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Entry 2022/05/25
Update

007ゴールドフィンガー|ネタバレあらすじ感想と結末の解説評価。ジェームズボンドが黄金強奪計画を阻止するミッションに挑む

  • Writer :
  • 秋國まゆ

大人気スパイアクション映画「007」シリーズ第3作!

ガイ・ハミルトンが監督を務めた、1964年製作のイギリス・アメリカ合作のスパイアクション映画『007/ゴールドフィンガー』。

英国の金が大量に国外に流出しているという情報を得て、「007」こと英国情報局秘密情報部「MI6」の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドが、あらゆる悪事に手を染める億万長者オーリック・ゴールドフィンガーに接触しその計画を阻止する姿とは、具体的にどんな姿だったのでしょうか。

ショーン・コネリー演じる初代ジェームズ・ボンドの美女とスリルに満ちた任務を描いた、「007」シリーズ第3作『007/ゴールドフィンガー』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『007/ゴールドフィンガー』の作品情報


(C) 1964 Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

【公開】
1965年(イギリス・アメリカ合作映画)

【原作】
イアン・フレミングの小説『ゴールドフィンガー』

【監督】
ガイ・ハミルトン

【キャスト】
ショーン・コネリー、ゲルト・フレーベ、オナー・ブラックマン、シャーリー・イートン、セク・リンダー、タニア・マレット、バーナード・リー、ロイス・マクスウェル、デスモンド・リュウェリン、ハロルド坂田

【作品概要】
『The Ringer』(1952)のガイ・ハミルトンが監督を務めた、イギリス・アメリカ合作のスパイアクション作品。

原作はイギリス人のスパイ小説・冒険小説家イアン・フレミングの小説『ゴールドフィンガー』をもとに、『007/ロシアより愛をこめて』(1964)の脚本担当リチャード・メイボームと『戦慄の七日間』(1954)の原案担当ポール・デーンが脚色した、「007」シリーズ第3作目です。

「007」シリーズのショーン・コネリーが主演を務め、『忘れえぬ慕情』(1956)のゲルト・フレーベや、『ロンドンゾンビ紀行』(2012)のオナー・ブラックマンが共演しています。

映画『007/ゴールドフィンガー』のあらすじとネタバレ


(C) 1964 Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

「007」こと英国情報局秘密情報部「MI6」の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドは、メキシコである任務にあたっていました。それはラミレスという革命家の工場を爆破し、その資金源を断つことです。

無事任務を達成したボンドは、バーで出会った美女とシャワーを浴びようとします。しかしそこへ、ラミレスの手下が襲撃。

ボンドはラミレスの手下をバスタブの中に投げいれ、さらに電気スタンドも入れて感電させ、返り討ちにしました。

ラミレスの手下を手引きした美女を見て、「女は恐ろしい」と言いながら部屋を後にし、ボンドはマイアミへ飛びました。

マイアミ・ビーチに到着後、ボンドはCIAのエージェントであるフィリックス・ライターと再会。実業家としても宝石商としても国際的に有名な億万長者オーリック・ゴールドフィンガーを監視するよう指示されます。

この時、ゴールドフィンガーはホテルのプールサイドで、カモにしている男とカードゲームをしていました。

それを見たボンドは、瞬時にゴールドフィンガーがイカサマをしていることに気づき、妨害します。さらにボンドは、イカサマの手伝いをしていたゴールドフィンガーの女ジル・マスターソンと親密になりました。

ゴールドフィンガーの怒りを買ったボンドは、彼の手下オッドジョブに襲われ、気絶してしまいます。

意識を取り戻したボンドが見たのは、ベッドの上に横たわるジルの変わり果てた姿でした。ジルは裏切った報いとして、全身に金粉を塗られ窒息死しました。

イギリス・ロンドン。MI6の部長であるMはイングランド銀行のスミザーズ大佐から、英国の金が大量に国外に流出しているとの情報を入手。

その犯人と思わしきゴールドフィンガーの金の密輸方法を調査するよう、ボンドに命じました。

Mからの命を受け、ボンドはイングランド銀行から提供されたナチスの金塊(トプリッツ湖から回収された、1個5000ポンドする、1940年のエッセン製の金塊)を餌に、ゴールドフィンガーが経営するゴルフクラブで、彼と賭けゴルフを行いました。

