大人気スパイアクション映画「007」シリーズ第1作!
テレンス・ヤングが監督を務めた、1962年製作のアメリカ・イギリス合作のスパイアクション映画『007/ドクター・ノオ』。
時代は冷戦真っ只中。アメリカの要請により、月面ロケット発射を妨害する怪電波を調査していた英国情報局秘密情報部「MI6」の諜報員が、ジャマイカの島で何者かに射殺されてしまいました。
その調査のため現地に派遣されたMI6の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドと、その島を所有する天才科学者ドクター・ノオ博士の戦いを描いた物語とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
「007」シリーズの記念すべき第1作目『007/ドクター・ノオ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『007/ドクター・ノオ』の作品情報
【公開】
1963年(アメリカ・イギリス合作映画)
【原作】
イアン・フレミングの小説『ドクター・ノオ』
【監督】
テレンス・ヤング
【キャスト】
ショーン・コネリー、ウルスラ・アンドレス、ジョセフ・ワイズマン、バーナード・リー、ピーター・バートン、ロイス・マクスウェル、ジャック・ロード、アンソニー・ドーソン、ジョン・キッツミューラー、ジーナ・マーシャル、ユーニス・ゲイソン
【作品概要】
『赤いベレー』(1953)のテレンス・ヤングが監督を務めた、アメリカ・イギリス合作のスパイアクション作品。
原作はイギリスのスパイ小説・冒険小説家のイアン・フレミングの小説『ドクター・ノオ』で、「007」シリーズ第1作目です。
日本初公開時の本作の邦題は『007は殺しの番号』でしたが、1972年に再上映された時に『007/ドクター・ノオ』に変更されました。
『ダイナミック作戦』(1961)のショーン・コネリーが主演を務め、『探偵物語』(1951)のジョセス・ワイズマンが共演しています。
映画『007/ドクター・ノオ』のあらすじとネタバレ
時代は冷戦真っ只中。南大西洋へ発射されたミサイルが、何者かによって妨害され、ブラジルの密林へ落下しました。
これを受け、米国当局は次に狙われる月面ロケット発射という、米国初の有人宇宙飛行計画「マーキュリー計画」を妨害されることを防ぐべく、誘導ミサイルを制御する妨害電波「トップリング」の調査を、英国情報局秘密情報部「MI6」に要請しました。
ジャマイカ駐在のMI6の諜報員ジョン・ストラングウェイズと、その秘書メアリーがその調査をしていたのですが、突如2人との交信が途絶え、行方不明となってしまいました。
これを受け、MI6の部長Mは「007」こと「MI6」の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドを緊急招集。彼に2人が消息を絶った真相を究明してほしいと命じます。
ボンドはMI6の中で、「殺しのライセンス(任務遂行中は自分の一存で容疑者を殺めても不問にされる殺人許可証)」を与えられた諜報員、「00(ダブルオー)」要員の1人でした。
アメリカの月面ロケット打ち上げを目前に控え、ジャマイカのキングストンへ飛んだボンドは、同じ目的で同地を訪れたCIAのエージェントであるフェリックス・ライターと、彼とストラングウェイズの協力者である島の漁師クオレルと知り合いました。
ボンドは2人から、「クラブ・キー」という島の所有者である中国人ドクター・ノオが怪しいのではないかと知らされます。
クラブ・キーには、近づく者は誰も無事に戻って来ることはないという「ドラゴン」の伝説があり、クオレルたち島の漁師は恐ろしくて誰も近づこうとしません。
それにドクター・ノオの見張りがあるため、クオレルとストラングウェイズは上陸することが出来なかったものの、代わりに岩の欠片に砂や水といった島のサンプルを採取に成功。
ストラングウェイズの家にあった、冶金学者デント教授の研究所のレシートは、その岩の欠片の鑑定を依頼した時のものだと推測したボンドは、デント教授にそのことを尋ねました。
しかしデント教授は、確かにストラングウェイズから岩の欠片の鑑定を依頼されたものの、どこから持ってきたものなのか知りませんでした。
