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Entry 2020/02/01
Update

映画『嘘八百 京町ロワイヤル』『全裸監督』の武正晴監督。初エッセイを2020年1月30日発売

  • Writer :
  • Cinemarche編集部

武正晴監督による初の映画エッセイ刊行。

映画『嘘八百 京町ロワイヤル』や『全裸監督』で知られる武正晴監督による初の映画エッセイ『映画があってよかったなあ 監督・武正晴の洋画雑記』を、玄光社より2020年1月30日(金)に発売されました。


(C)玄光社

本書籍の内容には、人気若手俳優で親交のある柄本佑との映画談義や、武監督の作品に少なからず影響を与えた、『がんばれ!ベアーズ』(1976)『レイジング・ブル』(1980)のエッセイも収録

武監督の作品ファンのみならず、作り手から見た映画について知りたい方にも必読の1冊になっています。

武正晴監督とは


(C)玄光社

玄光社から発売された書籍『映画があってよかったなあ 監督・武正晴の洋画雑記』を執筆したのは映画監督・武正晴。

近年では、2018年に東京国際映画祭のほか国内外で数多くの賞を受賞した、村上虹郎主演の『銃』で注目を集めました。

また2919年にNetflixオリジナルドラマで、異色の実在の人物を描き話題となった山田孝之主演の『全裸監督』の総監督を務めています。

そのほか2020年新春公開の中井貴一と佐々木蔵之介共演作は、人気シリーズ第2弾となる『嘘八百 京町ロワイヤル』があり、名実ともに注目作、話題作と、「いま」脂の乗り切った精力的な映画作家です。

武正晴(たけまさはる)プロフィール


(C)吉本興業:映画『銃』のロケ撮影現場から

1967年生まれ、愛知県名古屋市出身。明治大学文学部演劇学科卒業後、フリーの助監督として工藤栄一、石井隆、崔洋一、中原俊、井筒和幸、森崎東らの作品に参加。

映画『ボーイ・ミーツ・プサン』で監督デビュー。その後、『百円の恋』では、日本アカデミー賞をはじめ、多くの映画賞を受賞し話題を集め、第88回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表作品としてもエントリーされます。

また2018年公開の『銃』では第31回東京国際映画祭「日本映画スカラシップ部門」で2度目の監督賞を受賞。そのほか、2019年には、Netflixのオリジナルシリーズ『全裸監督』では総監督を務めました。

武正晴監督のフィルモグラフィ


(C)2014東映ビデオ

【監督映画作品】
『ボーイ・ミーツ・プサン』(2007年)
『カフェ代官山 ~ Sweet Boys ~』(2008年)
『カフェ代官山 II ~夢の続き~』(2008年)
『花婿は18歳』(2009年)
『カフェ・ソウル』(2009年)
『EDEN』(2012年)
『モンゴル野球青春記』(2013年)
『イン・ザ・ヒーロー』(2014年)
『百円の恋』(2014年)
『リングサイド・ストーリー』(2017年)
『嘘八百』(2018年)
『銃』(2018年)
『きばいやんせ! 私』(2019年)
『嘘八百 京町ロワイヤル』(2020年)

【監督ドラマ作品】
『連続ドラマW 盗まれた顔 ~ミアタリ捜査班~』(2019年)
『全裸監督』(2019年)

武正晴監督の初映画エッセイの内容とは


(C)玄光社

武正晴監督は、多くの映画関係者のあいだでも、筋金入りの映画愛好家として知られた存在。本書では武監督自身が幼少期から人生で一番映画を観たという18、19歳の頃に感銘を受けた作品を中心に掲載されています。

そのことについて武監督は、次のようなコメントを寄せています。

まだ作り手ではなかった頃、

夢中になった映画の数々……

作り手になった今、

忘れられないその魅力に改めて向き合ってみる   武正晴(映画監督)

当時の思い出とともに書き綴られた中には、初めてひとり映画館デビューを果たした『レイジング・ブル』(1980)こと。この作品が後の武作品のひとつである『百円の恋』に影響を与えた事実を、イタリアにあるウーディネ・ファーイースト映画祭で語ったことなどにも触れられています。

またジョージ・A・ロメロ監督の『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』(2007)を劇場で見た際には、武監督が観る前回を鑑賞していた俳優・柄本明から『ロメロ最高だな』と声をかけられたことも証ています。

