Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ラブストーリー映画

Entry 2020/10/29
Update

映画『海の底からモナムール』あらすじと感想考察。幽霊のラブストーリーは海よりも深い純愛である

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

『海の底からモナムール』は2020年12月4日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにてロードショー!

フランス出身のロナン・ジル監督が日仏合作で挑んだ映画『海の底からモナムール』。桐山漣、清水くるみらオール日本人俳優をキャストに起用した、セーラー服の幽霊の純愛を描くホラー作品です。

本作は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017のゆうばりチョイス部門にてワールドプレミアを行い、第12回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門で上映されました。

日本の従来のJホラーの幽霊とは違う、足があり、セーラー服を着ていて、性欲もある⁈ オリジナリティ溢れるヒロインとして描き、ホラーファンのみならず、ロマンティクなフランス映画ファンにも必見の作品です。

スポンサーリンク

映画『海の底からモナムール』の作品情報


(C)Besoin d’Amour Film Partners 

【日本公開】
2020年(日本・フランス合作映画)

【監督・脚本・音楽・エグゼクティブプロデューサー】
ロナン・ジル

【キャスト】
桐山漣、清水くるみ、三津谷葉子、前野朋哉、杉野希妃、飯島珠奈

【作品概要】
エリック・ロメール監督の映画『レネットとミラベル/四つの冒険』などの映画音楽を手がけたことで知られるロナン・ジル監督の長編第2作。日本を舞台に日本人キャストで撮影を行なった純愛ホラー作品。

『曇天に笑う』の桐山漣がタクマ役、『青の帰り道』の清水くるみが幽霊ミユキを演じている。

映画『海の底からモナムール』のあらすじ


(C)Besoin d’Amour Film Partners 

10年前にクラスメイトたちからイジメ遭い、島の崖から飛び降りた女子高生ミユキ(清水くるみ)は、「ただ愛されたい」という想いを抱き、17歳のままずっと海に潜んでいました。

当時、ミユキが想いを寄せていたタクマ(桐山漣)は28歳の青年となり、島出身の同級生マツ(前野朋哉)に連れられ、それぞれの彼女・カオリ(三津谷葉子)とトモヨ(杉野希妃)と一緒に、卒業後初めて島に戻ることにします。

その島では去年、かつて近所に住んでいた同級生リカ(飯島珠奈)が溺れて死んでいた。「あの浜に行くな」という忠告を聞かず、浜でキャンプをするタクマら4人。

すると夜の浜でカオリの姿をしたミユキと遭遇。恐れおののきテントに駆け込むタクマ…。

その翌日、今度は海で泳いでいたタクマとカオリですが、カオリは誰かに足を引っ張られ、危うく溺れそうになってしまいます…。

スポンサーリンク

映画『海の底からモナムール』の感想と評価


(C)Besoin d’Amour Film Partners 

海から人を襲うのはサメならぬ幽霊⁈

海の中から人を襲うといえば、昨今流行りはサメ映画ですが、本作『海の底からモナムール』では、白浜の波打際で人を襲うのは、サメならぬセーラー服を着た幽霊です。

セーラーだけに水兵さんが濡れているのであれば一般的といえますが、永遠に17歳の女子高生が濡れているのですから、エロティックであるのはいうまでもありません

また、その手に握られたストローも、ちょっと色っぽいですね。少女らしいあどけなさとは裏腹に、このストローで人間の生き血も吸うのですから恐ろしい…


(C)Besoin d’Amour Film Partners 

さて、感想の冒頭でサメ映画の話しをいたしましたが、本作でも幽霊のミユキが一番初めに襲うのは、ひとり海水浴に訪れたかつて同級生リカ。

10年前にミユキのことをイジメていたリカですが、今ではすっかり大人になった美人さん。リカが白浜で服を脱ぎ波打際から海に入り泳ぎはじめると、突如、ミユキに襲われ溺れ死んでしまいます。

このシーンの撮影は、サメ映画と見間違うような演出でちょっとユーモラスでもあります。

また、リカ役を演じたのは飯島珠奈で、『東京不穏詩』の主人公ジュン役を演じた演技派の女優さんです。すぐに物語から退場してしまいますが、飯島ファンのあなたは見逃さないように

