メキシコの麻薬戦争の闇に挑む1人の女性を描いたサスペンスアクション!
キャサリン・ハードウィックが監督を務めた、2019年製作のアメリカ・メキシコ合作のサスペンスアクション映画『ミス・リベンジ』。
メキシコを訪れたメイクアップアーティストですが、クラブでの襲撃事件で会うはずだった親友が行方不明に。
そして彼女も事件現場で麻薬カルテルのボスを目撃したことで拉致され、残忍な仕事を手伝わされた挙句、麻薬組織と麻薬取締局(DEA)が繰り広げる熾烈な麻薬戦争に巻き込まれしまいます。
男たちに利用され翻弄され続けるメイクアップアーティストの姿を描いた、ジーナ・ロドリゲス主演のサスペンスアクション映画『ミス・リベンジ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『ミス・リベンジ』の作品情報
(C) 2019 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
【公開】
2019年(アメリカ・メキシコ合作映画)
【原作】
ヘラルド・ナランホが監督を務めた映画『MISS BALA/銃弾』(2011)
【監督】
キャサリン・ハードウィック
【キャスト】
ジーナ・ロドリゲス、イスマエル・クルス・コルドバ、アンソニー・マッキー、ダミアン・アルカザール、アイスリン・デルベス、マット・トーリア、クリスティーナ・ロドロ、リカルド・アバルカ、トーマス・デッカー
【作品概要】
『トワイライト 初恋』(2009)のキャサリン・ハードウィックが監督を務めた、アメリカ・メキシコ合作のサスペンスアクション作品。
本作はヘラルド・ナランホが監督を務めた映画『MISS BALA/銃弾』(2011)をリメイクした作品です。
『バーニング・オーシャン』(2016)や『アナイアレイション-全滅領域-』(2018)などに出演するジーナ・ロドリゲスが主演を務めています。
映画『ミス・リベンジ』のあらすじとネタバレ
(C) 2019 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
アメリカに暮らすメイクアップアーティスト、グロリア・フエンテスは、幼い頃からの親友スズ・ラモスに会うため、アメリカとの国境にあるメキシコの都市ティフアナを訪れます。
スズはグロリアとの再会を喜びつつ、一緒にメキシコのバハカリフォルニアスルへ行き、そこで開催される美人コンテスト「ミス・バハ・カリフォルニア」にエントリー。
エントリーした理由は、優勝賞金である1万ドルを使って、一緒に暮らす弟チャヴァとの生活をより良くしたいからです。
グロリアは彼女専属のメイクアップアーティストとして参加することに。スズはそのお礼として、子供の頃と同じ友情のブレスレットを贈ります。
その日の夜。スズはグロリアにメイクしてもらえたことをとても喜び、それをお披露目したいと、彼女と一緒に「ミレニアム・クラブ」というナイトクラブに繰り出すことにしました。
ドレスアップした多くの若者が賑わうなか、ミレニアにはコンテストの出資者である州警察の署長ラファエル・サウセドのほか、麻薬取締局(DEA)の捜査官の姿がありました。
しかし、楽しい夜を過ごすはずだったグロリアたちに悲劇が訪れます。ティフアナを牛耳っている麻薬カルテル「ロス・エストレージャス」が突如ミレニアム・クラブを襲撃したのです。
グロリアはトイレで彼らと遭遇していたため、サウセドと踊ろうとしているスズに危険を知らせ逃げようとします。
しかしグロリアがスズの元に辿り着くより先に、ロス・エストレージャスは中に押し入り、サウセドや麻薬捜査官を目掛けて銃を発砲。クラブ客はパニック状態に陥ります。
グロリアは懸命にスズを探しましたが、一瞬他のクラブ客とぶつかって倒れた時に彼女を見失ってしまいました。
すぐに駆け付けた警察により、ミレニアム・クラブには規制線が張られ、中に入ることはできません。
そのためグロリアは向かいにあるダイナーから、スズの携帯に電話をかけるも留守電でした。
もしかしてスズは怪我をして救急車で運ばれたのかもしれない。そう思ったグロリアは救急外来に電話をかけましたが、スズは病院にいませんでした。
