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Entry 2021/11/08
Update

映画アミナ2021|ネタバレ感想とあらすじ結末評価。歴史物アクションはアフリカ・ナイジェリアを舞台に王女の戦いを描く|Netflix映画おすすめ67

  • Writer :
  • 秋國まゆ

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第67回

2021年11月4日(木)にNetflixで配信された、イズ・オジュク監督が描くアフリカ・ナイジェリアの時代劇アクション・アドベンチャー映画『アミナ』。

16世紀のナイジェリアを舞台に、代々男性が王位に就いてきたザザウ王国(現在のザリア)の王女アミナが、自国を守るために戦闘の武術を学んで軍を率いて戦いに身を投じていく姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

史実に基づいてザザウ王国の王女アミナの戦いを描いた、アフリカ・ナイジェリアの時代劇アクション・アドベンチャー映画『アミナ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

【連載コラム】「Netflix映画おすすめ」記事一覧はこちら

映画『アミナ』の作品情報


Netflix映画『アミナ』

【配信】
2021年(ナイジェリア映画)

【脚本】
オケイ・オグンジフォー、フランク・ウバ

【監督】
イズ・オジュク

【キャスト】
ルーシー・アメ、アリ・ヌフ、クラリオン・チュクウラ、クリス・グバカン、イブラヒム・ミジンヤワ、ヤクブ・モハンメド、ウンミ・モハメッド、アサベ・マダキ、ジュネヴィエーヴ・オグンジフォー、ゴッドウィン・オガガ、エマニュエル・デグリ、アブドゥル・モハメッド、ヴィクトリア・ンウェケ

【作品概要】
『’76』(2016)のイズ・オジュクが監督を務めた、アフリカ・ナイジェリアの時代劇アクション・アドベンチャー作品です。

ルーシー・アメが主演を務め、サザウ王国の王女アミナ役を演じています。

映画『アミナ』のあらすじとネタバレ

16世紀のアフリカ・ナイジェリアには、13世紀から19世紀まで存在したという、アフリカのチャド系民族ハウサ人の都市国家群「ハウサ諸王国」建国神話に登場する、原初七国がありました。

そのうちの一国であるザザウ王国(現在のナイジェリア・ザリア)は、女性が従属的地位にあった時代でした。

バルクワの一族が治めるザザウ王国の王女アミナは、ザザウの国王(サルキ)であり、7つの王国の首長を務める父親と一緒に、闘技場で行われる男たちの決闘を観戦していました。

最高の魔力を持つトゥクルトゥクルの予言者(通称ズンブラ)である祭司を母に持つザザウ軍の兵士カバルカイは、母親から与えられた強い魔力によって、決闘では負け知らずの王者として君臨していました。

そんなカバルカイに戦いを挑むのは、捕虜として捕まっていたイガラ王国の王子ダンジュマです。

ダンジュマは最初はカバルカイに圧倒されていましたが、果敢に挑んで彼の左目を潰し、勝利を収めました。

しかしカバルカイの負けは、他の属国に「ザザウは将来の危機に無関心」だと示したことになるため、ダンジュマは自身の勝利を奪われただけでなく、地下牢に閉じ込められてしまったのです。

ダンジュマは捕まる直前、自分と一緒に奴隷として扱われていたいとこのアラディ・アメと一緒に逃げようとしますが、警備兵によって無理矢理引き離されてしまいました。

そんな2人の様子を見ていたアミナは、妹のザリアと一緒にアラディの元を訪れ、「友達になろう」と救いの手を差し伸べます。

アミナたち姉妹のお目付け役である老兵ムーサからの報告で、娘たちが1人の奴隷の解放を求めていることを知ったサルキは、奴隷と関わるなと姉妹を叱りました。

これに対しアミナは、ザザウの最高評議会で死刑の判決が言い渡されたダンジュマの助命と、アラディを奴隷の檻から解放するよう求めます。

さらにアミナは、「兵士のように武器を持って戦えるようになりたい」と直談判。指導役にカバルカイを指名しました。

「男が女を守るというザザウの伝統がある」と言って最初は反対したサルキでしたが、彼はザザウや7つの王国より家族を大事にする男。特に娘には甘かったため、最終的にはアミナの提案を全て受け入れることにしました。

