多数の賞を受賞し歴代の興行収入記録も塗り替えた
ディズニーミュージカル・アニメーション!
クリス・バックとジェニファー・リーが監督を務めた、2013年製作のアメリカの大ヒットディズニーアニメーション映画『アナと雪の女王』。
触れたものを凍らせたり、雪や氷を作ったりできる魔法を持って生まれた王家の娘エルサが、戴冠式でその力が暴走し王国を真冬の世界に変えてしまう物語とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
雪山の山奥でありのままの自分で生きる喜びを見出したエルサと、凍てついた王国と姉を救うため旅に出た妹のアナの姿を描いた、大ヒットディズニーアニメーション映画『アナと雪の女王』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『アナと雪の女王』の作品情報
【公開】
2014年(アメリカ映画)
【原作】
ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話『雪の女王』
【監督】
クリス・バック、ジェニファー・リー
【キャスト】
クリステン・ベル、イディナ・メンゼル、ジョナサン・グロフ、ジョシュ・ギャッド、サンティノ・フォンタナ、アラン・テュディック、キアラン・ハインズ、クリス・ウィリアムズ
【作品概要】
『ターザン』(1999)や『サーフズ・アップ』(2007)のクリス・バックと、『ミラベルと魔法だらけの家』(2012)のジェニファー・リーが監督を務めた、アメリカのディズニーアニメーション作品。
原作は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話『雪の女王』です。本作は2014年第86回アカデミー賞長編アニメーション賞と主題歌賞、第71回ゴールデングローブ賞最優秀長編アニメーション映画賞、2015年第38回日本アカデミー賞外国作品賞を受賞した作品でもあります。
大ヒットドラマシリーズ「ゴシップガール」のクリステン・ベルと、『RENT/レント』(20050や『魔法にかけられて』(2007)などに出演するブロードウェイ女優イディナ・メンゼルが主演を務めています。
映画『アナと雪の女王』のあらすじとネタバレ
豊かな資源に恵まれた小国「アレンデール王国」の王女エルサは、触れたものを凍らせたり、雪や氷を作ったりすることができる魔法の力を持っていました。
エルサは、妹のアナと遊ぶ時だけその力を使っていました。しかし、エルサが8歳になった日の夜、ある事故が起きてしまいます。
エルサはアナにねだられ、城の広間で雪遊びしていた時です。エルサはアナの足場を作っていたのですが、ぴょんぴょん跳ねて移動する彼女のスピードに追いつけず、誤って彼女の頭に魔法の力を当ててしまいます。
体が冷たく、意識不明の状態に陥ったアナを抱きかかえ、エルサは泣きながら両親を呼びました。
エルサたちの両親であるアレンデール王国の国王と王妃は、すぐに姉妹を連れて、アレンデール王国から離れたリヴィング・ロックの谷へ向かい、そこに住む妖精トロールたちに助けを求めました。
一見ただの岩にしか見えませんが、心を開いた相手にだけトロールたちは姿を現します。
不思議な力を持つトロールの長パビーは、エルサの魔法の力のことと、事故の記憶を消す代わりに、アナを救ってくれました。
そしてパビーは、エルサにこう忠告しました。「エルサ、君の魔法の力はますます強くなる」
「魔法は美しくもあるが、危険でもある。だから制御しなくてはならない」「恐れの感情が危険につながる」
その日以降、エルサは国王との約束で、日増しに強くなっていく魔法の力を抑えるべく手袋をつけて、人との接触を避け部屋に閉じこもりました。
アナは何故エルサが自分を避けるのか分からず、部屋に閉じこもったエルサに「雪だるまを作ろう」と声を掛けては、1人閉ざされた城の中で過ごすしかありませんでした。
それから10年後。抑えるどころか力が増していく一方のエルサの魔法の力を見て、国王たちは彼女を救うために、解決方法を探す旅に出ました。
しかしその道中、国王たちが乗った船は海難事故に遭い、船に乗っていた者全員還らぬ人となってしまいました。エルサとアナは、互いが唯一の肉親となってしまいました。
さらに3年後。成人したエルサは女王として即位することになり、彼女の力を世間に知られぬよう閉ざしていた城門が開かれ、城で戴冠式が行われることになりました。
アナは久しぶりに城の外の人々との出会い、そして運命の人との出会いに期待に胸を膨らませていました。
対してエルサは、自分の魔法の力が国民や招待客にバレてしまわないか不安でいっぱいでした。
「力を隠して、感情を抑えて、完璧に演じて。ミスをしたら終わりだわ」
「今日だけよ」「今日だけ」「不安だわ」「何だか不安」「衛兵に伝えるのよ、門を開けてと」「門を開けて」
「長すぎる時が過ぎて、夢みたことが実現するの」「いつも素直で」
「今日は独りじゃない」「隠して」「私の真実の愛は?」「知られないで」
「真実の愛を今日見つけるの」「長すぎる時が過ぎて、長すぎる時が過ぎて、私の前に道が開ける」
