オープニング作品とクロージング作品が発表!
2021年で16回目を迎える大阪アジアン映画祭。この度、オープニング作品とクロージング作品が発表されました。
オープニング作品に、香港映画界の巨匠、アン・ホイ監督の素顔を通して、生きることの⼒を描き出したドキュメンタリー『映画をつづける』(原題:好好拍電影/英題:Keep Rolling)が決定し、2021年3月5⽇(⾦)梅田ブルク7にて⽇本初上映します。
また、クロージング作品には、池松壮亮主演、石井裕也監督・脚本の日本映画『アジアの天使』が決定。2021年内の全国公開に先がけ、3月14日(日)に世界初上映します。
オープニング作品『映画をつづける』について
香港のアカデミー賞である香港電影⾦像奨で『桃さんのしあわせ』(2011)、『⻩⾦時代』(2014)などの作品により最優秀監督賞に6度輝くなど、香港映画界の代表的存在であるアン・ホイ。
本作では、70年に及ぶ彼⼥の⼈生を、豊富な映像資料と、家族や映画界の錚々たる⾯々へのインタビューで振り返り、彼⼥の素顔を通して生きることの⼒を描き出します。
キャリアの中で多くの浮き沈みを経験してきたアン・ホイですが映画への愛と信念は変わりません。常に市場の⼈々と同じ目線でいるアン・ホイは、これからも香港の⼈々のため“映画をつづける”と決意を語ります。
1947年、中国⼈の⽗、日本⼈の⺟のもと中国東北地⽅で生まれたアン・ホイは、祖⽗⺟の住むマカオで幼少時代を過ごした後、1952年、家族で香港に移住。
イギリスで映画を学んだ後、香港に戻り、武侠映画の巨匠、キン・フー(胡⾦銓)の助監督を務めます。その後、テレビ局で手がけた社会派ドラマなどで頭角を現し、⻑編映画初監督作『シークレット』(瘋劫/1979)が香港映画界に衝撃を与え、香港ニューウェイブの旗手の1⼈となります。
以後、幅広いジャンルで数々の作品を手がけ、2020年ヴェネチア映画祭では生涯功労賞の⾦獅⼦賞を受賞。
本作は、エネルギッシュに指導する彼⼥の撮影現場の姿を追う一⽅で、⺟親との慎ましやかな日常生活を映し出します。
またインタビューでは、ツイ・ハーク(徐克)、ホウ・シャオシェン(侯孝賢)、フルーツ・チャン(陳果)、ティエン・チュアンチュアン(田壮壮)、ジャ・ジャンクー(賈樟柯)など中華映画界の重鎮のほか、シルヴィア・チャン(張艾嘉)、アンディ・ラウ(劉徳華)などアン・ホイの作品には初期から出演し、彼⼥と親交の深い俳優が登場。
監督を務めるのは、ベテランの美術監督・衣装デザイナーとして、ツイ・ハーク、スタンリー・クワン(關錦鵬)、シルビア・チャン、パン・ホーチョン(彭浩翔)などの作品に参加してきたマン・リムチョン。
アン・ホイ監督とは『⻩⾦時代』を含めた3作で 2002年からタッグを組み、本作で監督デビューを果たしました。
⾳楽には大友良英も名を連ねています。なお、本作は 2020年香港国際電影節オープニング作品に選出されていましたが、当映画祭は現地での感染再拡大を受け、開催中止に追い込まれました。
映画『映画をつづける』の作品情報
【日本公開】
2021年(香港映画)
【原題】
好好拍電影
【監督】
マン・リムチョン(⽂念中)
【キャスト】
アン・ホイ(許鞍華)
クロージング作品『アジアの天使』について
監督を務めるのは、『舟を編む』(2013)で日本アカデミー賞監督賞を最年少で受賞、『夜空はいつでも最⾼密度の⻘⾊だ』(2017)でアジア・フィルム・アワードのアジア最優秀監督賞を受賞するなど国内外から⾼い評価を受けている石井裕也。
本作では、石井監督が絶対的な信頼を置く池松壮亮を『映画 夜空はいつでも最⾼密度の⻘⾊だ』に続いて主演に起用。
そして池松の兄役を、石井監督作を含む数々の作品に個性派俳優として出演し、韓国でも絶大な人気を誇るオダギリジョーが演じます。
韓国映画界からは、⻑編初主演作『⾦子⽂子と朴烈』(2017)で圧倒的な演技を披露し、『アワ・ボディ』(2018)で第23回釜⼭国際映画祭「今年の俳優賞」を受賞した実⼒派⼥優、チェ・ヒソが参画。
また、撮影監督にキム・ジョンソン(『ムサン日記〜⽩い⽝』(2010))、音楽監督にパク・イニョン(『嘆きのピエタ』(2012))が参加するなど、95%以上のスタッフ・キャストが韓国チーム、オール韓国ロケに挑んだオリジナル作品となります。
2020年2月から3月にかけての撮影では、コロナによる懸念事項が次々生まれるなか、スタッフたちの努⼒により奇跡的に無事クランクアップできたという。
それぞれが心に傷を持つ、日本と韓国の家族がソウルで出会い、新しい家族の形を模索する人間ドラマ。誰も⾒たことのない「アジアの家族映画」が誕生しました。
映画『アジアの天使』の作品情報
【日本公開】
2021年(日本映画)
【監督・脚本】
石井裕也
【キャスト】
池松壮亮、チェ・ヒソ、オダギリジョー、キム・ミンジェ、キム・イェウン
【あらすじ】
ひとり息子の学(8)を持つ⻘⽊剛(池松壮亮)は、病気で妻を亡くし、疎遠になっていた兄(オダギリジョー)が住むソウルへ日本から逃げるように渡りました。
「韓国で仕事がある」と兄から告げられていた剛だったが、兄の生活はその日暮らしで貧しく、想像していたものとは違っていました。
ほとんど韓国語も話せない中、剛は怪しい化粧品の輸入販売を手伝う羽目に。
⼀⽅、ソウルでタレント活動を⾏っているが、市場のステージで誰も聞いていない歌を歌う仕事しかないチェ・ソル(チェ・ヒソ)は、所属事務所の社⻑と関係を持ちながら、⾃分の歌を歌えない環境やうまくいかない兄や妹との関係に心を悩ませていました。
しかし、その時彼らはまだ知りません。事業に失敗した⻘⽊と兄、学たちと、資本主義社会に弾かれたソルと兄、妹たち、どん底に落ちた2つの家族が共に運命を歩んでいき、奇跡を目の当たりにすることを…。
まとめ
2021年2月28日(日)から3月20日まで開催される第16回大阪アジアン映画祭。
オープニング作品のドキュメンタリー『映画をつづける』は、2021年3月5⽇(⾦)梅田ブルク7にて⽇本初上映です。
また、クロージング作品の映画『アジアの天使』は、2021年3月14日(日)に世界初上映します。