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【ネタバレ】ビートルジュース ビートルジュース|あらすじ感想と結末評価レビュー。名を呼ぶと現れるポップなゴーストストーリーは35年ぶりとなる続編

  • Writer :
  • 谷川裕美子

大人気ゴーストが35年ぶりに降臨

アリス・イン・ワンダーランド』(2010)のティム・バートン監督が、1988年の映画『ビートルジュース』の35年後を描いた続編。

ビートルジュース役のマイケル・キートン、ウィノナ・ライダー、キャサリン・オハラら前作のキャストが勢揃いするほか、モニカ・ベルッチ、ウィレム・デフォーらビッグネームが新たに参戦します。

3回呼ぶと現れるヘンテコなお化け「ビートルジュース」。彼が繰り広げられるドタバタ劇が、コミカルにスタイリッシュに描かれます。一級ナンセンスコメディの魅力をご紹介します。

映画『ビートルジュース ビートルジュース』の作品情報


(C)2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

【公開】
2024年(アメリカ映画)

【監督】
ティム・バートン

【脚本】
アルフレッド・ガフ、マイルズ・ミラー

【キャスト】
マイケル・キートン、ウィノナ・ライダー、キャサリン・オハラ、ジェナ・オルテガ、ジャスティン・セロー、モニカ・ベルッチ、アーサー・コンティ、ウィレム・デフォー

【作品概要】
アリス・イン・ワンダーランド』(2010)の名匠ティム・バートン監督が、自身の出世作となった1988年の映画『ビートルジュース』の35年後を描いた待望の続編です。

600歳のビートルジュースが結婚を迫いながらも願いがかなわなかったリディアを追って人間界に現れ、大騒動を起こします。

ビートルジュース役のマイケル・キートン、リディア役のウィノナ・ライダー、リディアの母親役のキャサリン・オハラら前作のキャストが再び顔を揃えます。

リディアの娘アストリッド役でジェナ・オルテガ、ビートルジュースの元妻ドロレス役でモニカ・ベルッチ、冥界の刑事役でウィレム・デフォーが新たに出演しています。

映画『ビートルジュース ビートルジュース』のあらすじとネタバレ


(C)2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

死後の世界で「人間怖がらせ屋」を営む推定年齢600歳のビートルジュース。昔結婚を迫ったものの、願いがかなわなかった女性・リディアのことをいまだに忘れられずにいました。

リディアは自身の霊能力を生かし、テレビ番組の司会者として活躍していますが、一人娘アストリッドとの関係がうまくいかずに悩んでいました。アストリッドは幽霊の存在を信じておらず、母の霊能力もインチキだと思っています。

ある日、数世紀前から死後の世界の倉庫に封じられていたビートルジュースの元妻ドロレスが復活し、バラバラだった体をつなぎ合わせました。そして、ビートルジュースに対して復讐を企てます。

そんな中、リディアは父が事故で亡くなったことを母デリアから聞かされます。葬儀のために彼女は恋人のローリーとアストリッドと共に、ゴーストハウスと呼ばれている実家に戻りました。

ローリーから結婚を強引に迫られたリディアは、断り切れずに承諾してしまいます。

一方、アストリッドは偶然出会ったジェレミーという青年と意気投合し、ハロウィーンに会う約束をしました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『ビートルジュース ビートルジュース』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『ビートルジュース ビートルジュース』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

しかし、ジェレミーは実は死人でした。彼は、アストリッドに死んだ父親に会えると甘い言葉で誘い、死後の世界に連れていきます。彼の狙いは、アストリッドと自分の命を交換することでした。

娘が連れ去られたことを知ったリディアは、最終手段としてビートルジュースに助けを求めます。ビートルジュースはリディアが自分と結婚することを条件に、アストリッド救出に力を貸しました。

ジュースの助けを得て、死後の世界から娘と一緒に逃げ出したリディアは、ローリーが待つ教会に駆け込みました。しかし、結婚式を挙げようとする二人の前にビートルジュースが現れ、ローリーの結婚の理由がリディアの財産にあることを明かします。リディアは怒ってローリーを殴り飛ばしました。

ビートルジュースがリディアと結婚しようとした時、死後の世界の刑事ウルフが駆けつけてビートルジュースにピストルを向け、コード699違反の罪で逮捕しようとします。しかし、ジュースはウルフを動けなくしてしまいました。

