連載コラム「Amazonプライムおすすめ映画館」第7回
今回ご紹介する映画『愛すべき夫妻の秘密』は、『シカゴ7裁判』(2020)のアーロン・ソーキン監督による新作映画で、第79回ゴールデングローブ賞にて主演女優賞・主演男優賞・脚本賞の3部門にノミネートされています。
本作は1950年代の“シットコム(シチュエーションコメディ)”ドラマ『アイ・ラブ・ルーシー』の制作現場を舞台に、主演のルシル・ボールとデシ・アーナズの関係を描いた実話が元になっています。
『アイ・ラブ・ルーシー』は、主人公のルーシー・リカードとリッキー・リカードの夫婦が繰り広げる日常をコメディドラマにしたものです。
ルーシー役をルシル・ボール、リッキー役にデシ・アーナズが務めましたが、2人は実生活でも夫婦でした。その2人がドラマを最高視聴率にするまでと、結婚生活の中で直面する夫婦の危機、テレビ業界の複雑な関係を描いています。
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映画『愛すべき夫妻の秘密』の作品情報
(C)2021 Amazon Studios
【日本配信】
2021年(アメリカ映画)
【監督・脚本】
アーロン・ソーキン
【原題】
Being the Ricardos
【キャスト】
ニコール・キッドマン、ハビエル・バルデム、J・K・シモンズ、ニナ・アリアンダ、アリア・ショウカット、トニー・ヘイル
【作品概要】
『ムーラン・ルージュ』(2001)でアカデミー賞主演女優賞に初ノミネート、翌年『めぐりあう時間たち』(2002)で同賞の主演女優賞を受賞したニコール・キッドマンがルシル・ボール役、『ノー・カントリー』(2008)『誰もがそれを知っている』(2019)のハビエル・バルデムが夫のデシ・アーナズ役を演じます。
また『アイ・ラブ・ルーシー』の共演者役を、サム・ライミ監督の「スパイダーマン」シリーズ、『セッション』(2014)のJ・K・シモンズ、クリント・イーストウッド監督の『リチャード・ジュエル』(2020)に出演したニナ・アリアンダが務めています。
映画『愛すべき夫妻の秘密』のあらすじとネタバレ
(C)2021 Amazon Studios
今だと人気テレビ番組といわれるのは、視聴者が1000万位で大ヒットといわれるのは、1500万人くらいでしょう。
ところが1950年代、毎週金曜日の夜9時から30分間、6000万人の視聴者がテレビにくぎ付けになる番組がありました。それが『アイ・ラブ・ルーシー』です。
ルシル・ボールが“ルーシー役”、ルーシーの夫“リッキー役”をルシルの夫デジ・アーナズがしており、公私で夫婦でした。
当時番組の脚本主任・制作総指揮をしていたジェス・オッペンハイマーはその人気ぶりを、「デパートが閉店時間を早め、水道の使用量も減った」と表現します。
そして、番組の脚本を担当していたボブ・キャロル・Jrとマデリン・リューは、『アイ・ラブ・ルーシー』が人気絶頂の中、“あの週”だけは役者、制作関係者が恐怖に震えたと証言します。
3人はその週のことを語り始めます。日曜の夜、ウォルター・ウィンチェルのラジオ番組の締めくくりで、彼は「ルシル・ボールは“共産主義者”だ」と言い放ってから騒動が始まったといいます。
このスキャンダルは2人の命をも脅かし、ドラマの存続も危ぶまれ、制作にかかわる人たちの死活問題にも直結していました。
ところが問題はそれだけではありませんでした。ルシル・ボールはその前に、夫のデジ・アーナズが“不倫”をしているという、コンフィデンシャル誌の記事を写真付きで読んでいました。
その晩、ウォルター・ウィンチェルのラジオ番組が流れる部屋で、ルシルは記事についてデジに怒りをぶつけていました。彼が連絡もなしに1日以上も帰宅しなかったため、ルシルは浮気が事実ではないかと疑ったからです。