サルキ自身、戦闘の武術を学んだアミナが、どこまで成長するのか興味が湧いたのも理由の1つです。

こうして、カバルカイに戦闘の武術を学ぶことになった姉妹。数年後、カバルカイに手合わせで勝利するほど、強い兵士として成長しました。

その一方で、バルクワの一族の暴政に苦しむイガラの軍によって領地が荒らされ、7つの王国の1つであるジュクン族との戦いが長引いたせいで、ザザウの戦力は激減。

ザザウ周辺の野営地には、歩兵の数が1万人に満たず、騎兵は200人以下しかいませんでした。

マダキからそう報告を受けたサルキは、兵力を呼び戻してイガラ族を阻止する軍隊を送り、2つの前線で戦うよう命じます。

サルキの命を受けた摂政のマダキは、ある野望を秘めていました。それは、サルキと王位継承者であるアミナたちを亡き者とし、自らが王として君臨し、ザザウと7つの王国を支配しようというものでした。

マダキは妻のジャガディヤに頼んで、奴隷の中から1人の女性を選出し、妻に先立たれたサルキの後妻となり、いつでも毒殺できるようにお膳立てしました。

それを知らないサルキは、マダキが紹介した奴隷の女性メロを一目で気に入り、彼女を後妻として宮殿に迎え入れました。

次にマダキが取り掛かったのは、カバルカイの買収。しかし、この数年ですっかりアミナを崇拝するようになったカバルカイは、マダキの誘いを断ったため失敗。

そこでマダキは、和平を結ぶための休戦協定を持ち掛けたイガラの摂政と手を組み、カバルカイの暗殺を企てます。

イガラの摂政はバルクワの一族の暴政からの解放を求めており、この休戦協定は願ったり叶ったりの申し出でした。

そんなイガラの摂政にも、ある野望を秘めていました。それは甥にあたるダンジュマを暗殺し、イガラの国王として君臨することです。

両国の摂政による企みにより、イガラへ送還されることになったダンジュマは、マダキの家来たちに連れられ、イガラからの使者との待ち合わせ場所へ向かいました。

イガラ王国の国王に仕えていた祭司である賢者イジュマは、ダンジュマの暗殺計画に気づき、ダンジュマに危険を知らせるべく、使者と共に彼に会いに行きました。

しかし、イジュマがダンジュマに危険を知らせようとした瞬間、茂みに隠れていたイガラからの刺客たちに襲われ、イジュマは殺されてしまいます。

何とか刺客たちを退けたダンジュマは、使者と共にイガラへ帰還。ザザウを出立する際、マダキから渡された書状を、ダンジュマは叔父に渡しました。

叔父がいるテントを出た後、ダンジュマは臣下から、ジュマ殺害を企てたのが叔父であることを知らされました。

「王からあなたを守るよう命じられたイジュマは、15年間神に生贄を捧げていたため、叔父上はあなたに手出しすることが出来なかった」

「だからダンジュマ暗殺のため、叔父上は邪魔なイジュマの殺害を企てた」「しかしイジュマ亡き今、彼があなたにかけた魔除けの効力がいつまで続くか分からない」

「だから早く、ここから逃げた方が良い」………そう話す臣下の言葉を聞いて、ダンジュマは一度ザザウに戻り、アラディにイガラ王国に迫る危険を知らせます。

「もうすぐ戦いが始まる。俺はしばらく姿を消す」と言ってその場を立ち去っていったいとこを、ただ呆然と見送ることしかできなかったアラディ。彼女は、ダンジュマと入れ違うように現れたアミナたち姉妹に、こう言いました。

「戦いが始まる。兵士たちが私たちを見ている。きっと私は、また奴隷の檻に戻されるんだわ」

「あなたたちの父親は、マダキの言いなりなのよ。誰も味方なんていない私を、彼は奴隷の檻に戻すわ。それでも私の味方として、私を守ってくれるというなら、それを証明して」

