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Entry 2017/08/31
Update

映画『ローサは密告された』あらすじと感想レビュー!ラスト結末も

  • Writer :
  • 山田 苺

薬物と聞くと、一番最初に思い浮かべる国として、スペインをあげる人は結構いるのではないでしょうか?

最近ではドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『ボーダーライン』や、ドキュメンタリー映画『カルテル・ランド』など、薬物戦争をテーマにした作品も。

今回ご紹介するのは、そう遠くない国フィリピンでの薬物実態をドキュメンタリータッチで描いたサスペンス映画『ローサは密告された』です。

1.映画『ローサは密告された』の作品情報


(C)sari-sari store2016

【公開】
2017年 (フィリピン映画) 

【原題】
Ma’ Rosa

【監督】
ブリランテ・メンドーサ

【キャスト】
ジャクリン・ホセ、フリオ・ディアス、フェリックス・ローコー、アンディ・アイゲンマン、ジョマリ・アンヘレス、イナ・トゥアソン、クリストファ・キング、メルセデス・カブラル、マリア・イサベル・ロペス

【作品概要】

『キナタイ -マニラ・アンダーグラウンド』(2009)や 『囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件』(2012)などで知られるフィリピンを代表するブリランテ・メンドーサ監督の作品。

自国にはびこる薬物密売と取り締まる警官の汚職を、ドキュメンタリライクなカメラタッチでスリリングに描いたサスペンスとなっています。

今作でローサを演じたジャクリン・ホセは、第69回カンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞しました。

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2.映画『ローサは密告された』のあらすじとネタバレ


(C)sari-sari store2016

マニラのスラム街にて夫と子供4人と暮らすローサ。

フィリピンで言うコンビニ「サリサリ」を営んで生計を立てるローサですが、実は薬物の売人から薬を買い取り、それを知る客に売って収入も得ていました。

息子で次男のカーウィンと買い物に行き、大量の食料品を持って帰ると、夫のネストールはローサにばれない様、こそこそとクスリをしています。

ローサは止めますが、「明日俺の誕生日だから」といい、見逃してあげます。

長女ラケルも高校から帰り、家族が続々と帰宅してきます。

そんな時、ローサの店に、一人のバイク乗りが訪れます。

バイク乗りはジョマールと言い、ローサに販売するための薬物を渡していました。

ローサは慣れた手つきで薬物を隠し、ネイマールは訪れた「顧客」に帳簿を照らし合わせながら密売をしています。

すると、息子のように接しているボンボンという少年が、ローサを見つけて「“アイス”を売って欲しい」と頼み込みます。

“アイス”とは薬物の隠語。

ローサは支払いが滞りがちなボンボンに売るのを躊躇いましたが、結局渡してしまい、さらには交通費用の小銭もせびられてしまいました。

しかしローサーは憎まれ口を言いながらも、小銭もあわせて渡します。

その後、家族で夕食をとろうとすると、外から大勢の警察官がやってきて、家に乗り込みます。

警察官たちは、ローサとネストールを薬物所持の容疑で問答無用で逮捕します。

ローサの子供たちの抵抗もむなしく、2人は車に乗せられ署に連行されます。

警察署に着くと、ローサたちは子供たちのこともあるので、刑務所だけは勘弁して欲しいと訴え続けます。

すると、巡査の一人が「解放して欲しければ、20万用意しろ」と言い出します。

当然、そんな大金などローサたちは用意できません。

すると巡査は「売人の情報をこちらに渡せば、金は作れるだろう」と、解放と引き換えに情報提供を求めます。

ローサは苦渋の末、家族のために顔馴染みの売人ジョマールを警察に売ります。

ローサを使ってジョマールを呼び出すと、警官は現場に現れた瞬間取り押さえ連行します。

ジョマールの薬物と金を押収する警官ですが、なんとその金でご馳走を買うだけでなく、薬物は自分たちで使おうというのです。

さらに巡査の一人は、その金を持って、署長室へと消えていくのでした・・・

ローサたちは警察の汚職を目の当たりにします。

さらに巡査たちは、ジョマールにローサたちと同じく、解放と金を交換条件として提示します。

しかしジョマールは密かに助けを求めるためにメールを送ります。その相手は上級警部。

その時巡査に携帯を取り上げられ、メールがばれるとジョマールは巡査たちに袋叩きに会います。

そして、そのうちの一人が、ローサに銃を突きつけ、バラせば命はないと脅すのでした。

その後、ジョマールの10万、妻のリンダが見逃し料として持ってきた5万が警察の元に集まります。

そんな時、ローサの子供たちが警察署までやってきます。

巡査は、解放して欲しければあと5万を持ってくるよう要求を続けます。

子供たちは、両親を解放してもらうべく、お金を集めます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ローサは密告された』ネタバレ・結末の記載がございます。『ローサは密告された』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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長男ジャクソンは、家財であるテレビを売るべく、質屋へ向かいます。