翌朝。グロリアはダイナーの前にパトカーを停めていた警官に「昨日のクラブでの銃撃の際、犯人の顔を見た」と声を掛けます。
犯人の情報を教える代わりに、スズを探してもらおうとするグロリア。ですが彼女が声を掛けたのは、ロス・エストレージャスと繋がっていた汚職警官だったのです。
汚職警官によってロス・エストレージャスに身柄を引き渡されてしまったグロリアは、娼婦たちを取り仕切っている中年女性ロジータがいる屋敷へ拉致されます。
その屋敷の奥で待っていたのは、昨日グロリアが目撃したロス・エストレージャスのボス、リノ・エスパーザでした。
グロリアが自分と同じ、アメリカとメキシコ両方で育ったことがあるアメリカ人だと知ったリノは、「俺の役に立ってくれれば、友達を捜してやる。ただしもし失敗すれば両方とも殺す」と脅迫します。
自分の身の安全を確保するため、そして何よりスズを捜すために、リノの指示に従って彼らと行動を共にするグロリア。
リノはDEAの隠れ家に車を止めるようグロリアに指示を出し、丘の上からそれを確認したのち、車に仕込んだ爆弾を起爆させます。
この爆破によって幼い子供を持つ3人のDEA捜査官が死にました。知らず知らずのうちに彼らの残忍な仕事を手伝わされていたことに気づき、愕然と立ち尽くすグロリア。
そんな彼女を気遣ってか、リノはあの晩、ミレニアム・クラブにいた理由を尋ねます。これに対しグロリアは、(ミスコンに出場するスズの)ミスコンのコネづくりのためだと答えました。
ミスコンに出場するのはグロリアだと勘違いしたリノは、ミスコン関係者にコネがあるのか彼女をエントリーさせ、監視付きで彼女をミスコン会場へ送り出しました。
グロリアはこれを好機と捉え、トイレの窓から逃走。近くにいたアメリカ人男性に助けを求めますが、それはロス・エストレージャスを追うDEA捜査官でした。
以下、『ミス・リベンジ』ネタバレ・結末の記載がございます。『ミス・リベンジ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
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部下たちを使ってグロリアを拉致したDEA捜査官のブライアン・ライクは、グロリアがリノの恋人だと睨み、彼女の身柄を拘束し尋問します。
無実を訴えるグロリアに対し、ブライアンは彼女がリノから持たされていた、リノ一味が使う携帯電話(暗号化されているため追跡不能)と、DEAの隠れの爆破に使われた車から彼女が出てきた写真を証拠として突き出しました。
「テロ・殺人・放火の罪で起訴されたくなければ、俺らに協力しろ」と脅迫するブライアンは、追跡チップをリノの携帯に仕込んでこいとグロリアに命じます。
それでも頑なにロス・エストレージャスのところへ戻ることを拒絶するグロリアに対し、ブライアンは「もしこの任務を放棄したら、奴らにお前がDEAのスパイだとバラす」、「リノから逃げたら、お前をアメリカの刑務所にブチ込む」とさらに脅迫しました。
グロリアはスズの行方を捜索してくれることを条件に、DEAのスパイになることを受け入れました。
ブライアンはリノの居場所を知らせればグロリアを救出し、スズを捜索すると約束した上で、「携帯の電源を入れれば奴が現れる。どこにいたか聞かれたら、怖くなったから逃げ出したと言え」、「今ティフアナでは、(麻薬カルテルとDEAによる)麻薬戦争が起きている。その中で生きるか死ぬかは君次第だ」と指示を出し、グロリアを1人路上に放り出します。
しかしグロリアは、ブライアンの指示を聞かず、彼から貰ったタクシー代を使ってスズの家へ向かいました。
その日の夜。グロリアがシャワーを浴びている隙に、チャヴァが机の上にあった携帯電話に興味を示し電源を入れてしまいます。
そのせいでロス・エストレージャスにグロリアの居場所がバレてしまい、再び窮地に立たされてしまうグロリア。
ロス・エストレージャスは我が物顔でスズの家を使い、DEAとの抗争で怪我をした負傷者を手当てします。
