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【ネタバレ】マテリアリスト 結婚の条件|あらすじ感想と結末評価。セリーヌ・ソン監督が現代の婚活をテーマに男女の三角関係を描く

  • Writer :
  • 菅浪瑛子

『パスト ライブス 再会』(2024)のセリーヌ・ソン監督がダコタ・ジョンソン主演に描くラブ・ストーリー

ニューヨークの結婚相談所で働くルーシーは、凄腕のマッチメーカーであり、彼女自身、恋愛を感情だけでなく“資産価値”で冷静に判断するマテリアリスト(=物質主義者)でもありました。

そんなルーシーの人生が2人の男性の登場によって大きく揺れ動いていきます。

一人は、ルーシーに猛アプローチをするリッチで“完璧”なハリー。もう一人は、俳優を夢見て転々とバイト生活をする元恋人のジョン。

結婚は“資産価値”決まる? ルーシーがたどり着いた答えとは。

自身の体験をもとに韓国とアメリカを舞台に男女のすれ違いや恋を描いた初長編作『パスト ライブス 再会』(2024)が2023年・第73回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品され、第96回アカデミー賞では作品賞、脚本賞にノミネートされ注目を集めたセリーヌ・ソン。

『パスト ライブス 再会』同様、2人の男性との間で揺れ動く女性の感情を、みずみずしく描き出しました。

主演には、『ドライブ・イン・マンハッタン』(2025)、『Our Friend /アワー・フレンド』(2021)のダコタ・ジョンソン。

ハリーを演じたのは、『エディントンへようこそ』(2025)のペドロ・パスカル、ジョン役には『gifted ギフテッド』(2017)のクリス・エバンス。

映画『マテリアリスト 結婚の条件』の作品情報


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【監督・脚本】
セリーヌ・ソン

【製作】
ダビド・イノホサ、クリスティーン・ベイコン、パメラ・コフラー

【制作総指揮】
テイラー・シュン、レン・ブラバトニック、ダニー・コーエン、ティモ・アルジランダー、アンドレア・スカルソ

【キャスト】
ダコタ・ジョンソン、クリス・エバンス、ペドロ・パスカル

【作品概要】
パスト ライブス 再会』(2024)のセリーヌ・ソン監督が結婚相談所で働いていた経験をもとに制作された映画『マテリアリスト 結婚の条件』。

主演を務めたのは、「フィフティ・シェイズ」シリーズで注目され、『Our Friend /アワー・フレンド』(2021)など様々な役を演じてきたダコタ・ジョンソン。

リッチで“完璧”なハリーを演じたのは、ドラマ「マンダロリアン」シリーズで主演を務め、映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』(2026)が公開され、『エディントンへようこそ』(2025)など話題作に出演が続くペドロ・パスカル。

俳優の夢を追う元恋人ジョンには、MCUのキャプテン・アメリカで知られるほか、『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)などに出演するクリス・エバンス。

映画『マテリアリスト 結婚の条件』のあらすじとネタバレ


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ニューヨークの結婚相談所で“マッチメーカーとして働くルーシー。

彼女は結婚相談所の顧客を資産価値で判断し、自分自身も恋愛を資産価値で冷静に判断するマテリアリスト(=物質主義者)でした。

自身が成婚させたカップルの結婚式に参加したルーシーは、結婚会場でも自身の結婚相談所に登録してくれる会員を集めるための営業トークをしていました。

そんな彼女の姿を見ていたのは、新郎の兄・ハリーです。ハリーがルーシーにアプローチするも、ルーシーは当初会員になるように言い、あしらっていました。

デートを重ねるなかで、ルーシーは市場価値のあるハリーに対し、自分は釣り合わないと感じ「あなたの相手は私ではない」と告げます。

しかし、ハリーはそんな物の価値が分かるルーシーこそ自分の相手に相応しい、自分は若さや同じ経済力を求めているのではないと話します。

とうとうルーシーはハリーと付き合うことを決めますが、そんなルーシーの心の中には忘れられない存在がいました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『マテリアリスト 結婚の条件』ネタバレ・結末の記載がございます。『マテリアリスト 結婚の条件』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


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ルーシーは、ハリーと出会った結婚式で別れた恋人・ジョンとも再会していました。

ルーシーと別れた後も、変わらず役者を目指しバイトを転々とする生活をするジョンに懐かしさと、ジョンへの思いが再熱したルーシー。

しかし、付き合っていた頃は、お金のことで揉めてばかりでした。別れた原因も、お金が関係していました。

そんななか、ルーシーは仕事でトラブルに巻き込まれてしまいます。ルーシーが勧めた男性とデートした女性が暴力をふるわれたというのです。

上司はこの仕事をしていれば避けられないこともあると言われますが、そんなことをすると思っていなかった、見抜けなかった自分の落ち度だとルーシーは落ち込みます。

女性に謝りに行ったルーシーは、「あなたは私が市場価値のない女だと思っていた」と突きつけられます。自分の仕事にも自信を失ったルーシーが電話をかけたのは恋人のハリーではなく、ジョンでした。

