ファンタジーのキャパ超えた!?
こんなサンタ見たことない。
中村光の漫画『ブラックナイトパレード』を、福田雄一監督が実写映画化。『聖☆おにいさん』以来のタッグとなりました。奇妙な仏と神の次は、奇妙なサンタさんの登場です。
街はクリスマス、しかし今日もコンビニバイトな男・日野三春。受験失敗、就職失敗、彼女なしの現実に「なんで俺だけ」とぼやく彼が、黒いサンタ服の男に拉致された先は、北極にある「サンタクロースハウス」という会社でした。
「世界中の子どもたちにプレゼントを配る」という超激務のブラック企業で、“ブラックサンタ”として働かされる三春。
果たして三春は、世界中の子どもたちに幸せを届けることができるのか。そして、三春が連れてこられた本当の目的とは。
笑いと感動のクリスマスコメディ『ブラックナイトパレード』を紹介します。
映画『ブラックナイトパレード』の作品情報
【公開】
2022年(日本映画)
【原作】
中村光
【監督】
福田雄一
【脚本】
鎌田哲生、福田雄一
【キャスト】
吉沢亮、橋本環奈、中川大志、渡邊圭祐、若月佑美、藤井美菜、山田裕貴、佐藤二朗、玉木宏
【作品概要】
これが本当のクリスマス!?“黒いサンタクロース”の笑って泣ける知られざる物語を描いた中村光の漫画『ブラックナイトパレード』の実写映画化作品です。
監督は「銀魂」シリーズ、『今日から俺は!!劇場版』など数々のコメディ映画を手がける福田雄一監督。中村光の漫画作品の実写化は、『聖☆おにいさん』にドラマ化に続いて2回目となります。
冴えない主人公・日野三春役は、本作が映画初主演作となる吉沢亮。福田監督映画作品には『銀魂2』以来の出演となります。
またサンタクロースハウスで働く三春の同僚として、ハッキングのプロ北条志乃役を福田組でお馴染みの橋本環奈、どこまでもチャラ男の田中皇帝役を中川大志、イケメン料理長の古平鉄平役を渡邊圭祐が演じています。
その他共演には、コンビニの店長役に佐藤二朗、謎のキャラ「帽子さん」に“あの俳優”など、福田組の常連俳優が集結しました。
映画『ブラックナイトパレード』のあらすじとネタバレ
クリスマスには、良い子のところに“赤いサンタクロース”がやってきて、一番ほしかったプレゼントを置いていってくれます。でも、本当のクリスマスはそれだけじゃなかったのです。
悪い子のところにも、サンタさんはやってきます。そのサンタは“黒いサンタクロース”。そして悪い子に、絶妙な精神的ダメージを与えるプレゼントを置いていくのでした。
日野三春、22歳。大学受験失敗、就職失敗、彼女なし。コンビニ・ポーソン練馬北口店でバイトを始めて3年。街はクリスマスムードで盛り上がる中、三春は今日もバイトです。
同僚のただただチャラい男・田中皇帝(カイザー)は、「先輩。良い子が褒められるのって小学生までですよ!」と、迎えに来た彼女とともにさっさと帰っていきました。
おまけに、常日頃から廃棄商品を勝手に食べることに厳しい店長に、ケーキを取り置きしていると勘違いされ、ねちねちと怒られました。本当はカイザーのせいなのに。
「なんで俺だけ」三春はやさぐれていました。そんな三春の様子を見ているあやしい人物が。黒いサンタ服をきた男です。「悪い子みっーけっ」
三春は、帰り道ふらっと立ち寄ったホルモン屋台でその男に連れ去られます。目覚めるとそこは「サンタクロースハウス」という信じられない所でした。
男の正体は、クネヒトという名の“黒いサンタクロース”。この会社の社長だと言います。わけがわからず逃げ出そうとする三春でしたが、ここは北極、外は猛吹雪で出られません。
ここでは、世界中の子どもたちにクリスマスプレゼントを配るため、黒いサンタクロースたちが懸命に働いていました。
“ブラックサンタ”なだけにブラック企業並みの激務ではありますが、社員の待遇自体は好条件。ポーソン店長からの鬼電に心折れた三春は、ここで働くことを決意するのでした。
同僚の天才的ハッキング能力で良い子か悪い子を見分けるサンタ・北条志乃と、料理長でありながら職をいくつもかけ持つイケメンサンタ・古平鉄平が三春の面倒をみてくれます。