そしてリノは、グロリアにある取引を持ち掛けました。それはチャヴァには一切手を出さないことと引き換えに、自分の前で裸になれというものでした。
やむを得ず、ベッドの上に横たわるリノの目の前で、服を脱いでいくグロリア。彼女が下着に手をかけた瞬間、リノの右腕であるポヨがリノに声を掛けます。
リノが退室した隙を突いて、グロリアはリノの携帯に追跡チップを仕込みました。ポヨに疑いの目をかけられているとは知らずに………。
翌朝。リノはグロリアの服の下に大金を忍ばせ、車でサンディエゴへ向かうよう指示します。
その際、リノはチャヴァをスズの親戚の家に行かせて欲しいと頼みました。リノは高校時代好きだった女の子にグロリアが似ているからか、監視をつけることを条件に彼女の要求を飲みました。
グロリアは「必ずスズを見つけ出す」と約束し、タクシーに乗ったチャヴァを送り出します。
その直後、ポヨは「もししくじって捕まったり、ブツを持ち逃げしたりしたら、あの餓鬼をナイフで斬り刻んでやる」と脅した上で、サンディエゴへ向かうグロリアを送り出しました。
アメリカ合衆国税関・国境警備局(DBP)を通過し、グロリアはサンディエゴに到着。工業地帯で待っていたロス・エストレージャスの取引相手に、服の下と助手席に隠したお金を渡します。
取引相手の男ジミーはグロリアに、「DEAのスパイがいる」というリノへの伝言を託し、武器を積んだ車に乗り換えさせました。
そんなグロリアに、リノは「国境を越えたら闘牛場の駐車場に来い」と指示を出します。グロリアはその指示に従い、再び越境しメキシコ・ティフアナへ戻りました。
グロリアがティフアナにある闘牛場の駐車場に到着すると、すぐにリノ一味の車が彼女の車を囲み、トランクに詰められた大量の武器を自分たちの車に移動させます。
グロリアの前に止めたSUVの車内から、リノは彼女を呼び寄せました。グロリアがリノに近づいた瞬間、ブライアンたちがリノを目掛けて銃を発砲します。
実はグロリアは、別の携帯でブライアンに密かに連絡を取り、この闘牛場にリノ一味が来ることを教えていたのです。
グロリアの通報を受けて張り込んでいたブライアンたちは、リノが顔を出す瞬間を待っていました。そのことにいち早く気付いたのは、闘牛場の上で監視していたリノの部下でした。
瞬く間に繰り広げられていくブライアンたちDEA捜査官と、ロス・エストレージャスによる銃撃戦。州警察も応援に駆けつけます。
グロリアは何とか銃撃戦から逃れようと、ブライアンが用意してくれると言っていたSWATの車がある門まで走って逃げましたが、そこにSWATの車はありません。
ブライアンに抗議の電話をかけると、「悪いが助けられない」との返答が。ブライアンに見捨てられたことに怒ったグロリアは、リノに助けを求めます。
銃撃戦の末、グロリアは足を負傷したリノと共に車で逃走。ポヨたちも出入り口をふさぐ州警察と、近くの建物に隠れていたブライアンを目掛けてグレネードを放ち、その後を追いかけました。
ワイン街道にある隠れ家(リノの友人が彼に貸してくれた屋敷)に着いて早々、ポヨは敵がスナイパーまで用意して待ち伏せしていたことから、やはりグロリアはDEAのスパイだと叱責します。
それを自分の命を救ってくれた恩人だといい、制止するリノ。ここでグロリアは、ジミーからの伝言を伝えました。
そのせいで、ポヨは自身が始末したDEAのスパイであったライクの件について言及され、「DEAをのさばらせたお前のせいで、仲間の血が流れた」とリノに言われてしまいます。
リノの足を治療した後、グロリアはイザベルという女性に出会いました。彼女もまた、家族がロス・エストレージャスに脅されて、彼らの仕事を無理矢理手伝わされていたのです。
イザベルはグロリアに、「友達のことは忘れなさい。誰も助けに来ないわ」と言いました。
それを証明するかのように、グロリアもイザベルも携帯を没収されてしまいます。その後、グロリアが追跡チップを隠すための時間稼ぎとしてボヤ騒ぎを起こしたため、監視役だったポヨはその責任を追及され、リノに早くスパイを探し出すよう命じられました。