すると、今度はそこにドロレスがやってきます。隙を見て魔術書を手にしたアストリッドは、そこに書かれた魔術を用いてサンドワームを呼び出し、ドロレスを倒しました。

ジュースは契約書を手にリディアに結婚を迫りますが、アストリッドはコード699を破ってリディアと霊界に行ったジュースの結婚は、本によると無効のはずだと迫ります。すると、契約書はあっという間に燃えて消えてしまいました。

リディアがビートルジュースの名を3回呼ぶと、彼の体は風船のように膨らんではじけ飛びました。

動けるようになったウルフは、デリアの腕をとってつれていこうとします。デリアは蛇にかまれて、すでに命を落としていたからです。霊界に着いた彼女は、死んだ夫と感激の再会を果たしました。

二人きりで残されたリディアとアストリッドは、かたく抱きしめ合いました。その後リディアはテレビの仕事を辞め、愛する娘と生きる人生を選びます。しかし、ビートルジュースとの変な夢にまたもやうなされるのでした。

映画『ビートルジュース ビートルジュース』の感想と評価


(C)2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

35年ぶりの大同窓会

ファン待望の続編です。35年ぶりの同窓会に、キャスト全員が思わずはしゃがずにはいられないウキウキ感が伝わってきますみんなが楽しんで演じている空気感が最高です。

ナンセンスコメディで、ストーリーはあってないようなものなのですが、それでも作品を一流に仕上げているのはティム・バートンの美意識の高さにあります。どのゴーストもお茶目でスタイリッシュで魅力たっぷり、さすがはバートン!とうならずにはいられません。

3回名前を呼ぶとやってくるのは、主人公のビートルジュース。はまり役のマイケル・キートンが、奇妙なゴーストをポップに演じます。彼の愛するリディアは、初期バートン作品の常連ウィノナ・ライダー。娘を持つ母親役を演じる彼女に、時の流れを感じますが、二人の軽妙な掛け合いは健在です。

もう一人外せないキャストは母親デリア役。「ホーム・アローン」シリーズで主人公ケヴィンの母を演じるキャサリン・オハラです。ハイテンションな芸術家のデリアが、主人公二人とタッグを組んで明るく作品を盛り上げます。

娘アストリッドに抜擢されたのは、バートンが監督を務める配信ドラマ『ウェンズデー』で主演を務めるジェナ・オルテガです。エキゾチックな黒い目が印象的な彼女が、思春期の少女を魅力的に演じます。

生き生きと跳ね回るキャストたちの姿をどうぞ心ゆくまでお楽しみください。

新キャストのモニカ・ベルッチとウィレム・デフォーの怪演


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続編となる本作には、イタリアのセクシー女優モニカ・ベルッチと、個性派俳優ウィレム・デフォーという2大キャストが新たに参戦しています。

彼らの振り切った怪演に思わず目が釘付けになることでしょう。二人とも登場場面は多くないのに、観る者に大きな印象を見事に与えています。

モニカ・ベルッチの登場シーンは圧巻です。バラバラになっていた自身の超セクシーな顔と体を寄せ集め、次々にホッチキスでバッチンバッチンと留め付けていきます。そして、次々にゴーストの生気を吸い取ってしまうのです。シワシワになったゴースト達は哀れながら、これほどの美女に仕留められてどこか幸せそうに見えてきてしまうのが不思議です。

ウィレム・デフォーが演じるのは、どこかうさんくささのある冥界の刑事です。生前はB級俳優だった彼は、常にカメラアングルを意識するキザ男。超一流俳優のデフォーが演じるからこそ、尚更おかしさが増します。悪ノリ感がたまらなく笑えるキャラクターです。

ベルッチとデフォーの新たな一面をたっぷりとご堪能ください

まとめ


(C)2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

ティム・バートン監督のコメディセンスが光る名作の待望の続編『ビートルジュース ビートルジュース』。キャラクターすべてに対する監督の深い愛情が感じられ、演者たちもその思いに応える素晴らしい演技を見せています。

おバカなビートルジュースのリディアへの一途な愛情に、胸打たれ、笑わされ、いつの間にかその魅力の虜になってしまうことでしょう。変装ものならお任せのマイケル・キートン、今も変わらずかわいいウィノナ・ライダー、はじけた母親役のキャサリン・オハラ、3人のパワーは健在です。

バートンが作り出した美しく賑やかなゴーストたちと、楽しい時間を過ごしてください。



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