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【ネタバレ】キング・オブ・キラーズ|あらすじ感想とラスト結末の評価。ケヴィン・グレイヴォーが主役と監督を務めるバイオレンスアクション

  • Writer :
  • 秋國まゆ

東京を舞台に繰り広げる最強の暗殺者の称号を懸けたバイオレンスアクション!

ケヴィン・グレイヴォーが脚本・監督を務め、俳優としても出演する2023年製作のアメリカ・カナダ合作のバイオレンスアクション映画『キング・オブ・キラーズ』。

シカゴで妻と娘と3人で暮らしていたアメリカのプロ暗殺者マーカス。しかしある仕事で妻が命を落として落ち込んでいたところ、賞金1000万ドルの暗殺者コンテストへの出場のオファーが舞い込みます。

マーカスは心臓に病気が見つかった娘の手術費を稼ごうと出場を決意。しかしそのコンテストの主催者によって、逃げようとした1人の出場者が殺されてしまい………。

映画『キング・オブ・キラーズ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『キング・オブ・キラーズ』の作品情報


(C) 2023 DOVETALE MEDIA, LLC

【公開】
2023年(アメリカ・カナダ合作映画)

【脚本・監督】
ケヴィン・グレイヴォー

【キャスト】
アラン・ムーシ、マリー・アヴゲロプロス、ジョルジュ・サン=ピエール、シャノン・クック、ケヴィン・グレイヴォー、スティーヴン・ドーフ、フランク・グリロ

【作品概要】
俳優ですが「アンダーワールド」シリーズの原案を担当したり、アメコミ界でも働いたりと活躍するケヴィン・グレイヴォーが脚本・監督を務め、さらに本作の登場人物ダイソン役として出演もしているアメリカ・カナダ合作のバイオレンスアクション作品です。

「キックボクサー」シリーズのアラン・ムーシが本作の主演を務めています。

映画『キング・オブ・キラーズ』のあらすじとネタバレ


(C) 2023 DOVETALE MEDIA, LLC

1年前。シカゴで家族3人で暮らしていたCIA所属の暗殺者マーカス・ギャレンでしたが、ある仕事の不慮の出来事で妻のカーラが命を落として落ち込んでしまいました。

そして現在、そんなマーカスのもとに、ギリシャ国家情報庁(EYP)の元軍人で世界最強の暗殺者ヨルグ・ドラコスの抹殺依頼が舞い込みます。

報酬は1000万ドル、開催地は東京。娘のキンバリーのためにもう殺しの仕事はしないと決めていたマーカスは、この依頼を断るつもりでした。

しかし同じ頃、キンバリーがいずれ心不全に至るほど深刻な心臓病を患っていることが発覚。マーカスは手術費用を稼ぐため、依頼を引き受けることにしました。

来日したマーカスは、依頼人の代理として連絡のやり取りをしていたローマン・コルザが待つ東京のホテルに向かいました。

するとコルザに案内された最上階の部屋には、マーカスと同じ依頼を受けた世界各国の暗殺者たちがいたのです。

元アイルランド軍事情報機関員のスコット・アンガス。英国秘密情報部(MI6)出身で今回唯一の女性暗殺者アーシャ・カーナ。

元アメリカ海兵隊武装偵察部隊長であり、米国安全保障局(NSA)の掃除屋ダイソン・コード。オーストラリア秘密情報局(ASIS)に雇われていたリック・ナイジェル。

日本を守る立場でしたが忠誠心を変え、金で動く暗殺者となった元別班(陸上自衛隊の秘密情報部隊)のレン。命令に従うのを嫌う民間軍事会社のスナイパー、ザカリー・ヘブロン。