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翌朝、イザベルと同じ部屋で寝ていたグロリアは、リノに叩き起こされ、有無を言わさず人気のない場所へ連れて行かれました。
そしてリノに銃口を突きつけられ、グロリアはついにDEAのスパイだったことがバレたのかと死を覚悟しました。しかしそれは杞憂でした。
リノはグロリアを殺すためではなく、また昨日のような事態に巻き込まれた時のために、サンディエゴで買ったアメリカ製のAR15ライフルの扱い方を教えようとしたのです。
またリノはグロリアに護身術を叩き込むだけでなく、自分が6歳から7歳まで暮らした場所へ案内し、数日前から何も食べていない彼女にバルバコアという肉料理を振舞ったりしました。
その際、リノはグロリアに身の上話をしました。リノはアメリカで自分の居場所を持てず、ずっとこの場所へ戻りたいと思うほどホームシックになっていた時期がありました。
しかしいざ母親とメキシコに強制送還された時には、リノはメキシコ人でもアメリカ人でもなくなっていたのです。
だからこそリノは、欲しいものを手に入れるために強くなりました。そしていつか、自分が6歳から7歳まで暮らした場所の土地を買って牧場にし、自給自足の生活を送りたいと夢見ていました。
グロリアがリノと共に隠れ家に戻ると、ポヨがスパイを見つけたと言ってきます。そうして皆の前でスパイだと突き出したのは、グロリアではなくイザベルでした。
グロリアが追跡チップを隠した携帯は、自分のではなくイザベルのだったのです。グロリアは彼女の助命を訴えようとしましたが、リノは「卑怯者や裏切り者を誰であろうと許さない」という掟に従い、イザベルを射殺しました。
翌日。イザベルが殺されたことに酷く動揺し錯乱するグロリアに対し、リノはミスコンに出場して優勝するよう命じます。
当然、グロリアはこれを拒否。するとリノは、サウセドがミスコン後に開くパーティーで体を売らせるために、あの晩スズを誘拐したことを告げるのです。
その証拠として、リノはITに強い手下のウィチョが、そのパーティーの客に成りすまして入手してきた動画を見せました。
ですがスズと会えるそのパーティーに出席できるのは、ミスコンの優勝者のみ。グロリアはやむを得ず、リノの指示に従ってミスコンに出場することにしました。
サウセドは以前から目の敵にしていた敵だったため、ロス・エストレージャスはグロリアのスズ奪還に全面的に協力しました。
グロリアはボディーガード役のリノの手下チヴォと共に、いざミスコン会場へ。ロジータが見繕った煌びやかなドレスと、自分の手で施したメイクを身に纏い、ミスコンに出場しました。
ですがリノが審査員全員を買収していたため、グロリアは難なくミスグランプリに。そして赤いドレスに着替え、サウセド主催のパーティーに出席し、サウセドを誘惑します。
サウセドを待つ間、グロリアはスズを発見。すぐさま彼女に駆け寄り、互いの無事を確かめ合いました。
スズ曰く、ミレニアム・クラブでの襲撃事件があった夜、男たちに拉致された彼女は、弟を痛めつけると脅され娼婦として売られたのだといいます。
そう話すスズの手の甲には、イザベルの手の甲にもあった「e」という文字が彫られていました。その印はロス・エストレージャスの紋章でした。
そう、イザベルやスズたち美女を拉致し、家族を人質に取って娼婦として売っていたのはサウセドではなく、リノたちロス・エストレージャスだったのです。
それに気づいたグロリアは、予定通りサウセドと寝室で2人きりとなった時に、寝室にあった絵葉書に「リノが殺しに来るから逃げて」と書いて警告しました。
そうしたのは、グロリアの耳に装着されたイヤホンで、サウセドとの会話が向こうに盗聴されているからです。
サウセドは部下を呼び、グロリアと一緒にベッドに入ってロス・エストレージャスを待ち伏せするよう命じます。
警官に扮したロス・エストレージャスは、裏口から出てきたサウセドの姿を確認し銃を発砲。これを合図に、州警察とロス・エストレージャスは銃撃戦を繰り広げていきます。
銃声が止み、ベッドの下から抜け出たグロリアは、サウセドの部下と死闘を繰り広げ致命傷を負ったポヨを発見。ポヨはグロリアに助けを求めるも、グロリアはそれを無視し彼の銃を奪ってその場を立ち去ります。
