大人気スパイアクション映画「007」シリーズ第3作!
ガイ・ハミルトンが監督を務めた、1964年製作のイギリス・アメリカ合作のスパイアクション映画『007/ゴールドフィンガー』。
英国の金が大量に国外に流出しているという情報を得て、「007」こと英国情報局秘密情報部「MI6」の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドが、あらゆる悪事に手を染める億万長者オーリック・ゴールドフィンガーに接触しその計画を阻止する姿とは、具体的にどんな姿だったのでしょうか。
ショーン・コネリー演じる初代ジェームズ・ボンドの美女とスリルに満ちた任務を描いた、「007」シリーズ第3作『007/ゴールドフィンガー』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『007/ゴールドフィンガー』の作品情報
【公開】
1965年(イギリス・アメリカ合作映画)
【原作】
イアン・フレミングの小説『ゴールドフィンガー』
【監督】
ガイ・ハミルトン
【キャスト】
ショーン・コネリー、ゲルト・フレーベ、オナー・ブラックマン、シャーリー・イートン、セク・リンダー、タニア・マレット、バーナード・リー、ロイス・マクスウェル、デスモンド・リュウェリン、ハロルド坂田
【作品概要】
『The Ringer』(1952)のガイ・ハミルトンが監督を務めた、イギリス・アメリカ合作のスパイアクション作品。
原作はイギリス人のスパイ小説・冒険小説家イアン・フレミングの小説『ゴールドフィンガー』をもとに、『007/ロシアより愛をこめて』(1964)の脚本担当リチャード・メイボームと『戦慄の七日間』(1954)の原案担当ポール・デーンが脚色した、「007」シリーズ第3作目です。
「007」シリーズのショーン・コネリーが主演を務め、『忘れえぬ慕情』(1956)のゲルト・フレーベや、『ロンドンゾンビ紀行』(2012)のオナー・ブラックマンが共演しています。
映画『007/ゴールドフィンガー』のあらすじとネタバレ
「007」こと英国情報局秘密情報部「MI6」の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドは、メキシコである任務にあたっていました。それはラミレスという革命家の工場を爆破し、その資金源を断つことです。
無事任務を達成したボンドは、バーで出会った美女とシャワーを浴びようとします。しかしそこへ、ラミレスの手下が襲撃。
ボンドはラミレスの手下をバスタブの中に投げいれ、さらに電気スタンドも入れて感電させ、返り討ちにしました。
ラミレスの手下を手引きした美女を見て、「女は恐ろしい」と言いながら部屋を後にし、ボンドはマイアミへ飛びました。
マイアミ・ビーチに到着後、ボンドはCIAのエージェントであるフィリックス・ライターと再会。実業家としても宝石商としても国際的に有名な億万長者オーリック・ゴールドフィンガーを監視するよう指示されます。
この時、ゴールドフィンガーはホテルのプールサイドで、カモにしている男とカードゲームをしていました。
それを見たボンドは、瞬時にゴールドフィンガーがイカサマをしていることに気づき、妨害します。さらにボンドは、イカサマの手伝いをしていたゴールドフィンガーの女ジル・マスターソンと親密になりました。
ゴールドフィンガーの怒りを買ったボンドは、彼の手下オッドジョブに襲われ、気絶してしまいます。
意識を取り戻したボンドが見たのは、ベッドの上に横たわるジルの変わり果てた姿でした。ジルは裏切った報いとして、全身に金粉を塗られ窒息死しました。
イギリス・ロンドン。MI6の部長であるMはイングランド銀行のスミザーズ大佐から、英国の金が大量に国外に流出しているとの情報を入手。
その犯人と思わしきゴールドフィンガーの金の密輸方法を調査するよう、ボンドに命じました。
Mからの命を受け、ボンドはイングランド銀行から提供されたナチスの金塊(トプリッツ湖から回収された、1個5000ポンドする、1940年のエッセン製の金塊)を餌に、ゴールドフィンガーが経営するゴルフクラブで、彼と賭けゴルフを行いました。
ボンドはラフ(芝が伸びていてボールのコントロールが難しいゴルフコースのエリア)に入ったゴールドフィンガーのボールを足で踏みつけ隠します。
するとオッドジョブが、偽ボールを用意してイカサマをしてきました。これに気づいたボンドは最後の勝負でボールをすり替え、ゴールドフィンガーをルール違反で負かします。
これに怒ったゴールドフィンガーは、オッドジョブが運転する自身の愛車「ロールス・ロイス・ファントムⅢ」に乗り、その場を後にしました。
