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Entry 2017/09/08
Update

ローン・サバイバー動画無料視聴はHulu!感想レビューと考察も

  • Writer :
  • 山田苺

2017年『バーニング・オーシャン』『パトリオット・デイ』と実話を描いた作品が立て続けに公開されました。

この2作の共通点は実話というだけではなく、主演・監督のタッグも共通してマーク・ウォールバーグが主演、ピーター・バーグが監督脚本。(名前が似ていますが兄弟ではないです)

そんな2人がはじめて手を組んだ作品も実話モノで、軍事ネタに詳しくなくても名前は聞いたことのある「ネイビー・シールズ」に起きた実際の悲劇を描いたパワフルな作品『ローン・サバイバー』を紹介します。

1.映画『ローン・サバイバー』の作品情報


(C)2013 Universal Pictures

【公開】
2014年(アメリカ映画)

【原題】
Lone Survivor

【監督】
ピーター・バーグ

【キャスト】
マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、ベン・フォスター、アリ・スリマン、アレクサンダー・ルドウィグ、エリック・バナ

【作品概要】
2005年にアフガン山岳で行われた「レッド・ウィング作戦」遂行中に起きた想像を絶する戦闘と、シールズ史上最大の悲劇を描いた実話を基にしたミリタリー映画。

ジワジワとタリバンに追い込まれていシールズ隊員たちの描き方は目を覆いたくなると同時に、一度見たら脳裏に焼きつくほど詳細に描いています。

『ザ・シューター』でマーク・ウォールバーグのスナイプ捌きが恋しくなった人には、打ってつけな作品でもあります。

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2.映画『ローン・サバイバー』のあらすじとネタバレ


(C)2013 Universal Pictures

2005年6月、アフガニスタンのパルヴァーン州にあるバグラム米軍基地にて、ある作戦会議が行われていました。

アフガニスタン山岳地帯にてタリバン武装集団を率いるアハマド・シャーの暗殺を目的とした「レッド・ウィング作戦」にて、4人のシールズ隊員が偵察として、夜間その山岳地帯に上陸します。

マーカス・ラトレル一等兵曹を初め、マイケル・P・マーフィ大尉、マシュー・アクセルソン二等兵曹、ダニー・ディーツ二等兵曹の4人は、日が昇る時間まで延々と移動を続け、通過点を通るごとに本部へ連絡を入れる手筈になっていました。

しかし目的地に進むほど、通信状況が悪くなってきます。最終的に無線機は通信不能となり、使用は危険なため最終手段とされている衛星電話を使わざるを得ないほどに。

かろうじて連絡は付き、一同が野宿しているとき、そこへ3人の山羊飼いたちが現れ徐々にマーカスたちの元へやってきます。

身を隠すも、運悪くその場に山羊飼いが座り込んだことで、事態は混乱します。

4人は山羊飼いをただちに拘束し、事態の収拾を付けるために意見をぶつけ合います。

マーカスは武器を持っていない民間人を殺害すれば、たちまち世間からシールズは非難されるので、解放してやるべきだと意見を述べます。

しかし、マシュー・アクセルソン二等兵曹はここで彼らを始末しないと、確実に自分たちの作戦を敵側に知らされると反対の意見を述べ、2人の意見は激しくぶつかり合います。

ふたりの意見を聞いたうえで、マーフィー大尉は作戦が危機的状況になったとして、山羊飼いの拘束を解いて、部隊は山岳頂上に移動し救援を待つことにしました。

だが、退去ポイントに移動しようとするも、すぐにアハマド・シャー率いるタリバンたちが、マーカスたちを追撃を行います。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ローン・サバイバー』ネタバレ・結末の記載がございます。『ローン・サバイバー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
シールズ4人に対して、相手は100名を超える数で襲ってくるうえに、未だ衛星電話も通じない状況が続き、仲間も次々に被弾していきます。

後退を続ける舞台は、断崖絶壁にぶつかり絶体絶命の常態に。

満身創痍の4人は、命からがら崖から飛び降り、タリバンの追っ手から逃れようとします。

下は土や草があったとはいえ、転がり続け木や岩に激突しながらも、なんとか全員一命は取り留めます。

しかしタリバンは更に銃火器を強力にして攻めて来ます。

再び部隊は崖にぶつかり、今度は岩だらけの絶壁を転がり落ちて生きます。

しかしその際、ダニー・ディーツ二等兵曹は被弾し、崖を降り損ねてしまいます。

取り残されたダニーは既に瀕死の状態で、タリバンたちは彼を断頭しようとビデオカメラを回し始めます。

下に降りた仲間はタリバンたちに怒りを燃やしながら、死に物狂いで応戦し続けます。

しかし状況は一向に好転せず、マーフィ大尉は自らの命と引き換えに、敵に姿を晒しながら衛星電話にて援護を求めます。

何とか基地に連絡を取ることができ、QRF(即応部隊)が出動します。

大尉の命と引き換えなったが、ついにタリバンを一層出来る・・・、そう考え喜ぶマーフィーたちでしたが、QRFは本来ヘリは部隊を投下させるのとは別で、援護できるようアパッチと呼ばれる攻撃ヘリコプターを同伴させるのが基本でした。