しかし、デジはヨットで友人とトランプをしていただけだと言います。ルシルは記事を見せると、それはこの前の夏に行った保養所で、知り合いの姪と撮った写真じゃないかと言います。
よく見ると確かに保養所で撮った写真に間違いはありませんでした。デジは「誤解でした。ごめんなさいだろ?」とルシルに言いますが、頑固な彼女は謝りません。
それでもなんだかんだ仲良くなった2人が、愛を育もうと服を脱ぎ始めたその時、ウォルター・ウィンチェルが番組の締めくくりを話しはじめます。
「下院非米活動委員会の非公開審問にて、国民的な女性テレビスターに共産主義の疑いが浮上しているようです」
これだけ言って番組がそのまま終了してしまいます。名前はでませんでしたが、当時の“国民的テレビスター”の心当たりは、ルシル・ボールです。彼女は耳を疑いました。
以下、『愛すべき夫妻の秘密』ネタバレ・結末の記載がございます。『愛すべき夫妻の秘密』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
(C)2021 Amazon Studios
月曜日、“台本の読み合わせ”。今週の収録のためスタジオでは出演者の読み合わせ、監督や脚本家との確認が行われます。
しかし、ルシルとデジがCBS局やスポンサーへの対応をしている間、出演者やスタッフは不安で重苦しい空気で、読み合わせをしています。総指揮のジェスは「不安だからこそ、普段通り番組を進める」と言います。
デジはルシルが共産主義者だという確証がないから、ラジオ放送の翌日の新聞に報道がされないのが、ルシルが“シロ”だという証拠だと言います。
ところがルシルは“厳密”に言えば少し違うと付け加えます。子供の頃に父を亡くし自分達姉弟は、“共産党員”だった祖父に育てられたと、切り出すとCBSのハワードだけ残し、他の関係者を帰した。
ルシルは事業主だった祖父が労働者を思って尽力していたと話し、“有権者登録”をする時に祖父に感謝を込めて、支持政党にチェックは入れたと話します。
そして、下院非米活動委員会はルシルを“シロ”と判断したが、数種館前に非公開審問に呼ばれたといいます。
ハワードはその情報が金曜日までに、他の報道機関に洩れなければ、『アイ・ラブ・ルーシー』を続行できるだろうと判断し退出します。
デジはルシルに命がけで守るから安心するよう慰めますが、ルシルの頭の中はデジの“浮気”記事の方が気になり、「あれはでっち上げのウソなのね?」と念を押して聞きます。
デジは「なぜ、今その話?」という顔をすると、ルシルは「優先順位”があるわね……」と、デジにキスをして、付いた口紅をハンカチで拭きとると胸ポケットに入れます。
読み合わせのスタジオに入った2人。そこにはルシルが毛嫌いしている、ドナルド・グラスが監督として入っていました。コメディの動きに理解のない監督だからです。
デジははじめに制作メンバーに、ルシルの“共産主義者”に関する経緯について、有権者登録する時に、“誤って”チェックを入れたことで、誤解を生じさせたと説明します。
ルシルは自分の真意と違う説明にデジに対して、不審を抱き始めます……。
火曜日、“ブロッキング・リハーサル”。この週の問題はもう1つありました。それはルシルの妊娠です。
本来であれば喜ばしい知らせにも関わらず、総指揮のジェフ、脚本のボブとマデリンは“自分の生活が脅かされている時に?”という反応をします。
また当時のテレビ界では、妊婦がテレビに出ることは“ご法度”とされていました。宗教上の観点から、視聴者に忖度していたからです。
デジには名案がありました。ドラマの中のルーシーとリッキー夫妻に子供ができたという設定にし、妊娠中も出演するという案です。
