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Entry 2021/08/01
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映画『フィア・オブ・ミッシング・アウト』初日舞台挨拶。池袋シネマロサに小島彩乃/サトウヒロキらキャストが登壇!

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  • Cinemarche編集部

映画『フィア・オブ・ミッシング・アウト』は2021年7月31日(土)より、池袋シネマ・ロサほかにて全国順次公開!

『光関係』(2016)で瀬々敬久・真利子哲也らにその才能を高く評価され、国内各地の映画祭にて注目が高まり続ける映画作家・河内彰の短編映画『フィア・オブ・ミッシング・アウト』(以下『FOMO』)。

SNSスラングを題した本作は、親友を亡くしたとある女性の物語を通じて、人の心に現れる「とり残される怖さ」と悲しみ、その先に見えてくる光景を描き出します。


(C)Cinemarche

劇場公開を迎えた2021年7月31日(土)、池袋シネマ・ロサでは初上映と併せての初日舞台挨拶を開催。キャストの小島彩乃、サトウヒロキ、高石昴、そして河内彰監督がゲストとして登壇しました。

本記事では、その初日舞台挨拶の模様をご紹介いたします。

『フィア・オブ・ミッシング・アウト』初日舞台挨拶リポート!


写真提供:池袋シネマ・ロサ

キャスト陣は初の「劇場での鑑賞」

2021年7月31日(土)より、映画館「池袋シネマ・ロサ」ほかにて劇場公開を迎えた映画『FOMO』。同日に行われた初日舞台挨拶では、キャストの小島彩乃、サトウヒロキ、高石昴、そして河内彰監督が登壇しました。

初日舞台挨拶の実施前、一般の来場者とともに『FOMO』本編を鑑賞したというキャスト陣。実はキャスト陣にとって、本作を劇場のスクリーンで鑑賞するのは今回が初だったとのこと。

主人公ユジンの亡き親友イ・ソン役を務めた小島は、それまでパソコンの小さな画面でのみ『FOMO』を観たことがなかったため、劇場で初めて本作を鑑賞しその「画の力」の違いを理解したとのこと。また『FOMO』には「素のままの自分」「自然体」で撮影に臨んだと明かし、それは自身が演じたイ・ソンは似ていたからでもあったと告白しました。

ユジンの友人こうちゃんを演じた高石は、改めて映画『FOMO』が「悲しい話」なのだと実感した一方で、スクリーンを通してYujin Leeさん演じる主人公ユジンが最後に微笑みを見せてくれたことに安心したとコメント。

そしてイ・ソンの夫役を務めたサトウは、パソコンでの鑑賞時でも美しかった『FOMO』の映像は劇場のスクリーンによってさらに素晴らしいものとなり、特に作中のパーキングエリアでの場面で描かれた人々の「光」の様には感動したと語りました。

様々な視点や角度で、何度でも味わえる映画


(C)Cinemarche

『FOMO』ならびに映画を制作し続ける理由やそのテーマについて質問された河内監督は、「映画の中であまり直接的に出来事を映し出すことはせずに、そこにあった光景や人々の記憶や想いを映し出す」という自身の映画制作におけるテーマに触れた上で、「映画と思い出は非常に距離が近いもの」とコメント。

このたび劇場公開を迎えた『FOMO』に関しても「主人公」そのものではなく、あくまでも「主人公の想う“誰か”と、その記憶」について描いた作品であると語りました。

そうした河内監督の言葉を聞いて、サトウは「いなくなった人を想う時間」はあまりにも長くて終わりのないものであり、「いなくなった人」を想い続けるが故に「その時、そこにいた人との時間」は人の心の中で強く、深く残り続けると感じられたと返答。

また小島も、『FOMO』をはじめ河内監督の作品には多くの情報や演出が込められており、劇場公開を迎えた現時点でも河内監督作品を一言語るのは難しいと語り、だからこそ『FOMO』ならびに河内監督作品は、様々な視点や角度で何度でも味わえる映画だと劇場に訪れた人々に伝えました。

“良い何か”を感じとってもらえると嬉しい


(C)Crashi Films

初日舞台挨拶も終盤を迎え、各人は締めくくりの挨拶として、改めて来場者の方々へ作品に関するメッセージを伝えることに。

河内監督の友人でもある高石は、監督との関係性もあって客観視した感想が難しい作品だと前置きしつつも、映像演出のトリッキーさには思わず「ハッとさせられる」「どきっとさせられる」と明かし、感性の琴線に触れられるものが非常にたくさんある本作を、様々な人々とその感性に観てもらいたいと述べました。

小島は『FOMO』は劇場のスクリーンだからこそより映える作品であり、劇場の暗闇の中で過ぎてゆく映画の時間をぜひ楽しんでもらいたいとコメント。

またサトウも、2020年から続く映画業界にとって、人々の出会いにとって厳しい状況に言及した上で、「映画館での映画との出会い」を映画『FOMO』でも大切にしていきたいと語りました。

そして河内監督は「映画の表現」の試行錯誤を続ける中で、自身の監督作を鑑賞した人々からは「難解」と評される反面、中には「“良い何か”を感じとれた」と語ってくれる人々がいることが何よりも嬉しいと告白。劇場公開を迎えた『FOMO』においても、作品から“良い何か”感じとってもらえると嬉しいと明かしました。

小島彩乃さん:公開記念インタビュー


(C)Cinemarche

サトウヒロキさん:公開記念インタビュー


(C)Cinemarche

河内彰監督:公開記念インタビュー


(C)Cinemarche

映画『フィア・オブ・ミッシング・アウト』のあらすじ

親友のイ・ソンを亡くしたユジンは、彼女の残したボイスレコードを発見する。

ここにいない友と通じ触れながら、ユジンは思い出と現在の時空を行き交い始める。

街のネオン、夜のとばり、彼女の車が向かう先は……。

まとめ

2021年7月31日(土)より、池袋シネマ・ロサにてついに劇場公開を迎えた映画『フィア・オブ・ミッシング・アウト』。

新型コロナウィルスの影響により、映画館での鑑賞の楽しみの一つともいえる「舞台挨拶終了後の劇場ロビーでの、映画キャスト・スタッフと来場者の人々との歓談」が難しくなってしまった一方で、TwitterをはじめとするSNSでは映画を鑑賞した人々の感想が多数投稿されており、「映画キャスト・スタッフと来場者の人々との歓談の場」としてSNSが活用されている状況がすでに生まれているのが理解できます。

そしてSNSの感想投稿を見る限りでは、映画を鑑賞した人々は河内監督が語った「良い何か」をみな感じとっていることも伝わってきます。

映画『フィア・オブ・ミッシング・アウト』は2021年7月31日(土)より、池袋シネマ・ロサほかにて全国順次公開!





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