Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2020/03/04
Update

映画『アイヌモシリ』キャスト/上映館。トライベッカ映画祭コンペ部門に選出のアイヌを描いた作品

  • Writer :
  • 石井夏子

長編日本映画史上初!
トライベッカ映画祭コンペ部門に選出決定。

2020年10月17日(土)より、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開の映画『AINU MOSIR』(アイヌ・モシリ)。

(C)AINU MOSIR LLC/Booster Project

2020年4月15日(現地時間)に開幕する第19回トライベッカ映画祭の各部門ラインナップが発表され、アイヌを題材に描いた本作が、映画祭のメイン部門の一つとなるインターナショナル・ナラティブ・コンペティション部門に選出されたことがわかりました。

同映画祭のコンペティション部門への選出は、長編日本映画として本作が史上初となります。

映画『AINU MOSIR』について

本作『AINU MOSIR』は北海道阿寒湖のアイヌコタンを舞台に、アイヌの血を引く14歳の少年の成長を描いた映画です。

キャストは主役のカント役を務めた下倉幹人はじめ、現地に住むアイヌの方々を起用

リリー・フランキーと三浦透子がゲスト出演しています。

福永壮志監督の長編劇映画二作目となる本作は、監督の出身地である北海道を舞台に、阿寒湖のアイヌの方々の協力のもと企画から約5年かけて作り上げました。

福永壮志監督はニューヨークを拠点に活動を始め、初長編映画『リベリアの白い血』(2017)が第65回ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品、第21回ロサンゼルス映画祭最高賞受賞、第31回インディペンデント・スピリット賞ジョン・カサヴェテス賞ノミネートと注目を集めています。

プロデューサーは『CUT』『Ryuichi Sakamoto : CODA』のエリック・ニアリと、『あの日のオルガン』『閉鎖病棟-それぞれの朝-』の三宅はるえ。

撮影監督は『神様なんかくそくらえ』『グッド・タイム』のショーン・プライス・ウィリアムズ、音楽を、ヨハン・ヨハンソンやマックス・リヒターと共作してきたクラリス・ジェンセンと、アイヌの音楽家でトンコリ奏者のOKIが務め、国際色豊かなチームにて制作されました。

福永壮志監督のプロフィール

参考動画:『リベリアの白い血』予告編


本作で脚本・監督を務める福永壮志(ふくながたけし)は、北海道出身の映画監督

16年間のアメリカ生活の後、2019年に東京に拠点を移します。

初長編映画『Out of My Hand』は、2015年にベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品され、ロサンゼルス映画祭で最高賞にあたるU.S. Best Fiction賞を受賞、サンディエゴ・アジアン・アメリカン映画祭で新人監督賞を受賞。

その後同作は、映画監督のエヴァ・デュヴァーネイによる配給会社ARRAYからアメリカで劇場公開され、2016年に米インディペンデント映画界最高峰のアワードショー、インディペンデント・スピリットアワードにおいてジョン・カサヴェテス賞にノミネート。

同作は日本では、『リベリアの白い血』という邦題で2017年に劇場公開されました。

長編映画二作目の本作『Ainu Mosir』は、カンヌ国際映画祭によるシネフォンダシオン・レジデンシー、NHKサンダンス脚本ワークショップ、イスラエルのサム・スピーゲル国際フィルムラボに選出された後、日米中の国際共同制作として完成しました。

トライベッカ映画祭とは?

参考:トライベッカ映画祭のTwitter

トライベッカ国際映画祭は2001年、同時多発テロからの復興を願いロバート・デ・ニーロらによって設立された映画祭であり、サンダンス映画祭、SXSWと並ぶ北米を代表するインディペンデント映画祭です。

同映画祭の過去の受賞作には『ぼくのエリ 200歳の少女』(2010)『チョコレートドーナツ』(1014)など良質なインディペンデント作品が選ばれました。

第19回トライベッカ映画祭は、ニューヨーク現地時間4月15日から4月26日に開催されます。

映画『AINU MOSIR』の作品情報

【日本公開】
2020年(日本映画)

【監督・脚本】
福永壮志

【プロデューサー】
エリック・ニアリ、三宅はるえ

【撮影】
ショーン・プライス・ウィリアムズ

【音楽】
クラリス・ジェンセン, OKI

【キャスト】
下倉幹人、秋辺デボ、下倉絵美/三浦透子、リリー・フランキー

まとめ

第19回トライベッカ映画祭の各部門ラインナップが発表され、アイヌを題材に描いた映画『AINU MOSIR』(アイヌ・モシリ)が、インターナショナル・ナラティブ・コンペティション部門に選出されました。

同映画祭のコンペ部門への選出は、長編日本映画として本作が史上初の快挙となります。

14歳のアイヌの少年が、亡くなった父親の死や、自分のルーツと向き合いながら成長していく物語『AINU MOSIR』は2020年10月17日(土)より、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開予定です。


関連記事

新作映画ニュース

『空気殺人~TOXIC』あらすじ/キャスト/公開日。韓国の実在事件の映画化に挑むキムサンギョンが社会の闇に立ち向かう医師を熱演!

“韓国史上最悪の事件を描く『空気殺人~TOXIC~』がついに日本上映に! 韓国で起こった事件を基に制作された映画『空気殺人~TOXIC~』。 キャッチコピーの「捏造された情報、死者・多数・事件、真実な …

新作映画ニュース

映画『歯まん』あらすじとキャスト。先行上映トークイベントにゲスト石井裕也監督の絶賛コメントとは?

日本映画界の新たなる異才・岡部哲也監督の初監督作品『歯まん』は2019年3月2日よりアップリンク渋谷ほかで全国順次公開! 映画『歯まん』は“生と性と愛”がテーマのダークファンタジー。 自らの肉体の変化 …

新作映画ニュース

【2019年9月13日〜14日公開】Cinemarcheおすすめ映画情報

あなたと映画の結び目。 すこしだけツウ好みな映画WEBマガジン「Cinemarche」 (C)Cinemarche 映画感想レビュー&考察サイト「Cinemarche(シネマルシェ)」で掲載 …

新作映画ニュース

映画『TOKYO TELEPATH 2020』あらすじとキャスト。遠藤麻衣子監督作の劇場公開日は10月10日でイメフォにて上映!

第49回ロッテルダム国際映画祭正式出品。 鮮烈な映像と音の渦で独自の世界を描く遠藤麻衣子監督作。 『KUICHISAN』『TECHNOLOGY』で、日本映画界に彗星のようにあらわれ、高い評価を得ている …

新作映画ニュース

SF映画『JOURNEY』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。霧生笙吾による全編60分のアブストラクトSF詩篇のポスタービジュアル解禁

映画『JOURNEY』は2023年10月21日(土)より池袋シネマ・ロサで限定公開! 弱冠21歳(制作当時)にして「SKIPシティアワード賞2022」、2023年には欧州最大の日本映画祭であるドイツ「 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学