Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2021/07/12
Update

映画『流浪の月』あらすじ/キャスト。広瀬すず×松坂桃李が本屋大賞受賞小説を原作に誘拐事件の被害女児と加害者のその後を演じる

  • Writer :
  • 石井夏子

本屋大賞受賞の傑作ベストセラー小説が待望の映画化。

2020年の本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた、凪良ゆうによる小説『流浪の月』。

(c)2022「流浪の月」製作委員会

この度、広瀬すずと松坂桃李のダブル主演×監督・李相日のタッグで、『流浪(るろう)の月』が映画化されることが明かされました。

公開は2022年を予定しているとのことです。

映画『流浪の月』について

(c)2022「流浪の月」製作委員会

凪良ゆうによる原作『流浪の月』(東京創元社刊)は、2020年の本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた傑作小説です。

9歳のときに誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(かない さらさ)を広瀬すずが、その事件の“加害者”とされた当時19歳の大学生・佐伯文(さえき ふみ)を松坂桃李が演じます。

いつまでも消えない“被害女児”と“加害者”という烙印、そして事件の契機となったそれぞれの秘密を抱えたまま、15年後に再会した更紗と文の選んだ道とは?  

繊細に揺れ動く2人の思いが胸にせまるこの珠玉の物語を監督するのは、『悪人』『怒り』の名匠・李相日(リ・サンイル)。先行きの見えないこの世界の片隅に確かにあると信じられる、「魂と魂の未来永劫揺るがない結びつき」を描きたいと意気込みます。

今や同世代女性を代表するアイコン的存在というだけでなく、国民的女優としての地位を築き上げている広瀬すずは、『怒り』(2016)に続く2度目の李監督作品への参加に、「私は毎日なんだか、どこかずっと緊張しています」と胸の内を語ります。

そして『孤狼の血』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、『新聞記者』で同最優秀主演男優賞を2年連続受賞するなど近年の日本映画界で圧倒的存在感を放つ松坂桃李は、初の李組参加に向けて「全身全霊でいきます」と丹念に準備を重ねています。

広瀬すずのコメント

参考:広瀬すずのTwitter

本当にびっくりしました。でも、いつかまた、李組に参加したいという事は「怒り」以来、ずっと思い続けてきた事でもありました。
「この役の気持ちを知ってると思って」と監督に言われたその日から私は毎日なんだか、どこかずっと緊張しています。
私の少しの変化を、誰よりも早く細かく気付かれてしまいます。
だからこそ監督の前では絶対嘘がつけないし、ちょっとでも誤魔化そうとするもんなら…
想像するだけで…今、監督の前でお芝居するのが怖いです。
あ、その緊張ですかね。
松坂さんは、以前ご一緒した現場でとても真面目で大らかな印象を受けました。
文を松坂さんが演じると知った時も、なんだかすぐにしっくりくる不思議な雰囲気もあり、今回の役、作品で、ご一緒出来る事はとても楽しみです。

広瀬すずのプロフィール

『幽かな彼女』(2013/KTV)で女優としての活動を開始。『海街diary』(2015)で第39回日本アカデミー賞新人俳優賞ほか数多くの新人賞を総なめにする。

翌年『ちはやふるー上の句ー』で映画単独初主演。第40回日本アカデミー賞において、『ちはやふるー上の句ー』で優秀主演女優賞、『怒り』で優秀助演女優賞をダブル受賞した。

2019年、100作目となるNHK連続テレビ小説『なつぞら』でヒロインを務める。近作に『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(2018)『ラストレター』『一度死んでみた』(2020)『いのちの停車場』(2021)などがある。

李相日監督作品へは、『怒り』に続き2度目の出演となる。

松坂桃李のコメント

参考:松坂桃李のTwitter

李監督とは初めてご一緒しますが、作品を拝見していて、いつかやってみたいとずっと思っていた方でした。
正直今は霧の中にいる気分です。
ただこの作品に文として参加できる喜びを噛み締めてもいます。全身全霊でいきます。
広瀬さんは成島組以来の再会ですが、肝が据わっていて頼もしさすら感じます。
改めてご一緒出来ることほんとうに楽しみです。
李組の皆さんと創り上げていきたいです。
宜しくお願い致します。

松坂桃李のプロフィール

参考動画:『空白』(2021)

『侍戦隊シンケンジャー』(2009/EX)で俳優デビュー。以降、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。

2012年、『ツナグ』で第36回日本アカデミー賞新人俳優賞、2019年、『孤狼の血』で第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、2020年、『新聞記者』で第43回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞をそれぞれ受賞する。

その他の近年の主な出演作に、『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)、『不能犯』『娼年』(2018)、『居眠り磐音』『蜜蜂と遠雷』(2019)など。最新作に『いのちの停車場』、2021年公開待機作に『孤狼の血 LEVEL2』、『空白』などがある。

李相日監督のコメント

痛ましい過去を背負った二人の物語なのに、悲壮感が漂わずにどこか浮遊しているような心地良さに包まれました。恋愛、友情、家族愛…名前のつけられない関係がここには存在します。魂と魂の未来永劫揺るがない結びつき。そんなものはこの世界に存在しないのかもしれません。けれど、まずは信じてみる。この物語を信じる。更紗と文、二人の息遣いを信じる。そこから、映画『流浪(ルビ:るろう)の月』はスタートしました。
「怒り」以来ですが、広瀬すずとは必ずまた映画で再会する。疑いのない確信と、強い願望を常々持ち続けていました。
松坂桃李君のこの作品への意気込みには驚嘆するばかりです。身体つきはもちろん髪や体毛の一本一本、皮膚感に到るまで役に向けて丁寧に積み上げていく執念には心が震えます。
二人の眼差しが重なり、互いを慈しむ優しさに溢れた時、自分がどれほど心を奪われるのか…待ち遠しくてなりません。

