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Entry 2022/10/11
Update

『川のながれに』あらすじ感想と評価解説。松本享恭主演で描く那須塩原の美しい風景の中で人生を見つめ直す青年の物語

  • Writer :
  • 谷川裕美子

映画『川のながれに』は11月11日(金)フォーラム那須塩原で先行公開、11月25日(金)より池袋シネマ・ロサ、シモキタ-エキマエ-シネマ『K2』、シアターセブン、みなみ会館他にて全国順次

映画『川のながれに』は、那須塩原を舞台に、母を亡くして一人きりになった青年が、自然と周囲の人々の暖かさに癒されながら成長していく物語。

成すの美しさに魅入られたプロデューサーの俳優・川岡大次郎と、杉山嘉一監督が製作しました。

主演を映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』(2021)の松本享恭と『茜色に焼かれる』(2021)の前田亜季が務めます。

主人公の賢司が自分の人生を見つめ直し、悩んだ末に出した結論とはなんだったのでしょうか。

ひとりの青年の成長を描く映画『川のながれに』は、11月11日(金)フォーラム那須塩原で先行公開、11月25日(金)より池袋シネマ・ロサ、シモキタ-エキマエ-シネマ『K2』、シアターセブン、みなみ会、他にて全国順次公開です。

映画『川のながれに』の作品情報


(C)Consent / Nasushiobara City

【公開】
2022年(日本映画)

【監督・脚本・編集】
杉山嘉一

【プロデュース】
川岡大次郎

【出演】
松本享恭、前田亜季、小柴カリン、大原梓、松本健太、安居剣一郎、林田麻里、三上市朗、森下ひさえ、青木崇高、音尾琢真

【作品概要】
テレビ番組の企画で那須塩原に期間限定で移住したプロデューサーの俳優・川岡大次郎が、那須塩原の自然と人の暖かさに魅入られて「なすしおばら映画祭」を立ち上げ、映画祭のために製作した一作。

映画 『Diner ダイナー』(2019)脚本の杉山嘉一監督とともに丁寧な取材を重ねて脚本を書き、土地の息吹と自然に引き込むような作品を生み出しました。

主演は、映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』(2021)の松本享恭と、『茜色に焼かれる』(2021)の前田亜季。

映画「るろうに剣心」シリーズの青木崇高が友情出演し、映画『孤狼の血 LEVEL2』(2021)の音尾琢真が特別出演しています。

映画『川のながれに』のあらすじ


(C)Consent / Nasushiobara City

サップにあおむけに寝そべって渓谷を流れていく君島賢司。橋の上から風景画をスケッチをしていた女性は彼を見て微笑み、スケッチに彼の姿も描き加えます。

彼と目が合ってシャーペンを落としてしまいますが、偶然賢司は落ちてきたペンをつかむことができました。女性は礼を言って受け取ります。

母親を病で亡くして一人きりになった賢司は、サップツアーガイドをしていました。心配する地域の人たちがやさしく彼に寄り添います。

葬儀を手伝ってくれた人々と食事をしていた賢司の前に、知人に連れられてシャーペンの女性・森音葉が現れました。心の赴くまま世界中を旅し塩原に移住したイラストレーターの彼女を賢司は案内することになります。

7年かけて100か国以上を旅したという音葉の話を聞いた賢司は驚き、自分はいたくてここにいたと思っていたけれど、ただ流されて生きていただけかもしれないと思い始めます。

初めての感情に戸惑う賢司の前に、彼に想いを寄せる温泉旅館若女将の幼なじみと東京で働く元カノが現れ、彼をめぐりバトルとなります。

さらに、幼い頃に死んだと聞かされていた父親が突然現れたことで、賢治は動揺し…。

映画『川のながれに』の感想と評価


(C)Consent / Nasushiobara City

那須の自然に生きる青年の人生

母を突然亡くしてひとり残された青年が、自分の生き方を振り返りこれからの自分の人生を見つめ直す姿を描く『川のながれに』

冒頭に映し出されるのは、圧倒的に美しい那須塩原の風景です。

美しい紅葉の渓谷を進んでいくサップに乗る青年。ゆったりと流れる時間。仰向けに寝そべって見つめる高い空。流れる滝の水音。

那須の魅力にとりつかれ、映画を作らずにいられなかったプロデューサーの川岡大次郎の思いが、このショットだけで強く伝わってきます

この美しい土地を舞台に描かれるのは、自分らしい生き方を模索する若者の姿です。

新卒の若い子ではなく、社会に出て数年を経験した30歳手前の青年らがこれまでの生き方に疑問を持つ姿はとてもリアルに感じられます。

都会に行くべきか悩む者、都会に疲れて帰る者、都会で野心を燃やして戦い続ける者。

ここではないどこかを求めてさすらう者もいれば、ただただ未知の世界を見てみたいという思いを抱く者もいます。

故郷にずっと暮らす賢司と、自由に世界中をとびまわってきた音葉との対比は見事です。どちらの生き方にもよさがあります。

何も疑問を抱かず地元を離れずに生きてきた賢司。この素晴らしい那須の風景を見れば、彼がとどまる理由や彼の故郷への愛が痛いほどよく理解できるに違いありません

家族の喪失と再生


(C)Consent / Nasushiobara City

主人公の賢司はふたりで暮らしていた母を病で突然亡くします。ひとりきりになった賢司は、周囲からこれからは自由に生きろと言われてただただ戸惑います。彼は母がいたからこの地を離れられなかったわけではなかったからです。

それでも、彼がひとりになったことで生き方を変えるだろうと誰もが思っていました。

ひとりぼっちになった彼の前に、死んだと聞かされていた父の翔一が現れたことで、彼の心は千々に乱れます。

ひとりになったと思い、覚悟を決めていた賢司にとってはまさに青天の霹靂でした。

賢司が突然現れた父とどんな関係を結んでいくかも大きなみどころとなっています。

まとめ


(C)Consent / Nasushiobara City

那須塩原の絶景を舞台に、川のながれに流されて生きてきたかのように感じて人生をみつめなおそうとする青年の物語『川のながれに』

美しい風景美のなかで紡がれる時間が愛おしく感じられる作品です。

主人公の賢司を取り巻く地域の人たちや、彼に思いを寄せる女性たち、そして突然姿を現した死んだはずの父など、温かな心を持つ人たちが魅力的に描かれます。

賢司の心に新風を吹き込む、世界中を旅してきた自由人の音葉をベテランの前田亜季が好演しています。

映画『川のながれに』は11月11日(金)フォーラム那須塩原で先行公開、11月25日(金)より池袋シネマ・ロサ、シモキタ-エキマエ-シネマ『K2』、シアターセブン、みなみ会館他にて全国順次公開です。





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