映画『真夏の果実』は2025年5月17日より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
『れいこいるか』(2020)のいまおかしんじ監督作映画『真夏の果実』が、2025年5月17日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開されます。
不倫から始まるひと夏の恋を、優しいユーモアに満ちた筆致で赤裸々に描きます。主演はグラビアやレースクィーンなど多ジャンルで活躍中のあべみほ。奥野瑛太、佐野岳、仁科亜季子らが共演します。
ぶどう農家を営む夫が東京で出稼ぎ中に、別の男性との不倫関係を持ってしまう妻。彼女の胸の奥には、夫にないがしろにされる寂しさと悲しみが詰まっていました。夫婦関係を温かくみつめる本作の魅力をご紹介します。
映画『真夏の果実』の作品情報
(C)2025「真夏の果実」製作委員会
【公開】
2025年(日本映画)
【監督】
いまおかしんじ
【脚本】
松本稔
【編集】
蛭田智子
【キャスト】
あべみほ、奥野瑛太、佐野岳、小原徳子、東ちづる、仁科亜季子、中野マサアキ、中西美帆、丸純子、古藤真彦、才藤了介
【作品概要】
監督作『れいこいるか』(2020)『神田川のふたり』(2022)のいまおかしんじ監督による甘酸っぱいラブストーリー。脚本は『雑魚どもよ、大志を抱け!』(2023)の松本稔。
ぶどう農家を営む夫婦の不倫騒動から始まるひと夏の恋物語を、温かく優しいユーモアを交えて描きます。
グラビア、レースクイーン、バラエティ番組、プロレス界などさまざまなジャンルで活動してきたあべみほが主人公あゆみをチャーミングに演じ、『心平、』(2024)『碁盤斬り』(2024)の奥野瑛太が、夫・龍馬役を演じます。
『ふたつの昨日と僕の未来』(2018)の佐野岳があゆみの浮気相手・草壁役、ベテラン俳優の仁科亜季子が龍馬の母役で共演。
映画『真夏の果実』のあらすじ
(C)2025「真夏の果実」製作委員会
ぶどう農家を営む龍馬とあゆみの夫婦。毎年冬になると、龍馬は家と畑をあゆみに任せて東京へ出稼ぎに行きます。
その間、あゆみは義母と2人で暮らしており、たまに龍馬に電話をしてもぶっきらぼうに切られていました。
そんなある日、龍馬はかつて思いを寄せていた幼なじみの千尋と偶然東京で再会し、浮き足立ちます。
一方のあゆみも年下の営業マン・草壁と急接近した後、やがて一線を越えてしまい…。
映画『真夏の果実』の感想と評価
(C)2025「真夏の果実」製作委員会
妻の不倫をきっかけに、関係を見つめ直す夫婦の姿を温かく丁寧に綴るラブストーリーです。
山梨でぶどう農家を営む主人公のあゆみとその夫・龍馬。あゆみの抱える寂しさや悲しみは、前半部分の描写からすぐ伝わってきます。
夫も同居する姑も、あゆみを前時代的な「嫁」として扱い、友人達を招いての食事会ではずっと給仕をさせ、一緒に席につくことを許しません。
誕生日すら祝ってもらえない寂しさの中でもあゆみはいつも明るく、笑顔で東京に出稼ぎに向かう夫を見送ります。
しかし、彼女の心はすり切れていました。自分の存在に意味があるのか悩むあゆみは、自分に魅力を感じてくれた営業マンの草壁との束の間の恋に落ちていきます。
あゆみを演じるあべみほが素晴らしく魅力的です。少女のようにあどけない素直な表情でありながら、どこか暗い光を帯びた印象的な瞳をしています。
精神とは対照的なグラマラスな肉体が、草壁を虜にしてしまうのも納得です。どこかすっとんきょうなところのあるキャラクターが、不倫をユーモラスでカラッとした関係に見せています。
泥臭い農夫・龍馬役の奥野瑛太の好演にも注目です。龍馬もまたとても純粋な男で、「男はこういうものだ」という古い考えに取り憑かれていますが、ストーリーが進むほどに妻への思いの深さが浮き彫りになっていきます。
自分の本当の気持ちに気づけずにいた龍馬が、次第にあゆみへの愛情を自覚していくさまを、奥野瑛太が見事に表現しています。
龍馬と再会する幼なじみの千尋の存在も印象的です。子供時代を共に過ごした親密さと、プラトニックな淡い恋愛感情に揺れる心を、実力派の小原徳子が切なく演じます。
まとめ
(C)2025「真夏の果実」製作委員会
山奥に暮らすぶどう農家夫婦の悲喜こもごもを、切なく甘酸っぱくユーモラスに描くヒューマンラブストーリー『真夏の果実』。
平凡だった主人公のあゆみ夫婦に、とある夏、少し大きなつむじ風が吹き込みました。
吹き飛ばされてしまうのか、それとも「あの時は大変だったね」と笑い合える思い出となるのかは、どれほど真摯に二人が向き合えるかどうかにかかっているのでしょう。
映画『真夏の果実』は、2025年5月17日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開です。