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Entry 2020/07/23
Update

若手映画監督を応援する新配給レーベル《MAP+Cineamgo》とは?劇場公開作とおすすめ紹介動画サイトも同時スタート!

  • Writer :
  • 石井夏子

新鋭インディーズ映画作家の注目作が目白押し!!

新規映画配給レーベル《MAP+Cineamgo》が旗揚げとなり、公開ラインナップ作品が発表されました。

新型コロナウイルスによる自粛の中、全国の劇場が一時休館となり 、#SaveTheCinema「ミニシアターを救え!」プロジェクトや「ミニシアター・エイド基金」など、映画文化を守ろうとする動きに注目が集まった2020年5月、新鋭インディーズ映画作家たちを後押しする新たな配給レーベル《MAP+Cinemago》が立ち上がりました。

その配給第一弾として2020年7月11日より大塚信一監督作『横須賀綺譚』が公開

また同時に最新映画のおすすめ情報と、アーカイヴを目的とした動画メディア【マゴチャン MOVIE A GO GO】もスタート。映画鑑賞の手引きとなる「インタビュー・映画解説・エンタメ生配信」の3つを提供していきます。

配給レーベル《MAP+Cineamgo》とは?

参考動画:ビー・ガン監督作『凱里ブルース』

映画感想レビュー&考察サイト「Cinemarche」を立ち上げ、映画ビー・ガン監督の話題作『凱里ブルース』(配給:リアリーライクフィルムズ他)を皮切りに配給事業に進出を始めた「Cinemago」代表・出町光識と、これまでアルゴ・ピクチャーズで数々の日本映画を手がけ、ベトナム映画『サイゴン・クチュール』や『ソン・ランの響き』などの作品を配給してきた、「ムービー・アクト・プロジェクト(MAP)」の代表・熊谷睦子

ふたりは、コロナ禍の自粛を強いられた期間に「ジャパニーズ・インディペンデント映画の未来のために自分たちに何ができるか?」について頻繁に意見を交わしてきました。

そして当初より、熊谷が「MAP」の目標として掲げてきた「映画の作り手、観客を育てる」「充実した製作環境を整える」「地域との連携」等といった【映画の「場」づくり】に出町も共感をします。

出町自身も、近年各地の映画祭に足を運び、監督としての才能を持った映画作家に何か応援したいと声をかけ続けていました。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019では、芳賀俊&鈴木祥監督『おろかもの』(観客賞)と出会い、第15回大阪アジアン映画祭ではアンシュル・チョウハン監督『コントラ』(最優秀男優賞:間瀬英正)の作品性の高さに惚れ込み、歓喜した出町。

こうして熊谷と出町がインディーズ映画の配給レーベル《MAP+Cineamgo》としてタッグを組むことで、世界で活躍していく映画作家を、更に後押ししていくことを目標に活動していくことを決めました。

また共同で立ち上げた、Youtubeチャンネル「マゴチャン MOVIE A GO GO」では、映画鑑賞の手引きとなる、【インタビュー・映画解説・エンタメ生配信】の3つを提供

最新映画のおすすめ情報と、アーカイヴを目的とした動画メディアとして、いずれは過去作も含めたインディーズ作家たちのための総合サイトを目指し、まずは『横須賀綺譚』の監督・キャストインタビューや、予告動画を解禁しています。

Youtubeチャンネル「マゴチャン MOVIE A GO GO」こちらからご覧いただけます。

《MAP+Cineamgo》の劇場公開ラインナップ

映画『宮田バスターズ(株)大長編』 特報予告動画

インディーズ映画配給レーベル《MAP+Cinemago》が提供する、世界に羽ばたく新鋭監督揃い踏みの劇場公開ラインナップをご紹介します。

【第1弾】
『横須賀綺譚』(監督:大塚信一)2020年7月11日(土)より、新宿K’sシネマほか全国順次公開中。

【第2弾】
『おろかもの』(監督:芳賀俊、鈴木祥)、2020年秋テアトル新宿/シネ・リーブル梅田(田辺・弁慶映画祭セレクション2020)にて公開。

【第3弾】
『コントラ』(監督:アンシュル・チョウハン)は、2021年春新宿K’sシネマほか全国公開予定。

【その他】
『宮田バスターズ(株)大長編』 (監督:坂田敦哉)、『カラガラ』他森田博之監督作品特集、井上森人監督の待望の長編・特撮怪獣映画など、公開に向けて制作進行中。

映画『横須賀綺譚』と《MAP+Cineamgo》

映画『横須賀綺譚』予告動画

大塚信一監督が5年の歳月をかけた監督デビュー作『横須賀綺譚』は、東日本大震災を背景に、記憶の改ざんや存在の不確かさを描いたヒューマンミステリー

当初は2020年5月2日公開予定でしたが、コロナ禍による映画館の営業自粛により、公開延期。

そんな中、ラーメン屋に勤めながら映画をつくってきた大塚監督が、独力で劇場交渉や宣伝を進めていました。

そこに、新たに旗揚げしようとしていたインディーズ映画配給レーベル《MAP+Cinemago》の共同代表の出町光識が、テーマの明確さや映画表現力の高さに「いま正に求めてるインディーズ映画だ!」と、急遽配給作品第一弾に決定

