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Entry 2017/12/27
Update

映画リベンジガール(girl)|あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

桐谷美玲主演の『リベンジgirl』は、2017年12月23日より全国公開!

男に弄ばれた失恋をきっかけに女性初の総理大臣を目指す、宝石美輝役に桐谷美玲。

自分を振った相手を向こう戦う選挙戦の“リベンジ”の結果は…。そして新たに始まる恋の予感の行方は…。

三木康一郎監督が贈るポリティカル・ラブコメディ〜!

1.映画『リベンジgirl』の作品情報


(C)2017「リベンジgirl」製作委員会

【公開】
2018年(日本映画)

【監督】
三木康一郎

【キャスト】
キャスト
桐谷美玲、鈴木伸之、清原翔、馬場ふみか、竹内愛紗、佐津川愛美、大和田伸也、斉藤由貴、ガッツ石松、木下ほうか、山村紅葉、バービー

【作品概要】
映画『ヒロイン失格』の桐谷美玲が主演を務め、失恋をきっかけに女性初の総理大臣を目指すヒロインを描いたラブコメディ作品。

『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』や『覆面系ノイズ』の三木康一郎監督が演出を務めます。

2.映画『リベンジgirl』のあらすじとネタバレ


(C)2017「リベンジgirl」製作委員会
東大首席卒業、ミスキャンパス・グランプリにも輝いた超完璧な宝石美輝。

彼女は高校生の妹美咲にひどく心配されるほど、自信過剰のうえ、周囲のことなどお構いなし性格でした。

そんな宝石美輝の交際相手は、政治家一家の御曹司の斎藤裕雅。

ある日、彼氏の裕雅から電話をもらった美輝は、婚約のプロポーズを告白されると思いきや、裕雅の狙いは一同に交際中の彼女たちを集めたいと言う身勝手な理由でした。

プライドが高い美輝は、自身がまさかの女遊びの1人に過ぎないと知り、失恋のどん底を味わいます。

ひどく傷ついた美輝が決めた失恋の“リベンジ”は、「総理大臣になる!」ことで裕雅を見返すことでした。

思い立ったら直ぐに行動に移す美輝は、自分を政治家へと育ててくれる敏腕秘書の如月凪子の協力を得ます。

如月は自分の事務所にいた、かねてからの教え子で、どんな新人候補も選挙戦で勝たせるという、政治秘書の門脇俊也に美輝を任せたいと持ちかけます。

しかし俊也は、嘘ばかりで自分のことしか考えない政治家に嫌気を差していました。

ワガママで自分勝手な美輝の面倒など見たくないと、如月の提案に断りを入れますが、いつまでそのようにして秘書の仕事をやらずに逃げているのかと美輝の秘書をやらせます。

俊也は佐津川の指示とあって仕方なく、身勝手な美輝を政治家に育てることを引き受けました。

しかし、事あるごとに美輝に厳しく指導にあたる俊也。目標のためとはいえ、2人はお互いに相手のことが大嫌いな存在でした。

やがて美輝は新人政治家候補として立候補することとなり、俊也は美輝の選挙参謀を務めることになります。

以下、『リベンジgirl』ネタバレ・結末の記載がございます。『リベンジgirl』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
青和党の公認候補として宝石美輝の立候補した地区は、かつての失恋相手である裕雅が政治家の父親の地盤を受け継いだ選挙区でした。

