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Entry 2017/05/01
Update

映画ライフ2017とスパイダーマン3の共通点をネタバレ!

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

ハリウッドの人気俳優ジェイク・ギレンホールやライアン・レイノルズと、真田広之が共演することはネットニュースで知った映画ファンは多いのではないでしょうか。

先日そのSFホラー映画『ライフ』の日本版予告編もすでに公開がされました。

今回は日本人俳優の真田広之と、意外なキャスト?に注目をして深堀りしてみましょう!

1.映画『ライフ』のあらすじ


(C)2016 CTMG, Inc. All Rights Reserved.

国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士のクルーは、火星探査機の回収に成功をします。

その際に採取した探査機が持ち帰ったサンプル分析をすると、“地球外生命体の存在を示す細胞”を示すものを発見

船内にいる世界各国から集められた6人のクルーたちは、“それ”について極秘調査を始めた実験のサンプルが次第に進化と成長を遂げては高い知性を持つことが判明します。

地球外生命体の存在を示す“それ”に喜びに沸くクルーであったが、急速に成長するサンプルによってISSに閉じ込められてしまうクルーたち。

“それ”の行動の影響によって船内のクルーたちの人間関係も狂い始め、ついには生命を奪われてしまう…。

クルーは地球を守るため、孤立無援の状況で戦うことに…。

2.映画『ライフ』の監督は誰なのか?

監督はサスペンスやミステリーでは定評のあるダニエル・エスピノーサ

スウェーデン出身のダニエル・エスピノーサ監督は、2012年日本公開されたデンゼル・ワシントン主演のサスペンス映画『デンジャラス・ラン』や、2015年に公開のトム・ハーディを主演のミステリー映画『チャイルド44 森に消えた子供たち』で演出を務めました。

リドリー・スコット制作でダニエル・エスピノーサ監督作品
チャイルド44 森に消えた子供たち』(2015)

3.『ライフ』にキャスティングは国際色も豊か!

ジェイク・ギレンホール

この作品に出演を果たしたのは、『ナイトクローラー』や『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』などで作品ごとに異なるイメージを見せてくれるアメリカ人俳優のジェイク・ギレンホール

レベッカ・ファーガソン

『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』に出演した美しいスウェーデン出身のレベッカ・ファーガソン

ライアン・レイノルズ


その他にも、カナダのバンクーバー出身で『X-メン』のスピンオフ映画『デッドプール』では、主人公デッドプールを演じたライアン・レイノルズも顔を揃えています。

また、日本人俳優からは真田広之も選ばれて、各国の宇宙飛行士とあって国際色も豊かになっていますね。

4.真田広之はアクション俳優からハリウッド俳優へ!

1960年に東京品川で生まれた真田広之は、5歳より劇団に所属。1966年に子役として鷹森立一監督の『浪曲子守唄』でクリーンデビュー。

この映画に主演していたのが以後の師匠となる千葉真一。中学入学と同時に千葉真一主宰のジャパンアクションクラブ(JAC)に入団します。

新人の真田広之が出演した深作欣二監督の『柳生一族の陰謀


東映『柳生一族の陰謀』

その折に師匠千葉真一が下沢広之から強そうなイメージの名前として真田広之に改名。。やがて、1978年の深作欣二監督の『柳生一族の陰謀』で本格的に新人俳優として芸能界入りを果たしました。

その後も1981年に『魔界転生』、1983年に『里見八犬伝』などに出演すると若手No.1のアクションスターとなりました。

異業種映画監督デビューの走りに出演『麻雀放浪記』(1984)


角川映画『麻雀放浪記』

以降は性格俳優を目指すようになった真田広之の転機となったのは、1984年に公開された人気イラストレーターで映画通であることから監督にもなった和田誠監督の文芸作品『麻雀放浪記』に出演。

この作品で高品格や加賀まりこ、大竹しのぶ、鹿賀丈史たちといった演技派俳優と共演したことで、それまでの真田広之のアクションスターのイメージを払拭させます。

また、1988年に同じく和田誠監督のアイドル絶盛期の小泉今日子と共演したミュージカル映画『怪盗ルビイ』で歌とコミカルな俳優としても才能を開花させます。

これを機に真田広之は類を見ない人気者となり、アクションからコメディまで日本映画を代表するスター俳優になりました。

5.アクション俳優であった真田広之の存在感を示した『ラスト・サムライ』(2003)

2003年には宮沢りえと共演を果たした山田洋次監督作品『たそがれ清兵衛』が米アカデミー賞の外国語映画部門にノミネートされると、いよいよ、同年にはハリウッド映画『ラスト・サムライ』に出演して活躍をするようになりました。

6.真田広之の日本国外の出演映画はこんなにある!

