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Entry 2021/05/14
Update

映画『ベイビーわるきゅーれ』感想評価とレビュー解説。ラストまで女性コンビのアクションがかっこいいバディムービー!

  • Writer :
  • 秋國まゆ

映画『ベイビーわるきゅーれ』は2021年7月30日(金)より全国ロードショー

阪元裕吾が監督を務め、髙石あかりと伊澤彩織がW主演を務める、ガールズアクション映画『ベイビーわるきゅーれ』。

プロの殺し屋であり、社会不適合者でもある元女子高生のコンビが、社会に馴染もうと奮闘するガールズアクションストーリーです。

映画『ベイビーわるきゅーれ』は、2021年7月30日(金)より、大阪のシネ・リーブル梅田やなんばパークスシネマ(大阪)、愛知の名古屋センチュリーシネマ(愛知)などで順次公開されます。

今の時代ならではの、若い世代の考え方や価値観が散りばめられた、等身大の女性殺し屋コンビの物語『ベイビーわるきゅーれ』の魅力をご紹介いたします。

映画『ベイビーわるきゅーれ』の作品情報


(C)2021「ベイビーわるきゅーれ」製作委員会

【日本公開】
2021年(日本映画)

【脚本・監督】
阪元裕吾

【アクション監督】
園村健介

【キャスト】
髙石あかり、伊澤彩織、三元雅芸、秋谷百音、うえきやサトシ、福島雪菜、本宮泰風、水石亜飛夢、辻凪子、飛永翼(ラバーガール)、大水洋介(ラバーガール)、仁科貴

【作品概要】
『ハングマンズ・ノット』(2016)や『ぱん。』など、大学在学中に圧倒的な暴力描写で、自主映画界を席巻した阪元裕吾が、脚本・監督を務めた日本のガールズアクション作品です。

舞台『鬼滅の刃』で竈門禰豆子役で最注目されている髙石あかりと、女性スタントアクションの異端児・伊澤彩織が主演を務めています。

映画『ベイビーわるきゅーれ』のあらすじ


(C)2021「ベイビーわるきゅーれ」製作委員会

女子高生の殺し屋コンビ、ちさととまひろは高校卒業を前に、途方に暮れていました。

それは“組織”から、高校卒業と同時に組織の寮を追い出され、「オモテ」の顔としての社会人をしなければならないからです。

さらにちさとたちは、“組織”の人間すさのから、東京・上野の鶯谷駅近くに借りた、家具付きのアパートでルームシェアするよう命じられました。

しかしちさとたちは、“組織”に委託される人殺しはそつなくこなせるものの、社会人生活は苦手。

そのため、公共料金の支払いや年金、税金といった公的費用の支払いも、共同生活に必要な家事も、全く知らず出来ません。

それでもちさとたちは、高校卒業と同時に寮を追い出されてしまい、鶯谷の賃貸アパートで試行錯誤しながら生活を送っていました。

しかしコミュ障で人見知りのまひろは、コンビニを含め10社もの面接に落ちてしまいます。

それとは反対に、まひろより人付き合いが得意なちさとは、すぐに職場の人間と打ち解け、バイトを転々としながらも働いていました。

そんなある日、まひろはちさとと一緒なら働けるのではないかと考え、彼女と一緒にバイトの面接に行くことにしました。

しかしそのバイト先は、まひろが苦手な接客業を必須とする「メイド喫茶」でした。

ちさとは面接に受かり、すぐさま先輩メイドら職場の人間とも打ち解けますが、まひろは面接に落ちてしまいます。

見学していたまひろは、同じ社会不適合者であるはずのちさとが、それでも何とか職場に溶け込んでいる様子を見て嫉妬心を抱きました。

その後、まひろは、歓迎会で朝帰りしてきたちさとに冷たく当たってしまい、彼女と衝突。

喧嘩し、険悪な仲になってしまうまひろとちさと。そんな中でも、殺し屋としての仕事は舞い込んできます。

そんなある日、ちさとたちはある理由でヤクザから恨みを買ってしまい、面倒なことに巻き込まれてしまいます。

まひろとちさとは、一体どうなってしまうのでしょうか……。

映画『ベイビーわるきゅーれ』の感想と評価

対照的な2人の関係性が見どころ

プロの殺し屋としてコンビを組む、元女子高生のまひろとちさと。この2人は性格も、人付き合いの仕方も食の好みもまるで対照的です。

コミュ障で人見知りなまひろは、ちさととは普通に話せるのですが、一度社会に出るとおどおどと挙動不審になってしまいます。

対してちさとは、人懐っこい性格のおかげで、何とかアルバイトをこなすことができています。

そんなまひろたちが、唯一共通しているのが、“社会不適合者”であること。ちさととまひろも、自分のことをそう呼ぶように、本当に日常生活能力もなく、社会人生活が苦手です。

