Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

サスペンス映画

Entry 2019/12/02
Update

『インフォーマー』あらすじネタバレ感想と結末考察。映画のラストまで緊迫感ある“THE INFORMER 三秒間の死角”のサスペンスとは⁈

  • Writer :
  • こたきもえか

『THE INFORMER/三秒間の死角』は2019年11月29日よりロードショー。

クライム、スリラー映画の中でもとくに人気が強い作品といえばいわゆる“脱獄もの”。

今回は、欧州の文学賞に輝いてきたベストセラー小説『三秒間の死角』を、「ジョン・ウィック」シリーズのプロデューサーがを映像化した映画『THE INFORMER/三秒間の死角』についてご紹介します。

ジョエル・キナマン 、ロザムンド・パイクら豪華キャストで送られる手に汗握る“脱獄もの”です。

スポンサーリンク

映画『THE INFORMER/三秒間の死角』の作品情報


(C)Wild Wag films Productions 2018

【日本公開】
2019年(イギリス映画)

【原題】
The Informer

【監督】
アンドレア・ディ・ステファノ

【キャスト】
ジョエル・キナマン 、ロザムンド・パイク、クライヴ・オーウェン、コモン、アナ・デ・アルマス、ヨアンナ・カチンスカ、エドウィン・ド・ラ・レンタ 、サム・スプルエル、エイラム・オリアン、カーマ・メイヤー、マテウシュ・コシチュキェヴィチ、ピーター・パーカー・メンサー、アルトゥーロ・カストロ、アブドゥル=アハド・パテール

【作品概要】
監督は『エスコバル 楽園の掟』(2016)のイタリア出身のアンドレア・ディ・ステファノ。

主演は『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)『スーサイド・スクワッド』(2016)、リメイクされた『ロボコップ』(2014)の主演を務めたジョエル・キナマン。

FBI捜査官役には『ゴーン・ガール』(2014)でアカデミー賞はじめ数々の映画祭で主演女優賞にノミネートされたロザムンド・パイク。

同じくFBIの上官役には『クローサー』(2004)でゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞で助演男優賞を受賞、『エリザベス : ゴールデン・エイジ』(2007)や『ジェミニマン』(2019)と様々な映画で存在を光らせるクライヴ・オーウェン。

主人公の妻役には『ブレードランナー 2049』(2017)でのジョイ役が記憶に新しいアナ・デ・アルマス。

また、NY警察の刑事役はグラミー賞受賞者であり、『スーサイド・スクワッド』(2016)や『ジョン・ウィック : チャプター2』(2017)など俳優としても活躍するコモンです。

映画『THE INFORMER/三秒間の死角』のあらすじとネタバレ


(C)Wild Wag films Productions 2018

ピート・コズローは収監されていましたが模範囚であり、特殊部隊に所属していた経験からFBIに目をつけられ、特殊捜査員として活動していました。

彼は今ニューヨークを拠点にしたポーランド系の麻薬組織を追っており、この任務が服役を免除されるための最後の任務でした。

FBIはこれをチャンスに麻薬組織を一網打尽にするつもりなのです。

組織はつながりのある大使館の領事から大量の薬物を受け取り、ピートは女好きの同僚と運んでいる最中でした。

しかし同僚は途中でブツを売りに行くといい、その取引先は売人になりすましたニューヨーク市警の刑事でした。

ピートは刑事の正体を見抜き、同僚が殺してしまったためにFBIの計画は崩壊します。

別ルートで麻薬組織を追っていたニューヨーク市警は刑事殺しの犯人を探し始め、殺された刑事の上司グレンズはピートの存在、その背後にあるFBIの存在を嗅ぎつけました。

ニューヨーク市警を敵にまわしたことに組織のボスは激怒し、ピートに再びベールヒル刑務所に戻り、そこで客を集め組織が頂点に立てるよう画策しろと命じます。

FBIはピートを見捨てようとしていましたが、ウィルコックス刑事はピートに組織や客のリストを入手するように言い、ピートの家族である妻のソフィアと娘のアンナの安全を約束。

一方でグレンズ刑事はソフィアにコンタクトを取り、危険が迫ったら連絡するように伝えました。

以下、『THE INFORMER/三秒間の死角』ネタバレ・結末の記載がございます。『THE INFORMER/三秒間の死角』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク

妻と娘に別れを告げベールヒル刑務所に戻ったピート。

FBIの指示通り所長にコンタクトを取り、組織の言う通り務所内で徐々に計画を進めますがうまくいきません。

ウィルコックスの上司モンゴメリーは計画の失敗からピートを完全に見捨てるようにウィルコックスの立ち位置をも脅します。

いまやウィルコックスは、刑務所内でも警察からも狙われている状態。

その頃、麻薬組織の一味が妻のソフィアとアンナを襲おうとしていましたが、グレンズ刑事により二人は助けられました。

ウィルコックスから自分は切り捨てられたことを知り命の危険を感じたピートは隙をついて看守を人質にとり、マスコミを呼ぶように要求します。

FBIが彼を追い詰めますがピートは人質と洋服を交換し彼らに人質を撃たせ、自分は救急車で逃走、中でウィルコックスと和解するのでした。

その後ウィルコックスは上司モンゴメリーからピートの場所を問いただされますが、モンゴメリーは不正により逮捕されます。

ピートはまだ追われる身。グレンズ刑事はことが落ち着くまで海外に逃亡するように言います。

ピートをおびき出そうとFBIに連れられてやってきた妻と娘とウィルコックス。

妻とウィルコックスは遠くから見つめるピートに気がつきますが声はかけることはできません。

ピートが公園から走り去るところで、物語は幕を閉じます。

スポンサーリンク

映画『THE INFORMER/三秒間の死角』の感想と評価


(C)Wild Wag films Productions 2018

本作はスウェーデン出身の作家アンデシュ・ルースルンドとベリエ・ヘルストレムが2009年に発表した小説『三秒間の死角』

ベリエ・ヘルストレムは自身も服役した経験を持ち、犯罪の防止を目指す団体KRISを設立。

そのKRISをドキュメンタリーの製作のために訪れたジャーナリストのアンデシュ・ルースルンドと意気投合して小説を執筆し始めました。

二人の処女作『制裁』(2004)は最優秀北欧犯罪賞であるガラスの鍵賞を受賞しました。

犯罪や闇社会の裏側を知るエキスパートの二人による原作をもつ映画『THE INFORMER/三秒間の死角』。

残念ながら、映像、台詞、展開含め、 本作に他作品と一線を画す突出した要素は見られませんでした。

青や黒が印象深い硬質な映像、息をつかせぬ展開が続きますが、それはいわゆる“脱出もの”“家族を守る父の奮闘もの”にとどまるばかりで真新しさは無く、何度も何度もハリウッドで作られてきた作品の抽出、コピーだという印象が拭えません。

本作で特筆すべきはキャストたちの演技力とキャラクターの持ち味です。

本作には“友情”ともくくれない奇妙で不思議な深さのあるウィルコックスやピートの関係、強い愛情と信頼でピートを支え続けるソフィアという夫婦の関係など、魅力的な女性キャラクターが登場します。

その分、“強い女/強いであろう女”というキャラクター以上を提供するプロット、セリフを込めて欲しかったと感じました。

主役のピート・コズローを演じるジョエル・キナマンはその美男っぷりを全編で魅せてくれます。

もう一歩演出面の踏み込みがあれば、“かっこいい”以上の、共感や憎たらしさなどの、多面性のある強い印象が残ったんではないでしょうか。

まとめ


(C)Wild Wag films Productions 2018

“家族を愛するイケメンが無双して脱出する”といったチープでシンプルな印象が拭えなかった『THE INFORMER/三秒間の死角』。

スティーヴン・キングの『シャイニング』のように原作の小説と大きく異なるも映画版は傑作となる作品も、ジョン・ル・カレの『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を『裏切りのサーカス』として新たな重み、深みのある作品と昇華することができた映画もあります。

小説とは異なり、映像、照明、音楽と様々なある種の言語で表現ができる映画という媒体で物語を再構築するならば、もっと何かできなかったのかと感じてしまうのが正直なところです。

ですが、原作の持つ緊迫感や、ジョエル・キナマン 、ロザムンド・パイク、クライヴ・オーウェンといった実力派俳優たちの存在感が本作を牽引しています。

映画『THE INFORMER/三秒間の死角』は2019年11月29日よりロードショーです。

関連記事

サスペンス映画

『私は告白する』ネタバレ感想考察とあらすじ結末の評価解説。カメオ出演ヒッチコックにも注目!おすすめサスペンスが描く“罪を貫く瞳”と信仰の意味

厚き信仰は、真実の行く手を阻むのか? 巨匠ヒッチコック、異色の宗教サスペンス! 『私は告白する』は、『裏窓』(1954)『サイコ』(1960)の巨匠アルフレッド・ヒッチコックがポール・アンセルムの戯曲 …

サスペンス映画

映画『キラー・インサイド・ミー』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

第89回(2017)アカデミー賞で見事オスカーに輝くなど今乗りに乗っている俳優ケイシー・アフレック。 彼のその高い演技力を如何なく発揮した『キラー・インサイド・ミー』をご紹介します。 スポンサーリンク …

サスペンス映画

映画『ダ・ヴィンチ・コード』ネタバレあらすじ結末と感想考察。原作小説からキリスト・カトリック教会の秘密に迫る

史上最大のスキャンダルにして、タブーと話題になった、大ベストラー小説『ダ・ヴィンチ・コード』の映画化 今回は『ビューティフル・マインド』(2001)で、アカデミー賞作品賞と監督賞を受賞したロン・ハワー …

サスペンス映画

映画『searchサーチ』あらすじと感想レビュー。SNSの恐怖とアジアの映画進出とは

映画『search サーチ』は、10月26日より全国順次公開! SNS=ソーシャルネットワークサービスによる人と人の交流・交際、ネットショッピングによる買い物、ネットバンキングによる資産管理などなど、 …

サスペンス映画

映画レッド・スパローあらすじとキャスト。ジェニファー・ローレンス紹介も

映画『レッド・スパロー』は3月30日(金)よりTOHOシネマズ他全国映画館にてロードショー! 映画『ハンガー・ゲーム』シリーズでタッグを組んだフランシス・ローレンス監督とジェニファー・ローレンスのWロ …

U-NEXT
タキザワレオの映画ぶった切り評伝『2000年の狂人』
山田あゆみの『あしたも映画日和』
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学