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映画『リスタートはただいまのあとで』あらすじネタバレと感想考察。BL (ボーイズラブ)コミックを実写化したツンデレ男子と方言おっとり男子の純愛

  • Writer :
  • 菅浪瑛子

君と一緒にいたい。 正反対の2人の純愛。

映画『リスタートはただいまのあとで』が2020年9月4日(金)より、全国公開されています。

人気若手俳優の古川雄輝と竜星涼のダブル主演で、ツンデレ男子と方言おっとり男子の純愛を描いた同名BLコミックを実写映画化。本作が初監督となる井上竜太が手掛けます。

仕事をクビになった狐塚光臣(古川雄輝)は10年振りに田舎の実家に帰り、人懐っこくて優しい熊井大和(竜星涼)に出会います。

田舎に帰ったものの塞ぎ込みがちで、なかなか素直にもなれない光臣と、強引なまでに仲良くなろうとする優しくておっとりした大和。正反対の2人は少しずつお互いのことを知り仲良くなっていきますが…

大和のおっとりとした方言、田舎の人々の交流により少しずつ変わっていく光臣と光臣の気持ち。純情な2人の恋路と光臣、大和それぞれの家族に対する思いを優しく描き、癒されるドラマです。

映画『リスタートはただいまのあとで』の作品情報


(C)映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

【公開】
2020年(日本映画)

【原作】
ココミ著『リスタートはただいまのあとで』(プランタン出版刊)

【監督】
井上竜太

【キャスト】
古川雄輝、竜星涼、甲本雅裕、佐野岳、螢 雪次朗、村川絵梨、中島ひろ子、三浦理奈

【作品概要】
ツンデレ男子と方言おっとり男子の純愛を描くココミの人気漫画『リスタートはただいまのあとで』の実写映画化です。正反対の2人の恋路と小さな田舎の人々が織りなす優しいドラマ。

W主演を務めるのは「イタズラなKiss」シリーズなどで知られる古川雄輝、『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013〜2014年)のキョウリュウレッド(桐生ダイゴ)で知られる竜星涼。

監督を務めるのは、映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(2016年)や『初恋ロスタイム』(2019)など数々の映画の企画・プロデュースをし、本作が初監督作となった井上竜太です。

映画『リスタートはただいまのあとで』のあらすじとネタバレ


(C)映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

職場で上司に「空っぽな人間だ」と言われ、人間性を否定された狐塚光臣(古川雄輝)は10年振りに故郷に帰ってきました。故郷の駅に降りると自分の名前を呼ぶ声がします。

声の方を見ると、会ったこともない青年が自分の名前を呼んでにこやかに手を降っています。光臣は戸惑いますが、駅から実家まで遠く歩いて行ける距離でもないので、仕方なく見ず知らずの青年のトラックに乗せてもらいます。

その青年は熊井大和(竜星涼)と言い、光臣の実家の近所に住む熊井のおじいちゃん・熊井春男(螢 雪次朗)の養子で光臣と同じ年だと言います。

光臣の母親・狐塚ヨシ子(中島ひろ子)から光臣の話を聞いており、初めてあった気がしないとおっとりとした口調で話す大和に光臣は困惑し、“馴れ馴れしくてウザい奴”とまで思っています。

クビになり田舎に戻ってきたものの、職のあてもない光臣は代々続く家具屋を「継いでやるよ」となかば上から目線で父親・狐塚隆利(甲本雅裕)に言いますが、「家具屋など継がないと言って飛び出したくせに思いつきで言うな。跡継ぎはいらない」と断られてしまいます。

それからは、真剣に職を探すわけでもなくただぐうたらする日々を過ごす光臣。

母親には無職の息子の面倒まで見れないと言われてしまい、田舎の人々は口々に光臣の顔を見ては跡継ぎが帰ってきて安泰だと言います。そんな状況にふさぎがちだった光臣に、大和は屈託なく接します。

そんなある日、熊井の農家に収穫の手伝いにきていた外国人労働者がホームシックで帰ってしまいます。

収穫の時期を控え熊井のおじいちゃんと大和の2人では手が足りない状況となり、ふと思いついた大和はなかば強引に光臣に収穫の手伝いを頼みます。

渋々ながらも引き受けた光臣は、次の日からオレンジやイチゴの収穫を手伝うことになりました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『リスタートはただいまのあとで』ネタバレ・結末の記載がございます。『リスタートはただいまのあとで』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

肉体労働などしたことない光臣は早起きにもなかなか慣れず、収穫も不慣れでしたが、大和や熊井のおじいちゃんの指導で少しずつ慣れていきます。

また、農業の素晴らしさ、働くことの達成感を身をもって知っていきます。さらに“馴れ馴れしくてウザい奴”と思っていた大和の優しさに光臣も癒されていくようになります。

光臣と大和で、収穫した果物を配達していた先で、大和の同級生である上田裕(佐野岳)に会い、大和と裕の中の良さに光臣はモヤモヤを感じ、苛立ちをあらわにしてしまいます。そんな光臣の様子に裕は気付きます。

