地球外生命体シンビオートに寄生され、ヴェノムとなった記者エディ。
エディは自分自身をコントロールできないことに戸惑い、また恐怖しますが、やがてその力に魅了されていきます。
マーベル史上、最凶最悪のヴィランの活躍を描いた映画『ヴェノム』をご紹介します。
映画『ヴェノム』の作品情報
【公開】
2018年(アメリカ映画)
【原題】
Venom
【監督】
ルーベン・フライシャー
【キャスト】
トム・ハーディー、ミシェル・ウィリアムズ、リズ・アーメッド、スコット・ヘイズ、リード・スコット
【作品概要】
マーベルコミックの人気キャラクター『ヴェノム』を映画化。
監督は『ゾンビランド』『L.A.ギャングストーリー』などのルーベン・フライシャー、主演は『マッド・マックス 怒りのデスロード』などのトム・ハーディーが務めます。
地球外生命体“シンビオート”に寄生されたジャーナリスト、エディ・ブロックと、彼と一体化した“シンビオート”ヴェノムが迫りくる敵と戦って行きます。
映画『ヴェノム』あらすじとネタバレ
彗星へ資源探査に向かい、帰還しようとしていたシャトルが原因不明の事故を起こし、東マレーシアに墜落。
シャトルを派遣していたライフ財団はチームを送り、採取した地球外生命体シンビオートのサンプルを4つのうち3つを回収します。
また、奇跡的に生存していた乗組員を救助し、救急車で搬送していましたが、乗組員から触手が伸び救急隊員を襲います。
触手は運転手も襲い、救急車は転倒します。
救急車の屋根を突き破り、姿を見せたのは襲われたはずの救急隊員であり、夜の闇に消えていきます。
サンフランシスコでは、ジャーナリストのエディ・ブロックは、上司からライフ財団の代表カールトン・ドレイクのインタビューを行うように命じられます。
その夜、エディの婚約者で弁護士のアン・ウェイングあてに届いたメールを読みまいます。
メールはアンが担当している裁判の資料で、ライフ財団が人体実験を行い、死者が出ている事を示すを資料でした。
同じ頃、救急隊員は街の現れます。
屋台の生きたウナギを手づかみし食べる救急隊員を咎める店主を、触手を変化させた剣で殺害。
取り囲む男たちを次々倒すと、老婆に手を伸ばし首をつかむと灰色の液体が老婆に入っていき、倒れる救急隊員をよそに老婆は街を後にします。
翌日、ドレイクのインタビューを行うエディは、人体実験についてドレイクを問い詰めます。
結果インタビューは中断。財団の根回しによりエディは解雇され、婚約者のアンもまた職を失い激怒したアンから婚約の解消を告げられます。
6ヶ月後、就職先が見つからず、自堕落な生活を送るエディの前にドーラ・スカースと名乗る女性が現れます。
ドーラはライフ財団が手に入れたシンビオートの研究を行っていましたが、ドレイクの命令で繰り返される人体実験に耐えられずドレイクを告発するためにエディに協力を依頼します。
ドーラと共に研究所に忍び込んだエディは、そこでシンビオートに寄生された人、シンビオートに適合できずに死んでいった人を目撃します。
その人々の中に懇意にしていたホームレス、マリアを見かけたエディは苦しむマリアを助けようとしますが、混乱し襲い掛かるマリアから離れたシンビオートがエディに寄生してしまいます。
異変に気付いた警備員たちから逃げたエディですが、ドアや金網を突き破り、10メートル以上の木を瞬時に登る人間離れした力に驚きを隠せません。
手に入れた証拠でライフ財団を告発するため協力を得ようとアンの下を訪れますが、アンは突然現れ会話は支離滅裂、レストランの水槽につかり、生きたロブスターにかじりつくエディの奇行に激怒します。
しかし、エディには自覚がありません。
同席していたアンの新しい恋人で医者のダンは、エディの検査を申し出、MRIで検査を行いますがエディは発せられた高音に苦しみ、検査を中断。
ダンはエディに帰って休むように言いつけます。
その頃、ドレイクはドーラが侵入者を研究所に手引きしていたことを知り、ドーラに侵入者の素性を明かすよう迫ります。
ドーラはエディの名を明かしますがシンビオートの実験台にされてしまいます。
また、ドレイクはエディからシンビオートを取り戻すよう部下に命じます。
マレーシアの空港では老婆が現れます。
老婆は前を通りがかった母娘に目を向け、トイレへ向かう娘の後をつけます。
自宅に帰ったエディは、頭の中に響く幻聴に悩まされます。
幻聴と問答を繰り返すエディですが、ドレイクの部下がエディの部屋に押し込んできます。
銃を向けられ、追い詰められるエディですが、エディから突如伸びた触手がドレイクの部下たちを一掃、エディは体の自由を奪われ、部屋を飛び出していきます。
普通では考えられない状況に戸惑いながらも、逃げようとするエディは、ガラスに映った姿を見て驚愕します。
黒いタールのようなものに体が覆われ、おぞましい顔を持つその姿はエディに寄生するシンビオートの姿であり、そのシンビオートはヴェノムと名乗ります。
バイクに乗って逃げようとするエディですが、彼の姿を見つけた部下たちは追跡を開始します。
ドローンを用いてエディを追い詰める部下たちですが、エディを完全に制御しているヴェノムの力で追跡をすり抜けます。
しかし、部下の車に追突され、エディは重傷を負いました。
動けないエディを殺そうとするドレイクの部下ですが、エディの傷が見る見るうちに癒えていき立ち上がるエディの体は、黒いタールで覆われおぞましい顔に変貌していきます。
姿を現したヴェノムは、ドレイクの部下の頭を次々食いちぎり、海へ飛び込み姿を消します。
元の姿に戻ったエディはヴェノムに自分も殺すのか尋ねますが、ヴェノムは宿主として適合しているエディの死はヴェノムの死であると告げます。
映画『ヴェノム』の感想と評価
もともとはスパイダーマンの敵として登場した「ヴェノム」を映画化した作品です。
本家マーベルのヒーロー映画に決して引けをとらない迫力のあるアクションシーンや、シンビオートの侵略を阻止するスケールの大きいストーリーなど見どころの多い映画に仕上がっています。
敵の頭を喰いちぎってしまうヴェノムの残虐性を逆手に、キャラクターとしての個性と捉えた演出が注目すべき特徴となっています。
例えば、ヴェノムの伸びる触手で強引に進路変更したり、車を引っ張り追跡者の進路を妨害したりと、ヴェノムの持つ能力をうまく活かしたカーチェイスシーンなど、コミックの人気に甘えることなく、しっかりと作りこまれた場面だといえるでしょう。
また、初めは反目しながらもヴェノムを受け入れ、世界を救う決意をするエディ。彼のを身体を通して世界を知り、守る決意をしたヴェノム。
ふたりは互いを受け入れ、相棒へと認め合っていく姿に胸を打たれました。
まとめ
アメリカを始め大ヒットを記録した『ヴェノム』ですが、すでに続編の制作が決定しており、本作の最後でもヴェノム最大の敵「カーネイジ」の登場を匂わせるシーンがあります。
ヴェノムはスパイダーマンから派生したキャラクターと言う事もあり、今後、スパイダーマンとのクロスオーバーが噂されており、主演で制作も務めたトム・ハーディもスパイダーマンとの共演、対決に意欲を見せています。
また、ソニーピクチャーズが新たに進めるマーベルユニバースの最初の作品とされており、その主軸となっていくであろうヴェノムの世界は今後、広がりを見せていきます。