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Entry 2022/12/22
Update

【ネタバレ】エッジ・オブ・トゥモロー|あらすじ結末感想と評価解説。武術アクションでルイス・ファンが新兵器“戦闘用パワードスーツ”大暴れ!

  • Writer :
  • 秋國まゆ

1人のSPがテロリストから世界を救うアクション・アドベンチャー!

タン・チャオチアが監督を務めた、2021年製作の中国のアクション・アドベンチャー映画『エッジ・オブ・トゥモロー』。

政府は平和の抑止力のために、戦闘用パワードスーツを開発。しかしその圧倒的な破壊力とパワーを発揮できる最強兵器を奪い、世界の破滅を目論む凶悪テロ組織が出現します。

そのパワードスーツの操縦者選考テストを受けた凄腕のSPが、愛する妻をテロリストによって殺された辛い過去を乗り越え、人質救出のために凶悪テロ組織に立ち向かう姿とは、具体的にどんな姿だったのでしょうか。

ルイス・ファン主演のアクション・アドベンチャー映画『エッジ・オブ・トゥモロー』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『エッジ・オブ・トゥモロー』の作品情報


(C)My Way From Company Limited All Right Reserved

【公開】
2021年(中国映画)

【原題】
神兵特攻

【脚本】
シー・チャオ

【監督】
タン・チャオチア

【キャスト】
ルイス・ファン、ジアン・イーイー、ディエゴ・ダティ、ワン・ジーポン

【作品概要】
タン・チャオチアが監督を務めた、中国のアクション・アドベンチャー作品。

「イップマン」シリーズや『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』(2011)、『沈黙の達人』(2018)などで知られるアクションスター、ルイス・ファンが主演を務めています。

映画『エッジ・オブ・トゥモロー』のあらすじとネタバレ


(C)My Way From Company Limited All Right Reserved

2025年。凄腕のSPであるロン・ウェイは、自身が隊長を務めるチームのメンバーと共に、テロリストに命を狙われている「KBコーポレーション」という会社の社長アンソニーを警護していました。

しかし予想外の襲撃を受けて、ロン以外のチームメンバーは惨殺され、ロンとアンソニーも次から次へと湧いて出てくる敵に苦しめられ、絶体絶命のピンチに追い込まれてしまいます。

すると空から救援部隊が駆けつけ、ロンたちの命を狙うテロリスト一味を制圧。

ロンはアンソニーと共に無事救助されたものの、自身の腹心であったワン・ユーとチームメンバーが惨殺されたことに心を病み、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症。SPを辞職しました。

しかし退職願を出した直後、ロンと彼の妻コーシン、娘のファンファンの3人が暮らすウェイ家に、テロリストの残党が襲来。

そうとは知らず玄関を開けてしまったコーシンは、時限爆弾を持たされてしまいます。

ロンが怪我で自由に動けない体を動かし、コーシンを助ける術を模索するも、時すでに遅し。既にタイマーが作動していた時限爆弾は、ロンたち家族が話し合っている途中で爆発。

コーシンは爆殺され、彼女のすぐ近くにいたファンファンも頭に大怪我を負ってしまいました。

絶望したロンは、ファンファンの手術費用を稼ぐために電気の修理工として働き、細々と暮らしていました。

そんなある日、ロンは偶然、暴漢に襲われていた女性を得意な武術を使って助けました。

その翌日。女性は助けてくれた感謝を伝えるために、ロンの雇い主の1人、リアオに教えてもらったウェイ家を訪れました。

彼女の名はエイミー、「ヘイヤンテクノロジー」という会社の研究所「ブラックロック研究所」で働く科学者です。

ロンが武術の達人だと知ったエイミーは、ヘイヤンテクノロジーの警備員にならないかと勧誘しました。

最初は断ってしまったロンでしたが、エイミーがファンファンの手術費用を立て替えてくれたことを知り、コーシンが生前言っていた「正しいと思ったことをする」ために、入社試験を受けることにしました。

10月8日水曜日、入社試験当日。ヘイヤンテクノロジーを訪れたロンは、エイミーから別の試験を受けてほしいと言われます。

それはブラックロック研究所が平和の抑止力のために開発した新兵器「パワードスーツ」の操縦者選考テストです。

実は3ヶ月後に行われる世界科学技術会議で、エイミーたちはこのパワードスーツを世界に公表する予定ですが、肝心の操縦者はまだ見つかっていませんでした。

それを聞いたロンは、エイミーにPTSDを患っていることを打ち明けます。ですがそれは既に知っていたようで、エイミーは「問題に向き合うことが1番の解決策だ」と言い、他の参加者がいる試験室へ案内しました。