ある日、収穫の仕事が休みの日に、買い物に出かけた光臣は再び裕に会ってしまいます。嫌そうな態度をする光臣に裕は「大和とどんな関係?」と聞きますが、光臣自身もまだ自分の気持ちに気づけていませんでした。

収穫にも慣れてきたある日、熊井のおじいちゃんが足を踏み外し、骨折してしまい入院することになります。唯一の家族が熊井のおじいちゃんしかいない大和はうろたえます。

そんな大和の様子を見た光臣は、大和の弱い部分を知り、2人の距離はさらに近くなっていきます。

そして、見舞いにきていた熊井の親戚が、施設育ちで養子になった大和のことをよく思っていないことを知り、怒りをあらわにします。

自分のことのように怒ってくれた光臣に大和は感謝の言葉を述べます。そして光臣はその日大和家に泊まりますが、想いが溢れ、眠っている大和にキスをしてしまいます。

恥ずかしくなった光臣はそのまま大和家から帰り、次の日も気まずさから普段のように大和と接することが出来ませんでしたが、普段通りに戻りかけてきた頃、裕から大和が年上の女性と付き合っている話を聞かされ、熊井のおじいちゃんの退院の時に訪れた鹿野涼子(村川絵梨)をその彼女であると勘違いしてしまいます。

しかし、後日鹿野涼子は大和の恋人ではなく、同じ施設で出会った姉のような存在であると聞かされ、涼子から普段ニコニコしている大和が抱えている心の傷を伝えられます。

そして自分がそんな大和支えになりたいと思うようになります。また、大和のもとで農業の手伝いをしたことをきっかけに家具屋を継ぐ意志を固めていきます。

大和に背中を押され、父親に家具屋を真剣に継ぎたいと伝えた光臣。そんな光臣を見た大和も、捨て子であった自分の過去と向き合うため、自分の戸籍のある東京に行くことを決意します。

「一緒にきて欲しい」と頼まれた光臣も共に東京へ向かいます。

役所で自分の戸籍を見せてもらった大和ですが、親の名前を知ることは出来ませんでした。

しかし、役所にいた一人の男性職員が大和が拾われた状況を覚えており、“大和”と言う名前が施設の人がつけたものではなく、親から授かった名前であることを知ります。

田舎に帰れず東京で一泊することになった2人は、空いてる部屋がなかったためダブルベットで寝ることになり、大和が光臣に、「あの時のキスは…」とその真意を尋ねます。

動揺しつつも自分が大和のことを好きになってしまったと光臣は告白します。そんな光臣に対し、大和は親の愛情を知らず育ったため、愛がわからない、それでも待っていて欲しいと伝えます。

2人はそれぞれ自分と、家族と向き合い新たなスタートを共に切ったのです。

映画『リスタートはただいまのあとで』の感想と評価


(C)映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

本作で映画初共演となった古川雄輝と竜星涼。古川雄輝演じる狐塚光臣のツンデレで素直になれない様子と、屈託なく無邪気で明るい竜星涼演じる熊井大和の正反対な2人の出会いから、友情を経て恋心へと変わっていく様を丁寧に優しく描いています。

故郷に嫌気がさし、東京に出てきたもののやりたいことも見つけられず、上司に「空っぽな人間」と言われ仕事をやめ故郷に帰ってきた光臣が体現する田舎と都会の落差、田舎の温かみと共に家業を継ぐことの重み。

担い手のいない現代の田舎が抱える問題なども浮き彫りにしている映画とも言えます。

一方、大和は親を知らない捨て子で施設で親の愛情も知らずに育ってきました。そんな大和を救った熊井のおじいちゃんの存在。

愛情を知らないが故に自分は恋人を作れず、人懐っこくすることで人に踏み込ませないバリアを貼っている様子など“心の問題”も描いています。

光臣と大和を中心に繰り広げられる人間模様、問題、悩みを丁寧に優しく描くハートウォーミングなドラマは現代の人々にとっても癒しとなるのかもしれません。

まとめ


(C)映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

2020年1月24日に公開された今泉力哉監督の映画『his』や、本作の一週間後9月11日に公開された行定勲監督の映画『窮鼠はチーズの夢を見る』など男性同士の恋愛を描く映画が話題となっています。

本作でも、光臣と大和がお互いがお互いに大切な存在であることに気づいていく様子が丁寧に描かれ、思わずキュンとしてしまうシーンや切ない気持ちになるシーンもあります。

しかし、それだけでなくそれぞれ抱えていたものと向き合いリスタートをきる若者の様子、人々の交流が描かれており非常に共感できる、優しい映画となっています。



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