Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

映画『歯まん』あらすじとキャスト。先行上映トークイベントにゲスト石井裕也監督の絶賛コメントとは?

  • Writer :
  • 中村綾子

日本映画界の新たなる異才・岡部哲也監督の初監督作品『歯まん』は2019年3月2日よりアップリンク渋谷ほかで全国順次公開!

映画『歯まん』は“生と性と愛”がテーマのダークファンタジー。

自らの肉体の変化によって、愛する人を殺してしまった少女の悲痛な叫びから、愛とは何か?生きると何か?

普遍的な問いかけを観客に突き付けてくる作品です。

3月2日の公開に先立ち、特別先行上映がアップリンク渋谷にて行われ、上映後にはトークイベントも開催されました。

特別先行上映と上映後トークイベント


左から中村無何有、水井真希、岡部哲也監督、主演の馬場野々香(現:前枝野乃加)、小島祐輔、スペシャルゲストの石井裕也監督

2019年1月28日(月)に東京都渋谷のアップリンク渋谷で、特別先行上映が行われました。

19時30分から95分の上映が終了。その後のトークイベントには前枝野乃加、小島祐輔、水井真希、中村無何有、そして監督を務めた岡部哲也監督が登壇しました。

さらにスペシャルゲストとして、映画『町田くんの世界』の公開が控えている石井裕也監督が登壇。石井監督は『歯まん』の魅力をたっぷりと語りました。

主演女優はとても謙虚


(C)2015「歯まん」

石井監督から「なぜこの役を受けたんですか?」と尋ねられた映画初主演の前枝野乃加。

次のように岡部哲也監督の熱意について語りました。

「岡部監督の熱意に触れて、この人にならついていけると思った。観た人に「がんばったね」、「体張ってたね」と言って頂けることが多いんですが、私の頑張りよりも、監督が伝えたいことややりたいことが一番なので、監督の伝えたいことを表現できるようにとがむしゃらにやりました」

初主演でとても衝撃的なキャラクターを演じた前枝野乃加に、熱い岡部哲也監督の思いが伝わったということですよね。

スクリーンを通しても、きっと熱意も伝わるのではないでしょうか。

マルチな才能を見せた女優や共演者からも高評価


(C)2015「歯まん」

馬場野々香が演じるヒロインと相対する女性を演じた水井真希は、前枝野乃加について次のように語りました。

「すごく演技上手だったよ。もっと自分のことアピールしてください」

水井真希のこの発言に会場に詰めかけた客席からは、どっと笑いが上がりました。

(C)2015「歯まん」

ヒロインと衝撃のシーンを展開させる男性役の小島祐輔は、前枝野乃加の芝居を絶賛。

「岡部さんは自分をイメージして当て書きしてくださったので、自分自身はフラットに演じられました。自分の役よりヒロインの前枝さんがどうしたらもっと引き立つのだろうかと、彼女の演技を間近で見ていたので考えながら演じました」

小島祐輔は前枝野乃加との演技の掛け合いが、ごく自然にできたようですね。また小島自身でも、どう演じたら物語の中で互いに引き立つのか、考えを巡らせたようです。

謙虚な姿勢の岡部哲也監督

(C)2015「歯まん」

本作『歯まん』が監督作として初の全国公開となる岡部哲也監督。

「みんなが頑張って力を貸してくれて、撮影した時には考えられないようなたくさんの人に見てもらえるようになった」

キャストやスタッフを労った感謝の意を述べ、作品をアピールしました。

さらに絶賛コメントも寄せた石井裕也監督は、『歯まん』についての魅力を次のように語ってくれました。

「自主で自分の監督作をつくるということは、自分の生活や色々なものを削らなきゃできないこと。『歯まん』は大きい劇場では観られない特別なものを観られる映画。理不尽で横暴で、それでいてとても繊細な映画です」

石井監督は『歯まん』は大きい劇場では観られないと語り、“特別なものを観られる映画”と評価をしまいた。

また、“それでいてとても繊細な映画”とも付け加えているので、ますます映画『歯まん』の内容が気になりますね。

このようなやり取りのなか、岡部哲也監督やキャストを交えた熱弁もあって、場内の雰囲気もヒートアップ。

トークセッションの最後は、大きな拍手に包まれ『歯まん』のヒットを予感させる雰囲気に満ちたようでした。

岡部監督とスタッフ、また前枝野乃加はじめとしたキャスト陣、みんなで支えあって完成にこぎつけた作品だということが伝わってきますね。

岡部監督の熱意が俳優の演じる心にも火をつけ、キャストの熱演がスクリーンを通して観ている観客に伝わる、『歯まん』はそのような1本なのではないでしょうか。

映画『歯まん』の作品情報


(C)2015「歯まん」

【公開】
2019年(日本映画)