選挙の票を争う相手が地盤(親の政治家の組織票)、看板(2世議員候補の知名度)、鞄(お金)という全てを持った裕雅だけあり、苦戦は想像されました。

しかし、美輝は持ち前の努力家の一面もあって、秘書俊也の厳しい指導をこなしていきます。

初めは選挙ビラを受け取ってくれる有権者も少なく、演説を聞いてくれる支持者の聴衆もいませんでした。

それでも立候補者の美輝の努力もあって、周囲から声援を受けるようになっていきます。

美輝は有権者の指示を集めるようになると、他人のことや政治活動にまったく興味なかったはずなのに、いつしか周囲のために選挙で戦う自分に気が付き始めます。

また美輝は頼りになる俊也が秘書として傍にいてくれることに、彼女のなかで別の気持ちが芽生え始めます。

美輝はいつの間にか、裕雅への“リベンジ”のことよりも、俊也への気持ちが大きくなっていたのです。

そんな矢先、相手候補である裕雅は、選挙区の票の行方が怪しくなってきた風向きに、メディアを使って美輝のネガティブキャンペーンを次々に打ってきました。

その卑怯極まりない行動の酷さに怒りを覚えた美輝は、相手の選挙事務所に乗り込みます。

美輝の苦情申し立てに相手候補者の裕雅は何食わぬ顔で眺めながら、美輝は身の丈を知らないと馬鹿だと更に卑劣な言葉を浴びせかけました。

思わず美輝は裕雅に向かって手をあげてしまいそうになった瞬間、後からやってきた俊也が、美輝の代わりに裕雅を殴ってしまいます。

その後、お互いに選挙戦だけに表立った問題にはしなかったものの、俊也は美輝の秘書を辞職します。

美輝の選挙本部長の如月は、有能な教え子だった秘書俊也の気持ちが分からない美輝を窘めます。

そして、今の美輝に出来ることは選挙に勝つことだけだと叱咤しました。

有能な秘書俊也を失った美輝ですが、それでも選挙戦の遊説に力を入れて戦います。

そんな美輝の心中にあったのは、これまで自分は完璧だと思い込んでた浅はかさと、初めは大嫌いであったはずの俊也が大切な人になっていた事実でした。

選挙戦最終日の朝。美輝はたった一人の肉親で妹の美咲に、助言として「後悔だけはしないように」と言われました。

美咲は学校終わりに最後の選挙演説の応援に駆けつけると言い残し学校に行きます。

やがて、美輝は選挙カーの上から応援に駆けつけてくれた有権者を前に、最後のお願いの挨拶をします。

美輝は選挙の結果のことよりも、妹美咲の言葉通りに後悔をしたくはないと、今の自分に正直でいることを選びます。

初めは失恋のリベンジで選挙戦に出馬したこと、そして相手候補の裕雅と交際していた事実を丁寧に語り始めたのです。

最初のうちは選挙カーを囲む有権者の聴衆は、正直な話であっても裏切られたような気持ちの文句を言い出しました。

しかし、その最後のお願いの挨拶の内容は、元秘書の俊也への愛の告白でもあり、無言になってしまう聴衆の有権者たち…。

すると聴衆の中から応援の声をあげてくれたのは、初めて支持者になってくれた高齢者ホームのおばあさんでした。

続いて応援する子どもたちからも声がかかり、美輝の正直さの演説に心打たれた聴衆は拍手を始めます。

すると、選挙カーの上から俊也を見かけたような気がした美輝。

「いるんでしょ!」と選挙カーから駆け下りると、聴衆の中を割って俊也を探します。

リベンジから始まったはずの選挙出馬でしたが、どんな時もいつも優しく見守ってくれた俊也をその中に見つけ出します。

美輝は俊也を前に「私のそばにいつもいなさい!」彼女を見つめる俊也、「こんな選挙初めてだ」と思わず呟きます。

「私を誰だと思ってるの、宝石美輝よ!」と美輝が言うと、ふたりは唇を重ね合わせます。

そんなふたりを聴衆は驚きとともに歓声をあげて祝福します。

街頭の大きなスクリーンに開票速報が流れると、2万票大差をつけて宝石美輝はトップ当選。

歓喜に沸く宝石美輝の選挙事務所。選挙本部長の如月が美輝に祝福の握手を求めます。

しかし美輝は総理大臣になる日まで取っておくと、如月と最初に交わした約束守る志を示しました。

3.映画『リベンジgirl』の感想と評価


(C)2017「リベンジgirl」製作委員会
この作品の演出を務めたのは、2016年に『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』、2017年に『覆面系ノイズ』を公開した三木康一郎監督。

三木監督の映画デビュー作品は、2012年の『トリハダ 劇場版』、第2作は2014年の『トリハダ 劇場版2』と続きます。

その後、2016年に第3作の『のぞきめ』と、初期の3作品はホラー映画でした。

その三木監督がラブコメディに挑んだのが『リベンジgirl』です。

以外に思われるかもしれませんが、ホラーとコメディは紙一重でもあるジャンルなので、三木監督のストーリーテリングはお手のモノに感じました。

もちろん、展開上でツッコミはない訳ではないのですが、コメディ映画にそれは野暮な話、けっこう笑って泣けもしますよ。

チョイ役のお笑いキャストも見逃せない!


