「事故物件」シリーズ、パワーアップして再来……
「事故物件」とは、病死・自殺・殺人・火災などの死亡事故等があった“いわくつき”の物件のことを指します。
“事故物件住みます芸人”松原タニシの実体験を基にした映画「事故物件」シリーズ最新作『事故物件ゾク 恐い間取り』は、初の映画単独主演となるアイドルグループ「Snow Man」の渡辺翔太を主演に、ホラーエンタメとして更にパワーアップしました。
共演には『君がトクベツ』(2025)の畑芽育、『ショウタイムセブン』(2025)の吉田鋼太郎。さらに、前作『事故物件 恐い間取り』(2020)で主演を務めた亀梨和也が本人役で出演しています。
そして前作に引き続き、『リング』(1998)の中田秀夫が監督を務めました。
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映画『事故物件ゾク 恐い間取り』の作品情報

(C)2025「事故物件ゾク 恐い間取り」製作委員会
【日本公開】
2025年公開(日本映画)
【原作】
松原タニシ
【監督】
中田秀夫
【脚本】
保坂大輔
【主題歌】
Snow Man「SERIOUS」
【キャスト】
渡辺翔太、畑芽育、山田真歩、じろう、加藤諒、金田昇、諏訪太朗、佐伯日菜子、岡田圭右、増田英彦、中西茂樹、那須晃行、河邑ミク、松原タニシ、大島てる、田中俊行、亀本ゆず、笹原妃菜、櫂作真帆、森直子、笹原妃栞、正名僕蔵、滝藤賢一、清吉田鋼太郎、亀梨和也
【作品概要】
テレビの番組で「事故物件住みます芸人」として活動を始めた松原タニシの実体験に基づいて映画化された『事故物件 恐い間取り』(2020)。
5年を経て、さらにパワーアップしたシリーズ最新作『事故物件ゾク 恐い間取り』は画単独主演が初となるアイドルグループ「Snow Man」の渡辺翔太が主演を務めました。
『君がトクベツ』(2025)の畑芽育、『ショウタイムセブン』(2025)の吉田鋼太郎が共演するほか、原作者である松原タニシ、『ぼくのお日さま』(2024)の山田真歩、シソンヌじろう、前作に続き出演となる加藤諒など個性豊かなキャスト陣が顔を揃えます。
映画『事故物件ゾク 恐い間取り』のあらすじとネタバレ

(C)2025「事故物件ゾク 恐い間取り」製作委員会
福岡の工場で働いていた桑田ヤヒロは、工場長の山中から「主任にならないか」と言われます。ヤヒロの腕を買ってくれる山中に感謝しているものの、ヤヒロの中には迷いがありました。
「このままでいいのかって。やっぱり俺タレントになる夢を諦められないんですよ」
東京に上京して夢を追いたいと告げるヤヒロに、山中は「馬鹿だ」と怒ります。しかし、山中もかつては役者になる夢を追って上京した過去が……。
ヤヒロの熱意に負け、山中は1枚の名刺を渡します。「上京したらこの人を頼るといい」……ヤヒロは父を亡くしてから自分を育ててくれた母を残して上京し、名刺を頼りに事務所を訪ねます。
古びたビルの中にある事務所には、ひょうきんな社長・藤吉清が1人いるだけです。
「君には“住みます”かな……」社長に言われるまま、不動産屋に出向いたヤヒロは「事故物件」という言葉の意味すらも知らない状態でした。
事故物件 一軒目
不動産屋に説明され、不気味だと思いつつもタレントになるためと、かつて女性が自殺したという部屋を契約します。
数日経ち、CM撮影のエキストラの仕事が舞い込みます。そこでカップル役を演じることになったのが、役者を目指す春原花鈴でした。
仕事に慣れずぎこちないヤヒロを花鈴はリードし、初仕事は無事終わりました。その夜、社長と飲み歩いていたヤヒロですが、社長を見失い、社長を探してスナックの扉を開けます。断りきれず入店したヤヒロについたのは、なんと昼間に出会った花鈴でした。
花鈴と連絡先を交換したヤヒロは、互いの夢のためオーディションの練習に付き合ったり、ご飯を食べに行ったりするようになります。
ヤヒロはバラエティ番組のオーディションに参加します。審査員として参加していた霊媒師の神室は、ヤヒロに女の霊が取り憑いていることに気づきます。
「優しいね、君は。やばいことになったら連絡して」
ヤヒロは何のことだか分かっていませんでしたが、事故物件で女の霊に悩まされ、神室に連絡します。部屋の鏡の奥に目玉の呪物が見つかり、神室はヤヒロに「今すぐこの部屋を出ていきな」と言います。
ヤヒロは「でも出ていったら、あの可哀想な霊はあのまま……」と言います。そんなヤヒロに「優しくしてたら持ってかれるよ」と強く忠告します。
映画『事故物件ゾク 恐い間取り』の感想と評価

