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Entry 2022/10/17
Update

『オブリビオン』ネタバレ結末感想と評価考察。近未来SFにトム・クルーズが挑んだ“荒廃した地球で見つけた敵”との壮絶な戦い

  • Writer :
  • 谷川裕美子

人気俳優 トム・クルーズ主演のSF大作『オブリビオン』

トップガン』(2022)シリーズのハリウッドの大スターであるトム・クルーズが主演を務める、『トロン:レガシー』(2010)のジョセフ・コジンスキー監督によるSFアクション。

オルガ・キュリレンコ、モーガン・フリーマンら豪華キャストが顔を揃えます。

「オブリビオン」というのは「忘却」を指します。このタイトルにこめられた意味とはどんなものなのでしょうか。

異星人からの攻撃によって環境が破壊され人が住めなくなった地球で、恐ろしい真実を知った主人公が真の敵に挑む姿をスリリングに描く作品の魅力についてご紹介します。

映画『オブリビオン』の作品情報


(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
2013年(アメリカ映画)

【原作・監督・脚本】
ジョセフ・コジンスキー

【脚本】
ジョセフ・コジンスキーほか3名

【編集】
リチャード・フランシス=ブルース

【出演】
トム・クルーズ、オルガ・キュリレンコ、モーガン・フリーマン、メリッサ・レオ、アンドレア・ライズボロー、ニコライ・コスター=ワルドウ

【作品概要】
エイリアンの襲撃で人類が他の惑星に移住した近未来の地球を舞台にした、『トップガン』(2022)シリーズのトム・クルーズ主演のSFサスペンス。

監督は『トロン:レガシー』(2010)のジョセフ・コシンスキー。脚本に『ディパーテッド』(2007)のウィリアム・モナハンや、マイケル・アーントらが参加しています。

主人公が出会う謎のヒロインを演じるのは『007 慰めの報酬』のオルガ・キュリレンコ。

最高の人生の見つけ方』(2007)の名優モーガン・フリーマンも出演します。

映画『オブリビオン』のあらすじとネタバレ


(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

2077年。元海兵隊司令官でコードネーム「Tech49」のジャック・ハーパーが記憶を抹消されてから5年がたっていました。

60年前に異星人スカヴの侵略を止めるために核兵器を使用した地球は人が住めなくなっていました。人々がタイタンに移住するなか、ジャックはヴィクトリアと共に地球に残り、監視任務を続けていました。

危険な任務をこなしていたある日、ジャックは墜落した宇宙船から女性をみつけます。彼女はいつも夢に出てくる女性でした。女性は目覚めるとジャックの名を呼び、ジュリアと名乗ります。

フライトレコーダーを手に入れたがるジュリアを連れてジャックは再び事故現場に向かいました。

無事にレコーダーをみつけだしたものの、ジャックはスカヴに襲われて気絶してしまいます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『オブリビオン』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『オブリビオン』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

目覚めるとジャックは拘束されていました。ビーチという男が彼に話しかけます。周囲で大勢の人間たちがジャックを見ていました。スカヴは異星人ではなく人間でした。

宇宙ステーションだと教えられていた人口知能テットこそが人類の敵であることをジャックは知ります。

その時、突然数体の殺人ドローンが襲い掛かってきました。応戦して倒しますが、次にやってくるドローンのプログラムを変えるためにジャックはタワーに戻ります。

見晴らしの良い展望台に寄り、ジャックはジュリアに秘密を話すように迫ります。ジュリアはジャックの妻でした。さまざまな彼女との会話を思い出すジャック。指輪を見て全てを思い出したジャックを、ジュリアは抱きしめます。

ジャックはヴィクトリアを迎えに行きましたが、拒否されてしまいます。彼女が本部にジャックは任務に不適切だと報告するとすぐにドローンがやってきて、ヴィクトリアは射殺されてしまいます。

ドローンをジュリアが爆破した後、ジャックが本部と連絡をとると、本部は彼に生存者を連れて戻るように言いました。ジャックはそのままジュリアとその場を去ります。

ドローンの攻撃を受けながら汚染地域に向かうジャック。攻撃に耐え切れず機体から脱出した後、人影を追った彼の前に現れたのは、銃をこちらに向ける自分とそっくりな男でした。

追ってきたジュリアに彼が気をとられた隙に襲い掛かり気絶させますが、ジュリアが撃たれてしまいます。

ジャックは倒したクローン「Tech52」になりすまし、パトロール機に乗り込んでタワー52に向かいます。医療器具を手にして出て行こうとする彼の前に、ヴィクトリアのクローンが現れました。

ジャックはうろたえながらもタワーを飛び立ってジュリアの元へ戻り、彼女の治療をします。

思い出の湖畔の家を回復したジュリアと訪れたジャック。一夜を過ごした後、ふたりはいつか戻ると約束しあいビートたちの基地に戻りました。

ビートから、ジャックは何千ものクローンが殺人者として存在していることを聞かされます。ビートは目の前にいるジャックが本を手に取り、ジュリアを救うのを見て光を見出し、ジャックに賭けていました。

