Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2020/09/04
Update

映画『写真の女』劇場公開情報/上映館。串田壮史監督デビュー長編作品が2021年初春に渋谷ユーロスペースにてロードショー

  • Writer :
  • 石井夏子

「めまいがする様な特異な世界観」「これぞ現代の寓話」
令和インディーズ映画の異端児串田壮史監督・長編デビュー作が満を持して公開決定。

2020年9月3日(日本時間)に終了した北米最大規模のファンタスティック国際映画祭【ファンタジア映画祭】の“新人監督賞”にノミネートした映画『写真の女』が、国内外映画祭での多くの歓声を浴び満を持して凱旋公開を果たします。

先に挙げたファンタジア映画祭だけではなく、本年の国内外多くの国際映画祭で、怒涛の受賞ラッシュとなった串田壮史監督作『写真の女』が、2021年初春、渋谷ユーロスペースをはじめ、全国順次公開と決定しました。

あわせて、ポスタービジュアルも解禁となります。

映画『写真の女』について

(C)2020「写真の女」PYRAMID FILM INC.

本作は、『地球は青かった』(2015)、『声』(2017)など短編作品で数々の映画賞を受賞し、高い評価を得てきた、CM制作会社ピラミッドフィルム所属の串田壮史監督の初長編映画

カメラのレタッチャーとして寡黙に生きる女恐怖症の男(永井秀樹/ながいひでき)と、加工の力で写真の中の美しい自分を必死に守ろうとする女(大滝
樹/おおたきいつき)の、悲しくもロマンチックな愛
を描きます。

串田壮史監督が、15年前のCMの撮影時、一人の女優がカメラに収められた自身の姿をレタッチャーに自ら指示し、より美しく、より細く仕上げる事を注文する姿に衝撃を受け、構想に至ったといいます。

スマートフォンで自らを撮影し、加工した姿をSNSに投稿することが当たり前になった今、「本当の美しさとは?」という疑問は誰しもが持ったことがあるのではないでしょうか。

そんな現代の皮肉な風刺を本作は見事映し出しました。

劇団「青年団」所属し、舞台を中心に俳優活動をしている永井秀樹と、劇団「北区AKT STAGE」所属の大滝樹のふたりが、確かな演技力で魅了します。

映画『写真の女』のポスタービジュアル

(C)2020「写真の女」PYRAMID FILM INC.

この度、本作のポスタービジュアルが解禁となりました。

まるでカマキリのオスが、メスに共食いされながらも必死に愛そうとする姿を表現しています。

映画『写真の女』の作品情報

(C)2020「写真の女」PYRAMID FILM INC.

【公開】
2021年(日本映画)

【監督・脚本】
串田壮史

【キャスト】
永井秀樹、大滝樹、猪股俊明、鯉沼トキ


映画『写真の女』のあらすじ

小さな写真館にひとり暮らす“写真レタッチャー(補正加工する人)”械は、ある夏の日、森の奥で不慮の転落で怪我をし、胸元に大きな“傷のある美しい女”キョウコと出会いました。

女性恐怖症の械は、馴れ馴れしく付いてくるキョウコに戸惑うも、行く当てが無く困る彼女を仕方無く一緒に住まわせる事に。

械はキョウコに頼まれ、画像処理によって傷のない美しい姿を生み出しました。その加工された自身の姿に魅了されるキョウコ。

しかしSNS上では、ただ美しいだけでは評価されず、皮肉にも、傷ついた醜い本当の姿をさらす事で沢山の人が興味を抱いてくれました。

「理想の自分」と「現実の自分」、彼女にとっては世界のすべてであったSNSの中で、二つの自分の溝に挟まり精神的混乱に陥ってしまったキョウコは、やがて、完全に自分の存在意義を喪失。

もはや、自分だけがキョウコを救うことができると感じた械は、まるで、メスに共食いされてしまうカマキリのオスの様に、“死を覚悟して”女を愛し、彼女のすべてを写真に収め続ける事を決意し…。

まとめ

(C)2020「写真の女」PYRAMID FILM INC.

映画祭での各国のメディアからは「めまいがするような世界観」「これぞ現代の寓話」と、そのリズミカルで不思議な世界観を評価する声が多く上がっている本作。

本年の【SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020】では国際コンペティションにノミネートされているなど、今秋冬の国際映画祭での評価などにも注目してください。

映画『写真の女』は、2021年初春、渋谷ユーロスペースをはじめ全国順次公開です。





関連記事

新作映画ニュース

【関西クィア映画祭2022】開催日時/上映作品。大阪と京都でノンバイナリーをテーマにした作品を映し出す

第15回関西クィア映画祭2022のティザーチラシ完成! 「クィア(Queer)」を切り口に、「性」をテーマにした映像作品を上映するお祭り、関西クィア映画祭。15回目となる2022年は、9月に大阪と京都 …

新作映画ニュース

貫地谷しほり映画『夕陽のあと』あらすじとキャスト。鹿児島長島町が撮影地の人間ドラマは11月公開決定!

選択と決断の狭間で生まれる希望“家族”とは何か。 養子縁組と血のつながり、悲願と現実を描き出すドラマが誕生しました。  ©2019長島大陸映画実行委員会 『海辺の生と死』(2017)も記憶に新しい越川 …

新作映画ニュース

【なら国際映画祭2020情報】 学生映画部門のコンペティション作品応募受付は5月15日まで延長!

NARA-wave2020/なら国際映画祭 ~学生映画・映像作品募集期間延長のお知らせ~ (c)なら国際映画祭 2020年9月18日(金)~22日(祝)に開催すべく準備中の「なら国際映画祭 2020」 …

新作映画ニュース

名作西部劇の聖地巡礼の旅を映画監督ギレルモ・デ・オリベイラとともに。『サッドヒルを掘り返せ』コメント入り予告編解禁

2019年3月8日(金)より公開される『サッドヒルを掘り返せ』 ギレルモ・デ・オリベイラ監督から映画や音楽、アートを愛する日本のファンへ熱いビデオメッセージが緊急到着しました。 ©Zapruder P …

新作映画ニュース

【香取慎吾×草彅剛×稲垣吾郎】ABEMAレギュラー番組《7.2新しい別の窓》が10月から進化。番組概要発表される!

稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾ABEMAレギュラー番組が10月から進化します! 2023年6月4日(日)(15時00分~22時12分)生放送された稲垣吾郎・草彅剛・香取慎吾の3人による「ABEMA(アベマ …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学