エルサは何とか、魔法の力を知られぬように振舞い、戴冠式を終えました。その日の夜、城の広間で舞踏会が開かれ、アナは戴冠式の前に出会った南諸島の王子ハンスと再会します。
兄弟が多く、12人のうち3人の兄に無視されているハンスと、エルサに突然拒絶されたアナは境遇が似ており、気も合った2人は出会ったその日のうちに婚約してしまいました。
アナはエルサにハンスを紹介し、彼と結婚することを報告しますが、「出会ってすぐ結婚なんて」と反対されてしまいました。
このことがきっかけで、姉妹は招待客の前で言い争い、アナに引き止められた時に片方の手袋を奪われたエルサは、怒りと焦燥感で魔法の力を制御できず暴走させてしまいます。
これを見たアレンデール王国の貿易国「ウィーゼルタウン」の公爵ウェーゼルトンは、エルサを「化け物」「怪物」と罵りました。
エルサの魔法の力を目にした国民たちも、ウェーゼルトンのように罵倒はしないものの、エルサに恐怖し距離をとります。
その状況に耐えきれず、エルサはアレンデール王国を離れ、雪で覆われた北の山へ逃げ出しました。
到着後、エルサは魔法の力で氷の城を築き、これからは何も隠さず、ありのままの自分で生きていこうと決意しました。
「雪が山を覆う夜、足跡ひとつ残らない」「隔絶された王国、私はその女王」「風がうなる、心の嵐のように」
「私の苦しみを天だけが知っている」「秘密を悟られないで、いつも素直な娘で。感情を抑えて隠さなければ」
「でも知られてしまった」「これでいいの、かまわない。もう何も隠せない」「これでいいの、かまわない。過去に扉を閉ざすのよ」
「もう気にしない、何を言われようとも」「嵐よ、吹き荒れるがいい。寒さなど平気よ」
「遠くから眺めると、すべてが砂粒のよう」「恐れは遠く去り、もう私を苦しめない」
「怯えることなく、未来へと突き進む。善悪やルールに縛られずに」「私は自由よ」
「これでいいの、かまわない。風と空は私のもの」「これでいいの、かまわない。二度と涙は流さない」
「私の道を行く、ここは私の王国」「嵐よ、吹き荒れるがいい」「私のパワーが大気と地に満ちる」
「氷の図形のように、私の魂が広がる」「結晶となって、想いが形づくられる」「二度と戻らない、過去はもう過ぎたこと」
「これでいいの、かまわない。新しい夜明けよ」「これでいいの、かまわない。理想の娘はもういない」
「私の道を行く、輝く光を受けて」「嵐よ、吹き荒れるがいい。寒さなど平気よ」
映画『アナと雪の女王』の感想と評価
エルサは生まれた時から持っている雪と氷の魔法のことを、最初何の疑問も持っていませんでした。それどころか、エルサは妹のアナを喜ばせるためにその力を使って、姉妹仲良く遊んでいました。
事故が起きる前までは、心が一つだったエルサとアナが、13年間ずっと疎遠でいたことに、姉妹のそれぞれの心情を考えると胸が痛みます。
エルサはアナはもちろん、国民にも魔法の力で危害を加えないように、必死に自分の力を制御しようと、誰かに助けを求めたい気持ちを必死に抑え込んで、いつもと変わらぬ姿を必死に取り繕っていました。
それが戴冠式の夜、エルサの魔法の力が皆に知られてしまってから、エルサの中でどこか吹っ切れた気持ちがあったのでしょう。
ありのままの自分でいていい、これからは何も隠さず生きていいという喜びを見出したエルサの姿は、いつも辛そうにしていた彼女とは打って変わって生き生きとしており、それが観ているだけでも嬉しくて感涙します。
またアナも、突然仲良しだった姉のエルサに拒絶され、両親もいない孤独な生活を送ってきていました。
エルサとはまた違う、寂しさや辛く苦しい気持ちを抱えながら13年間生きてきたアナ。彼女は作中の登場人物の中で一番、愛に飢えています。
そこを邪な野望を抱くハンスに付け入られてしまい、アナとエルサは仲違いしてしまいました。それでもアナは、最後までエルサを大事に想い、エルサとアレンデール王国を救うために奮闘しています。
そんなアナとエルサが、真実の愛というものがどういうものか、それが魔法の力を制御する鍵だったことに気づいた場面は、作中で一番感動する場面です。
まとめ
運命に引き裂かれた王家の姉妹が、真実の愛を知る姿を描いた、アメリカのディズニーアニメーション作品でした。
本作の見どころは、エルサとアナのそれぞれの心情を歌にしたミュージカル場面と、疎遠だった姉妹がほぼ同時に真実の愛が何たるかを知るところです。
アナとエルサを陥れ、アレンデール王国を手に入れようとしたハンスとウェーゼルトンが物語の最後、祖国へ強制送還されたのを見て、悪を成敗した爽快感を感じます。
またエンドロール後、エルサのいなくなった氷の城で、マシュマロウがエルサが外したティアラを拾い上げ、被っている姿が描かれていました。
日本語吹き替え版と字幕版、それぞれの声優の歌唱力が素晴らしく、またそれぞれ歌詞が微妙に違うため、本作を鑑賞する際はぜひ両方観ることをオススメします。
雪と氷の魔法を持つ姉と、人一倍愛に飢えている妹が、それぞれの冒険を経て真実の愛に気づく姿を描いたディズニーアニメーション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。