ボンドはラフ(芝が伸びていてボールのコントロールが難しいゴルフコースのエリア)に入ったゴールドフィンガーのボールを足で踏みつけ隠します。

するとオッドジョブが、偽ボールを用意してイカサマをしてきました。これに気づいたボンドは最後の勝負でボールをすり替え、ゴールドフィンガーをルール違反で負かします。

これに怒ったゴールドフィンガーは、オッドジョブが運転する自身の愛車「ロールス・ロイス・ファントムⅢ」に乗り、その場を後にしました。

密かにボンドが、ロールス・ロイス・ファントムⅢのトランクに、特務装備開発課「Q課」の課長であるQが開発した携帯発信器「ホーマー」を取り付けているとは知らずに………。

ボンドはアストンマーチン・DB5を改造した「ボンドカー」に乗って、ゴールドフィンガーと彼が乗るロールス・ロイス・ファントムⅢが搭乗した、ジュネーヴ行きのブリティシュ・ユナイテッド航空の大型旅客機「ATL-98カーベア」を追いかけます。

スイス・ジュネーヴ。空港からゴールドフィンガーを尾行していたボンドは、フルカ峠でゴールドフィンガーを目掛けて狙撃した美女を目撃。

彼女が撃った弾が当たりそうになったため、ボンドは彼女が運転する車フォード・マスタングを追跡。ボンドカーに搭載された特殊装備を使って、タイヤをパンクさせます。

ボンドが名前を尋ねると、彼女はティリー・ソームズと名乗り、送ってもらった近くのガソリンスタンドで2人は別れました。

その日の夜。ボンドはゴールドフィンガーが経営する冶金工場「オーリック社」に潜入。ゴールドフィンガーとその手下の中国人リンの会話を盗み聞きします。

その結果、ボンドはロールス・ロイスのボディを18金製に替えて密輸していることを知り、「グランド・スラム計画」という言葉を耳にしました。

一方ティリーは、オーリック社の森林に身を潜め、ゴールドフィンガーを再度狙撃しようとします。

実はティリーの本名は、ティリー・マスターソン。殺されたジルの妹だったのです。

姉の仇討ちに燃えるティリーの狙撃を阻止したボンドでしたが、直後にゴールドフィンガー一味に見つかってしまいます。

暗い森林内でのカーチェイスと銃撃戦の末、ティリーはオッドジョブに殺され、ボンドもゴールドフィンガー一味に捕まってしまいました。

ところが、ボンドカーに乗って連行されたボンドは、助手席に座っている見張りの男の隙をついて逃走。

オーリック社の敷地内で繰り広げられたカーチェイスの末、ボンドは再び捕まってしまいました。

挙げ句の果てにゴールドフィンガーに正体がバレてしまい、ボンドは鋼鉄をも難なく切断する工業用レーザーで殺されそうになります。

工業用レーザーがボンドの体に当たる直前、ボンドは「“グランド・スラム計画”のことは既にMI6本部に報告した」とはったりを言い、窮地を脱しました。

以下、『007/ゴールドフィンガー』ネタバレ・結末の記載がございます。『007/ゴールドフィンガー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C) 1964 Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

麻酔銃を撃たれ眠らされたボンドは、ゴールドフィンガーに雇われた女性パイロット、プッシー・ガロアが操縦する彼の自家用ジェット機に乗せられ、アメリカ・ケンタッキー州へ連行されます。

その道中、ボンドは洗面所で乗務員マイ・リーの監視をすり抜け、自身の靴の裏に小型のホーマーを取り付けました。

プッシー率いる空中サーカス「プッシー・ガロア空中サーカス」が訓練している飛行場に到着後、ボンドはゴールドフィンガーの元へ送られました。

ゴールドフィンガーがいたのは、彼が飼っている競走馬たちがいる牧場「オーリック牧場」です。ボンドはその地下にある牢獄に監禁されましたが、見張り番を倒して自力で脱出。

