一年間に渡る自主上映活動で話題を呼んだラッパーのリアル・ドキュメンタリーがついに劇場公開。
兵庫県神戸市出身のラッパー、小林勝行。
2011年に発表した1stアルバム熱狂的な支持を集めた彼が、自身の宿痾である躁鬱病や隔離病棟での体験、障がい者介護に従事する日常、信仰する宗教のことなどをテーマにした2ndアルバムを発表するまでに密着した、6年間の記憶の記録を収めた映画『寛解の連続』。
映画『寛解の連続』は2020年5月23日(土)より5月29日(金)まで有料配信にて公開、2020年夏ごろに神戸・元町映画館にて公開されます。
映画『寛解の連続』について
寛解(かんかい)とは、病気の症状や徴候が一時的に軽快した状態、あるいは見かけ上、消滅して正常な機能に戻った状態のこと。
本作『寛解の連続』は制作に6年の歳月をかけ、不世出のラッパー、小林勝行の人生と創作に焦点を合わせました。
監督を務めたのは本作が長編初監督作となる光永惇。
映画製作を一人で開始し、監督、撮影、編集、プロデューサー、全てをDIYで貫徹した光永監督。
彼をそこまで突き動かしたのは、小林勝行の音楽への惜しみないリスペクトと、ともに過ごした時間の重みでした。
ラッパーのアルバムのメイキング・ドキュメンタリーとして出発した『寛解の連続』は、軽自動車で小林勝行の記憶をめぐる旅に同行するうち、カメラを、観客を、思いもよらぬ地平に連れて行きます。
ラッパー・小林勝行のプロフィール
本作の主演であり、ラッパーの小林勝行 (こやし・かつゆき)は1981年生まれ、兵庫県神戸市出身。
活動初期から発表曲自体は少ないながらも、ハードかつ叙情的な関西弁ラップで日本ヒップホップシーンに爆発的なインパクトを残してきました。
2011年に満を持して1stアルバム『神戸薔薇尻』を発表し、特にアルバム一曲目、8分58秒に及ぶ大作“108bars”が大きな話題に。
犯罪や狂気の渦中にありつつも、仄かに見える希望を捨てきれない若き詩人の咆哮は、日本ヒップホップが生んだひとつの叙事詩として高く評価されました。
2017年に待望の2ndアルバム『かっつん』を発表。
自主制作、自主流通のこのアルバムは、精神病院の入院体験を楽しげに歌う“from 隔離室”や、自身のボールペンを擬人化し、どんな逆境でも作詞を続けていくことを誓う“オレヲダキシメロ”などを収録し、これまでよりも更にパーソナルな内容となっています。
監督・光永惇のプロフィール
本作で撮影・編集・監督・プロデューサーを務めた光永惇 (みつなが・じゅん)は1991年生まれ、東京都板橋区出身。
大学在学中よりピンク映画助監督、脚本助手などを経験。
その後ミュージックビデオ制作などを経て、初長編作品『寛解の連続』を発表しました。
光永惇監督のコメント
現実と虚構の境い目などとっくの昔に消失してしまったこの世界で、なおも力強く「真実」をラップする小林勝行は現代のドン・キホーテであり、このドキュメンタリー“主演”に他ならない。そんな騎士にときに共感し、ときに呆れつつもついて回る“監督”の僕はさしずめ従者サンチョ・パンサである。
『寛解の連続』が『ドン・キホーテ』の遍歴の旅のように、ときに悲惨な目に遭いながらも末長く続いていくことを願う。
映画『寛解の連続』の作品情報
【日本公開】
2020年(日本映画)
【撮影・編集・監督・プロデューサー】
光永惇
【音響】
小林宏信
【キャスト】
小林勝行、市和浩
映画『寛解の連続』のあらすじ
兵庫県神戸市出身のラッパー、小林勝行。
2011年に発表した1stアルバム『神戸薔薇尻』で日本の地方都市に生きるアウトローの半生を生々しく描き、一部批評家やリスナーから熱狂的な支持を集めます。
彼は、その後の活躍を期待されていた矢先、活動を休止。
それから数年後、小林勝行とカメラマンの光永惇は彼の入院していた精神病院に来ていました。
小林勝行が自身の抱える躁うつ病や隔離病棟での体験、障がい者介護に従事する日常、信仰する宗教のことなどをテーマにした 2nd アルバム『かっつん』を発表するまでに密着した、記憶の記録。
まとめ
兵庫県神戸市在住、躁うつを生きるラッパー、“小林勝行”。その創作=生活に密着したラディカル(徹底的)・ドキュメンタリー『寛解の連続』。
小林勝行という一人のラッパーの記憶は、いつしか神戸という街の記憶にオーバーラップし、絶望も希望も真剣に語るその表情は、鏡のように観る者を映し出していきます。
映画『寛解の連続』は2020年5月23日(土)より1週間限定有料配信、夏ごろに神戸・元町映画館にて上映です。
有料配信についての詳細は映画『寛解の連続』配信ページにてご確認ください。