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『新世紀ロマンティクス』あらすじ感想と評価考察。ジャ・ジャンクー監督が中国の激動の時代と1組の男女の人生を追う

  • Writer :
  • 谷川裕美子

『新世紀ロマンティクス』は2025年5月9日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー

『長江哀歌』(2006)のジャ・ジャンクー監督最新作『新世紀ロマンティクス』が、2025年5月9日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショーとなります。

21世紀初頭から劇的な変化を遂げた中国の街を、ひとりの女性の人生の変遷とともに描きます。

主演はジャ・ジャンクー監督の妻でもあるチャオ・タオが務めます。

ジャンクー監督と主演2人の過去作を交えながら、中国ひいては世界が辿った激動の時代を追う作品です。時の流れを感じながら、人間の人生の切なさ儚さを味わえる秀作の魅力をご紹介します。

映画『新世紀ロマンティクス』の作品情報


(C)2024 X stream Pictures All rights reserved

【日本公開】
2025年(中国映画)

【監督】
ジャ・ジャンクー

【脚本】
ジャ・ジャンクー、ワン・ジアファン

【キャスト】
チャオ・タオ、リー・チュウビン、パン・ジアンリン、ラン・チョウ、チョウ・ヨウ、レン・クー、マオ・タオ

【作品概要】
カンヌ、ベルリン、ヴェネチア、世界三大映画祭の常連にして、本作で中国人初の6度目のカンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品を果たした名匠ジャ・ジャンクー作品。

初期の傑作『青の稲妻』(2003)『長江哀歌』(2006)や、ドキュメンタリーを含む2001年から撮り溜めてきた映像素材を使用し、22年の総製作期間をかけた傑作です。

実際の24歳・29歳・45歳の主人公たちの姿と、「百年に一度」と言われる、21世紀初頭から現在までの中国の変化を、フィクションとノンフィクションの垣根を超えて切り取りました。

主人公チャオを監督の妻でもあるチャオ・タオが演じ、ビン役を『青の稲妻』(2003)『長江哀歌』(2006)でもタオの恋人役だったリー・チュウビンが演じます。

映画『新世紀ロマンティクス』のあらすじ


(C)2024 X stream Pictures All rights reserved

2001年、炭鉱産業が廃れ失職者で溢れかえる山西省・大同。2006年、三峡ダム建設のため100万人以上が移住を余儀なくされた長江・奉節。

コロナ禍の2022年、マカオに隣接する経済特区として発展する珠海と、すっかり都会となった大同。チャオは大同を出て戻ってこない恋人ビンを探して奉節へ向かい、ビンは仕事を求めて珠海を訪れました。

時は流れ、ふたりはまた大同にたどり着きましたが…。

映画『新世紀ロマンティクス』の感想と評価


(C)2024 X stream Pictures All rights reserved

中国、世界の大きな変遷のうねりと共に、1組の男女の人生が交差しては別れていく様を切なく描いた感動作です。

名匠ジャ・ジャンクー監督の過去作に出演した、主演のチャオ・タオ、リー・チュウビンの若かりし頃の映像から、現在の2人の姿へとつながります。バックには、WTO加盟、北京オリンピック開催、ダム建設などの重大な事態を迎えた後、コロナ禍に飲み込まれていく中国が映し出され思わず目を奪われるに違いありません。特に、中国のコロナ禍の実際の状況が観られる本作は、とても貴重といえるでしょう。

大きな歴史のうねりの中、主人公のチャオとビンは出会っては別れを繰り返します。共に孤独な2人ですが、特に女性のチャオは常に一人で闘って生きている様が伝わってきて、胸を締め付けられます。監督の妻でありミューズであるチャオ・タオの繊細な演技に注目です。

若き頃のチャオはまるで人形を思わせるような整った美しさを持っていますが、年を重ねてからの美しさには叶いません。その瞳は、様々な困難や苦しみを乗り越えた者だけが放つ強い光を宿しています。

まとめ


(C)2024 X stream Pictures All rights reserved

見終えた後に芳醇な余韻が残り続ける秀作『新世紀ロマンティクス』。

ほとんどセリフのない本編は、まるでパッチワークのように、印象的な映像が次々に映し出されます。そのショットのどれもが素晴らしく魅力的です。

長い年月を経て邂逅を果たす2人の男女を、どうぞ最後まで見守ってください。

『新世紀ロマンティクス』は2025年5月9日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショーです。


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