そしてゴールドフィンガーが、彼に協力するシンジケートのボスたちに話す「グランド・スラム計画」の概要を盗み聞きします。

「“フォート・ノックス(アメリカ・ケンタッキー州北部にある軍保留地)”にあるアメリカ合衆国金塊保管所に保管された金を奪う。そこには、私が預けた150億ドルの金塊がある」

「4万1000の軍隊が厳重に警備しているが、私が考えたフォート・ノックス襲撃プラン、名付けて“グランド・スラム計画”は完璧だ」「この計画の準備に15年費やし、あらゆる事故を想定して対策を立てた」

「まずミッドナイト(シンジケートのボスの1人)の組織が、あるボンベを密輸してくれた。その中身はデルタ9、15分で消滅する神経ガスで、これを吸うと24時間失神する」

「そして明朝、ミス・ガロアが率いる空中サーカスが、これをフォート・ノックス近辺に散布する」

「メキシコから侵入した機動部隊が、大金庫通りと交差する金塊大通りを進撃して目標に近づく」「大金庫室を囲むフェンスには電流が通じているので、これを爆破し、侵入して正門を破壊する」

「正門を破壊できるのは、海運業界への影響力が強いソーロー(シンジケートのボスの1人)の影響力で税関の目を盗み、ある機械を密輸してくれたおかげだ」

グランド・スラム計画の概要を聞かされたシンジケートのボスたちは、口封じのためにデルタ9で皆殺しにされてしまいます。デルタ9は人間を即死させる殺人ガスだったのです。

ですがその直前、ソーローは「グランド・スラム計画」から手を引いていました。プッシーに捕まりゴールドフィンガーの元へ送られたボンドは、この場から去るソーローの服に、ライターに居場所を知らせるための小型のホーマーと、「グランド・スラム計画」の概要を記したメモを忍ばせます。

ライターはボンドだと思って、自身の相棒と共にソーローを追跡。しかしソーローは、空港へ送られる途中でオッドジョブに射殺され、乗っていた高級車リンカーン・コンチネンタルごとスクラップにされてしまいました。

発信場所を追えなくなったライターたちはひとまず、最後に発信が確認されたオーリック牧場へ向かうことに。2人の監視に気づいたゴールドフィンガーは、牢獄に監禁したボンドを呼び寄せます。

ゴールドフィンガーと再び対峙したボンドは、彼に「グランド・スラム計画は実現不可能だ」と断言しました。

「概算してみたんだが、お前が預けた150億ドルの金塊はざっと重さ1万500トンだ。60人でそれを積むとして、12日かかるし車は200台必要となる」

「ところが、フォート・ノックスを守る軍隊が駆けつけるまでに2時間しかない」………これに対しゴールドフィンガーは、「金塊は動かさない」と答えます。

ゴールドフィンガーの真の目的は金塊を盗むことではなく、核分裂の専門家であるリンに作らせた原子爆弾「コバルト爆弾」をアメリカ合衆国金塊保管所の中で爆発させることだったからです。

そうすればアメリカ合衆国の金塊は全て汚染され、58年間は搬出不可能となり、西側経済に混乱を巻き起こし、金の価格は暴騰。

ゴールドフィンガーが所有する金の価格が10倍に跳ね上がり、ゴールドフィンガーと、「グランド・スラム計画」に協力するリンたち中国も互いに莫大な利益を得ることができます。

するとそこへ、スクラップにされたソーローの遺体が運ばれてきて、ゴールドフィンガーは彼にあげた金塊を取り出す作業へと向かいました。その間、ボンドの相手はプッシーがすることに。

その様子を見て、ボンドの無事を確認したライターたちはオーリック牧場から離れます。それを知らないボンドは厩舎に入り、プッシーを強引なやり方で説得しました。

迎えた「グランド・スラム計画」当日。プッシー・ガロア空中サーカスはフォート・ノックスの上空からガスを散布。フォート・ノックスを警備する軍隊が次々と倒れていきます。

直後、ゴールドフィンガーの機動隊がフォート・ノックスへ侵入。予定通りアメリカ合衆国金塊貯蔵庫の正門を爆破し、中にコバルト爆弾を設置します。

全ては計画通りに事が運んでいるかに見えた瞬間、死んだはずの軍隊が起き上がり、アメリカ合衆国金塊貯蔵庫へと進撃。改心したプッシーの通報により、ガスの中身を詰め替えられていたからです。

