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映画『グロリア(1980)』動画無料視聴方法。ネタバレ感想と評価

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

ジョン・カサヴェテス監督の1980年にアメリカ公開制作した『グロリア』は、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞するなど、タフなヒロインの活躍を描いた傑作ハードボイルド。

また、2017年の初冬公開にデジタルリマスター版として、「午前十時の映画祭8」での劇場公開も行われ、美しく蘇った名作の品を持った作品です。

リュック・ベッソン監督の『レオン』の原型と言われるものの、元祖タフな映画『グロリア』の魅力は、それとは並列できない、あまりに傑作中の傑作!

大人の映画が見たいなら『グロリア』に限る!

映画『グロリア』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

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1.映画『グロリア』の作品情報

【公開】
1980年(アメリカ映画)
*デジタルリマスター版2017年日本公開

【原題】
Gloria

【脚本・監督】
ジョン・カサべテス

【キャスト】
ジーナ・ローランズ、ジョン・アダムス、ジュリー・カーメン、バック・ヘンリー

【作品概要】
1980年制作の名匠ジョン・カサヴェテス監督・脚本によるのヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞作品。

組織を裏切り命を狙われていた亭主の妻と親友であったグロリアは、彼女に託された息子フィルとともにニューヨーク市内をギャングから逃走するタフなハードボイルド映画。

リュック・ベッソン監督の1994年の『レオン』の原型と言われ、1999年にシャロン・ストーン主演でリメイク。

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2.映画『グロリア』のあらすじとネタバレ

ニューヨークのサウス・ブロンクスのあるアパートに帰宅したジャックの妻。しかし、彼女の後を付けていたライフル銃を手にした男たち。

狙っているのはアパートに住むジャック家族の一家皆殺し。理由はマフィアの会計士を務めるジャックが彼らを出し抜いて情報をFBIやCIAに横流したことでの報復です。

ジャック息子6歳のフィルは物々しい事態の中でうろたえるだけでした。その時、ドアをノックする音。

それは同じアパートのフロアに住むグロリアという女性でした。

彼女はコーヒーを借りにジャック一家を訪ねましたが、異様な空気を敏感に感じ取ります。ジャックの妻が息子フィルを預かってくれと言いますが、子どもは嫌い、特に親友の息子は嫌だと断ります。

突然の願いではあったが、ただならぬ物騒自体に半ば強制に息子フィルを聞き入れざるおえないグロリア。

さらにジャックはマフィアの裏金取引を詳細に記したノートを息子フィルに託します。

子どもの苦手なグロリアは嫌がるフィルを連れて、自分の部屋に戻ります。やがてジャック一家の住んでいた部屋の窓から爆発音と火花が飛び散ります。

事態が深刻さを増したことでグロリアは、自分の衣服や貴重な装飾品身などの身支度をカバンに詰め、フィルを引き連れニューヨーク市警やマスコミ、そして野次馬の集まるアパートを後にします。

翌日の新聞ではグロリアが一家を皆殺して、少年フィルを誘拐したと報じます。やがてアパートから脱出した2人は組織から追われことになります。

ひとまずリバーサイド・ドライブのグロリアの姉の部屋に身を隠すグロリアとフィルでしたが、そこにも組織の手配が回ってきました。

エマニュエル・ウンガロのファッションを身にまとったグロリアはショーガール出身で、組織のボスと関係があったトニー・タンジーニの情婦だったことから、前科もあり警察に出向くことは出来ませんでした。

昔の仲間を敵にまわすことになったグロリアは、親友の忘れ形見である少年フィルを守ることに全てを賭ける気持ちになります。

銀行の貸金庫からすべての現金を装飾品を持ち出し、フィルを連れてタクシーやバス、または地下鉄を利用して、ニューヨークの中で身を隠す場所を求めて逃げ回ります。

グロリアはピッツバーグに向かおうと、フィルを墓地に連れていきます。そこで見知らぬ墓を前に父親ジャックや母親、そして姉に別れの挨拶をさせます。

しかし、ピッツバーグに向かおうとするも、組織の手は2人をどんどんと追い詰めていきます。

以下、『グロリア』ネタバレ・結末の記載がございます。『グロリア』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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一方でグロリアとともに逃避行した安宿でフィルは、家族を殺されたことに深く傷ついていました。また自分に冷たくあたるグロリアをブタと呼び捨て悪態を付きなじりもします。