フランスの純愛映画としての楽しみ


(C)Besoin d’Amour Film Partners 

本作は幽霊となったミユキがいつまでもタクマのことを愛してやまないというラブストーリーでもあります。

高校生だったミユキは、かなり積極的に同級生のタクマを誘惑するエピソードがあるのですが、一方でカメラを趣味にするタクマは、どこか他人を直視できない子供っぽさを持っており、ミユキの欲望にも素直になれないでいました。

そんなミユキが幽霊となり、10年越しの純愛で元同級生のタクマやマツ、そしてそれぞれの彼女たちを襲います。

しかし、ストーリーの本筋は一貫してタクマへの愛情を求めての行為であり、その幽霊ミユキの愛の深さは本作が海の底よりも深いラブストーリーの証といえます。

まとめ

10年前にイジメに遭い、崖から飛び降りたミユキは幽霊となって、今も思い続けるタクマに「ただ愛されたい」という一心で、17歳のセーラー服のまま、海底に潜んでいます。

高校卒業後初めて島を訪れたタクマたち4人を待っていたのは…。

主人公・タクマ役に『貞子』『呪怨-ザ・ファイナル-』という、ホラー作品に出演している桐山漣。またそのタクマを一途に想い続けるミユキ役に『青の帰り道』の清水くるみが妖艶に演じています。

エリック・ロメール監督作品の音楽を担当するなど、多岐に渡って活躍するフランス人監督のロナン・ジルが描いた、ホラー・ラブストーリーに注目です!

2020年12月4日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにてロードショー!

関連記事

ラブストーリー映画

映画『ういらぶ。』あらすじネタバレと感想。平野紫耀で人気コミック実写化

好きすぎて、イジメちゃう。 幼なじみの凛と優羽はお互い好き同士なのに、素直に「好き」と言えない関係。好きすぎて優しくできない凛は、優羽と幼なじみの関係を超えることができるのか? ライバルの登場で、幼な …

ラブストーリー映画

浅野忠信映画『壊れた心』ネタバレ感想と評価解説レビュー。宗教的要素が散りばめられた贖罪と救いの物語

ようこそ、愛と破滅の世界へ。 フィリピンのスラム街を舞台に、『岸辺の旅』『淵に立つ』の浅野忠信が扮する冷酷な殺し屋と、『闇のあとの光』のメキシコ人女優ナタリア・アセベドが演じる娼婦の逃避行を描いたクラ …

ラブストーリー映画

映画『つかのまの愛人』あらすじとキャスト。フィリップ・ガレル監督のプロフィール紹介も

映画『つかのまの愛人』は、8月18日(土)より31日(金)までシネマヴェーラ渋谷にて限定公開決定! 『ジェラシー』や『パリ、恋人たちの影』に続く、映画『つかのまの愛人』。 フィリップ・ガレル監督が自ら …

ラブストーリー映画

映画『今宵、212号室で』感想評価と考察レビュー。大人のラブストーリーを監督クリストフ・オノレがコケティッシュに描く

映画『今宵、212号室で』は2020年6月19日(金)より、Bunkamuraル・シネマ、シネマカリテほか全国にて順次公開 映画『今宵212号室で』は、50代を迎えた結婚20年の夫婦が陥る危機を描いた …

ラブストーリー映画

映画『アボカドの固さ』感想レビューと評価解説。キャスト前原瑞樹の実体験をもとに恋人への執着を痛々しくもユーモラスに描く

映画『アボカドの固さ』は2020年9月19日(土)より渋谷・ユーロスペースにて劇場公開。 5年間付き合った恋人に、突然別れを告げられた若者が、復縁を望み悪戦苦闘する30日間の物語、映画『アボカドの固さ …

U-NEXT
CINEMA DISCOVERIES【シネマディスカバリーズ】
架空映画館 by ReallyLikeFilms Online
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
映画『哀愁しんでれら』2021年2月5日(金)より全国公開
映画『写真の女』
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学