そして依頼人は、なんとマーカスたちの今回の標的であるドラコスでした。ドラコスは、同業者を排除し最強を決めるのがこのゲームの目的だと皆に話しました。

ヘブロンは話が違うと言って、このゲームから降りようとしましたが、ドラコスによって頭を吹き飛ばされ殺されてしまいました。

この世界最強の称号を懸けた殺戮ゲームから降りた者、24時間以内にドラコスを殺すというルールを守れない者は、ヘブロンと同じ末路を辿ることに…。

しかもホテル内の至るところに監視カメラが仕掛けられているため、マーカスたちの行動は常に監視されている状態です。

そのことを説明したドラコスは、マーカスたちにホテルの部屋を用意し、休息時間を与えました。

翌日。コルザから、各自いつも仕事で使っている武器を支給されたマーカスたち。さあ、殺戮ゲームの火蓋が切って落とされます。

まず最初にドラコスに挑んだのは、ショットガンを武器に戦うスコット。対してドラコスは、二丁拳銃と、自身が考えたホテルのフロアの構造を利用したトリックやトラップを上手く使い分けて戦います。

ブース型オフィスのフロアでの銃撃戦の末、スコットは右肩と腹を撃たれ、さらにショットガンを持っていた左手を切り落とされ、自分が壊したガラスの破片で喉を切られ殺されてしまいました。

以下、『キング・オブ・キラーズ』ネタバレ・結末の記載がございます。『キング・オブ・キラーズ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

控室のモニターで観戦していたマーカスは、ドラコスの縄張りで戦う自分たちは圧倒的不利な立場にあり、このままじゃ全滅すると考え、ドラコスに参加者全員で戦うというルールの変更を提案します。

案の定、ドラコスはこの提案を拒否しました。ですがマーカスの口車にのせられ、「4人同時で戦う」ということであれば提案を受け入れることにしました。

マーカスの提案に反対するリックと彼が揉めている隙に、コードは自ら「余った1人」となり、ドラコスに戦いを挑みにいきます。

まるで刑務所のようなフロアでの死闘の末、1丁の銃と己の強靭な肉体で戦ったコードでしたが、隠しナイフと日本刀を武器とするドラコスに体中を滅多刺しにされ、敗北しました。

ドラコスはまたもや、世界最強たる故の圧倒的な強さとスピードをマーカスたちに見せつけました。

次は、マーカス・アーシャ・レン・リックvsドラコスの戦い。しかし4人がエレベーターから降りた瞬間、手榴弾が投げ込まれ強制的に分断されてしまいます。

いつどこでドラコスが現れ攻撃を仕掛けてくるか、どこにトラップが仕掛けられているか分からないマーカスたちに緊張が走りました。

最初にドラコスに狙われたのは、アーシャでした。と同時に、マーカスは二刀流のドラコスの部下と対峙します。

死闘の末、マーカスとドラコスが勝利し、アーシャとドラコスの部下が敗北。マーカスは階段の踊り場で、首の骨が折れ死亡したアーシャを見つけました。

次にドラコスに狙われたのは、レンでした。実はレンは、父のスガヒロを殺したドラコスへの仇討ちのために、悪人を頼り罪のない人間の命を奪う暗殺者となったのです。

レンはドラコスと、マーカスは襲い掛かってきたリックとそれぞれ死闘を繰り広げていきます。

死闘の末、リックに危うく殺されかけたマーカスでしたが、ここに来た理由を思い出して反撃し、彼に渾身の跳び後ろ回し蹴りを食らわせました。

その衝撃で、リックは背後にあった巨大な換気扇に頭から突っ込み死亡しました。そしてマーカスがレンのもとに駆けつけた時には、こちらの戦いも終わっていました。

日本刀での斬り合いと格闘戦の末、レンは右足を切り落とされ、ドラコスから止めの一撃を食らって死亡しました。

ついに、マーカスとドラコスによる、世界最強の座を懸けた頂上決戦の幕が開かれることに。戦いの最中、ドラコスはカーラの死について言及します。

「なぜ彼女はあのバーにいた? どうすれば妻を救えた?」「全てを話していれば、彼女は生きていたかもしれない」

さらにドラコスはこう言いました。「大切な人を失うという、身を引き裂かれる思いを味わっているにもかかわらず、君はここに来た」「娘を一人にする危険を冒して」

銃撃戦も格闘戦も、ほぼ互角の実力をもつマーカスとドラコス。マーカスは自分の右肩に突き刺されたガラスの破片で、そのガラスの破片を握るドラコスの喉に当てて殺そうとします。

