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Entry 2023/04/05
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【ネタバレ】シング・フォー・ミー、ライル|あらすじ結末感想と評価考察。感動ミュージカルは“ワニの歌声”が幸せを運ぶファンタジー大作!

  • Writer :
  • もりのちこ

君が歌えば、ここは最高の世界。少年とワニの友情物語。

映画『シング・フォー・ミー、ライル』は、児童文学作家バーナード・ウェーバーの絵本『ワニのライル』の実写映画化です。『グレイテスト・ショーマン』(2017)の音楽スタッフが贈る奇跡と感動のファンタジー・ミュージカル。

ニューヨークの華やかなショービジネスの中で、くすぶり続けるショーマンのヘクター。ある日、ヘクターは立ち寄ったペットショップで、小さなワニのライルと出会います。

なんと、ライルは奇跡のような歌声を持つワニでした。ライルと一緒にステージで一儲けしようと企むヘクター。

しかし、いざステージに立ったライルは、多くの観客を前に歌うことが出来ませんでした。ステージ恐怖症です。ヘクターは、そんなライルを残し去っていってしまいました。

それから長い月日が過ぎ、ライルが隠れ住む家に新しい家族が引っ越してきます。少年ジョシュに見つかったライル。歌うことで次第に交流を深めていきます。

豪華キャストがおくる日本語吹替版にも注目。映画『シング・フォー・ミー、ライル』を紹介します。

映画『シング・フォー・ミー、ライル』の作品情報


(C)2022 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

【日本公開】
2023年公開(アメリカ映画)

【原作】
バーナード・ウェーバー

【監督】
ウィル・スペック/ジョシュ・ゴードン

【キャスト】
ハビエル・バルデム、コンスタンス・ウー、ショーン・メンデス、ウィンズロウ・フェグリー、スクート・マクネイリー、ブレット・ゲルマン

【作品概要】
アメリカで人気の絵本「ワニのライル」シリーズの実写映画化。監督は、『俺たちフィギアスケーター』(2007)や『クレイジー・パーティー』(2016)など、共同で手掛けてきたウィル・スペックとジョシュ・ゴードンの監督コンビ。

そして、楽曲を手掛けるのは、大ヒットミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』(2016)『グレイテスト・ショーマン』(2017)のベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが担当しています。

奇跡の歌声を持つワニのライル役には、2度のグラミー賞ノミネートを果たす、世界的シンガーのショーン・メンデスが登場。美しい歌声を披露しています。

ライルの育て親、ショーマンのヘクター役は、『ノーカントリー』(2008)のオスカー俳優、ハビエル・バルデムが演じています。ライルとの息の合ったステージショーは見ごたえ充分です。

