Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2020/09/11
Update

映画『少女ムシェット』『バルタザールどこへ行く』4K劇場公開日/上映館。ロベールブレッソンおすすめ最高傑作のデジタルリマスター版!

  • Writer :
  • 石井夏子

巨匠ロベール・ブレッソンによる、映画史に輝く最高傑作。

巨匠ロベール・ブレッソンが遺した、映画史に輝く最高傑作『バルタザールどこへ行く』『少女ムシェット』。

『バルタザールどこへ行く』のポスター・ビジュアル(C)1966 Argos Films – Parc Films – Athos Films – Svensk Filmindustri

映画『バルタザールどこへ行く』と『少女ムシェット』の4Kリストア・デジタルリマスター版が、2020年10月30日(金)より、新宿シネマカリテほか全国順次公開することが決定しました。

あわせて、各作のポスター・ビジュアル、チラシ・ビジュアルが解禁となります。

映画『バルタザールどこへ行く』について

(C)1966 Argos Films – Parc Films – Athos Films – Svensk Filmindustri

巨匠ロベール・ブレッソンが長年映画化を望んだ、聖なるロバ“バルタザール”をめぐる現代の寓話

ドストエフスキーの長編小説『白痴』の挿話から着想を受け、一匹のロバと、少女マリーとの数奇な運命を描きだします。

純粋さから悪の道へと堕ちていく少女マリーを演じるのは、当時17歳のアンヌ・ヴィアゼムスキー。その後『中国女』(1967)などゴダール作品に数々出演することになる彼女にとって、これが初の映画出演作となりました。

第27回ヴェネチア国際映画祭審査員特別表彰をはじめ数々の映画賞を受賞し、いまも多くの映画人を魅了しつづける、映画史に残る最高傑作です。

映画『バルタザールどこへ行く』の作品情報

(C)1966 Argos Films – Parc Films – Athos Films – Svensk Filmindustri

【製作】
1966年(フランス・スウェーデン映画)

【4K版日本公開】
2020年

【原題】
AU HASARD BALTHAZAR

【原作】
ドストエフスキー『白痴』より

【監督・脚本】
ロベール・ブレッソン

【撮影】
ギラン・クロケ

【美術】
ピエール・シャルボニエ

【音楽】
シューベルト、ジャン・ヴィーネル

【キャスト】
アンヌ・ヴィアゼムスキー、フランソワ・ラファルジュ、フィリップ・アスラン、ナタリー・ジョワイヨー、ヴァルター・グリーン、ジャン=クロード・ギルベール、ピエール・クロソフスキー、ロバのバルタザール

【4Kリマスター カラーグレーディング】
クリスティアン・ボスケ

映画『バルタザールどこへ行く』のあらすじ

(C)1966 Argos Films – Parc Films – Athos Films – Svensk Filmindustri

ピレネーの小さな村に住む幼い少女マリーは、生まれたばかりのロバにバルタザールと名付けてかわいがっていました。

10年後、バルタザールは鍛冶屋の苦役に使われていましたが、その苦しさに耐えかねて逃げ出し、マリーのもとへと向かいます。

成長したマリーは再会を喜び、バルタザールを連れて歩きますが、彼女に思いを寄せるジェラールは嫉妬し、バルタザールを痛めつけ…。

映画『少女ムシェット』について

(C)1967 Argos Films – Parc Films

ベルイマン、タルコフスキー、ジャームッシュら多くの映画監督たちを魅了した、ブレッソンの問題作にして伝説の一作

ロベール・ブレッソンが傑作『バルタザールどこへ行く』の直後に手がけた長編8作目にあたる本作は、またも一人の少女の悲運な運命をまざまざと描きだします。

原作はカトリックの作家ジョルジュ・ベルナノスの小説。

ブレッソンは、これ以上ない厳格なフレーミングと、俳優たちの演技を最小限に抑制することにより、欺瞞に満ち、冷酷さを隠し持つ現実世界を映し出しました。

絶望の淵にたちながらも反抗心を秘めた少女ムシェットを演じたのは、この映画のために抜擢されたナディーヌ・ノルティエ。

鮮烈な印象を残すラストシーンは多くの監督たちを魅了し、映画史に残る名場面として今も語り継がれています。

映画『少女ムシェット』の作品情報

(C)1967 Argos Films – Parc Films

【製作】
1967年(フランス映画)