しかし、当初は馴染まなかったフィルでしたが、安宿から高級ホテルに最後の本拠地をかまえた頃には、次第にグロリアを母のように慕ってました。

そして、この逃避行の先に限界を見たグロリアは決着を付けることを決意します。彼女は最後の手段である自分と関係を持った組織のタンジーニと電話連絡を取り、直談判することにします。

グロリアはホテルの部屋に独りフィルを残す際に、3時間半経っても自分が戻って来なかった時には、1人でピッツバークヘ行き、そこで落ち合うことを決めます。

組織からの死の制裁を覚悟しつつグロリアは、裏金帳簿のノートを持って単独でタンジーニの住むホテルに向かいます。

グロリアは女だてらに組織の男たちを前に、悠然としたタフな様子でノートを返し、フィルだけは見逃してほしいとタンジーニと交渉を始めます。

タンジーニから煙草の火を貰うグロリア。彼女は死水としてのワインを一杯もらうと、自分を撃ち殺したければそのようにすればいいと言い捨て部屋を後にします。

それを追いかけた組織の一味たちが次々に部屋の奥から出てくると、グロリアに向かって発砲をします。

何とかエレベーターに乗り込んだグロリアでしたが、組織の男たちは弾丸を打ち込みます。彼女の乗ったエレベーターの箱は、まるで闇の底に沈んでいきました。

約束の時間が過ぎてもグロリアが戻らなかったことで、フィルは独りピッツバーグへ向かいます。

不安な気持ちでいっぱいのフィル。彼はグロリアが亡くっなったことを感じて、近くにあった墓地にタクシーで向かうと見知らぬ墓に向かい、グロリアに別れを告げます。

すると、近くに1台のタクシーが停止。車中からひとりの老婦人が降り立ちました。それは変装して無事に駆けつけたグロリアでした。

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3.映画『グロリア』の感想と評価

映画史上ナンバーワンのタフガイ女優!80年代から超える映画今だなし!

本作『グロリア』の主演女優として、そのタイトルそのままのグロリア役を演じたのは女優ジーナ・ローランズ。

1930年6月19日にアメリカ・ウィスコンシン州出身の女優で、この作品の演出を務めたジョン・カサヴェテス監督の夫人。

さて、彼女のようなタフな主人公の女性を演じた女優は1980年までに誰もいない

例えば本作を見た際に、1997年のクエティン・タランティーノ監督作品『ジャッキー・ブラウン』が頭によぎり、ジャッキー・ブラウン役のパム・グリアを思い出した人もいるかかもしれません。

しかし、魅力的でタフな女性は誰かと言えば、映画史上ベストをあげたら『グロリア』ジーナ・ローランズの以外にあり得ないと断言しても良いでしょう。

この作品のジーナは女性としてだけでなく、性別を超えてタフそのものな主人公(人間)です。

本家『グロリア』。亜流に過ぎない『レオン』比較論

正直いうと、ジョン・カサベテス監督の『グロリア』と、リック・ベッソン監督の『レオン』と比較して触れるかは少し悩みました

本家である『グロリア』に対して、それを原型として持つ『レオン』では、並列がそもそもが出来ませんし、意味を感じ得ません

『グロリア』は横綱相撲な映画であり、映画史に燦然と残る作品。一方で『レオン』を好きな映画ファンがいることも理解できますが、あくまで本家という原型あって存在する作品はそれだけに過ぎません。

