『ミッドナイトスワン』草彅剛、ブルーリボン賞にて初の主演男優賞!
俳優・草彅剛の主演映画『ミッドナイトスワン』。トランスジェンダーとして心と体の葛藤を抱えつつ生きる主人公と、親の愛を知ることなく育つもバレエダンサーを夢見る少女の間に生まれた「愛」の形を描いた作品です。
2020年9月25日の劇場公開後も、「追いスワン」という言葉が生まれるまでにリピーターとなる観客が続出。その結果同作は異例のスマッシュ&ロングランヒットを記録しました。
このたび第63回ブルーリボン賞の各受賞者が2021年2月23日に決定。映画『ミッドナイトスワン』の主演を務め、作中ではトランスジェンダーの主人公・凪沙を演じた草彅剛が主演男優賞を受賞しました。
本記事では主演男優賞受賞に際しての草彅のコメントなどの受賞関連情報はもちろん、草彅と共演・水川あさみとの2ショットインタビューをはじめ、当サイトにて掲載中の映画『ミッドナイトスワン』関連記事をご紹介させていただきます。
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『ミッドナイトスワン』草彅剛、ブルーリボン賞にて初の主演男優賞!
「新しい地図」公式アカウントのツイートより
第63回ブルーリボン賞 主演男優賞に『ミッドナイトスワン』草彅剛 決定!https://t.co/q9yxBOy32h#新しい地図#atarashiichizu#草彅剛#TsuyoshiKusanagi#ミッドナイトスワン
— 新しい地図 (@atarashiichizu) February 23, 2021
「青空のもとで取材した記者が選出する賞」として1950年に創設されたブルーリボン賞。第63回目を迎える本賞の各受賞者が2021年2月23日に決定され、主演男優賞を『ミッドナイトスワン』にてトランスジェンダーの主人公を演じた草彅剛が受賞しました。
今回が初の主演男優賞獲得となった草彅。「(受賞を)高倉健さんや大杉漣さんに伝えたかった」と恩人の名を挙げながらも、「脚本を読んだときの感動が大きい」「考えすぎないようにその感動を胸に演じました」と役柄について語りました。
また同作への出演を経ての自分自身の変化について「撮影を通して“母性”への考えが深くなったと思う」ともコメント。
草彅が『ミッドナイトスワン』にて演じた主人公・凪沙はトランスジェンダーの女性であり、作中ではネグレクトに遭っていた少女との心の交流を通じて“母性”に目覚めていく様が描かれています。また同作の撮影の合間に起きた草彅の愛犬の出産もファンの間では周知の事実として知られています。
撮了後には一般女性との結婚も報告した草彅。『ミッドナイトスワン』は草彅剛という俳優にとって、人間にとってターニングポイントの作品となったことが、草彅自身がSNSにて付けたハッシュタグ「#草なぎ剛代表作」、そして今回の主演男優賞受賞に際しての言葉から窺い知ることができました。
映画『ミッドナイトスワン』草彅剛&水川あさみインタビュー
Cinemarcheでは映画『ミッドナイトスワン』の劇場公開に際し行なった、主人公・凪沙役を務めた草彅剛、凪沙が出会う少女・一果の実母である早織役を演じた水川あさみへのインタビュー記事を掲載しています。
樹咲ちゃんを見ていると、すごく愛おしくなってくるんです。
「彼女は本当に、広島の田舎からやむを得ない事情で東京へ出てきた子なんじゃないか」「彼女は“一果”として生まれ育って来たんじゃないか」って。
演技を抜きにして、僕なりに彼女のことが愛おしくなってしまった。
当たり前のことなのかもしれませんが、彼女は確かに“一果”だったんです。
(インタビュー記事内の草彅の言葉より抜粋)
ブルーリボン賞・主演男優賞に際しての言葉でも触れられていた、草彅が映画『ミッドナイトスワン』を通じて向き合った“母性”という感情。同記事では、“母性”を再認識させられた一果と彼女を演じた服部樹咲の存在、そして「実の母」を演じた水川と作中で演じた“母性”の対決など、草彅がどのように“母性”と向き合ったのかを垣間見ることができます。
小説版『ミッドナイトスワン』との比較記事も掲載!