涙を流しながらそう訴えるアラディに、アミナたちは彼女への友情を証明するべく、ある儀式を行いました。

それは、先が左右に枝分かれしている小枝を使い、尖った先で3人の右手の親指に傷をつけ、互いの血を舐めあうという儀式でした。

以下、『アミナ』ネタバレ・結末の記載がございます。『アミナ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

その後、姉妹だけで剣の稽古をしていたアミナたち。7つの王国を統べる王の娘なのに、本当の愛を知らなかったため、彼女たちはいつか訪れる運命の出会いに、期待に胸を膨らませていました。

恋愛結婚に憧れるアミナたちにとって、好きでもない相手と結婚させられる政略結婚は、憂鬱でしかありません。姉妹に求婚するのはザザウの王子たちと、マダキでした。

そのマダキはといえば、城壁の外で刺客たちにカバルカイを襲わせたことを、「アラディの父親のスパイによる仕業だ」と言い、ダンジュマを従わせるための人質としてアラディを地下牢に監禁。ダンジュマには、山に逃げ込んだカバルカイの始末を命じます。

ただ誤算だったのが、ムーサによってサルキとアミナたちに、そのことが知れ渡ってしまったことです。

王国内に敵がいると悟ったアミナたちは、すぐさまアラディの救出に向かいます。大事な娘たちが地下牢に入ったと知ったサルキは激怒し、事の発端であるマダキを激しく叱責しました。

「アラディの父親とその民が、彼女を傷つけるとは思えない。アラディを今すぐ解放しろ」

これに対しマダキは、「ではアラディを私のそばに置きましょう。そうすれば、スパイから襲われる心配もない」と回答。しかし、マタギのこの言葉は火に油を注ぐ結果を招きます。

「お前は7つの王国から若い女を5人も娶った。頼むから、私の最愛の娘たちとその友達に手を出すな」

「国を守る重責を担っているとお前は言うが、7つの王国は私のものであり、私が守っている。お前ではない」

そう激怒するサルキは、マダキを退室させた後、メロにこう言いました。「私は娘たちを愛している。あの子たちにもしものことがあれば、危害を加えたそいつをあらゆる力を使って滅ぼす」

アラディを無事救出後、アミナは宮殿を黙って抜け出し、カバルカイを捜しに山へ向かいました。

その山でアミナを出迎えたのは、幼少期の頃から彼女を見守ってきたというズンズラでした。

そこへ、ムーサとザリアが到着。彼女はアラディから、姉が宮殿を抜け出して山へ向かったと聞き、心配して着いてきたのです。

ズンズラはアミナ1人だけを洞窟の中へ導き、赤ん坊を抱きあげた女性や、横たわる屍の隣で玉座に座る女王などを描いた壁画を見せながら、こう言いました。

「ここは予言の洞窟。これこそが、アミナの物語の本当の出発点」「あの壁画の女王こそ、あなたがなるべき姿」

「大きな犠牲を払いながら、あなたは自分の運命を成就させる」「そのためにまず、あなたは変装してダウラへ行き、バヤジッダの井戸から血の水を持ってきなさい」

「これを拒否するならば、お前の父親はザザウの王位を失い、国の民は全て消え去る」

そう話すズンズラの背後から、カバルカイが現れます。アミナは葛藤の末、自国を守るために、先祖たちが築いた最初の町ダウラへ、カバルカイと共に向かうことにしました。

洞窟から出てきたアミナは、ザリアに事情を話し、自分と一緒に行こうとする彼女に、宮殿に戻るよう説得します。

アミナの説得におれ、ザリアがムーサと一緒に宮殿への帰路についた時、ちょうど山へ向かう途中だったダンジュマとマダキの家来たちと遭遇。ダンジュマはザリアに、アミナの居場所を尋ねます。

「俺は確かにカバルカイを追っているが、悪人たちも彼を追っている」「アミナにはいとこを助けて貰った借りがある。もし、彼と一緒にいるならアミナも危ない。アミナの居場所を教えてくれないか」

