10年のときを経て【復活】したコードギアス。
ゼロレクイエムから2年が経ち、平和が訪れた世界で再び戦乱が巻き起こります。
映画『コードギアス 復活のルルーシュ』作品情報
【公開】
2019年(日本映画)
【監督】
谷口悟朗
【キャスト】
ゆかな、櫻井孝宏、名塚佳織、小清水亜美、白鳥哲、新井里美、戸田恵子、村瀬歩、大塚明夫、島崎信長、高木渉、津田健次郎
【作品概要】
2006〜2008年にかけて計2シーズンがテレビ放送され、2017~2018年にはテレビシリーズを再構成した劇場版3部作が公開。人気アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』の完全新作劇場版。
仮面の男ゼロはナナリーの難民キャンプ慰問に同行しますが、謎のナイトメアフレームに敗れ、拉致されます。一方シュナイゼルの密命を受けた紅月カレンは、ジルクスタン王国でC.Cと再会。ゼロの運命、そして C.Cの思惑とは…。
監督はテレビシリーズ、劇場版3部作と同じく谷口悟朗、脚本も同様に大河内一楼が務めており、アニメーション制作もサンライズが担当しています。
映画『コードギアス 復活のルルーシュ』のあらすじとネタバレ
皇帝・ルルーシュの死から2年。世界は超合集国が統一し、平和な日々が続いていました。
難民キャンプの慰問に訪れたナナリーと、その警護をするゼロ=枢木(くるるぎ)スザクはKMF(ナイトメアフレーム)の集団から襲撃されます。
式典用のKMFで出撃するスザクは次々と敵を撃墜していきますが、正体不明のKMFに敗れてしまい、スザクとナナリーは捕まってしまいます。
スザクを倒したKMFのパイロット、ジルクスタン王国の王子、シャリオは「姉さんの予言が当たった」と口にします。
かつてルルーシュにギアスを与えたC.C(シーツー)は旅をしていました。
その傍らにはうつろな目をした黒髪の青年、死んだはずのルルーシュの姿がありました。二人は方々を旅しますが、ルルーシュはこれまでの記憶がなく、何かに怯えていました。
そんな二人はジルクスタン王国に辿り着き、その夜、街では何者かを追うジルクスタンの警備隊クジャパットの姿がありました。
その気配を感じ取ったC.Cですが、探索の目が自分達に向けられたものではないことを知りながら警戒します。
その時、何者かが部屋の扉を破り侵入、入ってきた人物はかつて共に戦った紅月(こうづき)カレンでした。
カレンは咲夜子(さよこ)、ロイドを伴い、ナナリー、スザクの行方を捜す密命をシュナイゼルから受けており、ジルクスタンに潜入していましたが、クジャパットらに見つかり追われていたのでした。
予期せぬ再会に驚くC.Cですがクジャパットが放った銃弾に倒れます。カレン、咲夜子はクジャパットを迎え撃ち、部下達を倒していきます。
カレンの前に立ちはだかるクジャパットの右目が赤く光るとカレンは咲夜子、ロイドを攻撃しはじめます。
クジャパットはギアスを保有しており、その能力は対象の視界に作用し敵味方を逆に映す力でした。
しかし、クジャパットはギアスの使用を取りやめます。
立ち上がったC.Cに驚き、「元嚮主様」と口にすると引き上げていきました。
敵が去り、移動しようとするカレンはC.Cも伴おうとしますが、連れがいるといい、皆にルルーシュを引き合わせます。
死んだはずのルルーシュに驚く一同に、かつてルルーシュが『Cの世界』と呼ばれる精神集合世界で、ブリタニア皇帝で実の父シャルルを倒したとき、不死身の肉体を継承、しかしその後、Cの世界を破壊したため不完全な形となり、肉体は再生したものの精神がCの世界に取り残されたままだと説明します。
自分の目的はCの世界に再び入り、ルルーシュの精神を修復することだと明かし、そのためにジルクスタンにやってきたと話します。
クジャパットはジルクスタンの王女、シャムナにカレンらを逃がしたことを報告、あわせてC.Cの存在を伝えます。
カレンらの目的がナナリーとスザクであると知っているシャムナは行き先が神殿か「嘆きの峡谷」しかないと語り、嘆きの峡谷に戦士・シェスタールを派遣、カレンたちの排除とC.Cの身柄の確保を指示、変わりに峡谷にいる弟、シャリオに戻るように伝えます。
嘆きの峡谷ではシャリオにスザクが拷問されていました。
スザクはかつてルルーシュにかけられた「生きろ」という絶対遵守のギアスにより戦闘の際、驚異的な力を出していたのですが、その秘密をシャリオは知ろうとします。
しかし、シャムナの命令により峡谷を離れるシャリオ、入れ違いにC.C達は囚人に成りすまし、峡谷に潜入します。
峡谷は刑務所であり、地下にはCの世界へとつながる遺跡があり、C.Cはルルーシュを伴い、地下へ向かいます。
遺跡に辿り着き、C.CとルルーシュはCの世界へ入り込みますが、看守長ビトゥルらが包囲を進めており、カレンはKMFを奪取、包囲を破ろうとしますが、数に押され敗れてしまいます。
Cの世界では残ったシャルルの悪意により、世界が止まっており、それをC.Cは戻そうとしますが、ルルーシュを見失ってしまいます。
気がつくC.Cはビトゥルの部下たちに包囲されていました。
映画『コードギアス 復活のルルーシュ』の感想と評価
正統な続編としては10年ぶりに制作された本作は、“復活の名にふさわしい作品”となっています。
コードギアスの醍醐味である高度に練りこまれた戦略で、圧倒的不利を覆していく痛快な演出は健在。
また、本作ではシャムナの能力により知略で追い込まれていくルルーシュがわずかな可能性に賭け、勝負に出るシークエンスはこれまでに無い緊張感を表現していました。
もう一つの醍醐味であるKMFでの戦闘場面は、従来のアニメーション映像に加え、CGによる視覚効果により、これまでに無い迫力ある戦闘描写を表現しています。
復活を果たしたルルーシュはかつてのように目的のため、手段を選ばない冷酷さが無く、仲間との信頼を築き敵に立ち向かおうとする姿や、ギアスをかける対象にも命を無駄にさせる命令をしないなど、ルルーシュ自身の心境の変化が見えました。
また、かつて敵味方に分かれて戦っていた人物が協力し戦う姿や、笑い合い酒を酌み交わす姿は人は憎しみを捨て分かり合える、そんなメッセージを感じ取ることが出来きました。
そんな人々の姿こそ、かつてルルーシュがその命をとして、築き上げた「平和」そのものであり、今回も再び、今度は仲間たちと共に守り抜く姿に胸を打たれました。
まとめ
テレビシリーズをはじめ、様々なメディアで、外伝、関連作品、が製作されてきた『コードギアス』。
テレビアニメ1期放送から12年の時が経っていますが、独特の世界観と個性的なキャラクターによる深い人間ドラマ、迫力の戦闘シーンが高く評価され、今なお、高い人気を誇っており、谷口悟朗監督の代表作として知られています。
そんな『コードギアス』が今回、“堂々の復活を遂げた”のも作中に登場する人々のように、私たちが仮面の男「ゼロ」に魅了、あるいは「ギアス」にかかっているのかもしれません。
今後の谷口悟朗監督の活躍に期待すると共に新たな『コードギアス』が紡がれることを期待したいと抱かせる作品です。