以下、『エッジ・オブ・トゥモロー』ネタバレ・結末の記載がございます。『エッジ・オブ・トゥモロー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

エイミーは、最先端のVRシステムを使用したことで現実世界と酷似したテスト環境で、ロンたち参加者はどんな危険な状況に置かれても指示に忠実に従い、それぞれに課せられた任務を遂行するよう指示します。

ロンに課せられた任務は、テロリスト一味に囚われた人質の救出でした。

ロンは単独でテロリスト一味を制圧。しかし人質がコーシンだったことに激しく動揺し、人のトラウマを嘲笑うかのようなことをする研究員たちに怒り、テストの辞退を希望します。

しかしその直後、凶悪テロ組織によって試験室の扉が爆破され、研究員と参加者3名が惨殺されました。

間一髪のところで試験室から脱出できたロンは、倉庫にあった医療用品で撃たれた箇所に応急処置を施しました。

凶悪テロ組織は試験室を爆破し、エイミーとパワードスーツの開発者コーヘン博士がいる制御室を占拠。コーヘン博士にパワードスーツのデータを手渡すよう脅迫しました。

パワードスーツはスピード・機敏性・強度・耐久性を兼ね備えており、装着することで圧倒的な破壊力とパワーを発揮することができます。

つまり凶悪テロ組織の目的は、そのパワードスーツを奪い世界を破滅させることです。

コーヘン博士はエイミーたち研究員が殺されないために、凶悪テロ組織の要求に従い、パワードスーツのデータを手渡そうとします。

するとそこで、凶悪テロ組織が持つ無線にモニタールームにいる仲間から銃声が聞こえてきました。

その銃声を聞いたコーヘン博士は助けに来てくれる人がいると思ったのか、パワードスーツのデータを削除します。それと同時に、データの破壊プロセスを起動させました。

それに激怒した凶悪テロ組織は、コーヘン博士を射殺し、エイミーたち研究員も皆殺しにしようとします。

一部始終をモニタールームから見ていたロンは、それを止めるために警報ベルを鳴らしました。そして倒したテロリストの装備と武器を奪い、1人で凶悪テロ組織に立ち向かう覚悟を決めます。

エイミーが破壊プロセスを止めようとする中、ロンは廊下にあった消火器を使って、自分を捜しに来たテロリストたちの目を眩ませ、4人を殺害。

しかしそこで、モニタールームに到着した副官からの報告を聞いた凶悪テロ組織のボスであるニークンに、無線を使って余計な真似をするなと警告されます。

ですがロンはその警告を無視し、制御室へ向かいました。次に彼の前に現れたのは、ニークンの腹心であるスティーブンと彼の部下2人でした。

ロンはヘルメットで顔を隠し、声を出さないことでやり過ごそうとしました。それを不審に思ったスティーブンは、マスクを外すよう命じます。

正体がバレそうになったロンは、スティーブンに先制攻撃を食らわせ、スティーブンの銃を使って彼の後ろにいた1人を殺害。さらに渾身の一撃をもう1人の頭に食らわせます。

そして彼らが乗ろうとしたエレベーターに雪崩れこみ、ロンはスティーブンと死闘を繰り広げていきました。

死闘の末、隠しナイフを持ち近接戦闘に長けたスティーブンに苦戦を強いられたロンでしたが、武器を一切使わず武術だけでスティーブンを撃退しました。

エイミーも間一髪のところでデータの破壊を阻止し、ニークンにパワードスーツのデータを渡しました。

これでエイミーたちは解放される、かと思いきや、ニークンはエイミーとの約束を反故にし、用済みとなった彼女たちを殺そうとします。

その様子をモニタールームで見たロンは、すかさず無線を使い、ニークンに人質を解放するよう要求しました。

それを最初鼻で笑っていたニークンでしたが、ロンがスティーブンを人質に取っていると知るや否や、顔色が変わり彼の要求に従うことに。

制御室にて対峙するロンと凶悪テロ組織。「要求に従わない場合、俺はこいつを殺す」とロンが言った瞬間、ニークンは自分の手でスティーブンを始末します。

ロンはすぐさまニークンの身柄を拘束し、エイミーたちに早くこの場から逃げるよう指示しました。

エイミーたちが逃げた直後、ロンは凶悪テロ組織と銃撃戦を繰り広げていきます。銃撃戦の末、ロンは敵から奪ったであろう爆弾を投下し、凶悪テロ組織もろとも制御室を爆破させました。

