Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2020/10/16
Update

映画『彼女はひとり』キャスト/劇場公開日/上映館。黒沢清・森崎ウィンのおすすめコメントも紹介!

  • Writer :
  • 石井夏子

映画『彼女はひとり』は田辺・弁慶映画祭セレクション2020で上映。

テアトル新宿にて2020年11月20日(金)から開催される田辺・弁慶映画祭セレクション2020。

田辺・弁慶映画祭セレクション2020にて、『中川奈月監督特集上映 4DAYS』と称し、2020年11月29日(日)から4日間、中川奈月監督の⻑編デビュー作『彼女はひとり』などがレイトショー上映されます。

上映に際し、中川奈月監督の恩師に当たる黒沢清監督、諏訪敦彦監督、また、『リング0』『おろち』鶴田法男監督、『本気のしるし』主演の森崎ウィン、『Dressing Up』『蒲田前奏曲』安川有果監督らより、本作を讃える応援コメントが到着しました。

映画『彼女はひとり』について

本作『彼女はひとり』は、カンヌ国際映画祭2020に選出、絶賛された深田晃司監督『本気のしるし』にて、森崎ウィン演じる辻一路を翻弄する同僚、みっちゃんを演じた福永朱梨の主演作です。

誰にも愛されない孤独と悲しみから、他人を傷つけ、暴走していく澄子を福永朱梨が繊細、かつ圧倒的な力で演じ、田辺・弁慶映画祭2019では俳優賞を受賞

澄子に執拗に責められる秀明を、『きらきら眼鏡』主演、大河ドラマ『麒麟がくる』に浅井⻑政役に選ばれた金井浩人が演じています。

監督の中川奈月は、立教大学大学院にて篠崎誠監督に師事し、修了製作としてこの作品を撮影

学生映画かつ初⻑編にも関わらず、脚本の面白さが認められ、黒沢清監督、深田晃司監督、沖田修一監督の作品などを多く手掛ける芦澤明子キャメラウーマンが参加。作品の完成度を一層高めています。

映画『彼女はひとり』応援コメント紹介

画像:『彼女はひとり』メイキング風景

黒沢清(映画監督)のコメント

恋に悩む高校生たちの物語だと思って見ていたら、⻘春という言葉からはるか隔たった、あまりにもダークで狂気的な世界観に震撼していた。これは凄い。少なくとも日本映画で、このレベルに達した学園ドラマを私は他に知らない。

諏訪敦彦(映画監督)のコメント

破壊することでしか触れることができない世界を生きる、その絶対的な孤独こそが世界=映画を再生させるはずだという覚悟が全編に漲っている。そして「彼女はひとり」ですべてを敵に回し、否定することで世界を抱きしめるという離れ業を堂々とやってのけるのだ。驚嘆した。

森崎ウィン(俳優)のコメント

こんなにドキドキした1時間、味わった事がない。ストーリー運び、俳優が吐く言葉、凄く好きです。脚本が欲しい。女優、福永朱梨さん、素敵過ぎました。本人には恥ずかしくて直接言えないのですが、そう強く思えた作品に出会えました。

根矢涼香(女優)のコメント

福永朱梨さん演じる澄子の、時折訴えかける眼の奥の寂しさに心が消え入りそうになる。
皆が皆、好き勝手に吐き出して、散らかして、残されたものは顧みずに踏みつけて歩いていく。
誰もこの声など聞こえていない、見ていない。
どこにもいない。幽霊はどちらかわからない。
引っ掻き回された世界で目を回さずに歩くために、世界をかき回し直す彼女の視界は、明るくなるどころか依然混沌として、
周囲を巻き込みながら淀んだ川の底へと、ゆっくり沈んでゆく

鶴田法男(映画監督)のコメント

死の淵から帰還した少女が、ある町のおぞましい人間関係を暴いて崩壊させていく。イーストウッドの『ペイルライダー』と横溝正史の世界が出会ったようなおぞましい物語なのに、若い女性監督が作った爽快なまでのギャップに度肝を抜かれる必見作!