李相日監督のプロフィール

日本映画学校(現:日本映画大学)の卒業制作作品『青〜chong〜』(1999)がぴあフィルムフェスティバルでグランプリを含む史上初の4部門を独占。

続く『BORDER LINE』(2002)が新藤兼人賞金賞を受賞するなど高い評価を得る。『69 sixty nine』(2004)、『スクラップ・ヘブン』(2005)を経て、『フラガール』(2006)で第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞。

近作に、 『悪人』(2010/第34回日本アカデミー賞優秀作品賞)、『許されざる者』(2013)、『怒り』(2016/第40回日本アカデミー賞優秀作品賞)などがある。

原作:凪良ゆうのコメント

参考:凪良ゆうのTwitter

夢みたいでした。初めての映画化、さらに以前から作品のファンだった李監督に撮っていただけると聞いて、人生ってこんなことがあるんだなあと呆然としたほどです。
小説からさらに広がっていく映画『流浪(ルビ:るろう)の月』が今から楽しみでなりません。
李監督から脚本をいただいたとき、人物への理解の深さに鳥肌が立ちました。
原作にはないエピソードを追加しながらも、どこまでも更紗らしく文らしい。
どれだけ原作を読み込んでくださったのだろうと、李監督にお任せして本当によかったと改めて確信しています。
広瀬さんも松坂さんも際だった存在感と透明感のあるおふたり。
一見静かながら内に渇望を秘めた文と更紗に、どこか通じるものを感じています。
おふたりに演じていただくことで、物語に込めた思いがより多くの方に伝わるよう願っています。

凪良ゆうのプロフィール

2007年に本格的デビュー。以降、各社でBL作品を精力的に刊行し、デビュー10周年を迎えた2017年には初の非BL作品『神さまのビオトープ』を発表、作風を広げた。

一般文芸における初単行本『流浪の月』で2020年本屋大賞を受賞。同年刊行の『滅びの前のシャングリラ』が2年連続本屋大賞ノミーネートとなる。

その他近作に『わたしの美しい庭』、『すみれ荘ファミリア』がある。

映画『流浪の月』の作品情報

【日本公開】
2022年(日本映画)

【原作】
凪良ゆう『流浪の月』(東京創元社刊)

【脚本・監督】
李相日

【キャスト】
広瀬すず、松坂桃李

【製作幹事】
UNO-FILMS(製作第一弾)

【共同製作】
ギャガ、UNITED PRODUCTIONS

【配給】
ギャガ

映画『流浪の月』のあらすじ

雨の夕方の公園で、びしょ濡れの9歳の家内更紗に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文。

引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2か月を過ごすことになりました。

しかし、やがて文が更紗の誘拐罪で逮捕されてしまいます。

それから15年後。

「傷物にされた被害女児」とその「加害者」という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会し……。

まとめ

広瀬すずと松坂桃李、この二人の眼差しが重なるとき、いったいどんな物語が生まれるんでしょうか。

映画『流浪の月』のクランクインは8月上旬、2022年に全国公開が予定されています。

続報をご期待ください。










関連記事

新作映画ニュース

フランス映画の名匠フィリップ・ガレル監督のオススメ代表作の公開決定!『救いの接吻』『ギターはもう聞こえない』

フランス映画の名匠フィリップ・ガレル監督のオススメ作品 日本初公開!至高の家族映画『救いの接吻』(1989) 16歳から70歳になっている現在でもなお精力的に映画を撮り続けている、ヌーヴェル・ヴァーグ …

新作映画ニュース

『碁盤斬り』追加キャスト/公開日/上映館情報。清原果耶らコメントも紹介

主演・草彅剛×監督・白石和彌の映画『碁盤斬り』は2024年5月にTOHOシネマズ日比谷他で全国ロードショー! 『ミッドナイトスワン』(2020)で第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した草彅 …

新作映画ニュース

映画『町田くんの世界』キャストの猪原奈々役は関水渚(せきみずなぎさ)。プロフィールと演技力の評価

第20回手塚治虫文化賞・新生賞を受賞した安藤ゆきの同名マンガ『町田くんの世界』を実写化した青春映画が2019年6月7日に公開されます。 監督は『舟を編む』で史上最年少の30歳で日本アカデミー賞最優秀監 …

新作映画ニュース

映画『明日の食卓』キャストの石橋太一を演じるのは大東駿介【演技評価とプロフィール】

映画『明日の食卓』は2021年5月28日よりロードショー 2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』で作家デビュー後、『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、第23回坪田譲治文学賞 …

新作映画ニュース

映画『アイネクライネナハトムジーク』今泉力哉監督のプロフィール。過去作の評価解説も

映画『アイネクライネナハトムジーク』は、9月20日(金)より全国ロードショー! 『アヒルと鴨のコインロッカー』『重力ピエロ』など数多くの作品が映像化されている大人気ベストセラー作家・伊坂幸太郎。 伊坂 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学