ところが、このタイミングでアパッチは別の作戦に出動してしまっており、やむなく部隊を乗せたヘリのみで出動することになります。

そしてこれが災いとなり、部隊が投下中にタリバンからのRPG(対戦車などに用いるロケットランチャー)を喰らい墜落し、部隊は全滅。

さらにマーカスはマシュー・アクセルソン二等兵曹ともはぐれてしまい、マシューもとうとうタリバンに倒されてしまいます。

唯一生き残ったマーカスは岩陰に隠れてタリバンをやり過ごしますが、重傷を負っているため気を失います。

意識が戻った頃にはタリバンは皆去っており、マーカスは移動しますがそこで現地の親子(パシュトゥン人)と思われる人々に遭遇します。

はじめは警戒するマーカスですが、再びタリバンがこちらに近づいてきているのに手を差し伸べてくる男・グーラーブをひとまず頼りにし、彼らの住む村へ救助されます。

なぜグーラーブらが助けてくれるのか、理解できないがひとまず村の民家に身を潜めていると、のちにアハマド・シャー率いるタリバンたちがやってきてマーカスを探します。

村びとたちは必死に抗議するも、マーカスは直ぐに見つけ出され外へ連れて行かれます。

その先には血に染まった丸太が置かれており、そこにマーカスの頭を押さえつけました。

躍起になったマーカスはさっさと断頭しろと絶叫し、アハマド・シャーもアメリカ人は皆殺しにすると罵声を浴びせます。

しかし、村人たちが銃をアハマド・シャーに向け、マーカスの解放を要求します。

この村では「パシュトゥーンワーリ」という敵から追われている者を、自らの命を懸けて助けるという掟があり、村人たちはこれに従うことを決意します。

一度は諦めたアハマド・シャーですが、直ぐに仲間を連れて抵抗する村人を襲っていきます。

マーカスも取り押さえられ暴行を受けますが、助けてくれた少年からナイフを受け取り、返り討ちにします。

そこへ別のアメリカ軍の救援部隊が到着。ヘリからの銃撃でタリバンを一掃し、マーカスは救助されれます。

マーカスは助けてくれたグーラーブも一緒に連れて欲しいと頼み込みますが、軍にそれは出来ないと断られ、村から脱出します。

重症を追った彼は、ヘリの中での治療で一度心配停止に陥るも、なんとか息を吹き返します。

マーカスは自分が奇跡的に生還したことと同時に、死んでしまった仲間のことを想うのでした。

3.映画『ローン・サバイバー』の感想と評価


(C)2013 Universal Pictures

今作ではレッド・ウィング作戦の全貌以上に、その作戦に参加して戦死して行った人々の人物背景にもフォーカスされているのが特徴的です。

皆それぞれ、家族や子供がいるという背景が、より映画をドラマチックにしています。

中でも作中冒頭で先輩たちの前でダンスさせられる若い兵士・パットンは、やっとマーカスの救助で作戦に参加できたにもかかわらず、投下する前に撃墜させられてしまうのです。

作中ではメインの人物ではありませんが、そうして細かい人物まできちんと描く点も凄く胸に深く突き刺さります

他には銃撃戦が魅力でもある今作ですが、個人的には山羊飼いを拘束した際に繰り広げられる会話劇も見所のひとつになっています。

一見、重装備した男3人が山の中でひたすら意見をぶつけ合うシーンというだけなのですが、この判断によっては命取りになりかねない、尋常じゃない緊張感が伝わってきます。
(『アイ・イン・ザ・スカイ』とか好きな人は、かなりたまらないシーンのはずです。)

ただ銃撃シーンは苦手・・・という人は、せめて崖から飛び降りる脱出シーンだけでも見てください。

よくもまあ、ここまで人が崖から転げ落ちる(跳ねて落ちるような気もしますが)様を丁寧に撮りあげたなと脱帽の極みです。

正直被弾するシーンより、転がって行って木とかに激突しているシーンのほうが凄く痛そうですが。

まとめ


(C)2013 Universal Pictures

その後マーカスを保護したグーラーブは亡命援助や資金援助を受け、タリバンから守られているそうで、現在はアメリカテはテキサスに家族で住んでいるそうです。

「レッド・ウィング作戦」については調べると色々なことが出てきます。

中でもマーカス・ラトレルが執筆した本に、いくつかのウソがあるとグーラーブが指摘したという話もあります。

しかし何はともあれ、この映画が非常に見所満載で、ドラマチックな作品なのは間違いないし、今作は史実の詳細を描く映画というよりは、この作戦で亡くなった隊員たちにささげられた作品でもあることが一番重要なのだと感じました

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