【4K版日本公開】
2020年

【原作】
ジョルジュ・ベルナノス『新ムシェット物語』

【原題】
MOUCHETTE

【監督・脚本】
ロベール・ブレッソン

【撮影】
ギラン・クロケ

【美術】
ピエール・ギュフロワ

【音楽】
クラウディオ・モンテヴェルディ、ジャン・ヴィーネル

【キャスト】
ナディーヌ・ノルティエ、ジャン=クロード・ギルベール、マリー・カルディナル、ポール・エベール、ジャン・ヴィムネ、マリー・ジュジーニ

【4Kリマスター カラーグレーディング】
クリスティアン・ボスケ

映画『少女ムシェット』のあらすじ

(C)1967 Argos Films – Parc Films

フランスの片田舎に暮らす14歳のムシェットは、アルコール中毒の父親と病気の母親に代わって家を切り盛りさせられている上に、学校では同級生や教師から酷い扱いを受けていました。

そんな薄幸の少女の運命は、ある雨の夜、森の中で密猟者と出会ったことをきっかけに、さらなる悲惨な破滅へと向かって転がり落ちていき…。

まとめ

『バルタザールどこへ行く』(C)1966 Argos Films – Parc Films – Athos Films – Svensk Filmindustri

巨匠ロベール・ブレッソンによる、映画史に輝く至高の傑作『バルタザールどこへ行く』と、孤独で、惨めで、あまりに哀れな少女の受難劇『少女ムシェット』が4Kリストア・デジタルリマスター版として、スクリーンに蘇ります。

なお、一部の劇場を除き、上映は4Kリストア・デジタルリマスター版から変換された2K上映となりますので、上映される劇場にてご確認ください。

映画『バルタザールどこへ行く』と『少女ムシェット』は、2020年10月30日(金)より、新宿シネマカリテほか全国順次公開です。

関連記事

新作映画ニュース

『モーターギャング』あらすじキャスト。【未体験ゾーンの映画たち2019】での日本公開が決定!

映画『モーターギャング』2019年4月5日(金)公開決定 映画『モーターギャング』の公開が、ヒューマントラストシネマ渋谷にて開催中の“未体験ゾーンの映画たち2019”にて4月5日より決定しました。 あ …

新作映画ニュース

草彅剛×内田英治監督が映画『ミッドナイトスワン』ファンへ感謝のメッセージ!記者会見で語られる秘話とは

映画『ミッドナイトスワン』が2020年年9月25日(金)よりロードショー。 草彅剛主演、内田英治監督オリジナル脚本映画『ミッドナイトスワン』が2020年9月25日(金)より公開中です。 本作は、トラン …

新作映画ニュース

映画『ボストン市庁舎』あらすじ/公開日/上映館。フレデリック・ワイズマン監督最新作のドキュメンタリーは故郷の“市役所”を描く

『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』フレデリック・ワイズマン監督作! ドキュメンタリー映画の名匠フレデリック・ワイズマン監督が⽣まれ故郷ボストンの“市役所”を描く最新作『City Hall』( …

新作映画ニュース

映画祭『レインボー・リール東京2021』開催日/上映劇場。東京と大阪にて世界中のLGBTQ作品の祭典第29回目が開催決定

世界中のLGBTQ映画を上映する映画祭。 2021年の会期・会場が決定。 2021年は第29回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)が開催されます。 第29回にあたる2021年は、シ …

新作映画ニュース

少女時代ユナ映画『EXIT』あらすじとキャスト。韓国ヒット作の公開日が11月22日に決定!

今夏、韓国で940万人以上動員した大ヒットサバイバル・パニック映画! 韓国にて韓国で、2019年7月31日に公開され、あの『ライオン・キング』を抑え初登場第1位を記録、940万人以上を動員し、現在も大 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学