トライベッカ映画祭国際コンペティション部門 審査員特別賞
少年・カントの心の機微が丁寧に描かれた予告編がついに解禁。
トライベッカ映画祭の国際コンペティション部門にて長編日本映画史上初の審査員特別賞を受賞した話題の映画『アイヌモシㇼ』。
映画『アイヌモシㇼ』は2020年10月17日(土)より、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開となります。
この度、本作の予告編が完成いたしました。また、併せてアイヌの伝統的な物語の雰囲気が伝わる場面写真も解禁されましたのでご紹介します。
映画『アイヌモシㇼ』とは?
近年、アイヌが注目を集めています。「アイヌ新法」成立は記憶に新しく、直木賞受賞作『熱源』や、大ヒットコミック『ゴールデンカムイ』により、多くの人がその文化の多様性や自然との共生を大切にする精神性に新たに魅せられています。
前作『リベリアの白い血』が国内外で高く評価された、新鋭・福永壮志監督が5年をかけて作り上げた本作は、北海道阿寒湖・アイヌコタンを舞台に少年の成長を通して現代のアイヌ民族のリアルな姿を瑞々しく描き、トライベッカ映画祭国際コンペティション部門にて審査員特別賞を受賞。
映画祭からは「福永壮志という独自の視点をもった有望な監督の発見である!」と正式にコメントが寄せられ、審査員の映画監督のダニー・ボイルや俳優のウィリアム・ハートらに絶賛されました。
本作にて初主演を果たしたのはアイヌの血を引く新星・下倉幹人。
演技は初めてとなりますが、力強い眼差しが印象的な主人公・カントを演じ、アイデンティティーにゆれる等身大の役どころに挑戦しました。
その他主要キャストもアイヌが務め、三浦透子、リリー・フランキーら実力派がゲスト出演しています。
映画『アイヌモシㇼ』の予告編
この度解禁となった予告編では、自らのアイデンティティーに揺れる14才のカントの繊細な心理描写が垣間見えます。
さらにイフンケ(子守歌)、ムックリ(日本語では口琴。アイヌの楽器)などのアイヌの伝統的な音楽と、幻想的な北海道阿寒湖アイヌコタンの風景が物語をエモーショナルに彩っています。
映画『アイヌモシㇼ』の作品情報
【日本公開】
2020年(日本映画)
【監督・脚本】
福永壮志
【キャスト】
下倉幹人、秋辺デボ、下倉絵美、三浦透子、リリー・フランキー
映画『アイヌモシㇼ』のあらすじ
14歳のカントは、アイヌ民芸品店を営む母親のエミと北海道阿寒湖畔のアイヌコタンで暮らしていました。
アイヌ文化に触れながら育ってきたカントでしたが、一年前の父親の死をきっかけにアイヌの活動に参加しなくなります。
アイヌ文化と距離を置く一方で、カントは友人達と始めたバンドの練習に没頭し、翌年の中学校卒業後は高校進学のため故郷を離れることを予定していました。
亡き父親の友人で、アイヌコタンの中心的存在であるデボは、カントを自給自足のキャンプに連れて行き、自然の中で育まれたアイヌの精神や文化について教えこもうとします。
少しずつ理解を示すカントを見て喜ぶデボは、密かに育てていた子熊の世話をカントに任せるように。
世話をするうちに子熊への愛着を深めていくカント。
しかし、デボは長年行われていない熊送りの儀式、イオマンテの復活のために子熊を飼育していたんです。
まとめ
タイトルの「アイヌモシㇼ」とは、自分たち(人間)の暮らす場所を表すアイヌ語のこと。
北海道白老町にオープンしたばかりのアイヌ文化施設「ウポポイ」など、さらに注目をあつめているアイヌ。
本作は、北海道阿寒湖のアイヌコタンで暮らす少年の成長を通して、現代のアイヌ民族のリアルな姿を瑞々しく映し出します。
ニューヨーク・トライベッカ映画祭にて審査員から絶賛された映画『アイヌモシㇼ』は2020年10月17日(土)より、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開です。