それを聞いたザリアたちが、ダンジュマを連れてアミナたちを追いかけに行くと、ダンジュマの不安は的中。アミナたちは、マダキが放った刺客たちに襲われていました。

死闘の末、何とか刺客たちを退けたアミナたち。翌朝、アミナを連れ戻すようサルキに命じられ、家来を連れてアミナを探すマダキは、刺客たちの遺体を見て暗殺が失敗したと悟ります。

アミナたちはダウラに到着し、バヤジッダの井戸から血の水を入手。その直後、ダンジュマの叔父が放った刺客が襲い掛かってきました。

アミナたちは応戦するものの、以前の刺客より強い敵に苦戦を強いられてしまいます。そのせいで、井戸まで案内してくれた男イブラヒムとムーサが殺され、ザリアが連れ去られてしまいました。

アミナとダンジュマに、ザリアの奪還とズンズラへ血の水を届けることを託したカバルカイ。1人戦場に残り、残った刺客を全て倒した直後、弓矢を持ったマダキが襲来。

本来ならば、強い魔力があるカバルカイは剣はもちろん、矢に当たっても傷ひとつつきません。

しかしマダキの策略により、ダウラの売春婦に魔力を奪われてしまったため、刺客との死闘でカバルカイの体には傷がついていました。

マダキに言われるまでそれに気がつかなったカバルカイは、それでも自分は死なないと言い、マダキを迎え撃とうとしましたが、放たれた矢が喉に刺さって死亡。

それを知らないアミナたちは、無事刺客を倒してザリアを救出。直後に現れたマダキとその家来たちに警戒していると、そこへザザウからの使者が現れます。

「ダンジュマの叔父と兄弟たちが3万近い兵を率いて、ザザウに向かってきている」

それを聞いたアミナたちは、マダキに促されてザザウへ帰還しようとします。しかしその道中、ダンジュマの叔父が放った刺客に襲われ、ザリアが腹を刺されて死亡。

刺客を退け、ザザウに帰還したアミナ。大事な妹を失った悲しみに暮れる彼女に、さらに追い打ちをかけるかのように、ダンジュマの叔父はマダキを人質に取り、「娘のアラディとダンジュマを返せ」と要求してきたのです。

ダンジュマは祖国には戻らず、ザザウの兵士となり、互いに惹かれ合っていたアミナと結ばれましたが、アラディは強制送還されました。

アミナはダンジュマと、彼が指揮を執る5,000人のザザウ兵を率いて、殺された妹の仇をとるため、イガラ王国との戦いに臨みます。

しかし戦いの前夜、初夜を迎えたアミナたちのテントに、ダンジュマの叔父が放った刺客が襲撃。丸腰だったダンジュマはアミナを守り、最初の奇襲攻撃で受けた傷が致命傷となり、命を落としました。

翌日。アミナはダンジュマの死をアラディに伝え、彼の遺体をイガラ王国へ返そうとします。

ザザウ軍の陣地にやって来たアラディは、アミナを激しく叱責しました。「ザリアにムーサ、カバルカイ、そして私のいとこ。あなたが愛する人は皆、命を失う」

「あなたは予言通り、怪物になった。私からいとこを奪い、彼を家族や兄弟、故郷の人々と敵対させた」

「今更ダンジュマの遺体を返されても、彼は裏切り者の烙印を押されてしまった」「あなたの野望は続くのよ、この世の善人が絶滅するまでね」

同時刻。メロはマダキの妻に命じられ、サルキに毒を盛り殺害。摂政だったマダキが、新たな王として君臨してしまいました。

ダンジュマの遺体がイガラの陣地で火葬されたと同時に、サルキの遺体もザザウで埋葬されました。

サルキの死を使者から聞いたアミナは、大切な人たちをすべて失った悲しみに襲われ、戦争の延期を決めました。

この知らせはイガラ軍のみならず、ザザウの玉座でふんぞり返るマダキの元にも届きました。

マダキは家来のバルデ率いる大隊に、アミナの帰還を阻止するよう命じます。アミナ率いる軍隊が国境に差し掛かった時、マダキの家来のバルデ率いる大隊が行く手を阻んできました。

