『RED』(2010)から3年。危険な奴らが帰ってくる!痛快アクションムービー
ブルース・ウィリス、ジョン・マルコビッチ、ヘレン・ミレンらが引退した元スパイに扮し、世界の悪事と戦う『RED』(2010)の続編。
REDのメンバーをはじめ、サラ役のメアリー=ルイーズ・パーカーが前作に引き続き登場。
更に、アンソニー・ホプキンス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、イ・ビョンホンらが新たに加わりました。
任務を終え、サラとの平穏な生活を送っていたフランクのもとにマーヴィンがやってきます。
またしても様々な諜報員や殺し屋に追われることになったフランクとマーヴィン。
未だ衰えぬ情報収集能力や身体能力を駆使して32年前に失敗し、封印されたはずの計画が関係していることが判明し……。
映画『REDリターンズ』の作品情報
【公開】
2013年(アメリカ映画)
【原題】
Red 2
【監督】
ディーン・パリソット
【キャスト】
ブルース・ウィリス、ジョン・マルコビッチ、メアリー=ルイーズ・パーカー、ヘレン・ミレン、アンソニー・ホプキンス、イ・ビョンホン、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ニール・マクドノー、デビッド・シューリス、ギャリック・ヘイゴン、ティム・ピゴット=スミス、ブライアン・コックス、フィリップ・アルディッティ、スティーブン・バーコフ
【作品情報】
ブルース・ウィリス、ジョン・マルコビッチ、ヘレン・ミレン、メアリー=ルイーズ・パーカーらが前作に引き続き出演。
更に、『羊たちの沈黙』(1991)のアンソニー・ホプキンスや、『シカゴ』(2002)のキャサリン・ゼタ=ジョーンズに『G.I.ジョー』シリーズでハリウッドに進出し、同作でブルース・ウィリスとも共演したイ・ビョンホンか新たに加わりました。
監督を務めたのは、『ギャラクシー・クエスト』(2001)のディーン・パリソット。
映画『REDリターンズ』のあらすじとネタバレ
やっとサラとの平穏な暮らしを手に入れたフランク。
しかし、サラはマンネリ化を感じ、刺激が足りないと思っていました。
ある日、スーパーで買い物をしているとマーヴィンが現れ命を狙われていると警告します。
サラは目を光らせて「新しい任務?」と色々聞き出そうとしますが、フランクは相手にしようとしません。「危険な目に遭わせるわけにはいかない」と言います。
サラは不服そうです。そんな時駐車場で爆破があり、マーヴィンは亡くなります。
フランクは「こいつには前科がある」と言い、死んだと見せかけているだけだと思いますが、針で刺しても反応しないマーヴィンを見て亡くなったのだと思います。
親友からの言葉として壇上に立ったフランクは思わず声を詰まらせます。
式場を出ると、FBIがフランクの元にやってきます。フランクはサラに「隠れ家に行って待っていろ」と言い連行されていきます。
尋問されそうになったフランクですが、隙を見て逃げ出しますが、銃撃されピンチになります。
そこにやってきたのは何とマーヴィンです。やはり偽のお葬式で死んでいなかったのです。
マーヴィンと共に脱出し、車に乗るとそこにはサラがいます。フランクはサラが関わることを避けようとしますが、サラは怒り「正直言って私たちマンネリ」とまで言います。
フランクとマーヴィンが狙われているのは、「オペレーション・ナイトシェイド」に関わったメンバーだと思われているからでした。
「オペレーション・ナイトシェイド」は冷戦時代にロシアに核兵器を密輸する作戦でしたが、その作戦は中止になります。
核兵器を開発したエドワード・ベイリー博士が作戦の途中で命を落としたからです。
その作戦がまたしても再開されることを知り、一行はフランスに向かいます。
その頃フランクのマーヴィンは、FBIによってテロリストの嫌疑がかけられていました。
かつて共に戦った仲間であるヴィクトリアにもMI6にも2人の暗殺の依頼が来たと言います。そしてまた1人、フランスと因縁のある韓国人の暗殺者・ハンにも依頼が来ていたのす。
映画『RED リターンズ』の感想と評価
「RED」引退した危険人物(Retired Extremely Dangerous)が大暴れする痛快アクションムービー『RED レッド』(2011)の続編。