それを超えるにはよほどの演出力や映像作家として思考も必要となっていきます。

少し論点を変えてみましょう。

1980年に公開されたアメリカ映画に、ほかにどんな作品があったでしょうか。時代背景も見えてくると思うのでいくつか作品をあげみます。

ヒット映画作に、『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』『地獄の黙示録』『クレイマー、クレイマー』『マッドマックス』『ダーティファイター 燃えよ鉄拳』などがありました。

これらの作品を前に『グロリア』の映画的価値は決して見劣りはしません。古き映画の伝統を踏襲しながらも、どれよりも時代を突き抜けた新しさすら感じ、作品の表現や内容が豊かさを感じます

一方で『レオン』の公開当時の作品は、『パルプ・フィクション』『フォレスト・ガンプ/一期一会』があります、いかがでしょう。

さらに約15前の作品を手本にした原型を持つ訳ですから、温故知新の「古きに学び」というのは感じますが、「新しきを知る」に至っているでしょうか。

さて、映画とは“出会い”そのものです。

その時代に、ある年齢で観たことで印象や好き嫌いは異なります。軍配はそれぞれということにいたしましょう。

それでは映画考察にならないので、本作『グロリア』をズバリ違った切り口するなら、『レオン』はプロの殺し屋の男と少女の家族のための復讐の話。

一方で『グロリア』は、マフィアではないが裏稼業に通じた女性と少年の逃避行の話。(復讐はなどはしません。)

しかも本作を母(義母)と息子の話と読み違えてしまうと本末転倒です

『グロリア』は“個として生きる人間の尊厳のために戦い”の話です。

おそらくは、このような普遍的なテーマは、今なお登場人物を人間として描ける映画は少ないように思います。そうそう出会うことのない傑作なのです。

映画の舞台をニューヨークという、他民族や多共生社会のまるでコンクリート・ジャングルのような、野獣剥き出しの生命力のなかで生き抜く“個の魅力”を、大きなスクリーンで観ていただきたいのが、『グロリア』なのです。

ここまで言っても、『レオン』などとお子ちゃまな男の腐った奴のようにガタガタいうなら、グロリアやフィルのように言いますぞ!

消えな!

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まとめ

映画『グロリア』の魅力は挙げればきりがありません。

ニューヨークという街そのものをまるで生き物のよう魅力的に描き、逃亡劇の緊迫感はアパート上層階や地下鉄と、これでもかというほどに、上下感覚の移動と他の場所とのカット・バックで魅せた構成

フィルの大人びた孤独な仕草や「ぼく、ぼく、ぼく」と言わなくてならない数々の台詞。

グロリアのビルやホテルの窓から彼女に吹く風美しい衣装変えと大きなカバン

また何と言ってもジーナ・ローランズのグロリアの見栄の切り方や、男前な仕草は必見!

兎にも角にも気の強い女の魅力満載でグロリアはカッコイイしカワイイの二言につきます。

特に「一緒に寝た男じゃ最高ね」などといった、名台詞のオンパレードです。

前章で本作『グロリア』は、母と息子の関係(義母)ではないと言い切りました。

この証を挙げるなら、フィル自身がグロリアの存在について、ママであり、パパであり、 家族。そして親友であり、恋人だと言っています

さて、墓場のシーンについてのメタファーに語りたいところですが、本作のこのくだりは止めておきましょう。

ジョン・カサベテス監督のこの作品は、あなたにぜひ観ていただきたい映画。人生を生き抜くバイブルとして、本作を今の時代を生き抜く貴女に贈りたい傑作です!

さて、ここまで読んでいただいたあなたに、もう一つ解説をしましょう。

実は『グロリア』が子どもを連れて逃げ戦うという要素に、類似点を気が付く映画はありませんか。

本作もまた、過去作の影響を大きく受けている映画なのです。それは日本映画のなかで、子連れで渡世人との死闘を繰り返した、『座頭市』や『子連れ狼』という映画の存在

映画は1作品で論じたり、観るものではありません。映画は物語として楽しむだけではもったいないですよ。

ジョン・カサベテス監督の文学やアートともいえる演出の妙味『グロリア』をぜひ、お見逃しなく!(観ないと損だよ…)

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