挙句の果てに、その岩の欠片は何の価値もないただの鉱物だと鑑定され、デント教授が捨ててしまっていたのです。
そう言ったデント教授を不審に思ったボンド。実は彼は、ジャマイカ総領事館の主席書記官プレイデル・スミスに仲介を頼み、会員制のクラブにて、ストラングウェイズと最後に会ったインド軍出身の老将軍ポッターとデント教授と会った時からずっと、メアリーを知っていたデント教授を怪しいと睨んでいました。
ロンドンにあるMI6本部から届いた装置を使い、ボンドはクオレルの船を調べました。その結果、ストラングウェイズたちがクラブ・キーから採取した岩の欠片は、放射能を帯びていたことが判明しました。
現地での捜査を進めていくにつれ、ボンドはドクター・ノオが放った刺客に命を狙われます。
ジャマイカ総領事館の運転手に成りすました殺し屋ジョーンズ、ボンドを偵察する女ミス・ターロ、「スリー・ブラインド・マイス」と名乗る殺し屋三人組、そして毒蜘蛛タランチュラとスミス&ウェッソンの6連発式連弾銃を使うデント教授を、ボンドは次々と撃退していきました。
映画『007/ドクター・ノオ』の感想と評価
「007」ことジェームズ・ボンドの戦い
ジャマイカに派遣されたボンドは、空港について早々、ドクター・ノオが放った刺客に命を狙われてしまいます。
ですがボンドは、幾度となく現れる刺客たちを全て撃退。たとえそれが美女であった場合、ハニートラップに引っかかったフリをして、ちゃっかりジャマイカ総領事館に通報して、彼女の身柄を引き渡します。
どんな美女をも魅了するボンドですが、彼は鋭い洞察力と素早い判断力、相手が誰であろうと負けない戦闘力の高さを持っていて、誰もがその姿に見惚れるほど格好良いです。
また普段は冷静沈着なボンドが、デント教授が放ったタランチュラを目にした時は、さすがに動揺を隠せず冷や汗タラタラ。何度もスリッパを振り下ろした時に、それに合った効果音が鳴るため、思わずクスッと笑ってしまいます。
ミサイルと月面ロケット発射を妨害する黒幕の正体
どこから情報が漏れたのか定かではありませんが、ミサイルと月面ロケット発射を妨害する黒幕の正体、ドクター・ノオはボンドが密命を帯びてジャマイカに来たことを知っていました。
そのためミス・ターロやデント教授ら刺客を放ち、時間や費用を費やしてでもボンドを殺そうとしてきます。
ですがそれらを全て撃退し、なおかつ自分の目的に気づいたボンドに、ドクター・ノオは興味を持ちました。それも、ドクター・ノオが所属する巨大組織「スペクター」に勧誘するほどです。
ドクター・ノオは作中、「ミサイルと月面ロケット発射を妨害するのは、スペクターの力を誇示するためだ」とボンドに語っていました。
ですがその理由の大半を占めていたのは、作中ボンドが言っていたように、ドクター・ノオの業績を評価せず契約しなかった米国や東側への逆恨みではないかと考察できます。
ただ自分の業績を世界中の人に認めて欲しかったという願いは叶わず、悲しき天才科学者ドクター・ノオは、原子炉プールの中に沈んでいきました。
まとめ
ジャマイカで殺されたMI6の諜報員の死の真相を探るべく、現地に派遣されたMI6の敏腕諜報員ジェームズ・ボンドが天才科学者ドクター・ノオと戦う、アメリカ・イギリス合作のスパイアクション作品でした。
のちに「スパイアクション映画の金字塔」と称されるほど人気を博する、「007」シリーズ最初の作品である本作では、「007」ことジェームズ・ボンドの魅力があますことなくたっぷりと描かれています。
また、初代ジェームズ・ボンドを演じるショーン・コネリーの演技力はとても素晴らしく、ショーン・コネリーが繰り広げるアクション場面も、ショーン・コネリー自身が放つダンディズムはとても格好良いです。
それに、のちに「ボンドガール」と呼ばれる美女、スイス出身のウルスラ・アンドレスは、作中登場する他の美女たちの中で群を抜いて美しい女優でした。
ウルスラ・アンドレスとショーン・コネリーの2人が演じる、ボンドとライダーのラブロマンス場面もまた、迫力あるアクション場面の次に観ている人の胸を熱くさせます。
ダンディズムな俳優ショーン・コネリーが初代ジェームズ・ボンドを演じた、スパイの戦いと恋模様に胸が熱くなるスパイアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。