妊娠期間に合わせて脚本を変更したり、新たに作らなくてはなりませんが、そこに越えなければならないハードルがありました。
まずはテレビ局の規約にひっかかり、スポンサーもNGを出すだろうと、実現は難しいとされていました。
ルシルはリハーサルの休憩に入ると、控室でデジの浮気疑惑を再び口に出します。“夫が家に帰らぬ理由に、妻は昔から悩んできた”、タブロイド誌に載ったデジの記事です。
「国民的美人スターの妻がいながら、なぜデジはプレイボーイ気取りで浮気をするのか?」という内容に、ルシルは世間の関心事はこのゴシップの方で、私も知りたいと言います。
それでもデジはどの記事もでっちあげだと否定し、何度も“説明”したと言います。ルシルは共産主義の件はある意味事実だけど、デジの浮気が事実でない確証がないといいます。
ルシルはデジがなぜ、週4・5日も帰らないのか理由が知りたいだけでした。ルシルは人一倍“家庭”にこだわっていたからです。
駆け落ちして結ばれた2人でしたが、仕事の関係ですれ違いが多く、『アイ・ラブ・ルーシー』の企画が持ち上がったときに、リッキー役をデジにすることを条件にし、すれ違いを回避したほどでした。
(C)2021 Amazon Studios
水曜日、“カメラリハーサル”。ウィンチの発言から3日が経っても、マスコミでルシルのことが取りざたされることはなく、関係者たちはピンチを切り抜けたと思い始めました。
他に特ダネがあってそれを追っているのだと、楽観視していたところに、デジがルシルの妊娠を告げました。
そこでデジはルシルの妊娠を使って、ドラマのルーシーも子供ができたという設定で、妊娠から出産までの、8話構成番組を作ると提案します。
しかし案の定、CBSのハワードとスポンサーのフィリップモリスは大反対です。妊娠に繋がる憶測がテレビ的に“ハレンチ”と想定しているからです。
デジはフィリップモリスの会長宛に、番組の内容に関して一任するよう電報を打ちます。
カメラリハーサルが始まると、ルシルはテーブルセットや共演者の動きに違和感を感じ、やり直しを指示し監督を無視します。
現場の雰囲気は険悪なムードになります。共演者のウィリアム・フローレイはルシルを心配して、話しを聞くため呼び出します。
彼は毎日7紙の新聞を読むが、共産主義疑惑について報道はないし、他に何か問題があるのか聞きます。ルシルは家庭に帰って来ないデジに不満があるとこぼします。
ウィリアムはデジについて、アメリカ国籍ではあるけど、出身はキューバであり“男らしさの定義”が違うと諭します。そして、番組を仕切るべきデジをさしおいて、ルシルが仕切ることは、彼の立場をないがしろにしていると忠告しました。
デジはルシルを愛しているけど、家庭と職場が一緒だと男性にとって、精神衛生的によくないと、離れている時間を持つことも必要だとアドバイスしました。
木曜日、“通し稽古”。ルシルは通し稽古でも、面白さを追及し演出の変更を求め、周囲と軋轢が生じ始めます。
脚本チームは“ルーシーの妊娠”を描くことに、躊躇していました。ルシルは番組に関わる決定権はデジにあると、ジェスに言い彼に“製作総指揮”としてクレジットしてほしいと言います。
ところがジェスはデジに『アイ・ラブ・ルーシー』の“アイ”は、リッキーのことだから実際の主役は彼だとおべっかを言い、デジから反感を買います。
通し稽古が再開すると、デジの元にフィリップモリスのライオンズ会長から、返事の電報が届きそこには、CBS局にあてて「キューバ人には逆らうな」とあります。
これでルーシーとリッキーに子供ができる案には“GO”がでました。
ルシルだけは周りと熱量に差がありました。その週に放送される番組の演出に、どうしても納得がいかないのです。