経済力もあり、大きな家も持っている完璧な恋人・ハリー。彼はルーシーとの結婚を考え、旅行に行く予定でした。

しかし、ルーシーはハリーとの関係には愛がないことに気づきます。互いに資産価値としてしか相手を見ていない、このまま結婚はできないとルーシーは伝え、ハリーとの関係に終わりを告げます。

そのままジョンのもとに行ったルーシー。ジョンはルーシーを連れてドライブに出かけます。付き合っていた頃に戻ったかのような2人でしたが、恋人と別れてからよりを戻す気か、気まぐれには付き合えないとジョンは言います。

ルーシーは自分が何をしたいのか分からなくなっています。愛情と経済、様々なことを天秤にかけてしまう、そんな嫌な女が私なのというルーシーですが、そんな彼女をジョンは愛していると伝えます。

完璧でもない、経済的に豊かでもない、それでもルーシーといたいと言うジョンの気持ち。そして自分が愛しているのはジョンだと気づいたルーシーは自分の愛を信じ、ジョンといることを決断したのでした。

映画『マテリアリスト 結婚の条件』の感想と評価


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結婚に必要なのは愛? 経済力?

ニューヨークを舞台にやり手のマッチングメーカーであるルーシーが、2人の男性の間で揺れ動く姿を描いた映画『マテリアリスト 結婚の条件』。

結婚に必要なのは愛か、それとも経済力か……。普遍的なテーマと三角関係と、ラブコメの王道をいく本作ですが、現代的な視点が盛り込まれているところに、セリーヌ・ソン監督らしさがあると言えます。

また、セリーヌ・ソン監督は実際に結婚相談所で働いた経験があり、その経験が本作にも現れていると言います。結婚相談所に登録した会員は、高額の会員費を払っています。

だからこそ、リッチな相手とのマッチングを望み、その要求も大きくなります。ルーシーは顧客を資産価値として冷静に判断し、価値観や家庭環境の一致からマッチングへと繋げていきます。

そのこと自体は決して悪いことではありません。似たような境遇からマッチし、デートをすることで愛情が芽生え、結婚につながることもあります。

しかし、裏を返せば、恋愛市場における自身の“価値”を高めなければ、そもそもスタート地点に立つことができないということにもなります。

そんな残酷さを象徴しているのが、ハリーの秘密と言えるでしょう。ハリーは、手術によって180cmオーバーの身長を手に入れました。身長が高くなったことで世間の対応が変わったことを体感したというハリー。

同じようにルーシーは理想の相手と出会うために自分の価値をあげようとし、顧客からも信用される所謂“できる女”であろうとしていました。

ルーシーもハリーも恋愛市場における自分の価値を高めることが幸せへの近道だと考えていましたが、ジョンは違います

ジョンは自分自身のままで、自分の感情を大事にしています。だからこそ、ルーシーの求める男性になれないこと、別れることになったのは仕方ないという思いがあったでしょう。

そして、そこから前に進むこともできていない、ルーシーへの思いを捨てきれずにいる点はややルーシーにとって都合の良い設定になりすぎているきらいもありますが、ルーシーも同様に、ハリーのように愛せる男性には出会えていませんでした。

昨今マッチングアプリや、SNSの普及で自身の価値を高めようとする自己投資が加速し、恋愛や結婚に対しても現実的な価値判断で捉える風潮もあります。

王道のラブコメでありながら、セリーヌ・ソン監督らしい現実的な視点も光る本作。ラストでは、マテリアリストであるはずのルーシーが、理性的ではない選択を選びます。

まさに愛は“人を狂わせる”ものであり、資産価値など理性で捉えた天秤をも超越してしまうのかもしれません

現実的な視点を織り交ぜながらも、ド直球な大団円を迎える本作は新しさもあれど王道なラブコメ映画であると言えるでしょう。

まとめ


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2人の男性の間で揺れ動く女性を描いた映画『マテリアリスト 結婚の条件』。

ダコタ・ジョンソン演じるルーシーも本作の大きな見どころの一つでしょう。まず目を引くのはルーシーの着こなしです。

恋愛を市場価値で判断するルーシーは、自分自身の価値をも冷静に分析しています。だからこそ、身の丈にあった着こなしの中で、どう自分を魅力的に見せるかを考えているのです。

デートに合わせてドレスアップから、ジョンの舞台を見にいく際はカジュアルダウンした服を選ぶなどTPOに合わせた着こなしも見事です。

外見的な見せ方だけではなく、振る舞いも計算しているルーシーですが、ルーシーの内面の魅力は飾らない素の姿に現れているのではないでしょうか。

ルーシーはやり手のマッチングメーカーですが、その裏には努力や、仕事に対する彼女の真っすぐさが感じ取れます。だからこそ、自分の顧客が男性から暴力を振るわれたことに動揺し、気づけなかった自分を責めるのです。

それだけでなく、ハリーに対しても「あなたの相手は私じゃない」と素直に伝え、結婚し金持ちになることもできたのに、愛がなければ結婚はできないと思いとどまります。

自分の資産価値を高めるために計算しつつも、どこか素直さのあるルーシーだからこそ、魅力的に映るのでしょう。



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