Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2021/06/04
Update

台湾映画『日常対話』内容解説/公開日/上映館/予告編動画。同性愛者の母と娘の対話を収めたドキュメンタリー

  • Writer :
  • 石井夏子

第67回ベルリン国際映画祭パノラマ部門テディ賞ドキュメンタリー映画部門受賞作。

好評企画「台湾巨匠傑作選 2021―侯孝賢監督デビュー40周年記念<ホウ・シャオシェン大特集>」で特別上映された台湾ドキュメンタリー映画『日常対話』。

(C) Hui-Chen Huang All Rights Reserved.

台湾発・娘がカメラを手に母の本音に迫る、入魂のドキュメンタリー『日常対話』が、2021年7月31日(土) より、ポレポレ東中野にてロードショーと決定しました。

公開日決定に合わせ、日本版予告編とポスタービジュアルが解禁となります。

スポンサーリンク

映画『日常対話』について

本作『日常対話』は、巨匠ホウ・シャオシェン監督が製作総指揮し、2017年2月には第67回ベルリン国際映画祭パノラマ部門にてLGBTをテーマにした作品に贈られるテディ賞に輝き、同年秋にはアカデミー賞外国語映画賞の台湾代表作品に選ばれました。

本作の監督ホアン・フイチェン(黄惠偵)が、自らが一児の母になったことをきっかけに、他人同士のように冷え切ってしまった自分の母親との関係を、同性愛者でもある母親、親せきや知り合いなど身近な人々へのインタビューや対話を通して修復しようとする過程を映像に収めた長編ドキュメンタリー映画です。

アジアで初めてとなる台湾の同性婚合法化(2019年に合法化)に向け、世論が大きく揺れていた時期に公開された本作は、2016年の金馬奨ではドキュメンタリー映画部門の観客賞を、2017年の台北映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞を受賞するなど、高い評価を受けています。

日本では第1回東京ドキュメンタリー映画祭(2018)等で上映されたほか、映画に先立ち2015年にはNHKとの国際共同制作でテレビ向けに編集された54分の短編作品『母と私』が、「BS世界のドキュメンタリー」で放映されました。

本作、テレビ版ともにホウ作品をはじめ、中華圏の名だたる映像作家に楽曲を提供しているリン・チャン(林強)が音楽を担当しています。

映画『日常対話』のポスタービジュアル

(C) Hui-Chen Huang All Rights Reserved.

今回公開された日本版ポスタービジュアルは、食卓につく母と娘を背中合わせに配した素描による本国台湾版のビジュアルを活かした構図

本作のキーであるドキュメンタリーを撮るという行為が二人の関わり方にもたらした影響を「カメラの前なら、「言える」「聞ける」こともある」というコピーで表現しています。

スポンサーリンク

映画『日常対話』の予告編

母親とその兄弟、娘(監督)、監督の姪の3世代を縦軸に捉えた予告編動画。

女性としての役割を押し付けられながらも本来の自分として生きてきた同性愛者である母親の、ありのままの姿をフィーチャーしました。

映画『日常対話』の作品情報

【日本公開】
2021年(台湾映画)

【原題】
日常對話

【英題】
Small Talk

【監督・撮影】
ホアン・フイチェン(黃惠偵)

【エグゼクティブプロデューサー】
ホウ・シャオシェン(侯孝賢)

【音楽】
リン・チャン(林強)、ポイント・シュー(許志遠)

スポンサーリンク

映画『日常対話』のあらすじ

(C) Hui-Chen Huang All Rights Reserved.

ひとつ屋根の下、赤の他人のように暮らす母と私。母の作る料理以外に私たちには何の接点もありません。

ある日、私は勇気を出して母と話をすることにしました。

ビデオカメラを回し、同性愛者である母の思いを記録することに。

そして私も過去と向き合い、心に秘めたある秘密を母に伝え……。

まとめ

現在ではジェンダー平等においてアジア第1位、世界第6位*を誇る台湾ですが、かつては「家」を重んじる家父長制、それに伴うジェンダー不平等が当たり前の、保守的な社会でした。

娘(ホアン監督)がカメラを回しながら母親と対話を試みる背後には、男尊女卑、貧困、虐待、毒親、依存症、暴力の連鎖、マイノリティへの偏見等の個人を取り巻くキーワードが複雑に絡み合いながら、民主化とともに急速な経済発展を遂げた台湾社会に潜む問題となって映し出されます。

ドキュメンタリー映画『日常対話』は、2021年7月31日(土)よりポレポレ東中野にてロードショーです。

*台湾は国連未加盟のため、国連開発計画(UNDP)が発表するジェンダー不平等指数(GII)に基づいて、2021年に台湾の最高行政機関である行政院の性別平等処が算出した結果による。

関連記事

新作映画ニュース

映画『さんかく窓の外側は夜』あらすじ/キャスト/公開日。志尊淳×岡田将生で実写化のミステリー!

ヤマシタトモコの同名コミックを実写映画化。 「霊が視える男」と「霊を祓える男」の心霊探偵バディの活躍を描いた、ヤマシタトモコ作の人気コミック『さんかく窓の外側は夜』。 岡田将生と志尊淳のダブル主演で実 …

新作映画ニュース

【映画オリジナル猫グッズ3名様プレゼント】倍賞千恵子&藤竜也共演の『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』公開記念《ごろにゃんマグネット》

『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』は2019年5月10日(金)より全国ロードショー 西炯子の漫画を小林聖太郎監督が実写化した映画『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』。 倍賞千恵子と藤竜也 …

新作映画ニュース

村上虹郎映画『銃』エジプト開催の映画祭で最優秀脚本賞を受賞!武正晴監督も日本映画初の会期に喜びを語る

日本映画初の快挙!エジプトでも高評価 文壇のなかで、注目を浴び続けている作家中村文則のデビュー作を武正晴監督×村上虹郎主演で映画化した『銃』。 2019年3月2日から3月8日までエジプトで開催された第 …

新作映画ニュース

韓国映画『飛べない鳥と優しいキツネ』あらすじとキャスト。前売り鑑賞券の購入特典の紹介も

映画『飛べない鳥と優しいキツネ』は、2019年1月19日シネマート新宿、シネマート心斎橋で公開決定。 © 2018 LOTTE CINEMA ARTE & FILM CORPORATION W …

新作映画ニュース

ドキュメンタリー映画『ヒューマン・フロー』の内容解説。一般試写会のトークイベント報告リポート

世界的現代美術家のアイ・ウェイウェイ監督が、難民問題の実情に迫ったドキュメンタリー『ヒューマン・フロー 大地漂流』は、2019年1月12日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかで公開されます。 「 …

U-NEXT
タキザワレオの映画ぶった切り評伝『2000年の狂人』
山田あゆみの『あしたも映画日和』
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学