まつむらしんご(映画監督)のコメント

ひとりの少女の復讐劇にみえる。
彼女の動機が徐々に明かされる綿密な脚本。
行き場のない孤独と苛立ちを一瞬で伝える俳優の眼差し。
ヘビーな世界観に一筋の光を差し込む繊細な演出。
あえて一言でまとめるなら…傑作。

安川有果(映画監督)のコメント

「彼女はひとり」、冷たくて突き放した響きのするタイトルだと思ったけど、そうではなかった。
彼女が周囲の偽善を暴き、拒絶し、破壊すればする程、カメラがその孤独に寄り添って、変化の兆しが訪れるのをじっと見守っているようだったのが心に残った。
このとんでもない映画を初めての⻑編で撮ってしまった中川監督は、一体今後どうなってゆくのだろうかとちょっと心配になる。

映画『彼女はひとり』の作品情報

【劇場公開】
2020年(日本映画)

【脚本・監督】
中川奈月

【キャスト】
福永朱梨、金井浩人、美知枝、山中アラタ、中村優里、三坂知絵子、櫻井保幸、榮林桃伽、堀春菜、田中一平

映画『彼女はひとり』のあらすじ

高校生の澄子(福永朱梨)はある日橋から身を投げましたが、死ねずに生還してしまいました。

学校に戻ってきた澄子は、幼馴染の秀明(金井浩人)が教師である波多野(美知枝)と密かに交際していることを知り、秀明を執拗に脅迫し始めます。

その行為は日々エスカレート。そこには澄子が身を投げた理由、秀明との過去に関わる、ある少女の幻影があって…。

まとめ

本作『彼女はひとり』は、田辺・弁慶映画祭 2019にて、主演の福永朱梨が俳優賞を受賞。また、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018では国際コンペティション部門に唯一の日本映画として選出され、SKIPシティアワードを受賞。

TAMA NEW WAVE2019ある視点部門、ドイツニッポンコネクション2019での上映など、国内外多数の映画祭で注目されている話題作です。

『中川奈月監督作品特集上映4DAYS』は、2020年11月29日(日)から4日間、テアトル新宿にてレイトショーで開催。

期間中は、『彼女はひとり』のほか、東京藝術大学在学時に撮影された2作品⻘木柚主演の短編『昼の迷子』(11月30日併映)、本年のニューヨークジャパンカッツ2020、ニュージェネレーション部門に選出された新作⻑編、田中佐季主演『夜のそと』(12月1日単独上映)も上映されます。


関連記事

新作映画ニュース

スティーヴ・カレルが実在のカメラマンを演じた映画『マーウェン』。予告編とビジュアル紹介!

ロバート・ゼメキス監督が映画化を熱望した、知られざる感動の実話。 (C)2018 UNIVERSAL STUDIOS ヘイトクライム(憎悪犯罪)の被害者で、障害を抱えながらも独自の世界観でカメラマンと …

新作映画ニュース

映画『アングスト/不安』あらすじ/キャスト/公開日。ガチ怖すぎて上映禁止の実話スリラーが日本の劇場に初上陸!?

世界各国で上映禁止された常軌を逸した実話。 本物の《異常》がいま、放たれる。 あまりにも”異常“かつ、あまりにも”危険”な傑作映画が1983年、それまでジャンル映画が存在しなかったオーストリアで突然変 …

新作映画ニュース

中村倫也が奇跡を起こした映画『長いお別れ』の本編映像解禁!中野量太監督の撮影秘話も

“持ってる男”中村倫也が起こした奇跡とは 中野量太監督が、中島京子の同名小説を映画化した『長いお別れ』が2019年5月31日(金)に全国ロードショーとなります。 蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山﨑努と …

新作映画ニュース

韓国映画『暗数殺人』『未成年』あらすじ。キャストと監督をキム・ユンソクが務めた2作品の公開情報!

『チェイサー』『1987、ある闘いの真実』の名優 キム・ユンソク。 主演作品&監督作品が2ヶ月連続公開。 この度、名優キム・ユンソク主演で贈る英題『Dark Figure of Crime』が邦題『暗 …

新作映画ニュース

映画『サイゴン・クチュール』あらすじとキャスト。公開日は12月21日のファッションエンタメ!

全ての女の子に捧ぐ、カワイイがつまったビタミン・ムービー。 全ての女子が元気になれる!女性トップクリエイターたちが送るパワフルでキュートなファッション・ファンタジー『サイゴン・クチュール』が遂に日本上 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学