ジャックはクローンを再プロミングし、核爆弾を積み込みます。しかしそれをテットに送り込もうとセットし終えたその時、数多くの殺人ドローンたちがやってきました。襲撃に遭いながら何とか駆逐したものの、送り込もうとしたドローンは使えなくなってしまいました。

生存者を連れてくるようにと指示を受けていたことを逆手にとり、ジャックはジュリアを連れて自らテットに攻め入ることを決意します。

道中、ジュリアと取り戻したフライトレコーダーを再生し、実際に起きていたことの真実をジャックは確認しました。

テットと話をすると、ジャックは嘘を言っていることに気づかれてしまいました。そこで彼は「ジュリアを生かし人類を存続させたい」と真実を語り、着陸を受け入れられます。

数え切れない多くのクローンを横に見ながらジャックはテットの内部に入り、ケースを開けました。そこにいたのはジュリアではなくビリーでした。

ジャックはビリーとともに核爆弾のスイッチを入れ、テットを破壊します。

そのころ、ジュリアは湖畔の家で目を覚ましていました。彼方で起きた爆発を見て、ジュリアの身は崩れ落ちます。

数年後。ジュリアは娘とともに湖畔の家に暮らしていました。そこにスカヴの仲間たちがやってきます。その中にジャックの姿もありました。

そのジャックは汚染地域で出会ったクローン「Tech52」でした。

「3年かけて探した彼の家。やはりここだった。僕は知ってた。僕はジャック・ハーパー。我が家に帰ってきた。」そう彼は心の内で呟きます。

ジャックとジュリアは笑顔でみつめあいました。

映画『オブリビオン』の感想と評価


(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

トムvsトムの戦闘も見逃せないSFスリラー

ハリウッドの大スター、トム・クルーズ主演の壮大なSFミステリー作品です。荒廃して人類が住めなくなった近未来の地球を舞台に、その地に残されたひとりの男の姿が描かれます。

まず目を奪われるのは圧倒的な世界観です。砂ばかりの荒れ果てた地にそびえる近未来的なタワー。その無機的な室内にふたりきりで暮らす主人公のジャックとパートナーの女性・ヴィクトリア。

ふたりは人類が消えた地球で異星人・スカヴの残党を倒すために監視業務の任についています。ヴィクトリアは任期が切れる日だけを心待ちにしながら、自身はタワーを出ずに業務にいそしむというルールを決して破ろうとしないどこか機械的な女性です。

彼女とは対照的に好奇心旺盛なジャックは、こっそり緑豊かな湖畔に隠れ家をみつけ、そこで古い書物やレコードを楽しみ、ヤンキースの帽子をかぶって草の上で昼寝をしたりして自分の時間を過ごしています。

無機的な建築物に住みながらも、古き良き時代の懐かしい風景を愛するジャック。ジャックに人間味があるということが、後半のストーリーの大きな伏線となっていきます。

壮大なスケール感や迫力あるバトルシーンなどに加えて、予測不能な数多くの謎が解き明かされていくさまは一番のみどころです。

任務には必要ないという理由でジャックとヴィクトリアは記憶を抹消されていますが、彼らの過去にはとんでもない秘密が隠されていました。

墜落した宇宙船からジュリアを命がけで救い出したジャックは、彼女が妻であることを思い出します。その後出会ったビートによって、スカヴが異星人ではなく人類だと知った彼は、「汚染地域」で衝撃の事実を目の当たりにしました。

ジャックが出会ったのは、自分とそっくりな戦士でした。彼らはクローンだったのです。トムのファンにとっては、トムとトムが戦うという夢のようなシーンが展開されます

クローンはひとりふたりという規模ではなく、数千の単位で存在しており、人工知能テットによって人類を殺害するために操られていたのです。

真実を知ったジャックは、ビリーたちと組んで人類の未来を守るために、テットに立ち向かいます。

激しい戦闘を共に戦い抜く妻のジュリアとの愛の行方からも目が離せません。ふたりでいつか湖畔の家で穏やかに暮らすという夢を胸に抱きながら、敵地へ乗り込むジャックの姿に胸が熱くなります。

まとめ


(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

アクション映画の大スター、トム・クルーズが主演を務めるSF超大作『オブリビオン』。トムの魅力満載の一作となっています。

自身が信じてきた任務の裏に、とてつもない裏切りが潜んでいることに気づいて苦悩する主人公のジャック。そんな彼が、己の正義と愛する人を守るために何もかも投げ打って戦いの炎に身を投じる姿がスリリングに描かれます。

もしもこの地球が滅びてしまったら?もしも自分の記憶が消されてしまったら?そして自分という唯一無二であるはずの存在が、実はクローンだったとしたなら?

想像するだけできっと恐ろしい思いにとらわれることでしょう。

主人公・ジャックの反骨心と、愛する人と送る平穏な生活への焦がれる思いを実感しながら、じっくりお楽しみください。




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