その道中、仲間の一人がローサを密告した犯人を教えてくれます。

それは、息子同然に接していたボンボンでした…彼は服役中の兄を釈放してもらうために、ローサの情報を売ったのでした。

さらにジャクソンはボンボンを見つけ、親の仇よろしく彼を殴り倒します。

しかし周りに止められ、彼は逃げてしまいます。

テレビもたいした値段にはなりませんでしたが、お金は得ることが出来ました。

長女ラケルは叔母の元へ、お金を貸してほしいと頼み込みます。

しかしローサと叔母は犬猿の仲で、娘のラケルにさえもきつく言い寄ります。

「お前の母親は、学校に行っていない私の息子をバカにしただろう!」

しかし従兄はラケルに、「許してやって、ああいう人なんだ」と言い、自分で働いたお金を貸してくれました。

ラケルはお礼を行って家を出ようとすると、叔母がお金をラケルに渡します。

「あの女の口に、これでもつっこんでやりな!」

ラケルは助けてもらったといえ、自分の母親を侮辱されやりきれない様子で去っていきます。

そして次男カーウィンは、都心で人を待っていました。

そこへやってきたのは中年のおとなしそうな男性。

彼は男と車に乗り込み、着いた先は立派なホテル。

カーウィンは男に体を売って、お金を手に入れるのでした・・・

しかし予想よりも少ない金額を出されると、カーウィンは激昂します。

自分がお金稼ぎが目当てじゃないとわめくカーウィンをなだめるかのように、男は急いでATMでお金をおろします。

こうして子供たちが集めたお金は45000円。

しかし残りの分はどうすればいいのか・・・考えた結果、ローサは押収されていたラケルの携帯を質に入れるといいます。

巡査はローサを一時的に解放し、彼女はスラム街へ向かいます。

そこでなじみの質屋に携帯を持っていくも、あと少しお金が足りない。

何とか交渉するも、男もそれでは大赤字になると意見を曲げません。

しかし、最後は半ば強引に5000円を得ることに成功します。

しかしローサは男に、帰りの交通費もせびらざるを得ない状況でした。

男に嘲笑されながらも、小銭を受け取るローサ。まるで密告したボンボンのように・・・

そんなボンボンは、街中でローサを見かけて逃げ出します。

ローサは、屋台で食べ物を買い、それをむさぼります。

その時視界に、自分と同じようにサリサリを経営する家族が入ってきます。

ローサは硬い表情のまま、涙を流すのでした。

3.映画『ローサは密告された』の感想と評価


(C)sari-sari store2016

もともと『囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件』のように、ドキュメントチックな映像を得意とするメンドーサ監督の本領が遺憾なく発揮されています。

内容もフィリピンにはびこる薬物と警察の汚職がテーマになっているだけあり、その説得力は画面・ストーリともに力強ささえ感じ取れます

主演女優のジャクリン・ホセは本国フィリピンで有名女優にも関わらず、まるで現地の人ではと見紛うほどの演技を見せてくれます。

そして薬物を根絶する気など毛頭ないフィリピンの汚職警官たち。

解放を餌に次々と金を要求する様は闇が不快どころの騒ぎではありません。

メキシコ薬物戦争はもともと組織同士のぶつかり合いなのに対し、フィリピンの現状は市民が脅かされる形で、余計に見ている私たちの感情をさかなでていきます・・・

善悪はともかく、あくまでローサは生計を立てるためであって、金儲けのために密売していたのではないのです。

今作は薬物問題についてを語ってはいますが、その根底にある貧困を生み出してしまった原因を悪だと感じることが多かったです。

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まとめ


(C)sari-sari store2016

日本でも、麻薬所持で逮捕される報道を耳にすることがあります。

しかしそれは芸能人のような著名な人というケースが多く、どことなく面白おかしく取り上げたり、まるで他事のように取り上げてしまうメディアも少なからず見受けられます。

自分の生活圏で、もしも薬物がはびこるようになったら・・・

そのときの恐怖や危機感を知るためにも、今後こういう映画がもっとあってもいいのではないかと考えました。

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