父親が死んだことへの報告は、即位式の後だったこと。評議会もマダキの家来たちも、初めから女性であるアミナに王位を継がせる気はなかったことをバルデから聞いたアミナは、反乱を企てた彼らに剣を向け、戦うことを決めます。

味方同士が潰し合う中、アラディ率いるイガラ軍がアミナ側の助太刀に入り、逃げ惑う反乱軍を追ってザザウ王国へ侵攻。

アミナは部下に命じて、宮殿から出てきたメロを確保。腹の傷を抱えながら宮殿へ向かい、玉座に座るマダキと対峙します。

大乱闘の中での死闘の末、マダキの魔力のもとを射抜いたアラディのおかげで、殺すチャンスを得たアミナは、弱体化した彼を追い詰め討ち取りました。

反逆者から王位を取り戻したアミナですが、杖を持って闘技場の玉座から見た眺めは、ズンズラの予言通り、大勢の屍が転がっていました。

アミナは助けてくれたアラディに手招きしますが、アラディは一瞥くれただけでその場を立ち去ってしまいました。

戦場で1人立ち尽くすアミナの背後に、ズンズラが現れ、こう言いました。「あなたは私のもとに来るのが遅すぎたせいで、運命の力が順調に働かなかった」

「そのせいで、女王になるための代償は大きかった。だけど前を向いて、人々を導き、ザザウのために運命を成就させるの」

アミナがその方法を問いかけた時、既にズンズラは姿を消していました。後日、アミナは女王となり、34年間ザザウを治めました。

その間、戦いと外交によって王国の領土を広げ、人々のために人間的で豊かな国を築きました。

映画『アミナ』の感想と評価


Netflix映画『アミナ』

愛する人を全て失ったアミナの戦い

アミナはザザウの王国内部に敵がいること、さらにザザウに侵攻する敵がいることを知り、自国を守るために学んだ戦闘の武術を活かして戦っていきます。

しかしそれが、結果的に妹のザリアや恋人のダンジュマ、長年一緒にいたカバルカイやムーサを亡くすことになってしまったのです。

大切な誰かを失うたびに、深い悲しみに暮れるアミナの姿は、観ているのが辛くなるほどで、悲しすぎて涙が止まりません。

そんなアミナに追い打ちをかけるように、自国同士の潰し合いが始まってしまいます。それを手助けしてくれたアラディとの友情は、結局最後まで失ったまま………。

劇中で語っていたズンズラの予言が、悲しいことに当たってしまったアミナが、それでも34年間、女王としてザザウを治めたことは讃えられるべき功績でしょう。

2つの国の摂政に秘められた野望

ザザウの摂政であり、ザザウ軍の指揮官マダキは、密かに王として国を支配するという野望を秘めています。同じくイガラ王国の摂政も、イガラ王国の王として君臨するという野望を秘めていました。

そんな2人が王になるためにしたことは、王位継承者であるアミナとダンジュマの暗殺計画です。

何度もアミナたちを殺そうと刺客を放ったり、自国の王を毒殺してまで王座に就きたいマダキたち。それによって身内の誰かが悲しむことになるとは考えもしない彼らの執念は、もはや狂気というべき怖いものでした。

まとめ

最強の男から戦闘の武術を学んだ王女が、自国を守るために過酷な戦いに身を投じていく、アフリカ・ナイジェリアの時代劇アクション・アドベンチャー作品でした。

本作の見どころは、一国の王女であるアミナが自国を守るために戦うアクション場面と、互いに惹かれ合ったアミナとダンジュマのひと時の恋です。

ルーシー・アメが演じるアミナは、ザリアたち身内の人間だけでなく、本当にザザウのことを大切に思っており、彼女こそ次の王になるにふさわしい人格者と言えるでしょう。

そんなアミナを演じるルーシー・アメは、ダンジュマに恋するただの女としてのアミナの姿と、自国を守るために過酷な戦いに身を投じる王女のアミナの姿を上手く演じ分けており、その高い演技力に感嘆させられます。

国を守るために過酷な戦いに身を投じることになった、一国の王女の孤独と悲しみと幸せを描いた時代劇アクション・アドベンチャー映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。

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