日本語吹替版でライルを演じているのは、大泉洋。得意のしゃべりを封印し、歌だけで気持ちを表現するライル役に挑戦しています。

加えて、ヘクター役は、日本ミュージカル界のスター・石丸幹二。ジョシュの母親ミセス・プリム役は、大人気声優・水樹奈々と、豪華キャストが演じています。

映画『シング・フォー・ミー、ライル』のあらすじとネタバレ


(C)2022 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

ここは、ショービジネスの街・ニューヨーク。ショーマンとして成功を夢見るヘクターでしたが、今日のステージもいまいち、劇場から締め出されてしまいました。

帰り道、珍獣を扱うというペットショップの看板が目に入ります。そこでヘクターは、歌う小さなワニ“ライル”と出会うのでした。

ライルの歌声は、とても美しく澄んでいました。初めはプルプルと震えていた小さなライルも、ヘクターと一緒に歌い踊るうちに心を開いていきます。

体も大きく成長したライル。ヘクターとの息もぴったりです。いよいよ一緒にステージデビューが出来る。ヘクターは金儲けを考えていました。

しかし、ステージに立ったライルは、大勢の観客を前に固まってしまいます。その後、ヘクターは、ステージ恐怖症に陥ったライルを残し、家を出て行ってしまいました。

ライルは、ヘクターが置いていったカセットテープを聞きながら、ヘクターの帰りを待ちます。

それから18カ月後。ライルは、ますます大きく成長し、見た目は立派なクロコダイルです。ガヤガヤと人間が家に入り込んでくる音がします。

屋根裏部屋から様子を見に出るライル。どうやら新しい人間が引っ越してきたようです。プリム夫妻と少年ジョシュでした。

家の中をはしゃいで見て回るジョシュが、屋根裏部屋にやってきます。慌てて剥製のフリをするライル。息を止めるも苦しそうです。

どうにかやり過ごしたライルでしたが、あっけなく見つかります。「ぎゃーーッ」、クロコダイルの登場に驚くジョシュ。

ちょうど出くわした、下の階に住む気難しい住人ミスター・グランプスが溺愛している猫のロレッタも驚き、ライルに飛び掛かります。

慌てて開けたライルの大きな口の中に、ロレッタがすっぽりと吸い込まれていきます。「ごくん」逃げるライル。「猫をだして!」と追うジョシュ。

夜の街に飛び出したジョシュは、悪者に絡まれてしまいます。そこにライルが現れ、悪者を退治してくれました。「ゲプッ」ロレッタも無事吐き出されます。

「かっこいい!」。ジョシュは、すっかりライルが大好きになりました。ライルはしゃべることは出来ませんが、歌でコミュニケーションをとることが出来ます。

学校で友達もできない孤独なジョシュにとって、ライルは唯一の友達です。ゴミ箱ダイブや屋上パーティー、ライルが歌ってくれれば、ここは最高に楽しい世界でした。

ジョシュはライルのおかげで自分に自信が持てるようになります。気になっていた女の子とも友達になれました。

ある日、ライルはジョシュの母親ミセス・プリムが昔のアルバムを眺めながら、悲しそうに歌を口ずさんでいる姿を見ます。

ミセス・プリムは、ジョシュの本当の生みの親ではありませんでした。ジョシュが2歳の時、父が再婚した相手です。

ミセス・プリムは、本当の母親のようにジュシュを可愛がってくれましたが、度が過ぎました。食事にこだわり、学校へも付いてきます。いわゆる心配症です。

自分で何でも出来るようになるジョシュに、追いて行かれるような寂しさを感じていました。

「ぎゃーっ」ミセス・プリムにもあっけなく見つかるライル。あわてふためくライルとミセス・プリム。ジョシュがやってきて、一所懸命説明します。

「ライルは危険じゃない!僕の友達なんだ」。ライルは、ミセス・プリムが口ずさんでいた曲を歌い出します。ミセス・プリムの心にも響いたようです。

細かいことは気にしない、ジョシュとライルと歌って踊って、ミセス・プリムも毎日楽しそうです。新しい生活に不安だった妻も子供も、最近はなにやらとても楽しそう。ミスター・プリムは不思議に思っていました。

「そろそろ、パパにも言わなきゃね」。ライルと対面を果たしたパパは絶叫し、家族を連れて逃げようとします。

その時です。玄関のドア開き、ある人物が入ってきました。「ライルはいるか~!」。ライルを置き去りにしたヘクターでした。

以下、『シング・フォー・ミー、ライル』ネタバレ・結末の記載がございます。『シング・フォー・ミー、ライル』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2022 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

ヘクターとの久しぶりの再会にライルは、素直に喜べません。それでも一緒に歌って踊ればすぐに元通り。ミスター・プリムの不満を他所に、ジョシュたちもヘクターと仲良しになっていきます。

パパが楽しくなさそうなのを心配したライルは、パパが学生時代夢中になっていたレスリングを挑みます。

ストレスを発散するかのようにライルとのレスリングを満喫するパパ。自信をとりもどしたパパは、仕事でも上手くいくようになります。

ライルは、いまやジョシュたちにとって欠かせない大切な家族の一員となっていました。

ヘクターは、「今のライルならステージに立っても平気かもしれない」と、もう一度ヘクターと一緒にステージに立つ準備を始めます。

そんなヘクターにジョシュは言います。「ライルはステージに立ちたがっているの?ライルに必要なのはお金じゃない!家族の安らぎなんだ」。

ライルは、ステージ恐怖症を克服してはいませんでした。落ち込んで帰ってくるライルとヘクター。「君が歌っても歌わなくてもどっちでもいいんだ。君は最高なんだから」。ジョシュは、ライルを抱きしめます。

猫のロレッタの飼い主であり、下の階に住むミスター・グランプスが、騒音苦情で訴えてきました。立退きに同意しないプリム夫妻に、グランプスは策を練ります。

ヘクターに金を渡しライルのことを聞き出したグランプスは、警察に通報。ライルは動物園に連れて行かれてしまいます。泣きじゃくるジョシュ。ヘクターは再び姿を消します。

ジョシュは毎日、ライルに会いに動物園に通います。パパもママもどうすることも出来ません。ライルは檻の中、独り寂しく歌うのでした。

ジョシュのもとへ、ヘクターが姿を現します。「やっぱり僕が間違っていた。動物園からライルを救い出そう」。ジョシュはヘクターを許せません。

夜の動物園でクロコダイルの檻の中に忍び込むことに成功したヘクター。しかし、ライルの心は傷ついていました。ヘクターの言葉も届きません。

駆けつけるジョシュ。それを見たヘクターは叫びます。「ライル、お前はジョシュのところへ戻るんだ!」。ヘクターは野性のクロコダイルに襲われそうになっています。

ライルの目に光が戻ります。野性のクロコダイルを払いのけ、ヘクターを救います。動物園の外には警官隊が待機していました。

ヘクターはマジックを使い、身をもって2人を逃がします。「ライルは危険じゃないことを世間に知らせるんだ」。

ちょうどそこをテレビ局の車が通り過ぎます。「次のスターは君だ」と書かれています。ジョシュは、ガールフレンドがその番組に出演することを思い出しました。

テレビ局を目指すジョシュとライル。ガールフレンドの協力で、ステージへと上がることに。

「ライル、さぁ歌うんだ。僕を信じて」。やっぱり固まってしまうライル。ジョシュが歌いだします。決して上手くはありません。クロコダイルの登場に会場はパニック寸前です。