まずは部署決めです。“赤いサンタクロース”が不在となってしまった今、黒いサンタクロースが代わって、世界中の子どもたちからの手紙を仕分け、プレゼントを作り、良い子にも悪い子にもプレゼントを届けているとのこと。どの部署も忙しそうです。
サンタクロースハウスで働く妖精のリーダー「帽子さん」に連れられ、頭に謎の装置をかぶせられた三春は、思わぬ才能を発揮します。
そこは、悪い子用のプレゼントを選ぶ部署です。その子になってどのくらいのダメージを受けるか体を張って体験する三春。ガッカリ指数を次々と的中させていきます。
そんな中、サンタクロースハウスでは恒例の「トナカイ試験」が行われようとしていました。トナカイは皆の憧れの部署であり、9人の伝説の名が与えられたエリート集団。リーダーは「ルドルフ」です。
鉄平と志乃も、毎回試験を受けているとのこと。トナカイの「特別手当1千万」に惹かれた三春も受けてみることにします。
鉄平曰く、今回の試験にはすでに、トナカイ候補である「ポーソン練馬北口店」の卒業生が参加しているらしいと警戒をしています。
そのコンビニは、自分が3年間バイトしていたコンビニです。驚く三春の前に、天敵のアイツが現れました。コンビニバイト仲間のカイザー参上。
「まじすか!まじすか!」と相変わらずのテンションでやってきたカイザーは、すでにエリート面です。また彼は、三春にお土産で持ってきたDVDを見せます。
映し出された映像は、ポーソン練馬北口店・深夜の監視カメラの映像でした。
映画『ブラックナイトパレード』の感想と評価
福田雄一監督が、中村光の漫画『ブラックナイトパレード』を実写映画化。この冬、最高に笑って心温まるクリスマスファンタジーです。
サンタクロースといえば、赤い服に白く長い髭のお爺さんのイメージですが、実は黒い服のサンタクロースたちが世界中の子どもたちのために働いてくれていました。
北極にあるサンタクロースハウスは会社であり、働く黒いサンタクロースは社員。「花形のトナカイ部署に入るには、試験に合格しなければならない」という設定も大手企業のような様相ですが、そこでは世界中の子どもたちから届く手紙を仕分け、良い子か悪い子かを調査し、プレゼントを決めています。
ハッキングに不法侵入、作られるプレゼントは赤い帽子の妖精たちが「プッ~」として生み出すなど、ハチャメチャすぎるサンタクロースハウス。それでも、クリスマスが楽しな子どもたちのため激務をこなす黒いサンタクロースたちは、カッコよく見えます。
主人公は冴えない男・三春。「なんで俺だけ」と不運を嘆きながらも、真面目に生きてきました。良い人過ぎて損してしまうタイプです。
三春が働くポーソン練馬北口店は、なぜか深夜に激混みするというコンビニ。店長は廃棄商品の扱いと言い訳に厳しく、可愛い子を堂々と贔屓します。そんなポーソン練馬北口店が、実は重要な場所だったというまさかの展開。監視カメラで明らかになるコンビニの秘密に爆笑です。
福田雄一監督ならではの細かいボケの応酬に、何も考えずに「くだらねぇ~。でも好き~」と笑えます。
終いには、クリスマスを呪い赤いサンタクロースの命を狙う闇の人物。さぞや恐ろしい化け物かと思いきや、『勇者ヨシヒコ』シリーズを彷彿させる敵のクオリティ。強いのか弱いのか混乱に陥ります。
そうかと思えば、花形のトナカイ集団のかっこいいこと。中でもリーダー・ルドルフのカリスマ性にやられます。緩いかと思えば、ちゃんと見せ場もある福田ワールド全開です。
主人公の三春を演じるのは、意外にも映画初主演となる吉沢亮。とにかく多い小ボケラッシュにテンポ良くツッコミを繰り出す反射神経の良さは見事です。
福田組でお馴染み橋本環奈の変顔もグレードアップされ、スキンヘッド姿まで披露しています。また中川大志の歯っ欠けでチャラい姿が見れるのもレアです。
まとめ
クリスマスは良い子にも悪い子にもやってくる!?映画『ブラックナイトパレード』を紹介しました。
クリスマスが過ぎても、北極の「サンタクロースハウス」では、黒いサンタたちが激務をこなしています。プレゼントが遅れて届くことも!?
子供も大人も楽しめるファンタジーコメディ。難しいことは考えず、笑っていられるこの瞬間が幸せなのだと感じます。