監督と共に劇場公開に向けて準備を進め、2020年7月11日より無事に劇場公開を果たしました。

大塚信一監督のコメント

大塚信一監督のツイッター

この度、「MAP+Cinemago」の第一回配給作品となり嬉しく思っています。その経緯は電撃でした。7月11日の公開を控え、自粛期間が明けた6月1日から自主配給の宣伝活動を再開した僕に、レビューサイトの出町さんから電話がありました。一頻り、作品が気に入ったことを話された後、「配給」を請け負いたいと打診されたのです。公開の一ヶ月前です。
上映素材は既にDCP化しており「MAP+Cinemago」のロゴを入れる時間もお金もありません。それでもやる、と。作品を気に入り、横須賀綺譚を全国に広める使命に燃えていました。作品第一の情熱と、業界に新しい風を吹かせようとする熱意に打たれ、配給をお願いしました。

《MAP+Cinemago》共同代表・出町光識のコメント

2021年春にK’sシネマにて公開予定の『コントラ』
アンシュル・チョウハン監督と茂木美那プロデューサー
《MAP+Cinemago》共同代表・熊谷睦子と出町光識

映画の魅力の一つは、「人が人を撮る」ということ。被写体に恋し、それらと共犯関係と結んだ先に、お互いの存在がボーダレスになる魅力がある。
インディーズ映画には、映画作家の熱量が如実に現れる。社会に対する鋭い眼差し、独自のアート感覚が、純度の高い作品を生み出す。映画作品がうねりを持ち、「自由」へと解放されていく。
作品を世に送り出す映画作家は、あたかも四角いリングの中央で立ち続ける格闘家だ。現代社会に挑む闘志に燃えた作家達のセコンド(配給)役を務めたい。この提案に真摯に耳を傾けてくれたのは、「MAP」の熊谷睦子さんだけだった。
いま新たに「MAP+Cinemago」として、多種多様な「ファイティング・スタイル」を考案し、格闘し続ける映画作家たちに寄り添っていく。それが「MAP+Cinemago」の使命だと考えている。

《MAP+Cinemago》共同代表・熊谷睦子のコメント

この度、出町光識さんからお声がけを受けインディーズ映画配給レーベルを立ち上げたのは、これまでアルゴ・ピクチャーズで20年、日本映画を中心に多くの映画配給宣伝などに関わる中で、映画界を支えリードして来た方々の後ろ姿を見ながら、また同世代の製作者と並走しながら、新たな時代の中で、自分に何ができるだろう?と考えたことでした。
フィルムからデジタルに移行し、国境を越えて多くの作家たちが交流しやすい状況になる中、日本にいる若手作家たちがもっと自由に、のびのびと製作に専念するために【映画の場づくり】をしていかないとダメになるという危機感をずっと感じていたからです。特にコロナという厄災は、映画館という映画を発表する場を一時奪いました。ですが、その光を消すことなく、上映を続けた劇場があったということから勇気をもらいました。
「映画は無くならない」それだけを信じて、ここから新たな光を発信することを誓います。

映画『横須賀綺譚』の作品情報


(C)横須賀綺譚 Shinichi Otsuka

【公開】
2020年(日本映画)

【監督・脚本】
大塚信一

【キャスト】
小林竜樹、しじみ、川瀬陽太、長内美那子、湯舟すぴか、長屋和彰、烏丸せつこ

【作品概要】
本作の主人公である何事にも執着を持たない青年・春樹役を演じたのは、中川龍太郎監督の『走れ、絶望に追いつかれない速さで』などに出演の小林竜樹。

その別れた恋人であり、辛い過去の記憶を失った女性・知華子には今泉力哉監督の『終わってる』でヒロインを勤めたしじみ。

脇を固める共演者にはメジャー作品からマイナー作品まで広く活躍し、演技派俳優として知られる川瀬陽太はじめ、かつて昼メロのヒロイン女王と呼ばれた長内美那子、また烏丸せつこも重要な役柄を魅力的に演じています。

監督の大塚信一は、20代で長谷川和彦監督に師事。本作品で2019カナザワ映画祭「期待の新人監督」にエントリーされ好評を得、遂に劇場デビューを果たしました。

映画『横須賀綺譚』のあらすじ

(C)横須賀綺譚 Shinichi Otsuka

結婚目前だった春樹と知華子は、知華子の父親が要介護になったため、別れることになりました。

春樹は知華子との生活と東京での仕事を天秤にかけ、仕事の方を選んだんです。

それから震災を挟み9年後、被災して亡くなったと思われていた知華子が「生きているかもしれない」との怪情報を得た春樹は、半信半疑のまま、知華子がいるという横須賀へと向かいますが…。

まとめ

画像:アンシュル・チョウハン監督作『コントラ』

(C)2020 Kowatanda Films

この度、新たな配給レーベル《MAP+Cineamgo》が立ち上がり、その第一弾として大塚信一監督作『横須賀綺譚』が2020年7月11日より新宿K‘s cinemaにて公開されました。

映画『横須賀綺譚』は、浜シネマリン、シネマスコーレ、シアターセブン、京都みなみ会館、神戸・元町映画館、小山シネマロブレ、横川シネマ、岡山シネマ・クレールでの上映も決定しています。

今後も『おろかもの』(監督:芳賀俊、鈴木祥)『コントラ』(監督:アンシュル・チョウハン)『宮田バスターズ(株)大長編』(監督:坂田敦哉) などの配給が決定している《MAP+Cineamgo》にご注目ください!






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