名優・市川右太衛門が袖を通した絢爛豪華な衣裳や貴重な映画資料の数々・・・
東京の美術館で初となる大回顧展!
企画展「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」が、2023年7月1日(土)から東京ステーションギャラリーにて開催します。
本展は甲斐荘楠音の26年ぶりとなる回顧展です。これまで知られてきた妖艶な絵画作品はもとより、スクラップブック・写真・写生帖・映像・映画衣裳・ポスターなど、甲斐荘に関する作品や資料のすべてを等しく展示します。
CONTENTS
甲斐荘楠音の回顧展について
大正から昭和初期に日本画家として活躍した異才・甲斐荘楠音(かいのしょう ただおと/1894~1978)。
彼は美醜相半ばする人間の生々しさを巧みに描写した日本画家として近年再び高い評価を受けるようになりました。
京都の画壇を離れ、1940年初頭に衣裳・風俗考証家として映画界へ転身した甲斐荘は、東映時代劇黄金期に大スター市川右太衛門が出演した数々の映画で衣裳デザインを手がけました。その数はなんと150領以上!
2019年、東映京都撮影所内で永年大切に保管されてきたそれらの衣裳について、東映経営戦略部フェローの山口記弘が国際日本文化研究センターの協力を得て調査を重ね、一般に情報を公開しました。
これまでは絵画のみが評価されてきた甲斐荘ですが、衣裳の情報公開が契機となり、枠にとらわれず映画や演劇でもその才能を発揮した「越境性」をフィーチャーする回顧展が1997年以降26年ぶりに開催されることとなりました。
東京の美術館では初の本格的な回顧展となります。
本展では、これまで知られてきた妖艶な絵画作品はもとよりスクラップブック・写真・写生帖・映像・映画衣裳・ポスターなど、甲斐荘に関する作品や資料のすべてを等しく展示し、画家として、映画人として、演劇に通じた趣味人として――さまざまな芸術を越境する「複雑かつ多面的な個性をもった表現者」として甲斐荘を再定義します。
衣裳展示の見どころ
芝居を愛し、人間の形の美を超えた生命の美を捉えたいと考えた甲斐荘の後半生は、古今の美術や衣裳風俗に関する見識を買われ、時代劇映画の風俗考証で花開きます。
そして画家ならではのセンスで、美男美女たちが演じるドラマを彩る華やかな衣裳のデザインを手がけました。
1953年、ベネチア映画祭において、銀獅子賞を獲得した巨匠・溝口健二監督の『雨月物語』で風俗考証を担当した甲斐荘自身がアカデミー賞衣裳部門にノミネートされ、映画界で一躍脚光を浴びました。
特に市川右太衛門の代表作「旗本退屈男」シリーズ(1950年~1963年)では右太衛門の期待に応え、1956年に映像がカラーになると共に豪華絢爛な衣裳を数多くデザインし、東映は多額の予算を投じて衣裳を制作しました。
展覧会では「旗本退屈男」シリーズ19領の衣裳に加えて、大友柳太朗の『鳳城の花嫁』(1957年)、『丹下左膳』(1958年)、大川橋蔵『新吾十番勝負』(1959年)、そして市川右太衛門の息子である北大路欣也『徳川家康』(1965年)など、東映時代劇作品の貴重な衣裳、計27領が展示されます。
開催概要
【会期】
2023年7月1日(土)〜2023年8月27日(日)
会期中、展示替えをおこないます[前期7/1~7/30、後期8/1~8/27]
【会場】
東京ステーションギャラリー
東京都千代田区丸の内1-9-1(JR東京駅 丸の内北口 改札前)
【開催時間】
10:00~18:00(金曜日~20:00) *入館は閉館30分前まで
【休館日】
月曜日[7/17,8/14,8/21は開館]、7/18(火)
【観覧料】
一般1,400(1,200)円 高校・大学生1,200(1,000)円 中学生以下無料
*( )内は前売料金[6/1~6/30オンラインチケットで販売]
*障がい者手帳等持参の方は100円引き[介添者1名は無料]
【チケット販売】
前売券・当日券/オンラインチケット
当日券/当館1階入口
【主催】
東京ステーションギャラリー[公益財団法人東日本鉄道文化財団]、
日本経済新聞社
【協賛】
高砂香料工業
【特別協力】
東映、東映太秦映画村
【協力】
国際日本文化研究センター、京都日本文化資源研究所
※都合により開催内容が変更になる場合があります。
※本展は、京都国立近代美術館で開催(2023/2/11~4/9)の「開館60周年記念 甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」の巡回展です。内容は一部異なります。
※詳しくは、東京ステーションギャラリーの公式サイトをご覧ください。
まとめ
甲斐荘の知られざる後半生を物語る、昭和の銀幕を彩った映画衣裳が目白押し。映画ファンにとっては、往年のスターが着用した実物の衣裳を目の当たりに出来るまたとない機会です。
ぜひ足をお運びください!
企画展「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」は、2023年7月1日(土)から東京ステーションギャラリーにて開催です。