「一緒に歌おう」。ライルは、ジョシュの気持ちが伝わったかのように歌い出しました。その美しい歌声は、たちまち観客の心を捕えます。他の出演者たちもステージにあがり踊り出しました。

ライルの楽しいステージの様子はテレビで放映され、それを見たヘクターも嬉しそうです。会場は大歓声に包まれ、ライルは一気に人気者になりました。

今日は、家族でバカンスに出る日です。ジョシュとパパとママ、もちろんライルも一緒です。「全米ショーにはいかないからね」。ジョシュに断られたヘクターは残念そう。

それでもライルの幸せが一番です。ライルにとって、お金より、名誉より、家族と過ごす時間が何よりの幸せな時間なのです。

映画『グレイテストショーマン』あらすじネタバレと感想。ラスト結末の評価も【ヒュージャックマンが歌う代表作】

映画『シング・フォー・ミー、ライル』の感想と評価


(C)2022 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

ニューヨークを舞台に、歌うワニ・ライルと少年・ジョシュとの交流を、素敵な歌と美しい映像でおくるミュージカル映画『シング・フォー・ミー、ライル』。

ワニのライルは、しゃべることは出来なくても、歌うことで気持ちを表現できるユニークなワニです。その歌声は、聞くものを癒し、楽しい気持ちにさせてくれます

孤独だった少年ジョシュも、ライルと出会ったことで、自分を解放し自信を持てるようになりました。ジョシュだけではなく、ジョシュのママやパパもそうです。

こうでなければならないという自分で決めたルールに縛られ、心配してもしかたないことを気にして不安を抱える日々

ライルの歌声は、自分に素直に、今を自由に楽しく生きること、人生は楽しいということを思い出させてくれました。

そんな、いつも明るいライルでしたが、育ての親・ヘクターにステージ恐怖症のせいで置いてきぼりにされたり、ワニを怖がる人々から身を隠し孤独に暮らしていました。

寂しい時も、ライルは歌を聞いて、歌って乗り越えてきました。喜びも悲しみも歌にして表現してきたライル。

初めは小さかったワニのライルが、あっという間に大きなクロコダイルに成長。周りの人に怖がられながらも、純粋な心を持ち続けられたのは、歌の力ではないでしょうか


(C)2022 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

印象的なシーンのひとつに、ライルとジョシュが出会って街を冒険し、夜の屋上でパーティーをするシーンがあります。

何もかもが初めての体験に戸惑うジョシュが、ライルが歌う『Top of the World』に、心が奮い立ち勇気が湧いてきます。生き生きと輝き出す表情に、見ている方もテンションが上がります。

ライルが歌う曲は、どのシーンでも心情にマッチしていて心に染み入りますライルが踊る姿も可愛らしく、目でも楽しませてくれます

またラストシーンで、ライルが家族みんなでバカンスに出掛ける車の中、かかっていた曲は『クロコダイル・ロック』。なんと粋な選曲。満足げに歌うライルの姿に、感動の涙が流れます。

日本語吹替版でライルを演じているのは、大泉洋。しゃべらず、歌だけで演じます。知らずに見る人には、ライルの声が大泉洋と聞いて驚く人もいることでしょう。

やんちゃな中にも優しさがにじみ出る歌声は、違和感がなく、ライルそのもの。台詞だと思って歌ったという役作りは、歌のようで台詞にも聞こえ、ライルの気持ちが見事に表現されています。

アメリカ版のライルは、大人気のシンガー、ショーン・メンデス。聞き比べてみるのも面白いと思います

まとめ


(C)2022 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

ひとりぼっちのワニ・ライルと、ひとりぼっちの少年・ジョシュが出会い、友情を育んで行くミュージカル映画『シング・フォー・ミー、ライル』を紹介しました。

嬉しい時も悲しい時も、自分に正直に、気持ちを歌にのせ伝えるライルの姿に、勇気と感動をもらいます。

人生には何が大切なのか。ライルにとって一番大切なものは、お金や名誉ではなく、自分を大切にしてくれる人。家族の存在でした

観たものをハッピーにしてくれるミュージカル映画『シング・フォー・ミー、ライル』。ぜひ、大音響の映画館でライルの歌声に酔いしれて下さい。

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