Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2020/06/29
Update

『アングスト/不安』のサイコキラーの動機とは?犯罪心理分析で主人公K.の背景を読み解く

  • Writer :
  • 石井夏子

<本編異常映像>と<専門家による犯罪心理分析>解禁。

比類なき傑作にも関わらず、あまりにも異常、あまりにも危険過ぎてほとんどの人の目に触れずにいた1983年のオーストリア映画『アングスト/不安』。

本作の異様な雰囲気が日増しに世間の不安と期待を煽り続け、いよいよ2020年7月3日の公開日が迫っています。

この度解禁となるのは、主人公の異常な様子を映し出す本編映像および専門家による犯罪心理分析です。

さらに、一部劇場にて掲示予定の偽広告画像も解禁されました。

映画『アングスト/不安』特集記事はこちら

映画『アングスト/不安』の本編映像

狂人の醸し出す異様な雰囲気が日増しに世間の期待と不安を煽り続け、いよいよ公開間近となったこの度、主人公のさらに異常な様子を捉えた閲覧注意の本編映像が解禁となります。

映し出されるのは、主人公K.が事故を起こすシーン

直前に何があったのか、落ち着きのない様子で車を運転するK.が、勢いあまって前方の車に衝突。周囲の人々が集まって来ると、パニック状態に陥ります。

そして次の瞬間、運転席で狂ったように暴れ出す衝撃的な映像となりました。

あまりに奇妙で恐ろしい姿に身の毛がよだちますが、これほどまでにK.を追い詰め、異常な精神状態を生み出した背景に一体何があったのでしょうか。

主人公K.を犯罪心理分析

(C)1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion

本作を鑑賞した二人の専門家が主人公の心理状態を分析

元刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は、主人公の犯行について「犯罪心理では計り切れない心理状態と凶暴かつ冷酷非情な行動」であると話します。

長年の警察人生で多くの事件を担当してきた小川氏でも「犯罪心理やプロファイリングでは到底追いつかない、考えもつかない、異常に常識を逸脱した残忍な行動には驚き以外何もない」とコメント。

さらに、心理学者(学術博士)の桐生正幸氏は、主人公の殺害動機について「まさに現代的なもの」であると語ります。

「過去の犯罪は、お金や人間関係のトラブルが主な動機だった。しかし、昨今の動機が理解できない殺人事件は、概ね、犯人が抱く個人内葛藤を解決するために犯行に及んでいる。犯人にしてみれば、その時の被害者は、たまたまそこに居合わせただけであり、ただ、自身の得体のしれない不安だけを、その被害者に投影しているのである。この映画の主人公は、我々から理解してもらえない動機を、“家族殺し”を実行することで、自ら告白し表現した。現代日本の凶悪犯の心理を代弁するかのような先駆的映画である」と考察。

公開から37年もの時が経っているにも関わらず、「先駆的な犯行」を映し出しているという恐ろしい本作。

忘れてはならないのは、この映画が娯楽を目的とした作品ではなく事実に基づく物語であるということ、そしてモデルとなった実在の殺人鬼は、今もどこかで生きているかもしれないということです。

映画『アングスト/不安』の偽広告画像

(C)1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion

この度、一部劇場にて掲示予定の偽広告画像も解禁されました。

「狂人 K.がうろうろする」「圧倒的高揚に支配された狂人は、出獄後ただちに様子がおかしくなった」といった奇妙な文言や、不安にかられる主人公の画像の数々が盛り込まれた、怪しさ溢れる一枚となっています。

映画『アングスト/不安』の作品情報

(C)1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion

【日本公開】
2020年(オーストリア映画)

【原題】
ANGST(不安)
英題:FEAR(恐怖)/仏題:SCHIZOPHERENIA(統合失調症)

【日本VHS発売時題】
鮮血と絶叫のメロディー/引き裂かれた夜

【監督】
ジェラルド・カーグル

【キャスト】
アーウィン・レダー、シルヴィア・ラベンレイター、エディット・ロゼット、ルドルフ・ゲッツ

映画『アングスト/不安』のあらすじ

(C)1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion

刑務所を出所した狂人が、とたんに見境のない行動に出ます。

まとめ

(C)1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion

狂人の異常すぎる姿を、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏、心理学者の桐生正幸氏が心理状態を分析した本作。

観る者の気持ちまで不安にさせ、心に深い傷痕を残す危険性があるため、本記事を読んだ上でも正気を保つ覚悟のある方にのみ、鑑賞をおすすめします。

映画『アングスト/不安』は2020年7月3日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開です。

映画『アングスト/不安』特集記事はこちら





Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/demachi2026/cinemarche.net/public_html/wp-content/themes/stinger8-child/single.php on line 150

関連記事

新作映画ニュース

【東京国際映画祭2018】音楽をテーマとした東南アジア特集を解説。プレゼント情報も

10月25日(木)~11月3日(土)に開催となる、第31回東京国際映画祭におきまして、アジア映画特集シリーズ『国際交流基金アジアセンターpresents CROSSCUT ASIA』の第5弾が『ラララ …

新作映画ニュース

映画『泣く子はいねぇが』あらすじ/キャスト/公開日。仲野太賀と吉岡里帆が夫婦役で挑む青春ムービー!

是枝裕和が惚れ込んだ新たな才能! 佐藤快磨監督が世界中の大人になれない大人たちへ贈る青春グラフィティ。 是枝裕和監督が率いる映像制作者集団“分福”の新進気鋭の才能、佐藤快磨(さとうたくま)監督の劇場デ …

新作映画ニュース

映画スウィンダラーズ|AFTERSCHOOLナナのセクシーな詐欺師の本編映像公開!

アジア各国で絶大な人気と知名度を誇るヒョンビンが、初めて詐欺師を演じた話題作『スウィンダラーズ』が、7月7日(土)より全国ロードショー。 詐欺師だけをダマす詐欺師5人とエリート検事による予測不可能な犯 …

新作映画ニュース

スパイダーマン:スパイダーバース|声優キャスト決定。小野賢章&宮野真守&悠木碧がヒーローとして結集!

映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の日本公開は2019年3月8日より全国ロードショー! アメリカでのSNSレビューが大絶賛だった『スパイダーマン:スパイダーバース』。 この度日本語吹替版で、主人 …

新作映画ニュース

『隣人X 疑惑の彼女』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。林遣都と上野樹里が‟疑惑の恋人”を演じる異色のラブロマンス

熊澤尚人監督作品映画『隣人X 疑惑の彼女』が2023年12月1日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー 第14回小説現代長編新人賞を受賞した『隣人X』(パリュスあや子著)が、タイトルを『隣人X 疑惑の …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学