軍隊に一味がやられていく姿を見て、「グランド・スラム計画」が失敗したことに気づいたゴールドフィンガーはリンを射殺。ボンド・オッドジョブ・機動隊のリーダーであるキッシュをアメリカ合衆国金塊貯蔵庫の中に閉じ込めたまま逃走しました。

キッシュはコバルト爆弾の時限装置を停止させようとしますが、オッドジョブに1階から地下3階(12m)に落とされて死亡。さらにオッドジョブは、ティリー殺害時に使った帽子や、自らの強靭な体を駆使した肉弾戦でボンドを追い詰めていきます。

ボンドはオッドジョブとの格闘の末、彼の帽子で切断された電線を使って感電死させました。

するとそこへ、あらかたゴールドフィンガー一味を片付けてきた軍隊とライターたちが駆けつけ、フィリックスの相棒が起爆7秒前で時限装置を停止させました。

その後ボンドは、この一件に大感激し昼食に招待してくれたアメリカ合衆国の大統領が待つホワイトハウスへ向かうため、プッシーと共に迎えのロッキード ジェットスターに乗り、ライターたちと別れました。

しかし、ロッキード ジェットスターの乗員はゴールドフィンガーにすり替わっていたのです。

機内で揉み合いになるボンドとゴールドフィンガーですが、その際に客席の窓の1つがゴールドフィンガーの銃撃で割れ、彼は空中に吸い出されていきました。

やがてロッキード ジェットスターは墜落しますが、ボンドとプッシーは辛くもパラシュートで脱出しており、ライターたちに救助される前に熱いキスを交わしました。

映画『007/ゴールドフィンガー』の感想と評価


(C) 1964 Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

作中で、ボンドは何度もゴールドフィンガー一味に殺されかけますが、全て自力で危機を脱していることにその都度脱帽させられます。

また、「007」シリーズ第1作目『007/ドクター・ノオ』(1963)に登場したCIAのエージェント、フィリックスにしっかり自分の居場所を知らせているボンドの手際の良さもさすがでした。

それに、数多くの美女を魅了してきたボンドにも、雇われているゴールドフィンガーにも靡かないほど気が強いプッシーを、ボンドは最後の最後で改心させ味方につけています。

そのおかげで、ボンドたちはゴールドフィンガーとその一味が企てた「グランド・スラム計画」を阻止することが出来ました。

本作の悪役であるゴールドフィンガーは、何度ボンドにしてやられて煮え湯を飲まされてもなお、最後の最後まであがき、ボンドを追い詰めていきました。

そんなゴールドフィンガーの、金塊に対する執着心の強さと狡猾さにも、悪役ながら感嘆させられます。

他の「007」シリーズ作品に登場した悪役よりも、ボンドを捕まえたであろうゴールドフィンガーとボンドの戦いは、一瞬たりとも目が離せないスリリングなアクション場面が満載でとても面白いです。

まとめ


(C) 1964 Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

MI6の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドが、最も厳重な警備が敷かれているアメリカ合衆国金塊貯蔵庫の爆破を目論む億万長者とその一味の計画を阻止するべく奮闘する、イギリス・アメリカ合作のスパイアクション作品でした。

物語の前半で殺されたボンドガール、ジルが全身に金粉を塗られて窒息死する姿は、ボンドのみならず、本作を観た人誰もが言葉を失うほど衝撃的な場面です。

また作中では、ボンドが関係を持った美女はプッシー以外、本作の悪役であるゴールドフィンガー一味によって全員殺されています。さすがのプレイボーイであるボンドも、彼女たちの死に悲しみに暮れたことでしょう。

そしてショーン・コネリー演じる初代ジェームズ・ボンドは、これまで自身と関係を持ったボンドガールにはジェントルマンの顔を見せていましたが、気が強いプッシーを説得するには少し強引なやり方で意外性がありました。

ショーン・コネリー演じる初代ジェームズ・ボンドが、史上最高の黄金強奪計画を阻止するミッションに挑み、全世界を興奮の渦に巻き込んだスパイアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品となっています。

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