するとそこで、助けを求める女性の声が聞こえてきました。制御室から地下のゴミ捨て場へと逃げのびたニークンに捕らえられたエイミーの声でした。

顔の左側に火傷を負ったニークンは、助けにきたロンを嘲笑うかのように、武装解除した彼とエイミーに銃弾を撃ち込みます。

弾切れになると、ニークンはそばに落ちていた鉄パイプを拾いました。それを見たエイミーはニークンの足にしがみつき、「私のことは構わずここから逃げて」とロンに叫びました。

身を挺して自分を守ろうとするエイミーの姿に、ロンはコーシンの姿を重ね合わせPTSDを発症。ですが途中で薬を落としてしまったため、ロンの手元に今薬はありません。

その間に何度も鉄パイプで背中を殴られ続けたエイミーは瀕死状態に。ニークンは固まったロンを目掛けて、鉄パイプを振り下ろそうとします。

「大切なのはあなたが無事に戻ることよ」というコーシンの言葉で奮起したロンは、振り下ろされた鉄パイプを片手で止め、ニークンに襲い掛かりました。

壮絶な死闘の末、ロンはニークンの体にピンを外した爆弾をとりつけ、彼の身柄を拘束した上で、エイミーに「ファンファンのことを頼む」と言いました。

ニークンともども爆死したロン。かと思いきや、ロンはエイミーと研究員たちがいる試験室で目を覚ましました。

なぜ自分が生きているのか、なぜ試験室にいるのか、なぜエイミーは傷ひとつ負っていないのか困惑するロンに、エイミーは「試験は合格よ」と告げました。

つまりブラックロック研究所を襲撃したニークンたちから、人質を救出することこそ、ロンに課せられた任務だったのです。

後日。ロンは手術を終えたばかりのファンファンの病室に足を運びました。傷が癒えたファンファンは、術後の自分の体調を気遣うロンに「ずっとパパに会いたかった」と言い、涙を流しながらロンに抱き着きました。

そんなファンファンを、涙を堪えながら強く抱きしめるロン。親子がいる病室のテーブルには、ロンがコーシンとSP退職後に行こうと約束していた、日本の富士山の前に親子3人で手を繋いで立っている姿を描いた絵が置かれていました。

映画『エッジ・オブ・トゥモロー』の感想と評価


(C)My Way From Company Limited All Right Reserved

物語の序盤、要人を警護しながら戦うSPのロンの姿から、SPという仕事がどんなに危険をはらんだものなのかが窺えます。

ロンが要人を警護しながら、たった1人で大勢の部下を殺したテロリスト一味と銃撃戦、格闘戦を繰り広げていく場面はとても迫力があって格好良いです。

ですがロンにとって、その任務は大事な仲間を失い、のちにPTSDを発症するぐらい最悪なものでした。

そんなロンの心の支えであった妻のコーシンも、彼に恨みを持つテロリスト一味の残党に爆弾を持たされ、家族を守るために犠牲になりました。

しかも娘のファンファンも頭に大怪我を負い、母親を目の前で亡くした喪失感からか笑顔もなくしてしまいました。

仲間と最愛の妻、立て続けに大切な人を失ったロンの絶望感は計り知れません。観ているだけで心が痛いです。

それでもファンファンの手術費用を立て替えてくれた科学者のエイミーのため、得意な武術と経験が活かせる警備員になろうと奮起するロン。

その試験中に行われる、凶悪テロ組織とロンの激闘の数々は、どれもハイスピードな超絶アクション場面となっているため、瞬きひとつできないほど物語の世界観に没入します。

まとめ

凄腕のSPが、平和の抑止力となるべく開発された新兵器「パワードスーツ」を奪いに来た凶悪テロ組織にたった1人で立ち向かう、中国のアクション・アドベンチャー作品でした。

本作の見どころは、どんなテロリスト相手でも人質救出のために命を懸けて戦い続けるSPのロンが魅せる、ハイスピードの超絶アクション場面です。

物語の後半から、パワードスーツを狙う凶悪テロ組織と戦うことになるロンですが、物語の終盤で凶悪テロ組織との戦いこそが試験だったと知らされます。

それまで見ていたロン視点のテスト内容よりも、はるかに現実味を帯びているテスト環境に、ロンはもちろん、観る人も騙されたことでしょう。

エンドロール前の映像には、ロンがテロリスト撲滅のため、パワードスーツを起動させた姿が描かれていました

映像で見られないのは残念ですが、パワードスーツを着用したロンが如何にして世界中に蔓延るテロリストを撲滅していくのかは、観る人ぞれぞれの頭の中で想像する楽しみがあります。

ルイス・ファンが凶悪テロ組織に立ち向かう1人の凄腕SPとして、ハイスピードの超絶アクションを繰り広げていくアクション・アドベンチャー映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。

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