深夜に共演のウィリアムとヴィヴィアンをスタジオに呼び出し、演出の見せ方を練習させようとします。大人気番組にのし上げたキャリアを、たった一度の“つまらない回”が、全てを終わらせる恐怖があるからでした。
金曜日、“本番”。ルシルはジェスが“製作総指揮”のクレジットをデジに与えず、つまらないおべっかで侮辱したと怒ります。
しかし、ジェスにも自分の立場を簡単に譲れるわけがないプライドがあり、ルシルに反論します。ところがルシルはその言葉に「悪かったわ」と素直に謝罪し、ジェスは拍子抜けします。
まもなく本番が始まるという時に、デジからオフィスに来るようADが伝えに来ます。そして、オフィスには局とスポンサー関係者が来てるといいます。
ルシルが時計を見ると“夕刊が出る時間”だと気づき、2人の間に緊張が走りました。
オフィスに行くとデジが夕刊を差し出します。そこには赤文字の大見出しで「ルシル・ボール“赤を否定”する」と書かれていました。
アンダー・ウッドという編集者が、ルシルの1936年の“共産党員宣誓供述書”の写しを持っていたと言います。
ルシルは取り消しの判が押されたはずと言うと、他紙はその取り消し書類を乗せているが、ヘラルドエクスプレス紙だけが、取り消しに言及していないと説明します。
デジは各新聞社をスタジオに呼び本番前の前説で、“間違った項目を選んだ”と話し、取り消された書類を見せ、潔白を証明するとルシルに話しました。
ルシルはどうしても“間違った項目”という嘘は、言って欲しくないと頼みます。労働者の権利を守ろうとした祖父に、敬意があったルシルには譲れない要件でした。
しかし、デジにも言い分はありました。彼の父はキューバで市長をしていただけで、共産党員扱いをされ、アメリカ亡命に追いやられたのです。
ですから“共産主義”だと少しでも匂わせることの怖ろしさを知って、嘘をついてでも疑惑を晴らすことを考えたのです。
そして、デジは秘書を呼んで手帳を開き、そこに書かれた電話番号に電話し、相手が出たらスタジオに繋いでほしいと指示します。
デジは観衆と報道陣の前に立ち、ルシルのことを話してヘラルドエクスプレス紙を見せます。彼は新聞社と非米活動委員会の委員長に電話をし、もう1人の人物とも今電話で繋がっていると話し始めます。
相手は当時のFBI長官ジョン・エドガー・フーヴァーです。観客や報道陣の前でルシルが共産主義に、一切関わっていない証明をしてもらいます。
こうして難を乗り越えたルシルは観客から喝采を浴び、無事に本番を迎えるはずでした。ところがルーシーにはもう1つの問題が残っています。デジの“浮気問題”です。
控室でルシルとデジは抱擁しますが、ルシルの口から出たのは「あなた浮気しているでしょう?」でした。デジは彼女が何を言っているのか理解に困ります。
ルシルは新聞の写真は違っても、内容は事実ではないかとつめ寄り、口紅の付いたハンカチを見せます。
デジはそれはルシルが拭いてくれた時のものでは?と言いますが、ルシルは色が違うと、自分の拭いてあげたハンカチも取り出して見せます。
デジは特別な感情のないコールガールだったと弁明しますが、ルシルは涙を流し「30分は忘れましょう」と、番組開始の合図を出します。
ルシルはとりわけ冒頭シーンにこだわっていて、2パターンの演出を収録しました。元の演出は帰宅したリッキーが背後から、そっと忍び寄って目隠し「だぁれだ?」というシーンです。
それが不自然だと感じたルシルは、ルーシーがディナーの準備に夢中で、ドアの開く音にも気づかず、リッキーが「ルーシー、ただいまぁ」と入ってくるシーンを提案しました。
ところが自分の出した案の時に、彼女はセリフを忘れます。しばらく硬直しカットされますが、撮り直しはせずそのまま続行します。その時、ルシルが言ったのは「先に進もう」でした。
ルシルは1960年3月3日デジとの離婚が成立します。それは2人が最後の共演をした次の日でした。
