“日本人の心に残り続けた”幻のファンタジー映画。
アレックス・プロヤス監督の“失われた傑作”が30年の時を越えてデジタル・リマスター版で日本に帰ってきます。
1988年に製作された映画『スピリッツ・オブ・ジ・エア』が、2020年2月8日(土)より新宿シネマカリテほかにて全国順次公開となることが決定致しました。
また、公開に合わせましてビジュアルも解禁となりました。
CONTENTS
映画『スピリッツ・オブ・ジ・エア』について
参考動画:アレックス・プロヤスの短編『フォボス』(2019)
『クロウ/飛翔伝説』(1994)、『アイ、ロボット』(2004)、『ノウイング』(2009)など近未来SF映画でその名の知られるエジプト出身の監督、アレックス・プロヤスのデビュー作にして最高傑作との呼声が高い『スピリッツ・オブ・ジ・エア』。
初公開時オーストラリア・アカデミー賞の最優秀美術賞・最優秀衣装賞にノミネートされるなど本国では高い評価を得るも、プロヤスが無名だったからか、オーストラリア以外ではほとんど公開されませんでした。
ですが海外で本作を評価したのはなんと日本。1990年開催の第1回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映され、審査員特別賞を受賞。
この際の審査員を務めたのは、ジョン・ヴォイト、アンジェリーナ・ジョリー、ジョゼ・ジョバンニ監督、相米慎二監督、根津甚八、竹中直人という錚々たる映画人たちです。
翌年1991年には正式に劇場公開され、当時の日本人映画ファンの多くが若きプロヤスの才能に驚嘆しました。
その後VHSは発売されたものの、DVDやブルーレイ化はされず、長年に渡って観る事が難しい“失われた作品”として存在感を高めてきた本作。
この度の公開は約30年ぶりであり、16mm撮影ながら2Kスキャンによるデジタル・リマスターでの鮮烈な映像で甦ります。
本作の登場人物はたった3人で、「空を飛ぶこと」への憧れを持つ男を軸に、《絶望》と《希望》、《夢》と《現実》の寓話を幻想的に描き出した、驚くほど詩的な一篇です。
映画『スピリッツ・オブ・ジ・エア』のポスタービジュアル
今回、同時に解禁となったポスタービジュアルでは、恐ろしいほどに美しいオープニングシーンの一部が切り取られています。
砂漠の真ん中でベティが真っ赤なドレスを纏って弦楽器を奏でるカットは、圧倒的な空虚さえ感じられる。「夢の着地点」とは一体何なのでしょうか。
なおこの日本再公開をプロヤス監督本人とプロデューサーが最も喜んでおり、さらには今回の日本版ポスタービジュアルを大絶賛、「デザイナーに素晴らしい!と伝えてほしい」「ポスターを早く欲しい」という前のめりな連絡が来ているといいます
映画『スピリッツ・オブ・ジ・エア』の作品情報
【製作年】
1988年(オーストラリア映画)
【日本公開】
2020年
【原題】
SPIRITS OF THE AIR, GREMLINS OF THE CLOUDS
【監督・脚本】
アレックス・プロヤス
【キャスト】
マイケル・レイク、ザ・ノーム、ライズ・デイヴィス
【作品概要】
監督・脚本はこれが処女作となるオーストラリア出身のアレックス・プロヤス。
監督自身がアンドリュー・マクフェイルと共同で自主製作にこぎつけました。
撮影はデイヴィッド・ナウス、音楽をピーター・ミラーが担当。
映画『スピリッツ・オブ・ジ・エア』のあらすじ
果てしなく広がる荒野に、赤い砂漠と紺碧の空の間に林立する巨大な十字架とぽつんと佇む一軒家。
その小さな家に住む足の不自由なフェリックスは手作りの飛行機によって空を飛ぶという妄想に取り憑かれ、いつかこの場所からの脱出を夢見ていました。
一方、偏執的な気質を持つ妹ベティは、この場所を一生離れてはいけないという父の遺言を忠実に守り、十字架に囲まれて暮らしています。
そんな2人の生活の中に、ある日、スミスと名乗る逃亡者が現れ…。
まとめ
観たくても観れなかった、あの“失われた傑作”が30年越しに蘇ります。
アレックス・プロヤス監督は本作の制作に4年半の月日を費やし、壮大なロマンの物語を完成させました。公開当時、監督は以下のようにコメントを残しています。
『スピリッツ・オブ・ジ・エア』は、目の前に立ちはだかる、時には馬鹿げているとさえ思えるような障害物と戦いながらも、夢を実現させようとする者たちの物語である。この映画に登場する人々は、エキセントリックで弱点も見せる。彼らのシチュエーションはしばしば滑稽であるが、それは実際に我々が経験している日常ほどではない。これは、ある意味での犠牲と失敗についての映画だ。それはただ、笑うしかすべのないものである。
2Kスキャンによるデジタル・リマスター版『スピリッツ・オブ・ジ・エア』は、2020年2月8日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次公開となります。