そしてグロリアは自ら戦場に向かい、スズを救出しました。しかし会場の外へ出た瞬間、スズは劣勢に追いやられたサウセドに捕まり、人質にされてしまうのです。
グロリアは葛藤の末、サウセドの足を撃ちスズを奪還。そこへ現れたリノが、サウセドを射殺しました。
そのリノに銃口を向けるグロリア。スズたちを拉致し娼婦として売ったことを責められたリノは、「すべきことをしただけだ」と言い反撃しようとするも、彼女に銃の扱い方を教えたことが仇となり撃たれてしまいます。
リノを射殺した後、グロリアはスズを連れて会場から去ろうとしましたが、そこへ現れた警官隊に2人とも逮捕されてしまいました。
留置所から取調室へ連れて行かれたグロリアは、思わぬ人物と再会します。その人物はジミー、彼は中央情報局(CIA)の潜入捜査官だったのです。
ジミーは麻薬戦争に巻き込まれたものの、数日間にもわたる修羅場を潜り抜けることができたグロリアを高く評価しており、「君のような人材が必要だ」とスカウトします。
これに対しグロリアは、そのスカウトを受ける代わりに自分にかけられた容疑を取り消し、スズと一緒に釈放させることと、彼女をチャヴァがいる親戚の家へ送り届けて欲しいと要求しました。
その後、弟との再会を喜ぶスズに、グロリアは彼女がくれたブレスレットを渡しました。そしてグロリアは、スズたちと別れ、ジミーが運転する車でアメリカへと戻ります。
映画『ミス・リベンジ』の感想と評価
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ミスコンに出場する親友と会うために訪れたメキシコで、DEAと麻薬カルテルによる麻薬戦争に巻き込まれてしまったグロリア。
メイクアップアーティストというただの一般人に過ぎなかった彼女が、数日間にわたる修羅場を潜り抜けられたのは、スズを必ず見つけ出すという強い意志があったからです。
ですが、結果的にDEAにも麻薬カルテルにも利用されるだけされてしまったものの、どちら側につけばいいのか瞬時に判断し行動するグロリアの判断能力と適応力の高さには感嘆させられます。
そしてリノがグロリアに話したとおり、サウセドが美女を攫い娼婦として売っていた犯人かと思いきや、まさかのリノが黒幕だったという衝撃的な展開。
リノがどこまで本当のことをグロリアに話していたのか分からなくなるほど、リノの嘘に観ている人も騙されてしまうことでしょう。
そんなリノにグロリアが怒りの鉄槌を加える姿はとても格好良く、スカッとした気持ちになれます。
そして何より、スズを救出するためにグロリアが赤いドレスを身に纏い、銃を手に戦場を駆けまわる様は美しく、観る人を魅了するアクション場面です。
まとめ
(C) 2019 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
麻薬戦争が繰り広げられているアメリカとメキシコの国境地帯で、攫われた親友を救出するために奔走するメイクアップアーティストの姿を描いた、アメリカ・メキシコ合作のサスペンスアクション作品でした。
本作の見どころは、ブライアンたちDEAとリノ率いる麻薬カルテルが熾烈な争いを繰り広げていく麻薬戦争と、それに巻き込まれてしまったグロリアの親友の奪還・救出劇、そしてグロリア自身の成長っぷりです。
物語の終盤でグロリアたちが警察に捕まってしまった時はどうなるかとヒヤヒヤさせられます。ですが何と、グロリアはCIAにスカウトされたのです。
スカウトした人がなんとサンティエゴでグロリアが会ったジミーというのも相まって、最後の最後まで驚かされます。
ジミーからスカウトを受けたグロリアが、今度はCIAの潜入捜査官として麻薬戦争に飛び込んでいくのでしょう。それを想像するのも物語を楽しむ一つの要素ではないかと考察します。
ジーナ・ロドリゲスが麻薬戦争に巻き込まれ、男たちに利用され続けた末に逞しく成長した美しき女性を演じた、ハラハラドキドキのサスペンスアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。