映画『愛すべき夫妻の秘密』の感想と評価
(C)2021 Amazon Studios
『アイ・ラブ・ルーシー』以前のルシル・ボールは鳴かず飛ばずで、“B級映画女優”と称されていました。そんな彼女がデジ・アーナズに恋をして、駆け落ちをして夫婦になりました。
この『アイ・ラブ・ルーシー』の成功が、ルシルをB級映画女優の肩書から“国民的テレビスター”にのし上げたので、彼女にとっては番組を常に面白くすることが、使命のようになっていたことがわかります。
“愛と嘘”の価値観の相違
反面、“家庭”にこだわるルシルは、番組を使って夫とのすれ違いを回避します。それなのに家に仕事を持ち込んでしまったのも、ルシルでした。
デジはアメリカ国民ではありましたが、キューバ生まれの移民です。“夫が家族を養い守る”そして、“浮気”も“男の甲斐性”の範ちゅう……そんな国民性で育ち、陽気な性格も人を引き寄せます。
ルシルは夫婦や家庭という“アメリカ式”の価値観をデジにあてはめようとし、彼のキューバ人的な国民性を真には受け入れていなかったのでしょう。
家庭の中に大黒柱が2人いる……デジは夫としても、番組制作の中心者としても有能でありながら、ルシルの影のような存在でした。
キューバの男としてデジはどんなことを思ったのか、そう考えると家に帰らぬ日が増え、“浮気”に走ってしまったこともわかる気がしました。
デジには居場所があるようで、安らげる場所はなかったからです。
嘘には“嘘をつかない”正義と愛する者を守る“嘘”があります。この映画は愛する者を守るために“嘘”をついたデジを、“嘘”を嫌うルシルの正義によってデジを追い詰め、夫婦関係が壊れた物語でした。
ハリウッドが失った“才能”という宝
1947年、「ハリウッド・テン」といわれる“赤狩り”事件がありました。作中に出てきた「下院非米活動委員会」とは、米ソの冷戦に伴って派生した“共産主義撲滅”を目的とした組織です。
共産主義者を探し出し排除する活動をしていて、映画業界も自主的にそれを行動に移し、「非公開審問」によって共産主義に関わった、10人の映画人を業界から追放しました。
それが「ハリウッド・テン」と呼ばれる人たちです。ルシル・ボールもその審問を受け、疑惑は払拭しますがのちに、10人を助けだす運動をした映画人の中に、名前を連ねています。
「下院非米活動委員会」は1975年に廃止されましたが、ハリウッド界が行った反共活動によって、運命を大きく変えられた優秀な人材がは多く、ハリウッドも多くのものを失いました。
まとめ
(C)2021 Amazon Studios
映画『愛すべき夫妻の秘密』は、1950年代のテレビドラマの内側と、その国民的ドラマの夫婦役が現実でも夫婦で、妻には“共産主義者”疑惑、夫には“浮気”疑惑が浮上しするという問題が描かれていました。
アメリカのコメディードラマには、“笑い声”が挿入されたものが多くありますが、デジ・アーナズが生み出したのは、スタジオに本物の観客を入れ、3台のカメラを使ってドラマと観客も映し出す、画期的なカメラワークでした。
日本では“三種の神器”と呼ばれていたテレビ。その先端をいくアメリカでしたが、放送倫理的な面は厳しかったこともわかりました。
そして、問題となった「下院非米活動委員会」を無視することはできません。実話をベースとした作品の多いアーロン・ソーキン監督の、この作品に込めた意図は何なのでしょう?
2021年2月、米ロサンゼルス・タイムズ紙は、“ハリウッド外国人記者協会に黒人会員がひとりもいない”と指摘する記事を掲載します。そのことに警鐘を鳴らすかのように、本作はAmazon Primeにて配信が開始されました。
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