ハリウッドで香港のアクションスターのジャッキー・チェンとも共演

1982年に真田広之は香港映画『龍の忍者』に玄武役で出演したのを皮切りに、海外の映画にも出演を精力的に進めてきました。

『龍の忍者(Ninja in the Dragon’s Den)』(1982、香港)
『皇家戦士 (Royal Warriors)』(1986、香港)
『ラストサムライ (The Last Samurai)』(2003、アメリカ)
『上海の伯爵夫人 (The White Countess)』(2005、イギリス)
『PROMISE 無極』(2005年、中国) –
『サンシャイン 2057(Sunshine)』(2007、アメリカ)
「ラッシュアワー3(Rush Hour3)』(2007、アメリカ)
『スピード・レーサー(Speed Racer)』(2008、アメリカ)
『最終目的地(The City of Your Final Destination)』(2009、アメリカ)
『ウルヴァリン: SAMURAI(The Wolverine)』(2013、アメリカ・オーストラリア)
『47RONIN 47 Ronin』(2013、アメリカ)』
『レイルウェイ 運命の旅路(The Railway Man)』(2013、イギリス)
『ミニオンズ Minions(2015、アメリカ)※声の出演
『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件(Mr. Holmes)』(2015、アメリカ・イギリス)
『ライフ』(2017年、アメリカ)

年号は日本公開年ですが、2004年に日本公開された『ラスト・サムライ』を機にハリウッド俳優として認められたのがよくわかりますね。

また、真田広之は海外テレビドラマでの活躍が目立ちます。

『LOST ファイナルシーズン』(2010年2月2日〜5月23日、ABC)
『リベンジ』(2011年9月21日〜2012年5月23日、ABC)※シーズン1のみ
『HELIX -黒い遺伝子-』 (2014年1月10日〜、Syfy)
『エクスタント シーズン1』(2014年7月9日〜2014年9月17日、CBS)

真田広之は国際俳優として認められた地位と、もはや不可欠な存在になったといえるのではないでしょうか。

7.予告編にはない!息がつまるの映像がコレだ!

『ライフ』日本版予告よりもかなり緊迫感が見られる!

日本版予告編でも、火星で発見された生命体をシャーレに入れて興味深く見つめて研究していたISSのクルー。

しかし、生命体に手を砕かれ、襲われていく恐怖シーンが描写されていたが、こちらの映像ではさらに緊迫感のあるISS内の宇宙での密室的状態でクルーがパニックに陥る様子が見られます。

サスペンス的な要素に活かされることが多い監視カメラ映像や、その伝送される画像は臨場感を見せる演出。

どうしても宇宙船内という密室で正体不明の生命体に襲われる映画といえば、1979年に公開されたリドリー・スコット監督の名作SF映画の金字塔『エイリアン』を誰もが思い出します

『ライフ』がどのように『エイリアン』とは違った作品になるか。『エイリアン』にリスペクトこそあっても二番煎じではないと見せられるかがこの作品の肝のようです。

だが、監督紹介の第2章でも紹介したが、『ライフ』の演出を手がけたダニエル・エスピノーサ監督は、実は前作でリドリー・スコット制作で一緒に仕事をしています

2017年公開の『ライフ』と1979年公開の『エイリアン』に類似性を感じたとしたら、それはリドリー・スコットへの敬意とオマージュなのではないでしょうか。

同じだから良くない、ツマラナイと言い切るのは映画ファンとしては早合点なのかもしれませんね。

8.『ライフ』と『スパイダーマン3』の意外なキャスト?が同じかよ!


(C)2007 Sony Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

『ライフ』のリスペクト演出の映像が似ているとかではなく、『ライフ』では同じ撮影現場のロケシーンであるというこんなサイトの記事を見つけました

2017年3月14日に「ScreenCrush」というサイトにCharles Bramescoが取り上げた記事「Sharp-Eyed Redditor Spots Recycled ‘Spider-Man 3’ Footage in the ‘Life’ Trailer」はとても面白いので紹介いたします。
(引用元http://screencrush.com/sharp-eyed-redditor-spots-recycled-spider-man-3-footage-in-the-life-trailer/)

ライフ』で使用されたモブシーン

スパイダーマン3』で使用されたモブシーン

この2つはそれぞれの映画に入れられたモブシーンです。

キャスティングされたエキストラのリアクションショットが、全くに同じ日に、同じように撮影されたものですね。

ライフ』は、2007年公開のサム・ライミ監督の『スパイダーマン3』とほぼ同じアングルでエキストラも共通なのです。

先ほどの『エイリアン』に似ているのでは?という、リスペクトで話より、よほど興味深いものです。

ハリウッド映画の大作映画『ライフ』ですが、このような予算を抑えるための台所事情があったのですね。

これはソニーが『スパイダーマン3』の撮影時にいくつかのパターンを撮り貯めたショットをストックして置いたものを使用したことで起きたことです。映画ファンにはたまらない面白い情報ですよね。

まとめ

今回は『ライフ』にキャスティングされた日本を代表する俳優の真田広之の深堀りと、意外なキャスティングであるエキストラのモブシーンを中心に紹介しました。

火星で発見された生命体のエイリアンとクルーたちが密室で挑む戦慄の戦いとは?

まさか?エイリアンは地球を恐怖のどん底に落とす侵略を挑んでくるのでしょうか?

期待のSF最新作『ライフ』は2017年7月8日(土)から、丸の内ピカデリー他で全国公開されます!ぜひお見逃しなく!

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