり気が強いけれど、一途に土方を思い続けるお雪。
時代に翻弄されるお雪と、初めての監督・共演者との撮影に飛び込む柴咲コウは、きっと素晴らしい相乗効果を見せてくれるはずです。
原田眞人監督から柴咲コウへ
本作で柴咲コウを初めて起用した原田眞人監督は、名監督のヒロインに例えながら絶賛しています。
ヒロインのお雪は土方の思い人であると同時に司馬先生の思い人であるようにも思う。原作にある絵の素養を映像的にも広げたインディペンデント・ウーマンとして柴咲コウさんに演じてもらう。彼女にはホークス作品のヒロインに通ずる凛とした美しさと男世界で生き抜く逞しさがある。
ハワード・ホークス監督作のヒロインに通じると評した原田眞人監督。
お雪土方歳三の思い人、司馬遼太郎の思い人、そしてさらには原田眞人監督の思い人として描かれるかもしれません。
柴咲コウのしなやかな美しさに皆が魅了されることでしょう。
芹沢鴨役・伊藤英明
土方や近藤と対立して新選組を追われる初代筆頭局長・芹沢鴨を演じるのは伊藤英明。
“悪役”ともいわれる芹沢鴨を演じるにあたり、伊藤英明は思いの丈を語りました。
芹沢鴨という強靭な男を演じさせていただくことになりました。
岡田君が演じる土方に対して、全力で対峙したいと思います。
一緒にお芝居ができるのが本当に楽しみです。
原田監督とは初めてですが、誘っていただき大変光栄です。
改めて、俳優という仕事に全力で臨みたいと思っています。
自滅するかのようにだんだんと酒に溺れ、同志に殺された男、芹沢鴨。
伊藤英明ならばそんな芹沢鴨の強靭さと、根に抱える弱さを体現してくれるに違いありません。
原田眞人監督から伊藤英明へ
原田眞人監督が意外性を押し出したかったという、芹沢鴨のキャスティングについて、こう打ち明けました
土方、近藤、沖田がハマリ役の理想を突き進む以上、芹沢鴨の配役は「意外性」を前面に押し出したかった。本来なら公開まで名前を伏せたかったくらいだ。伊藤英明さんが引き受けてくれたのは幸運だった。私の考える鴨は、しらふなら土方、沖田がふたりがかりでも倒せない武門の人。近藤に欠けた教養もある。そして何よりも原作で沖田の口を借りて言わせている「私の知る限りいちばんの善人かもしれない」という要素を大切にしたかった。伊藤さんにはそれらがある。
確かに芹沢鴨には、酒グセの悪い恰幅の良いオジサンというイメージがあったため、伊藤英明の配役が発表され、意外ではありました。
ですが、監督が語ったように、教養があって腕も立つ人物であり、そしてなにより最初に新撰組を立ち上げたんですから人を引き付ける力が無ければいけません。
そう考えると納得のキャスティングです。
作家・司馬遼太郎
司馬遼太郎は、小説家、ノンフィクション作家、評論家。
本名は福田 定一(ふくだ ていいち)といい、ペンネームの由来は「司馬遷に遼(はるか)に及ばざる日本の者(太郎)」から来ています。
司馬遷とは、中国前漢時代の歴史家で、『史記』の著者のことです。
司馬遼太郎は1923(大正12)年、大阪市に生まれました。
大阪外国語学校蒙古語部(のち大阪外大、現大阪大学外国語学部)卒業。
1943年に学徒出陣。太平洋戦争では戦車部隊として従軍します。
戦争は非常に嫌な体験だったと司馬遼太郎は語っています。
復員して産経新聞社に入社し、文化部長、出版局次長を歴任。1961年まで13年間勤務していました。
この間に同人誌『近代説話』に参加。
1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。
1966年(昭和41)の『竜馬がゆく』『国盗り物語』による菊池寛賞をはじめ、多くの賞を受賞。
『坂の上の雲』『翔ぶが如く』『花神』『関ヶ原』『功名が辻』『峠』『菜の花の沖』といった小説、『街道をゆく』『この国のかたち』『風塵抄』などの紀行、エッセイ、対談などの多数の著作があります。
史実をもとに現代的な解釈を加えた歴史小説の新分野を開拓しました。
1996(平成8年)年2月12日、72歳で永眠。
遺された小説は今なお新たな読者を獲得し、生き続けています。
原作小説『燃えよ剣』とは
新選組副長・土方歳三を主人公に、近藤勇、沖田総司といった新選組の志士たちの人生と、彼らが生きた激動の時代“幕末”を描いた司馬遼太郎の小説『燃えよ剣』。
「バラガキ(乱暴者)のトシ」こと土方歳三が薬の行商をしていた多摩時代から新選組結成、各地での戦闘、そして箱館戦争において戦死するまでを躍動感たっぷりに描きます。
1962年から1964年に「週刊文春」で連載され、1964年の刊行から現在までの単行本、文庫を合わせた累計発行部数が500万部を突破した大ベストセラーです。
半世紀以上前の小説とは思えないほどのリズム感とテンポの良さ、登場人物たちの粋な会話は、読者を幕末の世界に誘ってくれます。
1966年には、市村泰一監督によって実写映画化されました。
その時の主演・土方歳三役は名優、栗塚旭が務めました。
参考映像:土方歳三を演じて50年になる栗塚旭
まとめ
大河俳優集結! #司馬遼太郎 「#燃えよ剣」が映画化🎬
新選組と副長・土方歳三を描く歴史スペクタクル超大作❗️■監督#原田眞人
■出演
土方歳三 #岡田准一
お雪 #柴咲コウ
近藤勇 #鈴木亮平
沖田総司 #山田涼介
芹沢鴨 #伊藤英明#映画燃えよ剣 は"2020年公開"🔥 pic.twitter.com/0lAPMJ1bjk— 映画『燃えよ剣』 (@moeyoken_movie) 2019年2月10日
映画『燃えよ剣』の撮影は2019年2月から4月にかけ、京都、滋賀、岡山などを中心に行われる予定です。
新選組史上名高い「池田屋事件」が起こった旅館・池田屋をオープンセットで当時のままに完全再現されるそう。
“鬼の副長”と呼ばれ剣に生きた土方歳三だけに、見どころはやはり殺陣の演技。
主演の岡田准一自らがの剣技の構築・指導を行っているというのも驚きです。
まだ発表されていない、斎藤一、藤堂平助、山南敬助、原田左之助などの新撰組隊士のキャストも誰なのか、続報が待ちきれません。
原田眞人監督が、“芝居はナチュラル、剣技はリアル”をモットーに作り上げる、世界勝負の本格的時代劇映画『燃えよ剣』は2020年に全国公開です!