(C)2017「リベンジgirl」製作委員会

主人公は宝石美輝。その名前通り、“宝石が美しく輝く” という容姿端麗な役柄を桐谷美玲が演じています。

彼女は2015年に公開された『ヒロイン失格』の表情豊かなコメディエンヌぶりが記憶にありますが、今回はそのヒロインがまるで成長したような役柄を演じています。

しかも、写真のような衣装替えの場面もあり、本作では桐谷美玲の華麗なファッションだけでなく、様々な奇抜なファッション(コスプレ?)も楽しめるでしょう。

さて、奇抜なファッションを目の当たりにする相手役に、お笑い担当のキャスティングとして、ガッツ石松、木下ほうか、山村紅葉、バービーが出演しています。

それぞれの役柄は、桐谷美玲演じる宝石美輝が選挙の公認候補にして欲しいとお願い向かう各政党の代表に扮しています。

・動物物革命党
・スポーツ青空党
・帝国政党
・生きるパワーの会

誰がどの党の代表かは直ぐに分かりますよね。

美輝にリベンジ方法をレッスンする門脇俊也(鈴木伸之)


(C)2017「リベンジgirl」製作委員会

鈴木伸之演じる門脇俊也は、以前は政治家秘書だったが、嘘しかつかない政治家たちが嫌になり、今政治塾で働いているという役柄でした。

失恋に傷ついた美輝に「総理大臣ぐらいにならないとあいつを見返せない」と、リベンジを焚き付けた張本人。

はじめは美輝を馬鹿にもしていますが、彼女のまっすぐで嘘のない直向きな姿に惹かれていきます。

言葉少ない俊也はヒロインを脇で見守る政治家秘書という役柄。それは政治家というリングに上がるボクサーを支え指導するセコンドのようなものです。

ひと昔前の物語なら主人公である男性を女性が支えるのが常ですが、一見すると時代性もあって男性が支えるのかなという気もします。

しかし、これこそが定番の乙女心を掻き立てる“王子様キャラクター”と言えるでしょう。

ちょっと作品内容は違いますが、女性に尽くす王子様映画と言えば、『プリティ・ウーマン』や『マイ・フェア・レディ』、『ニキータ』などと同じような流れにあると考えてもよいのかもしれませんね。

鈴木伸之の整然と振る舞う男前な王子様キャラクターな雰囲気は、とても好感を抱かせます。

豚汁デートに誘って欲しいと思うのは筆者だけではないはず♡。今後に期待したい俳優ですね。

まとめ


(C)2017「リベンジgirl」製作委員会

桐谷美玲演じるヒロインが美しさを見せるこの作品で、彼女と対等に渡り合い魅力を見せたのは、実は女優の斉藤由貴です。

豪腕な政治家の斎藤茂(裕雅の父)も一目を置く有能な政治秘書を演じていますが、役柄の上で最も重要な点は、友人や仲間のいない孤立した宝石美輝を初めて支持した人物という点にあります。

かつて斉藤由貴はデビュー当初の1985年のドラマ『スケバン刑事』、同年の相米慎二監督『雪の断章 -情熱-』や、大森一樹監督の「女たち」シリーズで活躍を見せていました。

ほかにも元祖・黒柳徹子役を演じた『トットチャンネル』(1987)と演技派としても知られた女優です。

本作の初日舞台挨拶で斉藤由貴は、「最近は台詞覚えが悪くなった」と語っていましたが、それは謙遜であり、一貫性のある演技と安定感を見せてくれました。

先輩女優の薬師丸ひろ子の再ブレイクありましたが、斉藤由貴も女優オファーが今後も続くでしょうし、どこかで突き抜けるような存在になりそうですね。

そのベテラン女優とは逆に新人として目立ったのは、美輝の妹美咲役を演じた竹内愛紗

彼女も自信過剰な姉を支持する冷静でしっかり者で、友達のいない姉の唯一の相談相手であり、仲良し姉妹という役がでした。

まだまだ新人女優ですが、カワイイな〜と気に留めた人も多そうですよね。今後、要チェックです。

ヒロインの桐谷美玲の容姿を思う存分に活かし、彼女のコメディアンヌの魅力も発揮させた映画『リベンジgirl』を、ぜひお見逃しなく!

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