密かにボンドが、ロールス・ロイス・ファントムⅢのトランクに、特務装備開発課「Q課」の課長であるQが開発した携帯発信器「ホーマー」を取り付けているとは知らずに………。
ボンドはアストンマーチン・DB5を改造した「ボンドカー」に乗って、ゴールドフィンガーと彼が乗るロールス・ロイス・ファントムⅢが搭乗した、ジュネーヴ行きのブリティシュ・ユナイテッド航空の大型旅客機「ATL-98カーベア」を追いかけます。
スイス・ジュネーヴ。空港からゴールドフィンガーを尾行していたボンドは、フルカ峠でゴールドフィンガーを目掛けて狙撃した美女を目撃。
彼女が撃った弾が当たりそうになったため、ボンドは彼女が運転する車フォード・マスタングを追跡。ボンドカーに搭載された特殊装備を使って、タイヤをパンクさせます。
ボンドが名前を尋ねると、彼女はティリー・ソームズと名乗り、送ってもらった近くのガソリンスタンドで2人は別れました。
その日の夜。ボンドはゴールドフィンガーが経営する冶金工場「オーリック社」に潜入。ゴールドフィンガーとその手下の中国人リンの会話を盗み聞きします。
その結果、ボンドはロールス・ロイスのボディを18金製に替えて密輸していることを知り、「グランド・スラム計画」という言葉を耳にしました。
一方ティリーは、オーリック社の森林に身を潜め、ゴールドフィンガーを再度狙撃しようとします。
実はティリーの本名は、ティリー・マスターソン。殺されたジルの妹だったのです。
姉の仇討ちに燃えるティリーの狙撃を阻止したボンドでしたが、直後にゴールドフィンガー一味に見つかってしまいます。
暗い森林内でのカーチェイスと銃撃戦の末、ティリーはオッドジョブに殺され、ボンドもゴールドフィンガー一味に捕まってしまいました。
ところが、ボンドカーに乗って連行されたボンドは、助手席に座っている見張りの男の隙をついて逃走。
オーリック社の敷地内で繰り広げられたカーチェイスの末、ボンドは再び捕まってしまいました。
挙げ句の果てにゴールドフィンガーに正体がバレてしまい、ボンドは鋼鉄をも難なく切断する工業用レーザーで殺されそうになります。
工業用レーザーがボンドの体に当たる直前、ボンドは「“グランド・スラム計画”のことは既にMI6本部に報告した」とはったりを言い、窮地を脱しました。
映画『007/ゴールドフィンガー』の感想と評価
作中で、ボンドは何度もゴールドフィンガー一味に殺されかけますが、全て自力で危機を脱していることにその都度脱帽させられます。
また、「007」シリーズ第1作目『007/ドクター・ノオ』(1963)に登場したCIAのエージェント、フィリックスにしっかり自分の居場所を知らせているボンドの手際の良さもさすがでした。
それに、数多くの美女を魅了してきたボンドにも、雇われているゴールドフィンガーにも靡かないほど気が強いプッシーを、ボンドは最後の最後で改心させ味方につけています。
そのおかげで、ボンドたちはゴールドフィンガーとその一味が企てた「グランド・スラム計画」を阻止することが出来ました。
本作の悪役であるゴールドフィンガーは、何度ボンドにしてやられて煮え湯を飲まされてもなお、最後の最後まであがき、ボンドを追い詰めていきました。
そんなゴールドフィンガーの、金塊に対する執着心の強さと狡猾さにも、悪役ながら感嘆させられます。
他の「007」シリーズ作品に登場した悪役よりも、ボンドを捕まえたであろうゴールドフィンガーとボンドの戦いは、一瞬たりとも目が離せないスリリングなアクション場面が満載でとても面白いです。
まとめ
MI6の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドが、最も厳重な警備が敷かれているアメリカ合衆国金塊貯蔵庫の爆破を目論む億万長者とその一味の計画を阻止するべく奮闘する、イギリス・アメリカ合作のスパイアクション作品でした。
物語の前半で殺されたボンドガール、ジルが全身に金粉を塗られて窒息死する姿は、ボンドのみならず、本作を観た人誰もが言葉を失うほど衝撃的な場面です。
また作中では、ボンドが関係を持った美女はプッシー以外、本作の悪役であるゴールドフィンガー一味によって全員殺されています。さすがのプレイボーイであるボンドも、彼女たちの死に悲しみに暮れたことでしょう。
そしてショーン・コネリー演じる初代ジェームズ・ボンドは、これまで自身と関係を持ったボンドガールにはジェントルマンの顔を見せていましたが、気が強いプッシーを説得するには少し強引なやり方で意外性がありました。
ショーン・コネリー演じる初代ジェームズ・ボンドが、史上最高の黄金強奪計画を阻止するミッションに挑み、全世界を興奮の渦に巻き込んだスパイアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品となっています。