前作に引き続き、REDメンバーが現役顔負けのスパイ活動で、作戦を阻止しようと奮闘します。そんなREDメンバーを襲う新たな登場人物もクセ者揃いです。
何といっても、インパクトが強いのは、アンソニー・ホプキンス演じるエドワード・ベイリー博士でしょう。ベイリー博士が30数年も精神病院に幽閉されていたことに怒るヴィクトリアですが、MI6が幽閉していたのには理由があり、利用されていたのは、ヴィクトリアやフランクたちでした。
そのように本作では、REDメンバーがスパイとして完璧ではない面を映し出しています。その様子が顕著に映し出されているのがフランクです。久しぶりに再会したロシアの諜報員・カーチャ・ペトロビッチに骨抜きにされ、手も足も出ません。
更にクレムリンに侵入したものの、捕まってしまい、銃殺刑にされそうになります。現役ではないからこそとも言えますが、フランクは恋をして人間らしくなったから、そのようなミスをするようになったのかもしれません。
同じく組織の命令は絶対と従ってきたカーチャがみせる脆さも、人間としての感情からです。カーチャは一度引退したフランクを訪ねに行ったと言います。しかし、そのままフランクに会わずに立ち去った、そこには今なお諜報員として働くカーチャと、引退したフランクという立場の違いがあります。
感情のないスパイとして活動してきた工作員たちが感情を優先させることは、本来あってはならないことですが、引退したからこそその人間味が生きてくるのです。
前作は、リストによって狙われたことによってその黒幕を炙り出すという展開でしたが、今回は違います。巻き込まれたという形においては前回と同じですが、本作はかつて阻止された作戦が再び行われていることを知り、正義のために計画を止めようとします。
様々な諜報員や暗殺者に狙われているフランクですが、その暗殺者の1人であるハンは、フランクの説得によって協力することにします。暗殺者であるはずのハンが正義のために戦うというのが面白い構図です。
また、アメリカが舞台であった前作と違って本作はパリからロンドン、モスクワと世界各国を飛び回ります。パワーアップしたのは舞台のスケールだけではありません。見応え抜群のアクションを世界各地で展開していきます。
フランクを殺すため追いかけてきたハンがマシンガンをぶっ放すシーンは、まさにやりたい放題。そんなハンが協力することになった後のカーアクションとヘレン・ミレン演じるヴィクトリアのガンアクションの格好良さは言うまでもありません。
カーアクションといえば、カーチャとフランクの息のあったコンビに張り合おうと奮闘するサラのカーアクションも見どころ抜群です。
各国のスパイたちの華麗なるアクションと、前作以上にスパイとして思わぬ素質を発揮するサラと前作以上にパワーアップした痛快アクション映画になっています。
まとめ
帰ってきた「RED」引退した危険人物(Retired Extremely Dangerous)たちが、世界を股にかけ大暴れする映画『RED リターンズ』。
ド派手なアクションやインパクトのあるキャラクターと様々な魅力がつまった本作ですが、前作から変化したサラとフランクの関係性にも注目です。
初の顔合わせからして普通の人は経験しないような出会いをした2人。
フランクは願っていた普通の平穏な生活を送っていますが、サラはどこか刺激が足りないと感じています。
スパイ活動の危険さを身をもって知っているからこそ、フランクは2度とサラを危険な目に遭わせるわけにはいないと思っています。
しかし、サラはマンネリを感じ、刺激を求めているだけでなく、守られているばかりではなく自分だって役に立つと証明しようとします。
そんなサラの前に現れたのが、フランクと恋愛関係にあったロシアの諜報員・カーチャです。
カーチャに骨抜きのフランクを見て嫉妬し、対抗していたサラでしたが、次第にサラの思わぬ能力が発揮されていきます。
誰もが皆サラのことを好きになり騙されてしまうのです。その素質は前作にも現れていました。
亡くなった新聞記者の関係者に話を聞きに行く際、フランクは強引にでも話させようと考えてしまいたが、サラが優しげに話しかけることで相手も話しやすくなったのです。
能力を発揮し、フランク以外の人とキスをしたりするようになると、今度はフランクがヤキモキし始めます。
そのようなフランクとサラの恋模様も本作の魅力の一つと言えるでしょう。