またインタビュー記事のみならず、Cinemarcheでは映画『ミッドナイトスワン』の“ネタバレなし”の感想レビュー記事はもちろんのこと、同作の監督・脚本を手がけた内田英治が自ら執筆した小説版『ミッドナイトスワン』とのネタバレあり比較記事も掲載。
映画版では描かれなかったエピソード、映画版とは少し形が異なる結末といった描写・展開の違いだけでなく、小説版だからこそ描くことのできた『ミッドナイトスワン』の別側面を知ることができます。
“ネタバレだけ”ではない「深掘り考察・解説記事」もオススメ!
さらに、“ただのネタバレ描写の言及”だけでは止まらない映画『ミッドナイトスワン』の深掘り考察・解説記事もCinemarcheでは多数掲載。
作品モチーフの一つであるバレエ曲『白鳥の湖』との物語におけるリンク考察をはじめ、一果の友人・りん(上野鈴華)に関する“謎”解説、観る者に様々な解釈をもたらすラストシーン解説やエンドロール考察などなど、“ネタバレがあるからこそ”といえるより深い作品の魅力紹介を行っています。
映画版・小説版比較記事と同様に、映画『ミッドナイトスワン』の新たな側面を知るきっかけとなり得る深掘り考察・解説記事も、ぜひご一読してみてはいかがでしょうか。
映画『ミッドナイトスワン』のあらすじ
故郷・広島を離れ、東京・新宿の新宿のショーパブで働く凪沙(草彅剛)。トランスジェンダーとして身体と心の葛藤を抱えながらも、毎日をひたむきに生きていた。
ある時、実家の母親から電話があり、親戚の早織(水川あさみ)の娘でありネグレクトに遭っていた中学3年生の少女・一果(服部樹咲)を短期間預かってほしいと頼まれる。東京に訪れた一果は「叔父」と聞いていた凪沙の姿に戸惑いながらも、やがて二人の同居が始まる。
ある日一果は、自分をからかったクラスの男子に椅子を投げつけるという問題を起こしてしまう。凪沙はその件で学校に呼び出されたが、それでも一果に対して関心を持とうとはしなかった。
最低限のルールに基づく同居が続く中で、一果はふとしたきっかけでバレエ教室を見つけ、その魅力に惹かれていく。そして講師の実花(真飛聖)の勧めでレッスンに参加するようになった。
やがてバレエ教室の月謝を払うために、一果は同じくレッスンを受けていた友人・りん(上野鈴華)の協力のもと、違法なバイトを凪沙には秘密で始める。ところがそのバイト先でトラブルが起こしてしまい、保護者である凪沙にバイトのこと、バレエ教室のことがバレてしまう。
りんの母親に家庭のことを中傷され、自傷に走る一果を見て優しく慰める凪沙。
その晩、「一果を一人にしたくない」と凪沙は自分の職場であるお店に一果を連れて行く。そこで一果のバレエダンサーとしての才能を目の当たりにした凪沙は「一果にバレエを続けさせてやりたい」と思うようになる。
それは「母親になりたい」という願いの芽生えでもあった……。
まとめ
第63回ブルーリボン賞にて初の主演男優賞を獲得し、映画『ミッドナイトスワン』が自身の言葉通り「#草なぎ剛代表作」となったことが益々証明された草彅剛。
人間として、俳優として重要なターニングポイントとなった同作を経た草彅剛が、次はどのような姿を人々に“魅せる”のか。今後のさらなる活躍に誰もが期待を寄せています。
また今回の草彅の受賞によって、再注目は必至の映画『ミッドナイトスワン』。この機会にぜひ同作を初鑑賞/再鑑賞し、Cinemarcheの関連記事にてより作品の魅力を楽しんでみてはいかがでしょうか。