(C)2025「事故物件ゾク 恐い間取り」製作委員会
“事故物件住みます芸人”松原タニシの実体験に基づいて映画化された「事故物件」シリーズの最新作『事故物件ゾク 恐い間取り』。
1作目では、亀梨和也演じる主人公が芸人という設定でしたが、本作で主人公演じる渡辺翔太は、芸人ではなくタレントを目指している設定おなっています。
1作目に引き続き、監督を務めるのは『リング』(1988)の中田秀夫監督。最新作では、ホラー映画を数々作り続けてきた監督らしい恐い演出もさることながら、コミカルさもあり、涙もあり、アトラクション的なホラーエンタメに仕上がっています。
「事故物件に住むことで、さまざまな怪奇に見舞われていく」という筋は前作の構成を引き継いでいますが、1作目と大きく違うのは主人公のキャラクターでしょう。
1作目では主人公・山野が芸人ということもあり、「売れるためなら」という思いや、燻っている葛藤などがリアリティをもって描かれていました。
しかし本作は、福岡からタレントになる夢を諦めきれず上京してきた主人公・ヤヒロになっており、売れるための執着というより、業界のことを何も知らないピュアさが感じられます。
それだけでなく、本作でキーになるのはヤヒロの優しさです。
「優しすぎると持っていかれる」「君は優しい。だから君を選んだ」
1軒目の事故物件は、女性が自殺した部屋でしたが、ヤヒロは恐怖を感じながらもどこか同情しているような様子が伺え、そんなヤヒロを女性の霊が気に入って取り憑いていました。
3軒目のシェアハウスにおいても、霊が伝えたいことを聞きたいという思いから降霊術を行いますが、その思いが裏目に出てしまい、ヤヒロは事故物件に住むことに躊躇うようになります。
ヤヒロは自分の危険以上に、周りの人間のことを考える優しさがあるのです。
そんなヤヒロを自宅に招いた花鈴は、どこかで「ヤヒロなら自分の境遇を知っても拒絶しない」「自分の苦しみを助けてくれる」という思いがあったのではないでしょうか。
それでも花鈴は、自分の過去を話す勇気が持てずにいました。しかし、ヤヒロが何かあるのではと、疑い始めたのをみてとうとう自分の過去について話します。
そして花鈴の過去と、上京してからヤヒロを導いてきた藤吉社長の秘密がつながっていくのです。
ヤヒロと花鈴は出会うべくして出会い、花鈴に父の死を報せることができたのです。娘に会いたい父の霊の思いを救ったのはヤヒロの優しさだったのです。
バトルアクションを笑いの“オチ”で落とした1作目とは違う、感動の展開は、いい意味で読者の予想を裏切る変化球と言えます。
また、亀梨和也から渡辺翔太に主演が変わり、より渡辺翔太にあった優しくピュアな青年像も、前作とは違う魅力になっています。
その魅力はヒロインの姿においてもいえることでしょう。奈緒演じる1作目の梓は子供の頃から霊が視え、事故物件に住む山野を本気で心配していました。しかし、そんな梓を山野は利用しようとしてしまいます。
本作におけるヤヒロと花鈴の関係は、前作同様、共に夢を追う同士のような存在ではありますが、2人のすれ違いはあまり描かれません。
その代わりに花鈴の存在自体に謎をもたせ、霊が視えるのではないが憑依体質という風に前作と共通点はあるものの違ったキャラクターにすることで、キャストにあったキャラクター、一味違う展開につなげています。
やや強引な展開や意味深長かのように思えたシーンがその後の展開につながってこないなど、粗も感じますが、ゾクっとしつつも最後は泣けるホラーエンタメになっています。
まとめ

(C)2025「事故物件ゾク 恐い間取り」製作委員会
事故物件住みます芸人の松原タニシの実体験に基づき映画化された「事故物件」シリーズの最新作となる映画『事故物件ゾク 恐い間取り』。
本作が初の単独主演となったアイドルグループ「Snow Man」の渡辺翔太をはじめ、豪華なキャスト陣にも注目です。
一作目で主人公を演じた亀梨和也が本人役で登場するほか、同シーンでは亀梨和也が撮影するCMのプロデューサー役として松竹芸人の河邑ミクが出演しています。
さらに、なすなかにし、シソンヌじろう、岡田圭右など個性的な芸人の出演に遊び心を感じます。
渡辺翔太演じるヤヒロがタレントを目指すきっかけとなったのも意外な人物と言えるでしょう。それだけでなく、原作者・松原タニシ自身も出演しています。
意外な出演陣を見つけながら楽しむのも良いでしょう。





