【監督・脚本】
岡部哲也

【キャスト】
馬場野々香(現在は前枝野乃加に改名)、小島祐輔、水井真希、中村無何有、宇野祥平、泉水美和子、坂井天翠、古川真司、瓜生真之助、大石結介ほか

【作品概要】
これまでフリーの助監督として中村義洋、豊島圭介、三池崇史、山下敦弘など多くの監督の作品に従事してきた岡部哲也の初監督作品。

変わった体質が原因で彼氏を殺してしまった遥香と、彼女と出会い恋をする青年のファンタジック・ラブストーリーです。

主人公の女子高生遥香を演じるのは今回が映画初主演の馬場野々香(現在は前枝野乃加に改名)。難しい役を体当たりで演じました。

共演は舞台を中心に活躍中の小島祐輔。彼が演じる裕介の姉みどり役には、映画監督やグラビアアイドルなどマルチな才能を見せる水井真希。

そのほか主人公遥香の彼氏役に中村無何有や、八百久のおやじ役に宇野祥平など個性的な俳優が顔を揃えています。

本作は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭をはじめ、モントリオール世界映画祭、シッチェス映画祭など数々の映画祭に招待され各賞を受賞しました。

主演を務めた前枝野乃加


(C)2015「歯まん」

映画『歯まん』の撮影当時、前枝野乃加は本名の馬場野々香で芸能活動していました。

その後、映画公開となりましたが、2016年所属していた事務所の倒産に伴い、フリーとして活動。

現在は前枝野乃加と改名し、新たに多くの仕事もこなしているようです。

改名したことで運命が良い方向に傾き始めたのでしょうか?!

映画『歯まん』が注目を浴びることで、これからの活躍に益々期待と注目ですね!

【馬場野々香の公式ブログ】
【前枝野乃加の公式ブログ】
【前枝野乃加の公式Twitter】

映画『歯まん』のあらすじ


(C)2015「歯まん」

女子高生の遥香は、初めてのセックスの最中に恋人を殺してしまいました。

原因は自らの肉体の変化で、恋人の局部を食いちぎってしまうというものでした。

突然吹き出す血飛沫に呆然とし、恐怖に駆られた遥香はその場から逃げ出してしまいます。

家族、友人、誰にも言えない不安と孤独が日々遥香を蝕んで行きます。

そんな日々の中、遥香は一人の男性と出会います。工事現場で働く裕介です。

裕介と言葉を交わす機会が増えていく中で徐々に惹かれていく遥香でしたが……。

遥香は肉体にかかった呪いを乗り越えることができるのか…。

まとめ


(C)2015「歯まん」

この作品は『ハード・コア』(2018)の山下敦弘監督や演技派俳優の池松壮亮など、映画界の著名人からも多くのコメントが寄せられている注目作です。

一番最初にこの映画がお披露目されたのは、2015年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭でした。

それ以来様々な映画祭で上映され、2018年新宿シネマカリテで行われたカリテ・ファンタスティック!シネマコレクション(通称:カリコレ)2018では、連日満席を記録した超話題作です。

映画のタイトルや設定には衝撃を受けますが、内容の根本的なところは実にシンプルです。

禍々しくも繊細な愛と性を切り取った、ファンタジック・ラブストーリー

遥香に幸せになってほしいと願いながら観てしまう、そんな作品です。

国内外が注目する岡部哲也監督の初監督作品映画『歯まん』は2019年3月2日(土)よりアップリンク渋谷ほかで全国順次公開!

ぜひ、お見逃しなく!

関連記事

新作映画ニュース

深田晃司監督が講師を務める「デフアクターズ・コース2022」を開催。日本初の表現者育成講座の対象はろう者・難聴者の方へ

深田晃司監督のろう者・難聴者を対象にした「デフアクターズ・コース2022」が開催! 映画『コーダ あいのうた』(2021)や『エターナルズ』(2021)、『サウンド・オブ・メタル~聞こえるということ~ …

新作映画ニュース

《動画視聴:奈緒インタビュー》映画『みをつくし料理帖』キャスト花魁野江役に角川春樹監督から目の演技と求められたと語る

映画『みをつくし料理帖』は10月16日(金)より全国ロードショー 豪華キャストによるインタビューリレー第2弾 時代を創った男“角川春樹”が、生涯最後となる演出を務め制作された映画『みをつくし料理帖』。 …

新作映画ニュース

【大阪アジアン映画祭2020情報】上映はスケジュール通り実施!舞台挨拶とQ&Aのみ中止のお知らせ

2020年の大阪アジアン映画祭は、すべての舞台挨拶を中止へ。 2020年3月6日から15日に開催の第15回大阪アジアン映画祭。 本映画祭は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を巡る昨今の状況 …

新作映画ニュース

【試写会プレゼント】インド映画『パドマーワト 女神の誕生』5月23日開催。10組20名をご招待!

インド映画『パドマーワト 女神の誕生』は、6月7日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー!。 500年の時を超え、インド映画史上最大級の製作費を掛け、究極の映像美で描かれた映画『パドマーワト …

新作映画ニュース

『ケイコ 目を澄ませて』あらすじ/キャスト/公開日。岸井ゆきのが聴覚障害を持つプロボクサーを演じる感動作

聴覚障害を持つプロボクサーの物語『ケイコ 目を澄ませて』が映画化に! 『ケイコ 目を澄ませて』は、第72回ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門に出品され、世界が熱視線を送る三宅唱監督の最新作です。 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学