そこでコルザから、もう勝負はついたと待ったをかけられました。マーカスは世界最強の座と、口座に報酬の1000万ドルが入っている銀行のカードを手に入れました。

そしてドラコスから、マーカスはあることを頼まれます。

「世界には強力な暗殺組織が数多く存在している」「連中は世界を滅ぼし、新たな秩序を作るだろう。だから同業者である彼らを殺した」

「私には共にその組織を倒す、私より優れた相棒が必要だ」と………。マーカスは娘と平和に暮らしたいと言い、賞金を受け取って帰国しました。

それから半年後。娘と仲良くピザを食べていたマーカスのもとに、ある1本の動画が送られてきました。

その動画には、マーカスが仕事をしていた部屋の外にいたカーラが、彼の親友ロバートに銃撃される姿が映っていました。

コネを使ってその動画を入手したドラコスは、マーカスの前に現れ、カーラの死の真相を語りました。

半年前にドラコスがマーカスに話した組織の連中が、偽装電話でカーラに連絡し、マーカスがいるあのバーへと向かわせたこと。そしてその組織に雇われたロバートが、カーラを殺したことを……。

マーカスは妻の仇を討つため、ドラコスと一緒にその組織「シミター」を潰すことに決めました。

映画『キング・オブ・キラーズ』の感想と評価


(C) 2023 DOVETALE MEDIA, LLC

世界最強の暗殺者もとい「殺しの王」の座を懸けたゲームに招待された、マーカスたち7人の暗殺者。

スナイパーのヘブロンの活躍がないまま退場となったのが少し残念でしたが、やはり元CIAに元MI6、元アメリカ海兵隊武装偵察部隊長、日本の元別班など世界各国の強者たちの戦いは、どれも見応えがあるアクション場面ばかりです。

標的であるドラコスの縄張りでの戦いという圧倒的不利な立場にあるにもかかわらず、マーカスたちはそれぞれ己の武器を手に死闘を繰り広げていきます。

彼らの戦いは凄腕の暗殺者たちならではのスピードとパワー、そして己の肉体だけでも相手を殺せるほどの技を持っていて、どれもとても格好良く、一瞬たりとも目が離せません。

物語の冒頭、いきなり主人公のマーカスが殺されかけている姿が描かれていたのを見た時は、一瞬まさかの主人公退場かとヒヤヒヤします。

対して、世界最強の暗殺者ドラコスは、自らが最強であると決めるために殺戮ゲームを開催。選りすぐりの世界各国の暗殺者たちを相手に、圧倒的な実力差を見せつけてきます。

そのドラコス役を熱演したフランク・グリロのアクションシーンは、どれも見ていて惚れ惚れするほどの格好良いものばかり。フランク・グリロのファンはもちろん、本作でフランク・グリロを知った視聴者も思わず「格好良い」と黄色い声で叫んでしまうことでしょう。

まとめ


(C) 2023 DOVETALE MEDIA, LLC

世界最強の座を懸けて、世界各国の凄腕の暗殺者たちが激突する殺戮ゲームを描いたアメリカ・カナダ合作のバイオレンスアクション作品。

作中で壮絶な死闘を繰り広げた、フランク・グリロ演じるドラコスと、アラン・ムーシ演じるマーカスが手を組み、マーカスの妻を殺した黒幕である組織「シミター」を潰そうとする姿を描いた物語の結末を見ると、何やら続編がありそうな予感がします。

またエンドロール前、「おっと、忘れてた」という言葉の後に、死んだはずのスコットが蘇った姿が描かれていました。ますます本作の続編が製作されてほしいと期待に胸が膨らみます。

しかもそのスコット役を熱演したのは、元UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)世界ミドル級王者にして、元UFC世界ウェルター級王者のジョルジュ・サン=ピエールです。

もしも本作の続編が製作されるのであれば、UFC史上4人目の二階級制覇王者たるジョルジュ・サン=ピエール、フランク・グリロとアラン・ムーシが続投するのか、どんな物語の展開が描かれていくのか非常に興味があります。



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