Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ラブストーリー映画

Entry 2024/02/14
Update

『フィリピンパブ嬢の社会学』あらすじ感想と評価解説。接客業の女性たちの厳しい労働実態を純愛ラブストーリーに描く

  • Writer :
  • 谷川裕美子

映画『フィリピンパブ嬢の社会学』は2024年2月17日よりK’s cinema他で全国公開

原作者・中島弘象の実体験を基につづられた新書「フィリピンパブ嬢の社会学」を映画化したラブストーリー『フィリピンパブ嬢の社会学』が2024年2月17日(土)よりK’s cinema、3月29日(金)よりkinocinema神戸国際他で全国公開されます。

偽装結婚を背景など、日本で働く外国人女性労働者の実態に迫る一作です。

監督を『あしやのきゅうしょく』(2022)の白羽弥仁、主演を『任侠学園』(2019)の前田航基、ヒロインをオーディションで抜擢された一宮レイゼルが務めます。

津田寛治、近藤芳正、田中美里ら実力派俳優陣が共演。

フィリピン女性たちの厳しい状況とともに、彼女たちの強さと美しさが描かれます。日本人の主人公とヒロインの恋の行方や、ヤクザとの攻防など見所たっぷりの本作の魅力をご紹介します。

映画『フィリピンパブ嬢の社会学』の作品情報


(C)2023「フィリピンパブ嬢の社会学」製作委員会

【公開】
2024年(日本映画)

【原作】
中島弘象

【監督】
白羽弥仁

【脚本】
大河内聡

【編集】
董敬

【キャスト】
前田航基、一宮レイゼル、ステファニー・アリアン、津田寛治、近藤芳正、田中美里、飯島珠奈、仁科貴、浦浜アリサ、勝野洋

【作品概要】
中島弘象による実体験を基につづられた話題の新書「フィリピンパブ嬢の社会学」を映画化したラブストーリーです。

フィリピンパブの裏側で未だ行われている偽装結婚を背景に、日本で働く外国人女性労働者の実態をリアルに描き出します。

監督は『みとりし』(2019)『あしやのきゅうしょく』(2022)の白羽弥仁。

主演は『奇跡』(2011)『任侠学園』(2019)の前田航基が務めます。ヒロインには本作が映画デビューとなる一宮レイゼルがオーディションで抜擢されました。

津田寛治、近藤芳正、田中美里、勝野洋ら実力派俳優陣が出演します。

映画『フィリピンパブ嬢の社会学』のあらすじ


(C)2023「フィリピンパブ嬢の社会学」製作委員会

フィリピンパブを大学の研究対象にしていた日本の大学院生・中島翔太。

調査を目的に訪れたパブで偶然出会ったフィリピン人女性のミカに詰め寄られた彼は、お付き合いを始めることになります。

しかし後になり、彼女は日本で働くために偽装結婚をしていることを告白します。

月給6万円、ゴキブリ部屋に監視付で暮らし、休みは月に2回だけといった彼女の過酷な生活環境を翔太は知りました。

一方、強く逞しいミカは現状にめげることなく働き続け、故郷・フィリピンで暮らす両親の元に翔太を連れていきます。ミカは大勢の家族の面倒を一人でみていました。

いつしか彼女を大切に想う気持ちが強まっていった翔太は、ミカに懇願されて会長の元に乗り込みますが……。

映画『フィリピンパブ嬢の社会学』の感想と評価


(C)2023「フィリピンパブ嬢の社会学」製作委員会

観ていて胸がキリキリと痛む作品です。日本で働くフィリピン女性たちが搾取される現実に驚愕します。

傷つき打ちのめされる彼女たちを見て、どこへ向けていいのかわからない怒りにかられることでしょう。

その一方で、どんなに厳しくつらい状況下でも明るさを忘れず、純粋で強く逞しいヒロイン・ミカに強く励まされます。

「なんとかなる」と自らを奮い立たせる健気なミカを、本作が映画初出演となる一宮レイゼルが熱演しています。

そんなミカと親しくなっていくのは気のいい主人公の翔太です。まじめで平凡な大学院生・翔太を、オファーのたえない実力派俳優の前田航基が好演しています。ミカに次第に心惹かれていくさまを繊細に表現しています。

周囲から冷たい目で見られながらも熱く燃え上がる二人の恋。恋の行方と共に、フィリピン女性たちを牛耳る元締めとの攻防もスリリングに描かれ、最後まで目が離せません

作品を味わい深く彩る津田寛治、近藤芳正、田中美里ら演技派にも注目です。

まとめ


(C)2023「フィリピンパブ嬢の社会学」製作委員会

社会学を学ぶ大学院生が、論文をきっかけにある一人のフィリピン女性との恋に落ち、彼女たちの厳しい現状に気づかされていくさまを描いたドラマ『フィリピンパブ嬢の社会学』

主人公の翔太とフィリピン人女性・ミカとの純愛に胸打たれます。

フィリピンから出稼ぎに来た女性たちの厳しい現実と共に、愛の持つ強大なパワーを教えられる作品です。

『フィリピンパブ嬢の社会学』が2024年2月17日(土)よりK’s cinema、3月29日(金)よりkinocinema神戸国際他で全国公開されます。



関連記事

ラブストーリー映画

【ネタバレ】ブリジット・ジョーンズの日記2 きれそうなわたしの12か月|あらすじ感想と結末の評解説。ハッピーエンドのその後を続編としてリアルに描く!

パワー&ウェイトアップしたブリジットに再び会える続編! 恋や仕事に一生懸命な独身女性を描いた大ヒット作『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)の続編。 レネー・ゼルウィガー、コリン・ファース、ヒュ …

ラブストーリー映画

【ネタバレ】同感 時が交差する初恋|あらすじ結末の感想と評価解説。リメンバーミーの感動をリメイク韓国版で再び!時を越えた出会いが導く“奇跡と恋”

『リメンバー・ミー』(2009)を20年以上の時を経てリメイクした『同感 時が交差する初恋』 映画『同感 時が交差する初恋』は2009年の『リメンバー・ミー』のリメイク版です。 1999年。韓国大 …

ラブストーリー映画

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

邦画恋愛ファン必見の映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』 七月隆文の同名小説を、『ストロボ・エッジ』の福士蒼汰と『バクマン。』の小松菜奈共演した映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』。 (C …

ラブストーリー映画

映画『ヘカテ』あらすじ感想評価と内容解説。ダニエル・シュミットの名作がデジタルリマスターで生誕80周年に鮮やかに蘇る!

スイス映画界の名匠ダニエル・シュミット生誕80年記念 ダニエル・シュミット監督がベルナール・ジロドー主演でポール・モーランの小説を映画化した作品『ヘカテ』。 ⒞ 1982/2004 T&G F …

ラブストーリー映画

『愛と哀しみの果て』ネタバレあらすじ感想と結末の解説評価。大人の恋愛映画おすすめをロバート・レッドフォードとメリル・ストリープ共演で描いた“永遠の愛”

雄大な大地に綴られる愛の叙事詩 アフリカの大地に魅せられ、現地でコーヒー園を経営する一人の女性の激動の半生を描く感動作『愛と哀しみの果て』。 『トッツィー』(1983)の名匠シドニー・ポラック監督がア …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学