このように武監督自身の作品への着想や、制作したの映画にどう役立ったのか、また自身の近況も交えて書き綴った洋画エッセイで、第一線で活躍する映画監督に影響を与えた、今もなお色褪せない57本の作品の魅力を紐解いています。


(C)玄光社

また巻頭対談では、監督自身の要望により実現した、 デビュー作『ボーイ・ミーツ・プサン』で主演を務めた柄本佑との映画談義も収録しています。

武監督がエッセイを綴った57本の映画

『レイジング・ブル(1980年)』/『サウンド・オブ・ミュージック(1965年)』/『8 1/2(1963年)』/『フィッツカラルド(1980年)』/『アラビアのロレンス(1962年)』/『遠すぎた橋(1977年)』/『がんばれ!ベアーズ(1976年)』/『ラスト・ショー(1971年)』/『灰とダイヤモンド(1958年)』/『かくも長き不在(1960年)』/『ダイハード(1988年)』/『セルピコ(1973年)』/『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984年)』/『ナチュラル(1984年)』/『ハンター(1980年)』/『カリフォルニア・ドールズ(1981年)』/『炎のランナー(1981年)』/『おもいでの夏(1971年)』/『ミッション(1986年)』/『クレイマー、 クレイマー(1979年)』/『華麗なるヒコーキ野郎(1975年)』/『ライトスタッフ(1983年)』/『独裁者(1939年)』/『俺たちに明日はない(1967年)』/『ヤング・フランケンシュタイン(1974年)』/『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年)』/『サムライ(1967年)』/『ザ・ドライバー(1978年)』/『ゾンビ(1978年)』/『暁の七人(1975年)』/『デリンジャー(1973年)』/『プラトーン(1986年)』/『フレンチ・カンカン(1955年)』/『シベールの日曜日(1962年)』/『ペーパームーン(1973年)』/『恐怖の報酬(1953年)』/『1900年(1976年)』/『オール・ザット・ジャズ(1979年)』/『タクシードライバー(1976年)』/『フレンチ・コネクション(1971年)』/『ストリート・オブ・ファイヤー(1976年)』/『 コンドル(1975年)』/『ロンゲスト・ヤード(1974年)』/『禁じられた遊び(1951年)』/『暗殺の森(1970年)』/『ディア・ハンター(1978年)』/『スティング(1973年)』/『トッツィー(1982年)』/『ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年)』/『ジョーズ(1975年)』/『ひとりぼっちの青春(1969年)』/『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト(1968年)』/『ブレードランナー(1982年)』/『イージー★ライダー(1969年)』/『グロリア(1980年)』/『遊星からの物体X(1982年)』/『シャイニング(1980年)』(掲載順)

※本書は雑誌「VIDEO SALON」の連載中のエッセイ「映画監督・武 正晴のご存知だとは思いますが…」(2015年5月号~2020年1月号収録分)に加筆・修正を行い、 書籍用の取材・原稿を収録したものです。

本書のデータ

【タイトル】
『映画があってよかったなあ 監督・武正晴の洋画雑記』

【発売日】
2020年1月30日発売

【判型】
A5判 368ページ

【定価】
本体2,200円+税

【出版元】
株式会社玄光社

まとめ


(C)玄光社

映画監督、武正晴による初の映画エッセイ『映画があってよかったなあ 監督・武正晴の洋画雑記』

本書の中で武監督は渋谷の映画館で、偶然、安藤桃子監督と出くわしたことにも触れ、「会いたい人には必ず会える」と記しています。

そもそも映画とはそのような因果関係の中で存在するものではないだろうか。“映画とは留め置いた人間の記録(死)を再生する”する行為であるとすれば、記録として残った映画を、常に蘇らせたいと願うのは“人の情(あるいは業)”なのだから。つまりは“再生という出会い、あるいは再生という出会い”なのです。

ぜひ、この機会に武監督の目を通して書き綴った洋画の名作57本のエッセイを読み、映画振り返ることで、監督と読者となったあなたの映画の記憶も「出会う」のではないでしょうか。

本書は武正晴監督らしい人柄と言葉で綴られた1編となる“映画に出会える”書籍になっております。

玄光社より2020年1月30日(金)に『映画があってよかったなあ 監督・武正晴の洋画雑記』は発売です。ご一読を。



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