不注意で壊してしまった洗濯機を、2人で思いっきり叩いて直そうとしたり、殺し屋故の気の短さと反射神経で人を攻撃してしまったり……。

物語が進むにつれ、殺し屋以外の面ではてんでダメダメなちさとたちのことが愛おしく感じられるようになってきます。

そして何より、対照的な2人の仲の良さと、コミュ障なまひろを優しく受け入れるちさとの関係性が最高に良く、「こんな相棒欲しい」と思うこと間違いなしでしょう。

高校卒業して社会人になった人、大学卒業してから社会人になった人、そのどちらもが共感する場面ばかりです。

嫌な職場の先輩や、嫌なバイトの面接官に腹が立ったり。初めて実家を出て一人暮らしをし、やったことがない家事や公的支払いをしなくちゃいけなかったり。

そういった社会人1年目にありがちな悩み、葛藤した日々を送るちさとたちの気持ちに、思わず画面越しにうんうんと共感することでしょう。

社会人生活はダメダメなのに、プロの殺し屋として仕事をこなすちさとたちは、とても格好良く、爽快感たっぷり。

女性でも男性に引けを取らない格闘、華麗に人を殺し仕事をこなしていくアクション場面は、アクション映画好きは勿論、アクション映画を観たことない観客も虜にするほどの魅力があります。

殺し屋コンビを狙う個性的なヤクザたちに注目

ちさととまひろが、社会に馴染もうと頑張る日々を送る一方、東京に住むヤクザたちも動き出します。

殺し屋が主人公の映画では、必ずと言っていいほどヤクザが登場しますが、本作のヤクザたちは一味違います。

現代を生き抜くために、女性主体の事業を起こそうと考え、メイド喫茶に視察に訪れるのです。

強面なヤクザが、従業員のメイドと一緒に、魔法の呪文を唱える姿なんて、他の任侠ものの映画やアクション映画には無い展開。

現代社会に馴染もうと奮闘する彼らのギャップに、思わずクスッと笑ってしまうことでしょう。

しかも、ちさとたち殺し屋コンビを狙うこのヤクザたちもまた、対照的なところがあります。昔からのヤクザのやり方を貫く者と、時代の流行に沿ってパパ活斡旋などして稼ぐ者。

今どきの若者と、昔からの風習を守る大人のような、なかなか分かち合うことが出来ないもどかしさがあり、そこも登場人物たちの心情に共感できるポイントです。

クライマックスの白熱したバトル

穏やかな日常とは打って変わり、物語の終盤では、社会に馴染もうと奮闘していた殺し屋コンビが、プロの殺し屋として白熱したバトルを繰り広げていきます。

飛び交う銃弾、飛び交う拳。瞬き禁止の怒涛のアクション場面に、アクション映画好きは大興奮すること間違いなしです。

次々と出てくる敵に、冷静に対処し、殺していくまひろとちさとの戦う姿は、女性の殺し屋ならではの格好良さがあります。

しかも一見強そうに見えた登場人物が、プロの殺し屋相手に一撃で倒される驚きの展開も。

それに、ただ敵を倒していくのではなく、強敵となるライバルがちさとたちそれぞれに襲い掛かってくるので、観ているこちらもハラハラドキドキしてきます。

大人とは違った価値観、考え方を持つ者同士がぶつかり合うバトル、最後に笑うのは一体どちらなのでしょうか?

まとめ

社会不適合者の元女子高生の殺し屋コンビが、社会に馴染もうと奮闘するガールズアクション映画『ベイビーわるきゅーれ』。

家事などしたことがない、公的支払いの仕方も分からない若者2人の気持ちに、社会人にこれからなる人も、社会人として頑張っている大人も共感できることばかりです。

くだらないことで笑って、すぐ職場や周りの嫌な人たちについて愚痴を言い合い、時には喧嘩もして、また笑い合うまひろとちさと。

そんな不器用に社会人生活を送る、2人が成長していく様子に感動と笑いを、日常の一部に殺し屋としての顔を覗かせ戦う2人のアクション場面に、興奮とゾクッとするスリルを感じられます。

映画を観ていると、自然とまひろとちさとが愛おしく思うほど、この作品の世界観と登場人物に魅了されることでしょう。

不器用な殺し屋コンビが、社会に馴染もうと奮闘し、平和な日常の中で殺し屋としての仕事を全うし戦う姿を、ぜひ劇場で楽しんで観てはいかがでしょうか?

映画『ベイビーわるきゅーれ』は、2021年7月30日(金)より全国ロードショーです。





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